憂「お姉ちゃんまだ働く気は無いの?」
唯「うーん・・・めんどくさーい」
憂「高校中退してから三年間何もしてないでしょ」
唯「えへへ・・一応仕事探してはいるんだけどねぇ」
憂「そういえば駅前に新しく建ったレストラン新人募集してたよ」
唯「レストランねぇお料理した事ないもん」
憂「新人募集だからきっと1から優しく教えてくれるよ」
唯「そーかなぁ一応電話してみる」
数日後
唯「うーいー!採用決まったよぉ!」
憂「さすがお姉ちゃん!今日はご馳走作るねっ!」
唯「アイスもよろしくぅ」
憂「準備してるよぉ、ところで仕事はいつから?」
唯「明日だって!お店には8時まで入らなきゃダメなんだってさ」
憂「結構早いんだね、終わり何時なの?」
唯「夜の9時がラストオーダーだってさ」
憂「へぇ・・・お姉ちゃん続くかなぁ?」
レストランアーバン
唯「よ、よ、よろしくおねがいいたしやす」
澪「私は和食の
秋山澪だ!お前は私の下に付いてもらうからな!よろしく」
さわ子「じゃあ、唯ちゃんはさっき聞いた通り秋山さんに付いて詳しく仕事を覚えていってね」
唯「はっはい!秋山さん!よろしくお願いします!」
澪「お前どの位経験あんの?」
唯「えっとぉ、カップラーメンを少々」
澪「経験ゼロか、包丁は使える?」
唯「妹が持たせてくれません」
澪「包丁もダメかぁ、勿論包丁持ってきてないだろうし」
唯「えっ?包丁ってお店に置いてあるんじゃないんですか?」
澪「チェーン店じゃないんだから普通は自分の包丁を持ち込みもんだ」
澪「まぁ私の小出刃貸してやるよ」
キラリンッ
唯「わっ!ありがとうございます!凄く綺麗で使い易そうですね」
澪「小出刃でも色々と種類があるけどそれは使い易さ第一の報告だ」
唯「へぇ、なるほどぉ、勉強になります」
澪「とりあえず見とれてないでランチに使う葱でも切ってくれ」
澪「今日の和食ランチは蕎麦だ!温天蕎麦、冷天蕎麦各二十で山」
唯「やま?」
澪「山って言うのは終わりって意味だ元々寿司職職人さんの間で使われてた言葉だけどな」
澪「関西じゃ最後の一つを山って言ってる所もある」
唯「へぇ、いきなり業界用語覚えちゃった」
ニヘヘ
澪「まず、葱切ってみろ!私もやるから良く見てろよ」
唯「おぉっ!見習いとはまさにこの事ですな」
澪「ふざけて仕事したいなら帰れよ」
唯「スイマセン」
トントントントン
唯『なるほど、あーやって切ればいーんだな』
ザクッグチャッ ザクッグチャッ
唯『あ、あれー?』
唯『秋山さんのと全然ちがう』
澪「まあ、最初は誰でもブチ当たる壁だな」
澪「いいか、切るってのは包丁をしっかり動かす事だ」
澪「お前のはただ押し潰してるだけだ」
澪「もう一度私の包丁の動きを良く見てろ」
トントントントン
唯「なるほど力は入れないで包丁を動かすんですね」
トン…トン…トン…トン…
澪「まあ、ゆっくりで良いからそんな感じだ」
澪「後は一人で大丈夫だな?」
唯「はいっ!頑張ります」
11:30
律「レストランアーバンのランチオープンでーす」
律「よろしくー!」
紬梓澪「よろしくー!」
唯「えっ?えっ?よ、よろしく…」
律「ほーら!新人!声が小さいっ!」
律「よろしくー!」
唯「よ、よるしくー!」
律「しゃっー!今日も仕事は気合いだぜー!」
律「おっ!さっそく四名様ご来店でーす」
律「オーダー冷天ツー温天ワン季節のパスタワン!」
紬梓澪「りょーかーい」
唯「りょ、りょーかーい」
律「ご新規三名様でーす」
紬梓澪「りょーかーい」
唯「りょーかーい」
12:30厨房
紬「梓ちゃんピザお願い」
梓「ハイ!紬さんハンバーグ上がりました」
紬「確かこっちのパスタと合わせね?」
梓「ハイそーです」
紬「冷製スープは?」
梓「デシャップです」
ワイワイガヤガヤ
ワキアイアイ
唯「あ・・あの秋山さんスイマセン」
唯「冷天のダシはこれでしたっけ?」
澪「お前さっきの冷天まだ仕上げてねーのか?」
澪「こっちの温天上がってんだぞ!」
唯「ひぇぇぇ…スイマセン」
澪「メニュー二種類をなんで覚える事できねーんだよっ!」
唯「スイマセン」
澪「もう、いい私一人で回すわっ!そっち行ってろ邪魔になるな!」
唯「ひぇぇぇ」
オロオロ
ガッチャーン!!
唯「スイマセン!」
澪「あー、邪魔すんなって言ったろ!作り直しだ」
紬梓「…」
律「さっきの冷天ツーキャンセルです」
律「お客様怒って帰りました」ギロリッ
澪ギロリ
唯「ひぇぇぇ」
オロオロ
澪「お前も帰るか?」
唯「いっいえ頑張ります…」
澪「・・・ハァー」
14:00
律「ランチ終了でーす!おつかれー!」
紬澪梓「おつかれー!」
唯「お、おつかれさまです…」
澪「おい!ランチの片付けするぞ」
唯「ハ、ハイ」
ガチャガチャキュッキュッ
紬梓澪「キャッキャウフフ」
唯『ハァ私大丈夫かなぁ?始めて仕事したけど、こんなに辛いんだ』
唯『社会人は皆この辛さを堪えてるのかぁ皆すごいなぁ』
唯『ランチやっただけでこんなに疲れた』
15:00
さわ子「平沢さーん」
唯「あっ!ハイ!」
さわ子「賄い終わったらちょっと事務所に来てくれるかしら?」
唯「ハイ!わかりました」
唯『なんだろ…まさか初日で解雇とか…』
澪「夜の仕込み始めるぞっ」
唯「ハイ」
澪「今日はコース料理五組都合26名様入ってるからな」
唯「ハイ」
唯『コース料理?なんか面倒くさそっ』
澪「なんだその顔は?嫌なら帰っていーんだぞ」
唯「えっ!そんな事ありません!頑張ります」
16:00
梓「そろそろお昼にしませんかー?」
梓「用意出来ましたよー」
澪「おぅ!そーだなそーするか!オイそれもういいよ後は追っ掛けながら段取りしてくから」
唯「ハイ」
紬梓澪「キャッキャッウフフ」
唯『私あの輪の中に入れるのかな?』
唯「ご馳走様です!美味しかったです!」
唯「私この後料理長に呼ばれてるので少し失礼します」
紬澪梓「キャッキャウフフ」
唯『ハァ…』
事務所
コンコン
ハーイ
唯「失礼します」
さわ子「おつかれー!そこ座って」
唯「ハイ失礼します」
さわ子「どう?やってけそう?皆と仲良く出来そう?」
唯「ハイ大丈夫です!皆も優しくて良い人ばかりで楽しいです」
さわ子「そう良かったは秋山さんとのコンビはどう?」
唯「秋山さんは特に良くして貰ってます」
唯「私が包丁持ってないって言ったらすぐに使い易い包丁を貸してくれました」
さわ子「そう良かったわ、あの子ちょっと厳しい所あるから難しいのよ」
さわ子「前にコンビ組んでた子は一日持たなかったわ」
さわ子「仕事は物凄く出来るから相手にも同じレベル求めちゃうのよ」
唯「そ、そーなんですかぁ」
さわ子「もし何かあったらすぐに教えて」
さわ子「愚痴でも何でも聞くからね」
さわ子「仕事中に突然消える事だけはしないでね」
唯「ハ、ハイィ」
さわ子「じゃあ、夜もよろしく」
唯「ハイっ!頑張りますっ!」
さわ子「フフッ頼もしいわ」
唯「失礼しました」
17:00 厨房
澪「よーし始めるぞー」
唯「ハイ」
唯「あれっ?」
和「あぁ、和食の新しい子ね」
和「私はディナーのデシャップの
真鍋和よろしくね」ニコッ
唯「あ、あ、よろしくお願いします」
ニヘヘ
唯『優しそうな人だな!料理長と真鍋さんが居たら頑張れるかも』
和「ディナー予約確認です」
和「18:00六千コース佐藤様五名」
和「18:00七千コース鈴木様五名」
和「18:00七千コース柳田様六名」
和「18:30六千コース金田様五名」
和「19:00五千コース菅原様五名」
和「以上です!皆さんよろしく!」
紬梓澪唯「よろしくー!」
唯『うへへ…皆と一緒に言えた』
唯『なんか気持ち良いな!よし頑張るぞ』
澪「なにボケッとしてんだ!仕込みまだ途中だろ」
唯「ハイ!」
唯『そーだそーだ御飯食べる前にやってた事途中だった』
唯『えーっと五千円のコース料理の前菜は終わったから六千円の前菜か』
唯『えっとぉ…これが…こーでぇ』
唯『この煮込んだのがこっちだったよなぁ?これでいーんだけ?』
唯『聞いたらまた怒られそうだからこれで良いって事にしちゃえ』
18:00
和「予約のお客様ご来店です」
紬梓澪唯「りょーかーい」
唯『えっ?もうそんな時間?大丈夫かなぁ?』
唯『言われた事は全部やったよなぁ?』
澪「だからボケッとすんな!さっきからデシャップから前菜の催促きてるだろ!」
唯「ハ、ハイ!すいません!」
澪「次刺身!この皿人数分用意して」
唯「ハイ」
澪「そしたら妻と大葉をこんな感じでやっとけ」
唯「ハイ」
最終更新:2010年07月30日 23:22