梓「でも、唯先輩の机で角オナするのも飽きてきたな」

梓「たまには澪先輩の机でやってみようかな?」

梓「ううん、私は唯先輩一筋だから、そんなことしたらいけないよね」

梓「やっぱり、唯先輩の机でしよ」

梓「えっと、一時間前が右上で、二時間前が左上、三時間前が左下、四時間前は右下だから、右下にしようかな?」

梓「それとも机を逆さまにして、ポールに見立ててオナニーしようかな?」

梓「うーん、迷う」

憂「何が迷うのかな?」

梓「あ、憂、あれ、もう憂の時間だっけ?」

憂「ちがうよ梓ちゃん、ほら、周り見て?」

梓「あ、真っ暗だ……今何時?」

憂「夜の十一時だよ、梓ちゃん何時までも帰ってこないから心配で友人間で連絡網が回ってきたの」

梓「あ、ごめん……唯先輩が何時までも離してくれないから」

憂「もう、エアお姉ちゃんでオナニーしちゃだめだよ」

梓「え、唯先輩を使ってオナ二ーをしていいの?」

憂「そうじゃなくて、限度を考えてってこと、このままじゃ梓ちゃんダメになっちゃうよ」

梓「ダメになってもいいよ」

憂「めっ!」

梓「憂……」

憂「梓ちゃんに何かがあったらいっぱい心配する人がいるよ、私もその一人」

梓「憂、そうだね、唯先輩を悲しませるようなことしちゃだめだよね」

憂「自分の机でオナニーされてることに気づかれたら、悲しむと思うな」

梓「ねえ、憂、憂は私を凹ませたいの?」

梓「唯先輩が唯一神なのがいけないんだよ」

憂「まあ、この世のすべての頂点に立ってるお姉ちゃんが美しすぎる唯なのは仕方ないけどさ」

梓「そうだね、美しすぎる唯だね。他の美しすぎるなんてうんこみたいなもんだよ」

憂「めっ、うんことか汚い言葉を使っちゃだめだよ」

梓「うん、校内では自重しておくね」

憂「さ、今日は私の家に来ていることにしてあるから、一緒に帰ろう?」

梓「ねえ、憂」

憂「なあに?」

梓「どうして唯先輩は神なの?」

憂「神を崇めるのも無知蒙昧な民衆の権利だよ」

梓「そっか、唯先輩みたいな神がいないと、この暗い世の中生きていけないよね」

憂「そうだよ、全人類はお姉ちゃんの導きで生きてるんだよ」


……

梓「ただいま」

梓母「おかえり梓ちゃん」

梓「ごめんね、連絡しなくて、話に夢中になっちゃってさ」

梓母「いいのよ、ちゃんと帰ってきてくれればご飯食べる?」

梓「うん、貰うね」



おふろ!

梓「カビが生えてる」

梓「ねえ、カビさん、この世の神って誰なのか知ってる?」

梓「それは唯先輩、分かるかな?」

梓「いくらカビみたいに無知な生物でも、唯先輩みたいな神の尊さは理解できるよね?」

梓「うんうん、分かってるよ。今日も唯先輩で二十回オナニーしたし」

梓「勉強してても、お昼ごはん食べてても、オナニーしたくなるんだよね」

梓「はぁー、練習なんてしないで本当はオナニーしたいんだけどな」

梓「でも、練習するです! って言わないと私の存在価値なくなっちゃうし」

梓「ねえ、唯先輩、こんなゴキブリみたいな私でも、唯先輩の近くにいていいんでしょうか」


梓「さて、お部屋にいてもすること無いな……」

梓「オナニーして寝るかな?」

梓「あ、憂からメールだ」

梓「なになに……今日の神」

梓「わ、唯先輩の顔幸せそうだな……」

梓「この神の顔を眺めてると、私みたいなクズでも生きていていいような気がするな」

梓「今日は唯先輩にクニしてもらおうっと」



よくじつ!

梓「あ、純おはよう」

純「うん、おはよう、昨日はどうしたの? 練習に夢中になった?」

梓「私、一度集中すると周りが見えなくなっちゃうからさ」

純「あはは、根気づよく練習するのはいいけど、身体壊さないようにね」

梓「うん、分かってる、私に何かあったら悲しむ人がいるもんね」

純「(私の想いに気づかれてる!? よもや……ねえ?)」


梓「あ、憂、昨日はありがとうね」

憂「どういたしまして」

純「え? 梓は昨日憂と一緒にいたの?」

憂「ううん、練習の時差し入れをしたんだよ」

純「差し入れ……」

梓「純? 顔が赤いよ」

純「い、いやなんでもない!」

梓「変なことでも考えたんじゃないのぉ?」

純「ぜんぜん! そんな事ないって、もしかして憂と梓がデキてるのかなーって」

憂「え?」

梓「そう見えたりするの?」

純「うん、女子高じゃん? そういう噂は結構あるよ」

憂「そうなんだ」

梓「でも、憂とは友達……ううん、親友かな?」

憂「そうだね(お姉ちゃんを通じて)深い絆で結ばれてるね」

純「そういうこと言ってるから誤解されるんだよ?」

梓「勘違いならべつにいいよ」

憂「うん」

純「ふうん?」

純「でも、放課後ティータイムの中でもカプ妄想は色々あるよー」

梓「カプ妄想?」

憂「有名だからねー」

純「そうさー、特に人気は律×澪」

梓「律先輩と澪先輩がカップル?」

憂「律さんと澪さんか……」

純「え? 本当にカップルだったりするの?」

梓「仲はいいと思うけどね?」

憂「うん、幼なじみだもんね」

純「そかー、ファンクラブの子が妄想しているような内容じゃないのかー」

梓「あはは、妄想は現実じゃないから面白いんだよ」

憂「まったくだねー」

純「ムギ先輩は特に人気だよ」

憂「え?」

梓「あ、ちょっと驚きかも」

純「唯×紬、澪×紬、律×紬、梓×紬、いろんなパターンがあって、私もその一部に感動を……」

梓「はは、それ結構自分で書いてたりしてー」

憂「カプ妄想といえば、ムギ先輩だもんね」

純「まっさかー、自分で自分が主人公の小説なんて書かないでしょー」

梓「理想郷やなろうだと結構多いよ」

純「へ?」

梓「ううん、こっちの話」


憂「あ、チャイム鳴ったね」

梓「授業中寝てばっかじゃテストの時困るよ、純」

純「だって、世界史の北村眠くなるんだもん」

憂「純ちゃんがそういうこと言うから先生、時々爪で黒板ひっかくんだよ」

梓「あれは本当に勘弁して欲しいよね……」

純「だいたい、私の人生に古代ローマとかさ! 東インド会社とか何の関係があるの!」

梓「関係がないと思って実は関係があるのが面白いじゃん?」

純「えー、東インド会社って言わないと落ちる面接とかだったらいいけどさー」

憂「そんなのないって……」



じゅぎょう!

梓「(つまんないなあ)」

梓「(唯先輩は何をしてるかな?)」

梓「(眠ってるかな? それとも必死に起きようとしてるかな?)」

梓「(さらさらの髪を机に乗せながら、身体をおこそうとしてるかな?)」

梓「(机にぷるんと震える胸をつけながら、ちょっと気持ちよくなってきたりして)」

梓「(唯先輩オナニーしてないかな……)」

梓「(もしそうだったら、すぐにでもオナニーするのに)」



やすみじかん!

純「拷問だ……この授業は拷問だ……」

梓「大げさじゃない?」

純「私はさー、この街で平穏に育ってきたんだよー、冬には雪の降るこの街でさー、ちょーっとうとうとしてたら連れてこられたんだよ、このつまらない教室にさー」

憂「純ちゃん……」

純「いったいどんな罰を犯して、こんな教室で授業受けてるの? トラを見るまで授業受けなきゃいけないの?」

梓「じゃあ、私がシカでしたっていうね」

憂「私はコウモリの群れを見たら、なんで逆さなんだよーっていうよ」

純「はぁー、拷問だ……」



おひる!

純「どーもー、あずにゃん、知ってるでしょー鈴木純でございます、おい、メシ食わねえか?」

梓「あはは、純の顔菊練りしてやろうか」

純「顔!?」

憂「おみまいするぞー!」

純「本当、憂のご飯は美味しそうだよね、朝何時に起きてるの?」

憂「ブンブンでは動物が一匹も出ない時間だよ」

梓「え? 寝るのは十二時くらいだよね?」

憂「うん、虎が出る時間帯だね」

純「はぁー、感服するよー、本当、何が楽しくてそんな生活できるの?」

憂「なにって……」

梓「ねえ?」

憂「純ちゃんもお姉ちゃんのお世話してみる?」

梓「私も料理が出来ればねえ、でも、ギターではフォローできるし」

純「二人は唯先輩のこと本当に好きだよね、なんで?」

憂「え?」

梓「え?」

純「いや、えって何よ」

憂「お姉ちゃんを好きになるのに理由がいるの?」

梓「あはは、おかしい純ってば、唯先輩を好きになるのに理由なんていらないって」

純「え?」

純「いやいやいや、好みは人それぞれでしょ」

梓「……? ごめん、言ってる意味がよくわからないだけど」

憂「純ちゃん、好き嫌いっていうのは不出来な部分があるから起こりうるんだよ?」

純「うん、なんか聞くのが怖いけど続けて」

梓「え? まさか純は唯先輩に不出来な部分があるとか言わないよね?」

憂「あははははは……」

純「(こえー、二人笑ってるのにこえー)」

憂「本当、純ちゃんは冗談が好きだよね」

梓「まったくもー、唯先輩に不出来な部分があるとか言っちゃう子なんて、この世にいるわけ無いのに」

純「はは……そ、そうだね」

憂「純ちゃん、このハンバーグ食べる?」

梓「あ、純にはこのキノコ上げる」

純「梓のはいらない」

梓「えー、おいしいのにぃー」



ほうかご!

梓「こんにちはです!」

澪「こんにちは梓」

紬「こんにちはー」

梓「あれ、唯先輩がいませんね」

澪「ああ、律と唯なら生徒指導室に呼び出されてるよ」

梓「は? 律先輩はともかく、唯先輩まで?」

澪「ああ、唯はともかく、律が呼び出されたのは進路調査に不備があってな」

梓「ああ、律先輩なら仕方ないですよね」

澪「ああ、唯なら仕方ないよな」

澪「前々から言おうと思ってたんだが」

梓「なんですか?」

澪「お前、律が苦手なのか?」

梓「……? いいえ、そんな事はないですけど」

澪「じゃあなんで、律が呼び出されるのが当然みたいな言い方をするんだ?」

梓「え? 呼び出される理由がないと胸を張って言えるほど立派な生活送ってらっしゃるんですか?」

澪「そんな事はないが、唯に比べれば……」

梓「え? 唯先輩に何か至らない点があるんですか? それって、周りがおかしいんじゃないですかね」

澪「ああ、その意見には同意だな、律には至らない点はない、周りがおかしいんだ」

紬「えと、お茶……飲む?」


梓「だいたい、律先輩を嫌いになるわけないじゃないですか」

澪「そうだな、律はとにかく素晴らしいからな」

梓「あんまりに不出来な点が多いと、嫌うこと自体がなんていうか同情を誘うといいますか」

澪「梓、それは唯の事が好きな梓にだけは言われたくない」

梓「へ? 唯先輩に何か不満でも? 澪先輩って宇宙人かなんかなんですか?」

澪「律に至らない点があるとか、梓は未来人なのか?」

梓「はは、澪先輩って変わってるなって思ったんですけど、まさか宇宙人だったなんて、本名はサンジュですか?」

澪「ふふ、未来ではゴキブリが人語を発するんだな、やれやれ、身の程ってものを教えてやらなきゃいけないらしいな」

紬「……マドレーヌ食べる?」


唯「食べるよー!」

律「食べるぜー!」

澪「律!」

梓「唯先輩!」

紬「ふふ、じゃあ、お茶入れるわね」

律「やれやれ参ったよー、紙切れ一枚に私の人生決められて溜まるかって言ったら鉄人に怒られてさー」

唯「鉄人……頼むよ……って感じだったねー」

梓「あの筋肉達磨に何かされたんですか?」

澪「まったく、脳みそ筋肉の奴はこれだから困るな」

律「なぁー、みんなで私の将来考えてくれよー」

唯「わたしもおねがいします!」

澪「律の将来……? お嫁さんとかどうだ?」

律「嫁かー、無難だけど相手がいないなー」

澪「誰か気になってる奴とかいないのか?」

律「あんまり恋愛ごとにゃ興味ないからなあ」

梓「唯先輩は将来のこと決めなくても、憂や私がいるじゃないですか」

唯「そぉだよねぇ……ずっとみんなで演奏してたいのに……」

梓「唯先輩の面倒を一生見ますよ」

唯「あずにゃん後輩なのにー、すこしは敬ってよー」

梓「これでも敬ってるつもりなんですけど……」

紬「シフォンケーキ食べる?」


澪「適当なこと書けばいいじゃないか、大学生とか」

律「私の学力で大学行けるかなー」

梓「そうですね」

律「……」

澪「ふふ、梓は冗談が好きだよなー」

唯「私も大学行けるかなー」

澪「まったくだな」

梓「あはは、澪先輩ってば嘘を愛しすぎてません?」

澪「はは」

梓「あはは」

紬「ココアも付いてくるけど、どうする?」


梓「さて、練習しましょう唯先輩!」

唯「ですなー、ギー太にも相談したいしー」

梓「私のムッたんにも相談してください!」

唯「あはは、あずにゃんってばギターが喋るわけ無いじゃんー」

梓「ふふ、そうですよね! ごめんなさい唯先輩」

澪「てと、練習するか」

律「だな」

紬「(私の友達はキーボードで次の作品は書こうかしら……)」


梓「次のライブでは歌い手はもちろん唯先輩ですよね」

澪「いや、私が歌うよ」

梓「ふふ、やめて下さいそのキムチまみれの音声で耳が腐ります」

澪「何言ってるんだ梓、どこぞの機械音声みたいな唯の声の方が不快指数激高じゃないか」

唯「二人は何話してるんだろーね」

律「仲いいよなー」

紬「……そうね」

梓「確かにアレは歌声と言うには烏滸がましいですが、唯先輩と比べるのはやめてください」

澪「何言ってるんだ梓、歌の上手さと人気では私の方が上なんだぞ」

梓「黒の勝負下着晒した痴女が偉そうに……」

澪「前の新入生歓迎のライブでパンツ履いてなかったのどこの誰だよ」

梓「ふふふ」

澪「ははっ」


2
最終更新:2010年08月10日 22:00