ある日の朝、学校前

唯「あ、みんな~」

律「おー、ウイじゃねーか!遅刻じゃないだとぉ!」

唯「?」

澪「なにいってんだ律、こいつは憂じゃなくてウイだろー」

紬「…?二人ともどうしたの?ウイちゃんはウイちゃん…」

唯「わ、私はウイ…あれ?」

澪「みんなウイって言えない!?」

律「なんで言えねーんだおー!」

紬「!(かわいい…///)」

唯「どうしちゃったんだろ~…」

澪「…!わかったぞ!"ワイ"が発音できないんだ!」

律「どういうことだ、澪?」

澪「あかさたな、はい律!」

律「?はまあらわ…え!?」

澪「こういうことだお…」

紬「なるほど!これは可愛くていいわ!」

唯「私は憂と区別つかなくなちゃうから不便だお~…」

どうやらクラスのみんなもYが発音できないらしい
ちょっとした差なので気付かないことも多いが、授業は面白かったな

澪「…結構問題ないもんだな」

律「意識しなかったらなんとなく発音悪いぐらいにしか思えないしな~」

唯「私は災難だったお~…誰も私の名前しっかり言ってくれないんだもん!」

紬「ウイちゃん、気を落とさないで~♪」

澪「…お前は嬉しそうだな…」

紬「だって面白いじゃない♪」

梓「あ、ウイ先輩」

唯「あずナン~!」

唯「!!あずナンって言えない!!」

梓「いい機会ですし、これからはあずさで行ってくださいね!ウイ先輩!」ニコッ

唯「そんなぁ~」


澪「そういえば…歌詞とかどうしおう…」

律「あー、歌詞の"ワイ"が抜けるとマヌケな感じになっちゃうな~」

唯「ぷあぷあハート…」

律「…プッ…ははは!それじゃあ心が貧しいみたいじゃねーか!」

紬「うふふ♪」

唯「そーいえば"ちゃ"とか"じゃ"とかは言えるのに他のは言えないのはなんでだろ?」

澪「…うーん、多分"ちゃ"は"cha"で"じゃ"は"ja"で代オウできるからじゃないか」

唯「澪ちゃん頭いい~」

キーンコーンカーンコーン
帰りのホームルームの時間だ

さわ子「はーい、みんな席に着いてー」

さわ子「みんな知っての通りコウは世界中で言葉がおかしくなる現象が起きてます!
    コウはすみあかに帰宅してください!」

世界中で混乱してるのか、他の国はどうなってるのかな?
ちょっと気になるな~

さわ子「じゃ、みんなさおなら」

「さおなら~」



放課後

律「さわちゃんはああ言ってたけど音楽室いこーぜ!」

澪「おいおい…はあく帰らないと怒られるぞ」

紬「梓ちゃん来てるかな~?」

唯「あずなんが来てたら可哀想だしいってみおーおー」

律「…プッ…くくく…あずなん…」

澪「どうした律?」

律「何でもねーお」



音楽室

梓「あ、みなさん」

唯「あずなぁーーーーん!」ダキッ

梓「離してくださいウイ先輩~」

律「梓が言うと先輩っていうから憂と区別付くな~おかったな~ウイ~」

唯「おくないお~…ヘンな気分~…」

梓「コウはなんなんでしょうね…こんなのいあですお…」

紬「…!(梓ちゃん舌足らずっぽくって可愛い!)」

律「そういえばムギもMとGが発音できなくなったらウイだおな~」

紬「あらあら大変♪」

澪「危機感ないなー…」

唯「…」

梓「ほら、ウイ先輩は深刻なんですからふざけないでくださーい」

ガラッ

さわ子「あっぱり!みんなここにいたわね!」

律「あべっ!さわちゃん!」

澪「わ、私は断ったんですけど…律が…」

さわ子「別にいいわお、怒りに来たわけじゃないし」

唯「じゃあどうして?」

さわ子「このままじゃウイちゃんが可哀想だと思って言い方を考えおうと思うの」

唯「憂?」

さわ子「…不便ね~、あなたお、そこのウイ!」

律「平沢姉!とか」

澪「…"ちゃ"とか"じゃ"みたいに代わりの発音ができないかな」

紬「ウゥーイーちゃん!」

律「語感で区別すんのか?」

梓「私は…ウイ先輩でいいです!」

唯「…う~」

さわ子「じゃあウイちゃんはこれからウーイちゃんでいいわね!」

みんな「はーい」

唯「…」

なんで私の名前がアレンジされなきゃいけないの~
呼ばれてちゃんと反応できるかなー…



平沢家

唯「ただいま~憂~」

憂「あ、おかえりお姉ちゃん!」

唯「コウはさんざんだったお~」

憂「すごいおね~、世界中大変だもんね~」

唯「私は名前をちゃんとおばれなくって…」

憂「ああ、私とおんなじになっちゃうんだぁ…」

憂「…(私とお姉ちゃんが一緒…うふふ♪)」

唯「…憂?」

憂「…あ、あはは、なんでもないお!それおり晩御飯できてるお!」

唯「ハッ!そういえばおなか減ってた!」




唯「…(みんなが私の名前ちゃんと呼んでくれないから変な感じ)」

私はひらさわゆい、私はひらさわゆい

唯「…私はひらさわうい」

唯「…」


次の日

律「どうした~ウーイ、元気ないぞ~」

唯「…みんな名前おんでくれないから…」

澪「そんなことか、仕方ないじゃないか、学者もお手上げなんだろ」

唯「わかってるけど~…」

紬「…(唯ちゃんが困ってる!なんとかしてあげないと!)」

紬「ウーイちゃん!私に任せて!」

唯「…これは?」

紬「私達の会話が入ってるテープ♪」

澪「…盗聴!?」

紬「違うわお~、たまたま録音しちゃってただけお?」

梓「それが盗聴ですよ!」

唯「で、それをどうするの?」

紬「ここにはウイちゃんを正しく発音してる私達がいるわ!」

澪「ホントに声残ってるのかな…」

律「あってみなかだろ?」

紬「レッツゴー!」

律『おい唯~ケーキ口についてるぞ~』

唯『ん?あ~、あずにゃんとって~』

梓『唯先輩!自分で取ってくださいよ~』

紬『唯ちゃんと梓ちゃんはほんと仲がいいわね~』

澪『ほら唯、梓から離れろ』


唯「たった1日なのに久々に聞いたみたい!」

紬「おかったわね、ウーイちゃん♪」

澪「ムギ、これを使えば擬似的に"ワイ"が発音できるんじゃないか!」

律「それいいな!ムギ、頼めるか?」

紬「がってん!」

梓「おかったですね、ウイ先輩!」

唯「うん!」



次の日

紬「みんな~、昨日言ってたのできたわお~♪」

律「仕事はえーな、さすがムギだぜ!」

紬「はい、これがりっちゃん、これが澪ちゃん」

澪「ありがとう」

紬「これはね、このボタンを押すと…」

紬『唯ちゃん』

唯「いいねコレー!」

ムギちゃんはすごいなー
なんか救われた気がする

唯「でも他の人の分が無いのは我慢しないとなぁ」

紬「和ちゃんとさわ子先生の分ぐらいはあるかもしれないから探してみるわ♪」

唯「ありがと~ムギちゃん!」

紬「いえいえ、大したことじゃないわ、『唯ちゃん』」

律「…(こいつ一体どんだけ盗聴してるんだ!?)」



放課後

梓「みなさん、何ですかソレ?」

澪「このボタンを押すとな…」

澪『唯』

梓「あ、昨日言ってたあつですね!もう完成したんですか!」

紬「はい、これが梓ちゃんの分♪」

梓『唯先輩』

梓「これで気兼ねなくおべますね!『唯先輩』」

唯「あずなぁぁぁぁーーーーん!!」

梓「うぐっ、勢いつおすぎです…それに手が使えないとおべませんお~」

唯「あ、ごめ~ん、嬉しくってつい~…」

ジャジャジャーン♪

律「いい演奏だったな!」

澪「でも歌詞が…」

梓「作詞した人的にはつらいでしょうね…」

唯「だからって録音してたあつ流すわけにいかないし~…」

澪「仕方ない…歌詞を書きなおそう」

律「何が言えないのか考えながら書くのか、大変だな」



平沢家

唯「ただいま~憂~」

憂「おかえりお姉ちゃん!」

唯「ねぇ聞いて~憂~、みんながちゃんと私の名前おんでくれるおうになったんだお~!」

憂「え!すごい、どうあったの?」

唯「って言っても録音された声再生するだけなんだけどね~」

憂「そういうことか~、びっくりした、みんなだけ治ったのかと思っちゃった!」

唯「でもすごいおね~、みんなすぐにそんなこと思いついて~
これでウイっておばれなくてすむお!」

憂「そうだね~(…お姉ちゃんと一緒の呼ばれかたじゃなくなった…だと…)」

憂どうしたんだろ?
心ここにあらずな感じ



次の日

唯「おはお~みんな~」

律「おぅ、『唯』」

澪「おはおう、『唯』」

紬「おはお~♪『唯ちゃん』」

唯「ん~…」

律「どうした~?『唯』」

唯「あっぱりへんだお~」

紬「う~ん…」

澪「我慢するしかないだろ『唯』」

唯「わかってるけど~」

和「何話してるの?」

紬「あ、和ちゃん!これ!」

和「これは?」

紬「ここを押すと…」

和『唯』

和「…この声いつ撮ったの?」

紬「それは秘密~♪」

和「…それでこれが『唯』は違和感があるからいあだって言ってたのね」

唯「だって~、私の名前言うときだけ感情が無いみたいなんだもん」

律「じゃあ次はバージョンアップして感情に合わせた声が出せるおうにでもするか~?」

紬「私、頑張る!」

澪「…本気にするなお、ムギ…」

澪「そういえば今音楽界があばいみたいだな」

律「あー、"ワイ"の音聞きたさにCD売り上げが異常に増えてあらうるCDがプレミア化とか~」

紬「機械に歌わせるのが一般的になるんじゃないかとか」

唯「大変だね~」

澪「私達も人ごとじゃないんだぞ!」



放課後

唯「ケーキおいしー」

紬「あらあら」

澪「…そういえば昨日頑張って歌詞書いてきたぞ」

律「お、さっすがー」

澪「…って歌詞なんだけど…」

梓「やっぱり前の歌詞には勝てませんけど、とても…澪先輩らしさが出てていいと思います!」

律「澪節満載って感じだな~」

唯「なんかうまくいえないけど…」

唯「前のほうがおかったね」

澪「バッサリだーー!」

唯「でもすごいお、1日で、それも使っちゃいけない言葉までコウロして~」

澪「…照れるからあめてくれ///」

ホントみんなはすごいなー
私なんか我がまま言ってるだけなのに


ジャジャジャーン♪

唯「おー!コクに合わせたらいい歌詞だね!」

澪「///」

律「…(唯の奴今日は攻めるなー)」

ガラッ
さわ子「ちょっと!みんな大変!」

律「どうしたんだお、さわちゃん?」

さわ子「とりあえず外見て!」

澪「外…?」

外を見ると…巨大なYが浮いてる…?
何アレ?


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最終更新:2010年08月13日 20:43