「えーー、あの人とは別れちゃったのー」

「だって、あいついい加減超うざいじゃない? 来年は就活始めないといけないし、サークルも辞めて、フェイドアウト! 携帯も番号変えた(笑)」

「あはは……ひどーい」

唯「………???」

「そういえば、平沢さん、こういう話、興味ない?」

「あ、あたしも興味あるな。唯ちゃん、付き合ってる人、いないの?」

唯「へ? いるよ~」

「えーーー、意外!!なにそれ初めて聞く!! 教えて!」

「うん、凄い気になる。どんな人?!」

唯「んーーー、結構怖がりだけど、元気がよくて、抱きつくといい匂いがして、いつもお菓子をくれるかなー」

「お菓子???」

「あーー、なんか餌付けされてそうだね(笑)」

「いまいち、つかめないキャラだなー(……唯と同じ天然系?)」

「い、いつから付き合ってるの?」

唯「ん、高校からだよ」

「あ、長いんだ。意外だね。今までこういう話しなかったから、彼氏いないのかと思ってた」

唯「でも、最近少し疲れちゃった。毎日泊まりに行くのとか」

「毎日!?」

唯「うん。住んでいるところがバラバラだから、もう大変だよ~」

「バラバラって……」

「もしかして……一人じゃないの?」

唯「四人だよ。四人とも、高校時代、同じ部活だったんだー」

「……四人……毎日……(ちょっと平沢、かわいい顔して遊びすぎじゃないのか?)」

「ちょっと待って。唯って確か、女子高じゃなかった?」

唯「そだよー。澪ちゃんたちはみんな同じ学校出身なんだ」

「みおちゃん……って思い切り女の人の名前じゃない」

「あのねぇ。あたしたちは付き合ってる彼氏の話をしているのよ? 友達の話じゃないの」

「ハハハ……そんなことだろうと思った。女の子じゃねー(なんだ。男四人とじゃないのか……)」

唯「??……でも、今も付き合ってるよ」

「その付き合う、じゃなくて」

「男の子じゃないと、エッチできないしねー」

「うんうん」

唯「エッチもするよー」

「「えっ」」

唯「ん?」

「す……するの? 女の人なんでしょ?」

「もしかして平沢さん、そっちの……」

唯「ま、大体は軽くだけどねー。キスとペッティングぐらい? しないと機嫌そこねるし。だから大変なんだ」

「「……ゴクリ」」

唯「澪ちゃんとりっちゃんなんてもう凄いしねー。道具まで使うんだよ。三人でしたときなんて、唯は後でなとか言って、あとはもう二人の世界だしー」

「さ、3P?」

「ど、道具?」

唯「うん、なんか太いやつ 名前とかはよくわかんないけどー」

「…………」

「…………」

「…………」

「…………あの……続きは……?」

唯「高校の時は、澪ちゃんが一番情熱的だったかな。最初に告白してきたのも澪ちゃんだったし。

 澪『ずっと温めてきたこの想い。……お前じゃないとダメなんだ、唯と身体を重ねたい!!』
 唯『でも、りっちゃんはどうするのさ、修羅場とかはゴメンなんだけど』
 澪『それとこれとは別腹だ!なんとかする!!』

唯「でも最近はちょっとマンネリ気味なんだ。せわにょーぼーみたいに面倒みてくれるのはいいんだけど。本妻ぶってみんなと喧嘩始めるのはちょっと困るかな」

唯「りっちゃんがそういう意味では一番楽かなー。『唯はキープで、本命は澪』って振りをしているけど、私が本命なのはバレバレだしね。
キスしてあげるだけで、目がトロンとしちゃうし。一番乙女かも」

唯「ムギちゃんはね、なんかお父さんにお願いして、女の子同士でも結婚できる法律を作ろうとしてるみたい。
こないだなんか、ベッドで私のおっぱいを揉みながら、それがダメだったら二人でフィンランドに移住しようって真剣に言ってたよ。
ムギちゃん的には抜け駆けする気マンマンなんだろうけど、やっぱり移住するなら5人でないと!」

「おっぱいらんどフィンランド……」

「リアルハーレム……」

「…………あの……もう一人は……?」

唯「一人?」

「さ、さっき、四人って言ったじゃない・・・平沢さん」

唯「ああ、あずにゃんか……ふぅ」

唯「あずにゃんが一番、重いんだよねー」

唯「あずにゃんは私と肉体関係を持つのがイヤみたいなんだ。」

唯「ま、女の子同士だからね。キモチワルイと思う人がいても不思議じゃないよね」

 ( (い、一応、そういう常識はあるんだ……) )

唯「毎回、キスは私の部屋に呼びつけて、玄関先で、あずにゃんの方からさせるんだけど、本気で嫌がってるんだよね。

クイっと、靴のかかとを上げて、背伸びして、目をぎゅーっとつむって、アレ、絶対自分がこれからキスする相手を、同性だって認識したくないんだよ。

『私がキスするのは、唯せんぱいじゃなくて、カッコいい男の人、男の人……私は同性とキスするような変態じゃないんだ』って自分に言い聞かせながらね。

それでも結局、くちびるを合わせる時は、すごく震えてるし、お互いの体温の熱とかがくちびるの薄い粘膜を通して伝わるじゃない? 鼻息もかかるし。

そこで、あ、くちびるが柔らかい、女の人とキスしてるんだ、わたし……って気づいちゃうんだよね。あの瞬間がすごく気持ち悪いみたい。

だから、あずにゃんはキスが終わるまでずっと目をつぶったままなの。そんなに女同士がイヤなのかなぁ。

でもきっと、男の人に無理やり男の人とキスさせたらあんな感じかもねー。」


唯「まあそんな『最悪のキス』が終わったあと、必死で涙をこらえてる顔のあずにゃんを見るのが楽しいんだけど」

 ( (ドS!?) )

唯「キスをさせた後は、すぐに二人でお風呂に入るんだ。

ローションを全身に塗らせて、洗いっこをするの。でも、アソコ同士を擦り合わせるのがどうしても抵抗あるみたい。

肉厚のもうひとつのくちびる同士の粘膜接触が、あずにゃんにとっては最高に背徳的で、変態的な感触なんだろうね。

あずにゃんにとって、そこは将来の旦那さまのために取っておいている、神聖な場所なんだから。

でも、そこを私は穢してあげる。ニュルニュルのローションをまぶして、前後に擦ってやれば、むき出しにしてあげたお豆さんも擦れて、たまらないんだよね。

行為の最中はずっと、まゆをぎゅーっと潜めて耐えてる感じがたまらなくて、そこでまた我慢できなくて、キスしちゃうんだ。

でも、下の口と口を合わせている状況だから、今度はもうキスへの抵抗は弱いんだよね。あずにゃん的には「女としてサイテーの行為」をやってる最中だから、もう女同士でのキスなんてささいなこと、なんだよ。

舌を入れて絡めても、すぐにあずにゃんの方から舌を絡め返してくるし、唾液の交換も平気だよ。とっとと、性の快楽に溺れてすべてを忘れてしまいたいのかな。

で、少なくとも三回はお風呂場でイカせるの。

終わったあとのあずにゃんはホント、放心状態で、暗い目をして私のことを、罵るんだ。

でも、さんざんイカされたあとに、唯先輩は変わってしまった、唯先輩は不潔です!!って言われても、説得力がね~~。うふふ」

「こ、後輩なんだ……」

「つ、続き……」

唯「よく身体を乾かして、あずにゃんの全身と髪は私がバスタオルで拭いてあげるの。

あずにゃんはね、凄く小さくてかわいいんだ。あずにゃんもそうやって子ども扱いされるのはまんざらでもないみたい。

だから、耳元で 『あずにゃん、お風呂場で女の子同士のえっちはイヤだった? また一つ、変態さんになっちゃったね』 って囁いたら、大粒の涙がボロボロ。

そこを抱きしめて、『あずにゃんは悪くないんだよ。あずにゃんは素直ないい子だね』って頭をなでてあげるんだ。

悪いのは私だよ、あずにゃんは悪くない、変態さんもあずにゃんじゃなくて、私なんだよ、って言って、ぎゅっと抱きしめる両手を強めてあげる。

そしたら心の中の涙の堤防が決壊したのかな。

肩を震わせて嗚咽して、それまで以上に、わあわあ泣いちゃうんだ。

で、ひとしきり泣き終わって、涙がおさまったら、『もうそろそろ、ベッドに行こうか?』って言われても、恥ずかしそうに目を伏せて無言でうなづいてくれる」


唯「新婚さん夫婦が買うようなおっきなダブルベッドを寝室にいれてあるんだけど、そのベッドに連れ込んだら、あとは基本的には『お指遊びでイカセてあげる』ってパターンだね。

最初は、小指と人差し指をゆるく、浅く抜き差ししてあげるだけで軽くイッちゃうみたい。

その後も段々激しくしてあげるんだけど、私は道具は使わない主義かな。

普段は私もソフトなえっちが好きなんだけど、あずにゃんが嫌がるから、かえってハードなプレイを毎回させたくなるんだ。不思議だよね~。」

「そ、その後輩の子とは、まだ……」

唯「あずにゃんは、部活の先輩として私のことを愛しく思ってくれているみたいだし、尊敬もしてくれてるけど、あくまでも性的には、ノーマルで、本当は男の子が好きなんだと思う。

でも、最近は女の子との快感をたっぷり覚えてきたから、そろそろ戻れないかもね~」

「ひ、ひどい……」

唯「ひどい? なんで?」

「だって……そんな女の子の気持ちを弄ぶような……」

唯「ふーん、そんなものかな?」

「あ、あのっ!……平沢さん、お、女の子同士ってそんなに気持ちいい、ものなの……?」

唯「それは相手にもよるんじゃないかなー 上手い人もいれば下手な人もいるし。 男の子の場合と同じだと思うけど」

「男の子の場合と同じ……」

「ひ、平沢さんだったら……?」

唯「まあ、私は女子高時代は学校で結構モテたからねー。女の子の扱いは馴れていると思うよ。……ふたりとも、あたしのこと好きなんでしょ?」

「「……な、ど、どうして!!」」

唯「分かるよ、二人の視線を見ればね。それにいつも私の前で男の人の話とか振ってくるし。かまかけて探りを入れてたんでしょ? 私、男の人には興味ないから、安心していいよ」

「……あ、う……平沢さん」

「……ゆ、唯」

唯「ふたりともちょっとイイなって思ってたんだ。四人が六人に増えたってどうってことないし。ちょうど倦怠期っぽくて、新鮮さが欲しいところだったから、歓迎するよ? 」

唯「ようこそ、HHT(放課後えっちタイム)へ!!」

「「……は、はい!!」」



とりあえず、以上です。



最終更新:2010年08月14日 02:47