スタスタ ピタッ
澪(律の家の前まで来た ボタンを押せ、私)
ピンポーン ガチャッ
律ママ「はいー」
澪「秋山です」
律ママ「あ、ちょっと待ってね 律ー!澪ちゃんが迎えに来たぞ!早くしろぃ」
ガチャッ
澪「はは」
澪(ううぅ)ドキドキ
ダッダッダッダ ガッチャン
律「いってきまーす!」ドタバタ
律ママ「いってらっしゃい」ヤレヤレ
律「お!みーお!おはよーっす!」ビシッ
澪「あ、ああ… おはよう」
律「週のはじめだってのに元気ないぞー!」
律「って昨日また体調崩してたんだっけか、ごめんごめん」
澪「もう大丈夫だからさ…はは」
律「そうかー?まだちょっと辛そうに見えるけど?」
澪「っ!」ドキッ
澪(やっ、やっぱり態度に出ちゃってるのか!?)
律「まあ病み上がりにゃきついかもしれないけど急ごうぜ?このままじゃ遅刻しちまう」ダッ
澪「遅くなった原因はお前だろ」ダッ
ダッダッ タッタッ ピタ
律「ほら、やっぱり元気ないじゃんかー」
澪「何言って… 私はこの通り元気だぞー」タッタッタ
律「やっぱりなんか変だよ澪 遅刻してもいいからゆっくり行こうぜ」
澪「だ、大丈夫だって 急ごう」タッ
律(おかしいよな、絶対 なんでそんな頑なに突っ張ってるんだよ澪)ダッダッ
澪(無理だ無理だ無理だ 私にはできないっ!)タッタッ
澪(律は私に比べて元気だな 彼氏と映画デート行ったんだもんな)
澪(そりゃ元気もみなぎるってもん…)
澪(ハッ!また私は… 何なんだよ私はぁっ!!!)
ダッダッダッダッ ガラガラッ
律「セーッフ!!」ズザー
澪「間に合った」ハアハア
唯「まるで私みたいだね~」
律「なにぃっ!唯隊員に負けただとっ!」
唯「へっへ~ん!残念だったな、りっちゃん隊員!私は新・スーパーパワフル唯に生まれ変わったのだよ!」エッヘン
律「なんじゃそりゃ」
和「唯が今日早かったのは私が借りてたCD返すついでに一緒に来たからでしょ」
唯「えへへ~ まあそうとも言う~」
律「そのまんまだろっ!」ビシッ
唯「とにかく!今日は私の勝ちだよりっちゃん!」
律「勝ちって何の勝ち負けだっつの」
紬「私も遅刻してみたくなったわ~」
律「おいおい紬さん」
スタスタ
和「あら澪、おはよう」
澪「お、おはよう…」
紬「澪ちゃん、おはよ~」
澪「おはよぅ…」
紬「!(あれ?また元気ない?)」
紬「どうしたのかしら…」オロ
カツカツカツカツ
紬「み…」
和「あら、そろそろ先生くる時間よ 澪、教室に戻りましょう」
澪「そうだな」
ガラガラッ
タッタッタッタ カラカラッ
律「もうそんな時間か 今日はギリギリだったからなー」
ガラガラッ
起立!礼!着席!
紬(タイミング逃しちゃった~)ションボリ
キーンコーンカーンコーン
律「飯だー!」
唯「ご飯だー!!」
紬「昼食だ~!!!」
律「お前直前まで寝てたのにお昼になった途端これかよー」
唯「ご飯は元気の源ですよ、りっちゃん!」フンス
紬「さあ、食べましょ~ そういえば澪ちゃんと和ちゃんは?」
律「さっきメールで、自分のクラスで食べるってさ」
紬「そう…」
紬(となると話せるのは放課後になっちゃうわね)
キーンコーンカーンコーン
唯「授業終わったー!」ガバッ
律「うおっ チャイム鳴った途端に起きたな」
唯「へへ~、まあね~」テレテレ
律「褒めてねーよっ!よく放課後も寝っぱなしの時あるのにな」
唯「いやあ、土日挟んだからはやくみんなで合わせたくて」
律「おお~、言ってくれますなあ~」ホレホレ
律(やっぱこうやってた方が今の私には合ってるんだろうな!)
紬「…(澪ちゃんどうしたのかしら)」
律「ん?どしたのムギ 行かないのか?」
紬「待って!行く行くー」タッ
タッタッタッタッタッタ ギイー ガッチャン
梓「あっ、先輩方」
梓「ちょ、唯先輩!話してください!」モゾモゾ
唯「えへへ~」スリスリ
律「唯は相変わらずだなー」
紬(澪ちゃんまだ来てない…)キョロキョロ
ガチャッ
紬「!」バッ
澪「お、おっす」
紬「おっす!」ビシッ
律「おーっす!!」
唯「澪ちゃんきた~」
梓「澪先輩も来て全員揃ったわけですし、早く練習始めましょうよ!」
唯「その前にお茶だよ~」
律「オイオイ、みんなで合わせたいとか言ってたのはどこの誰ですかー?」
唯「ティータイムは元気の源ですよ、りっちゃん!」フンス
律「ハイハイ でも私もお茶にはさんせーい!ムギよろしくー」
紬「がってん!」
梓「もう先輩~!」チラ
澪「…」
梓「澪先輩?」
澪「えっ、なっ何だ?」アセッ
梓「何時もみたいに練習が先だーって言わないんですか?」
澪「あっ、いや、たまにはいいんじゃないかな」
梓「そんな~、澪先輩まで~」ダバー
紬(澪ちゃんやっぱり様子がおかしいわ)
カチャカチャ
紬「は~い できました~」
コトッ コトッ コトッ コトッ コトッ
唯「ありがとうムギちゃん!」
律「サンキュー!」
梓「し、仕方無いですね!ありがとうございます!」パアッ
澪「ん、ありがとう」
律「なんだなんだ梓ー お前めちゃくちゃ嬉しそうじゃんかよー」
梓「そっそりゃっ ムギ先輩の淹れてくれたティーとお菓子はおいしいですから!」
唯「元気の源だよね~ 1日がんばろう!って思えるよ~」
律「もう今日もあとちょっとで終わりだけどな」
紬「えへへへ~ おいしいって言ってもらえてうれしいわ~」
澪(…)ボーッ
紬(澪ちゃん?)チラッ
唯「あ!そういえばさ~りっちゃんさ」
律「あー?何だー?」
唯「彼とはどうなったの~?」
律「ブーッ!」
澪「っ!!」ドキンッ
梓「そうですよ!気になります!!」グイグイッ
唯「あずにゃん、食いつきすぎだよ…」
唯「でさ、彼とはどうなったの~?」
梓「彼氏と何か進展はありましたか?」キラキラ
律「いやー、そのー はっ、早く練習始めようぜ!」アセッ
澪「…」プルプル
紬(彼氏の話が出てから澪ちゃんの様子が明らかにおかしいわ!)
紬(やっぱり澪ちゃん… まだ引きずって!?)
梓「あー!今律先輩誤魔化しましたね?何かあったんですか!?何かあったんですね!!」キラキラッ
唯「何?りっちゃんどうしたの~?もしかして私たちとは遠くかけ離れた所まで!?」
律「や、やめろってば」
澪「…」プルプルプル
紬(ゆ、唯ちゃん!梓ちゃん!)ハラハラ
唯「うわ~んあずにゃ~ん!りっちゃんが私たちを置いて何処か行っちゃうよお!!」ダキッ
梓「律先輩!どうなんですか!?」フンスッ
律「いい加減にしろって!」
バンッ!!! ※澪
唯「えっ?」ビクッ
梓「きゃっ!」ビクビクッ
律「ふぇっ!?」バッ
紬(澪ちゃん!!)アウアウ
澪「あ… あ…」
唯「み、澪ちゃん?」
梓「澪先輩どうかしたんですか?」
律「み、澪しゃん?」
紬「澪ちゃん(彼の話で爆発しちゃったの?)」オロオロ
澪「なっ、何だよさっきから彼氏彼氏って!」
律「だっ、だからそれは!(別れた、しかも私が振ったなんて言いづらいだろうが)」
澪「何がだよ!なんで隠したんだよ!そんなに私に知られるのが嫌なのかよ!!」グスッ
律「は!?何の事だよ?(何だ?澪は何を言ってるんだ)」
唯「あわわ」
梓「み、澪先輩?」
紬「み、澪ちゃん!!」
澪「私にはっ!野暮用だなんて言ってさ!私はふーん程度にしか思ってなかったのに!!」グスッ
澪(ダメだ!)
律「ななっ!」
澪「お前はそれなのにっ、彼氏と2人で映画館に映画観に行ってさ!」グジュッ
澪(止まれ、止まれ、止まれ、止まれ!!)
澪「また私に隠し事してっ!2人で仲良く楽しそうに!!」ググッ
澪(別に律が悪いわけじゃない デートなんて誰だって付き合ったらするしわざわざ人に自慢するもんでもない)
澪「私にそんなに知られたくなかったのかよ!秘密にしたいのかよ!!」グスウッ
澪(いってる事がおかしい!間違ってるのは私なんだよ!!)
律「み、澪 もしかしてあの途中で出て行ったのは── まさか──」
澪「そうだよっ!私もあの映画館に行ってたんだ!!そしたらお前が来たんだ、私に内緒で彼氏と!!」
律「ち、違うんだよ澪!あれは、お前に隠してたのは」
澪「知らないっ!馬鹿馬鹿!!馬鹿律!!!」ズダッ
バタンッ
ダッダッダッダッダッ
律「澪っ!!」
紬「澪ちゃんっ!!」ダッ
紬「…!」キッ
紬「りっちゃん、どういう事なの?説明して!」
唯「はわわ」
梓「 」ポカーン
紬「とにかく!すぐ澪ちゃんを追わなきゃいけないから手短に!」
律「あ、ああ 土曜日に澪から連絡があったんだよ、出掛けないかって」
唯「それ私も来たよ、両親が帰ってきたから行けなかったけど…」
梓「私も来ました!私も家族で予定があったので断りましたが…」
紬「私も来たわ…」
律「でさ、まさかこれから別れる予定の彼氏とデート行くなんて言えないだろ?」
律「だから野暮用って濁しちゃったんだよ それが結果的にこんな事になっちまうだなんて」
紬(つまり 私が澪ちゃんの誘いを断ってなければ!!一緒に行けてたならまだ違ったかもしれないのに!!)バンッ
唯「ム、ムギちゃんまで」ドキドキ
律「っ!ホントに悪かったと思ってるよ 私があんな事言わず素直に打ち明けてたら」
律「そうだよ、彼氏と別れるなんて重大な話、まず初めに澪に相談するべきだったんだ!」
梓「律先輩…」
紬「そうね、でも怒りを覚えてるのはりっちゃんにじゃないの 私自身よ」
紬「私が断らなければ、一緒に行けてたら!!」
唯「ムギちゃんのせいじゃないよ…」
紬「澪ちゃんを追うわ!」ダッ
ダッダッ ピタ クル
紬「? りっちゃんもはやくっ!」
律「ムギ」
紬「何、りっちゃん!?」
律「私はさ、こんなだし、ガサツだし、大雑把で、適当でさ」
律「澪の事、何も気づいてやれなかった」
律「数日前からおかしいなとは気がついてたんだけどな…」
律「それが全部私のせいだったんだ ホント親友失格だよな」ハハハ
紬「りっちゃん…」
律「ムギ、今の私が行ってもダメだ 私なんかに追いかける資格なんて無い」ギリッ
律「だからさ…」
律「澪を頼む!!」
紬「っ!!がってん!!」スタッ
バタンッ
タッタッタッタッタッ
唯「わ、私たちも行こう、あずにゃん!」タッ
梓「は、はい!」タタッ
バタンッ
タッタッタッタッタッ
律「…」
タッタッタッタッ
唯「はあ、はあ ムギちゃん速いよ」ゼーハー
梓「みっ、見失っちゃいましたね」ハアッハアッ
唯「澪ちゃんっ 一体何処に行ったのぉ?」
梓「とにかく校内を手当たりしだい探してみましょう!」
唯「う、うん!」
タッタッタッタッ
スタタタタタッ
紬(私は澪ちゃんの力になるって決めた)
紬(それなのにこんな事になってしまったわ!)
紬(これは私の責任でもある!!)
紬(澪ちゃん、何処へ行ったの!?)
スタタタタタッ
ガラガラッ
紬「澪ちゃんの教室、にはいない」
ガラッ ピシャッ
タッタッタ
ガラガラッ
紬「私たちの教室、にもいない」
ガラッ ピシャッ
紬(となるとやっぱり…)タタタッ
スタタタタタッ
紬(あと残されてるのは!そう、私たちの思い出の1ページ!)
紬(講堂よっ!!)グッ
バターン!
紬(はあ、はあ)
コッ コッ コッ コッ
紬「澪ちゃん」
コッ コッ コッ コッ
紬「私よ 今回の件ね、りっちゃんに悪気があったわけじゃないの」
コッ コッ コッ コッ
紬「ねえ澪ちゃん、顔を上げて?」
コッ
澪「う゛っ うぐっ む、むぎいいぃぃ!」バッ
ダキッ
最終更新:2010年07月29日 23:45