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唯「…zzz」

唯「…んー…」

唯「……」パチ

唯「…もう10時…」

唯「…そうだ今日から…」

唯「…夏休み」

唯「今日は一日ごろごろしてよう」

唯「とりあえず部屋着に着替えて…」

唯「そういえばいちばん下の引き出し最近開けてないなあ」

唯「久しぶりにここのを着よう」

唯「…よいしょ」ガラ

唯「わっ!」ピカー

唯「な、なに今の。光った…?」

唯「気のせいかな…?」

唯「…まあいいや」

唯「じゃあこの『スキップ』Tシャツを着よう」ゴソ



―夕方。

憂「お姉ちゃん暇なら宿題でもしたら?」

唯「まだいいよ~あとあと」ゴロゴロ

憂「間に合わなくなってもしらないよ」

唯「大丈夫だいじょうぶ」ゴロゴロ

唯「それより憂。晩ごはんは~?」ゴロゴロ

憂「もう食べる?じゃあ準備するね」スク

唯「おねがーい」ゴロゴロ

唯「…ふー幸せだなあ」ゴロゴロ

憂「…あ!」

唯「…ん?どしたの憂~」ノソノソ

憂「あ…お姉ちゃん」

憂「お醤油切れちゃったからちょっと買いに行ってくるね」

憂「少し待ってて」

唯「あ!わたしが行くよ!」

憂「え?でも…」

唯「いいからいいから。任せなさい!」ドン

憂「わかった。じゃあおねがいね、お醤油だよ」

唯「ほいほ~い。じゃ行ってきまーす」

憂「部屋着で行くのー?」

唯「うん、すぐだから平気へーき!じゃ」ランラン


唯「ほほーなんだか気分がいいなー」ランラン

唯「スキップもしたくなっちゃうよ」スキップスキップ

唯「…」スキップスキップ

唯「…?」スキップスキップ

唯「…なんだろう」スキップスキップ

唯「なんかスキップが…すごい」スキップスキップ

唯「わたしってこんなにきれいにスキップできたっけ?」スキップスキップ

唯「!あ、おばあちゃん!」スキップスキップ

婆「あら唯ちゃん」

婆「卓越した絶妙なスキップねえ」

唯「ほんと!?ありがとー!」スキップスキップ

唯「じゃあねー!」スキップスキップ

唯「やっぱりだ」スキップスキップ

唯「わたしはスキップの達人だったんだ!」スキップスキップ

唯「やったー!」スキップスキップ

唯「…あ!買い物しなきゃ」スキップスキップ


唯「うう…終始足がうずいて買い物に集中できなかったよお」ゲンナリ

唯「まあいいや。はやく帰ろう」

唯「よし!」スキップスキップ


唯「…ふぅ…」スキップスキップ

唯「…つかれた」スキップスキップ

唯「もうやめたいよお!」スキップスキップ

唯「でも…このきれいなスキップの心地よさ」スキップスキップ

唯「続けてもいたい…」スキップスキップ

唯「でもつかれたー!」スキップスキップ

唯「どうすればいいのー」スキップスキップ

唯「ジレンマだよお」スキップスキップ


ガチャ

唯「ただいま…」ゼーゼー

憂「おかえりー…わ!お姉ちゃんどうしたの?」

唯「な、なんでも…ない」ゼーゼー

唯「それより…これ」スッ

憂「あ、ありが…ってこれコーラじゃん!」

唯「へ?違うの?」ハアハア

憂「お醤油って言ったでしょー!」

憂「今日はお醤油つかえないよ。我慢してね」

唯「ええ~そんな~」


唯「なにさもう」

唯「スキップしたいなんて思わなければ間違えなかったのに!」プンスカ

唯「…暑い。着替えよう」ヌギ

唯「…っぷは」ベシャ

唯「…あれ?」

唯「…スキップしたくなくなったな…」

唯「…気のせいだったのかな」

唯「まあいいや。パジャマに着替えよう」



―翌日。

唯「…ふい~よく寝た」ゴロン

唯「今日もいちばん下の引き出しから選ぼう」ガサゴソ

唯「えーと…この『わびさび』Tシャツでいいや」


唯「うい~おはよー」

憂「やっと起きたんだ。もうお昼だよお姉ちゃん」

唯「わはは~優雅な生活だあ」

憂「うーん…慣れたらダメだよ」

唯「大丈夫だよー」

唯「とりあえずテレビでも見よう」ヨッコラセ

唯「…」ワイワイ

唯「平凡な…平日の昼間」

憂「?」

唯「窓から溢れる太陽の温もり」

唯「質素で素朴な食事と佇まい」

憂「お姉ちゃん?」

唯「わたしたちは時々それを見失いがちになるけれど」

憂「…」

唯「しみじみと余暇を過ごす時にこそ、ほんとうの幸せが見いだせるのかもしれないねえ」シミジミ

憂「…」

唯「…」

憂「…それなあに?」

唯「…趣だよ」

憂「…へえ…」

唯「…ん?」

唯「なにいまの」

唯「いまのわたし?」

憂「お姉ちゃんが言ってたんでしょ」

憂「なんかTシャツとかぶってるね」

唯「!」

唯「…わびさび…」

唯「そういえば昨日は…スキップ」

唯「まさか…」

唯「でも、そんなことないよね…?」

―夜。

唯「なんだか今日はありきたりなものが妙にすばらしいと感じるなあ」

唯「まあいいや、着替えよう」ヌギ

唯「…ん?」

唯「なんだろこの虚しさは」

唯「もっと有意義に過ごせばよかった…」ショボン


―翌日。

唯(今日も…いちばん下の引き出し)

唯(昨日考えたのは…まさかそんなわけないよね)

唯「じゃあこの『まねきん』Tシャツ」ゴソ

唯「…!」


唯「ういーういー」

憂「?どうかした?」

憂「…ん?」

唯「ういー」

憂「お姉ちゃん…なんだか動きがカクカクしてない?」

唯「やっぱり?違和感あったんだー」カクカク

憂「じゃあやめなよ」

唯「違うの。勝手にカクカクになっちゃうの」カクカク

憂「…へー」

唯「あ!憂信じてないでしょ!」カク

憂「そんなことないよ。あ…またTシャツとかぶってる」

唯「!」

唯(『まねきん』…)

唯(やっぱり…そうなんだ)

唯(Tシャツの文字がわたしに影響を及ぼしてるんだ!)

唯「…」

唯「でも…地味だなあ」

唯(そうだ!また『スキップ』Tシャツを着てみよう)


唯「えーと…あった」カクカク

唯「…んしょ」ヌギ

唯「やっぱりカクカクしなくなった…」

唯「…とりあえず着てみよう」ゴソ

唯「…」

唯「なんともない…」

唯「なんでだろ…一回だけなのかな?」

唯「じゃあ他のTシャツは…」


唯「うーんだめだなあ」

唯「あとは一番下の引き出しだけ」

唯「…」ゴソゴソ

唯「『トレンド』Tシャツ…」

唯「着てみよう」ゴソ

唯「!」

唯「わ!なんだか今すごくおしゃれしたい気分だよ!」

唯「なにか…なにかないかな」ガサガサ

唯「!お気に入りのニワトリTシャツ!これ着よう!」セッセ

唯「これ脱がなきゃ」ヌギ

唯「…」

唯(脱いだらもとにもどるの忘れてた…)

唯(さっきまでの勢いが嘘のようだよ…)

唯(…意味ないなあ)


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最終更新:2010年08月06日 00:47