#5
『妄想!』
純「いけない、遅刻しちゃう!」
純「こっち行けば近道に……」
ブーーーーー!!!!
純「!?」
キキィィィッ!!ドンッ!!
その日、私はトラックに轢かれた。
キーンコーンカーンコーン
憂「純ちゃん遅いねー」
梓「寝坊じゃない?」
ガラッ
純「おはよー…」
憂「あっ、純……!?」
梓「ちょっ…純!?」
純「いやー参っちゃったよ、トラックに轢かれちゃってさぁ…」
純「全身血だらけ」
梓「いやいやいやいや、ありえないって」
憂「大丈夫なの?」
純「うん、平気だよ」ザパアァァァ
梓「頭から血出てる!!」
純「まぁ要は気の持ちようだよね」
純「心頭滅却すれば火もまたなんとか」ブシュウウゥゥゥ
梓「血が吹き出して私にかかってるから」
純「一時間目なんだっけ」ブシュウウゥゥゥ
憂「…本当に大丈夫?」
純「平気だって、死ぬわけじゃないし」ブシュウゥゥゥ
梓「普通もう死んでるよね」
純「梓、教科書貸して」ブシュウゥゥゥ
梓「嫌だよ……血だらけになるもん」
純「しょうがないなぁ…」ブシュウゥゥゥ
梓「ていうかいい加減止血しなよ」
授業終了
キーンコーンカーンコーン
純「あぁ~…ようやく1時間目が終わった」ブシュウゥゥゥ
梓「……」
憂「……」
純「あれ?どうしたの?」ブシュウゥゥゥ
梓「いや…血出すぎだから、みんな引いてるから」
純「そんなこと言わないでよ~」ブシュウゥゥゥ
梓「こっちこないでって!」
純「!?」ブシュウゥゥゥ
純「ひどい…」ブシュウゥゥゥ
梓「あっ…」
純「私だって…好きで出してるわけじゃないのに…」ブシュウゥゥゥ
梓「えっと…その…」
純「もういいよ!私なんていなくなればいいんでしょ!?」ブシュウゥゥゥ
憂「待って純ちゃん!」
純「さようなら!」ブシュウゥゥゥ
憂「純ちゃん!」
梓「純!とりあえず止血して!」
純「血を出すしか能の無い私なんて……もういなくなればいいのね」ブシュウゥゥゥ
憂「純ちゃん、ようやく追いついたよ」
純「憂…」ブシュウゥゥゥ
憂「教室に戻ろ?みんな待ってるよ」
純「でも…私…」ブシュウゥゥゥ
憂「たとえ純ちゃんが出血しまくりでも、私は純ちゃんのこと嫌いにならないから」
憂「それはきっと、梓ちゃんや他のみんなも同じだよ」
純「憂…グズッ…」ブシュゥゥ
純「私……戻ってもいいのかな?」
憂「もちろん!」
純「うれしい!」ブシュウウウウゥゥゥゥゥウウゥウ
ピリリリリリリリリリ
純「なに?警報!?」ブシュウゥゥゥ
校内放送「緊急事態です、校内にテロリストが現れました」
純「うそっ!?」ブシュウゥゥゥゥ
校内放送「すみやかに避難してください、繰り返しますすみやかに…ぎゃああああ!!」
ブツンッ
憂「そんな…テロリストだなんて…」
梓「憂!純!」
純「梓!」ブシュウゥゥゥ
梓「早く逃げよう!テロリストがすぐそこまで来てるよ!」
純「マジ!?」ブシュウゥゥゥゥウゥゥ
テロリスト「おっと、逃がさないぜお嬢ちゃんたち」
憂「!?」
テロリスト「さぁ、地獄を楽しみな!」
純「くっ…」ブシュウゥゥゥ
憂「純ちゃん!?」
梓「何してるの!早く逃げようよ!!」
純「私が盾になるから…二人はその間に逃げて!」ブシュウゥゥゥ
梓「純…」
純「今の私にできるのは…こんなことぐらいだから」
テロリスト「死ね!マシンガンだ!」
ズバババババババ
純「うぐっ!?」
憂「純ちゃん!!」
純「早く逃げて!!」
テロリスト「ちっ、しぶといやつだ」
憂「純ちゃん!」
純「憂!!早く行って!!」
憂「でも…でも!!」
テロリスト「くらえ!バズーカー!!」
ドカーーーーーン!!
憂「純ちゃん!!」
純「早く逃げて!!」
梓「なんで死なないの!?」
純「ぐふぅ」
テロリスト「Fuckなんてやつだ!!バズーカーも効かないのか!?」
憂「純ちゃん!!」
テロリスト「こうなったら接近戦で…」
エイリアン「ギャアアアア!!」
テロリスト「うわああああっ!?」
バキバキムシャッ
憂「大変!!エイリアンまで現れた!!」
梓「そんな……エイリアン相手じゃどうしようも…」
純「大丈夫!私が時間を稼ぐから二人は逃げて!」
エイリアン「ギャアアアアア!!」
バキバキバキ
純「きゃあああああ!!」
憂「純ちゃん!!」
純「早く逃げて!!」
梓「に、逃げるってどこに!?」
純「体育館!とりあえず体育館に逃げるの!!」
憂「そっか、大地震が起きたら体育館が避難所とかに使われるもんね」
憂「信頼と実績のある体育館なら安心だよ」
純「きゃああああああ!!」
憂「純ちゃん!!」
純「早く逃げて!!」
梓「と、とりあえず体育館に行こう!」
体育館
ガンガン!!
梓「あ、あれ?鍵がかかってる!?」
憂「えぇっ!?」
純「あっ、鍵なら私が持ってるよ」
梓「なんで純が持ってるの!?ていうかなんでここにいるの!!」
エイリアン「ギャアアアア!!」ガブリガブリ
純「きゃあああああ!!」
梓「エイリアンまで来ちゃった!?」
憂「純ちゃん!!」
純「早く逃げて!!」
梓「純のせいで逃げられないんだよ!!」
純「ちょっと待って、今鍵探すから…」
エイリアン「ギャアアアア!!」ガブッガブッ
純「いたたたっ!!痛いって!!」
純「あった、はい鍵」
エイリアン「ギャアアアアア!!」ガブガブ
純「きゃあああああ!!」
憂「純ちゃん!!」
梓「もういいから早く行こう」
梓「ふぅ、なんとか逃げ出せたね」
憂「純ちゃん…大丈夫かな」
梓「大丈夫でしょ」
純「そうだよ、私は大丈夫だよ!」
エイリアン「ギャアアアア」
梓「なんで純まで来てんのよ!?」
純「二人が心配で様子を見に…」
梓「余計なお世話だって!」
エイリアン「ギャアアアア!!」ガブリガブリ
純「きゃあああああ!!」
憂「純ちゃん!!」
梓「死ね!!早く死ね!!」
純「大丈夫!こうもあろうかと小型爆弾を用意したから!」
純「これをエイリアンのお腹の中で爆発させればイチコロよ!」
憂「でも…それじゃあ純ちゃんまで…」
純「憂、梓、今までありがとう…」
純「二人と過ごしてた時間は、とても楽しかったよ」
憂「純ちゃん…」
梓「純…」
純「…バイバイ」
憂「純ちゃん!!」
純「うおおおおおおおおおおっ!!!」
エイリアン「ギャアアアアアアアア!?」
ドガアアアアアアアアアアアン!!!!
憂「純ちゃんーーーーーん!!!」
―――――
―――
――
純「っていう妄想してたらテスト勉強とか手につかなくなっちゃった」
純「だからお願い!ノート貸して!!」
梓「貸すわけないでしょ、そんな理由で」
純「ケチ」
梓「ちなみにその妄想の最後で純は死んだの?」
純「え?生きてるに決まってるじゃん」
#5
『妄想!』 おわり
最終更新:2010年08月18日 01:53