律『そうそうデートデート!』

唯『デートって…私達女の子同士だよりっちゃん!』

律『細かいことは気にすんなって! で? いけるの?』

唯『う~ん…でも勉強が…』

律『唯っ! お前までそんなこと言うのかっ!? 澪にもそうやって断られて…私は一体どうしたら…ウウウ』

唯『ああ泣かないでりっちゃん! わかったよ! 私で良ければ付き合うよぉ』フンス

律『オーココロのトモよー。じゃあ駅前に12時なー!』

ガチャ、プッープッー…

唯「りっちゃん勉強大丈夫なのかなぁ…。まあ準備準備」



11時45分 駅前──

唯「ちょっと早く来すぎたかなぁ。学校じゃないと遅れない不思議!」

「お、唯。早かったな」

唯「あっ、りっちゃ~……ん?」

律「よっ!」

唯「誰っ!?」

律「私だよ!」

唯「でも髪下ろして……白いシャツに黒いデニム……首元にドクロのネックレスなんて!」

唯「りっちゃんイケメンだよ!!」

律「よせやい照れる。デートって私から言ったからな。普通じゃ面白くないからちょっと趣向を変えて私が男の子役、唯が女の子役で本当のデートっぽくしてみようかな~なんて……」

唯「」ドキドキ

律「唯?」

唯「はっ! な、何でもないよりっちゃん!(りっちゃんほんとにイケメンさんだぁ……思わず見とれてたなんて言えない)」

律「じゃあどっから行こっか? お小遣いもらったばっかりだからだいぶ余裕あるよん」

唯「り、りっちゃんの好きなとこでいいよ?」

律「ブッブー」

唯「へ?」

律「今日はりっちゃん禁止な! この格好なら男に見えるだろ? なのにちゃん付けばちょっとさ~雰囲気出ないし?」

唯「じゃあなんて呼んだらいいのかな…?」

律「普通に律、か律君! 律君って自分で言ってて腹いてー」ハハハッ

唯「じゃあ律君で…」

律「律でいいよ。」

唯「うぅ…」

律「ほ~ら、練習。呼んでみ」

唯「り、り、り、りっちゃ(ry」

律「んん~?」
唯「り、つ……///」
律「良くできました」ナデナデ
唯「なんだか恥ずかしいね///」

律「唯に律って呼ばれるの新鮮だな!」

唯「そ、かな?」

律「なんだなんだ~? さっきから初対面みたいに緊張してさぁ~もしかして惚れたか!」フフンッ

唯「ち、ちがうよぉ」カァ///

律「だよなぁ~…」

唯「は、早くいこっ! 見たい映画あるんだっぁ」

律「わかったわかった。引っ張るな引っ張るな~」

唯「(なんかわからないけどドキドキする…。何でだろ。わかんないや…)」



映画館────

唯「いっぱいあるね!」

律「そうだな~! で、唯の見たいのってどれ?」

唯「え~とね…(考えてなかった…!)」

唯「あ~う~んとこれっ!」シュビッ

律「激突!!ベイブレードMAX 魂は燃えているか!?……だと」

唯「あわわ(適当に指したらとんでもないことに)」

律「悪いな~唯、これこないだ聡と見たんだ…」

唯「あっそうなんだ。
(良かったぁ…聡君ナイスだよぉ)」

律「でも唯が見たいならもう一回見てもっ!」ワナワナ

唯「他の見ようよ! り、律!」

律「そうだな、唯」

唯「(慣れないよぉ…)」


結局今話題の洋画を見ることにしました

唯「えと…Hの8…Hの8…」

律「もうちょい上だろ?」

唯「そだね。ここがEだから…わっ」コケッ

律「唯っ!」ガシッ

唯「えへへつまずいちゃった」

律「…全く気を付けろよ~暗いんだから」

唯「あぁっ!」

律「次はどうした?」

唯「ポップコーンこぼれたぁ」メソメソ

律「あ~わた…俺のやるから! ちょっとこれ持って先に座ってろ。係員の人にゴミ袋もらってくるから」

唯「ごめんねりっ…律…」ウルウル

律「気にすんなよ。あ~泣くな泣くな。」ナデナデ

無事始まるまでにポップコーンの残骸を片付け終え、席につく二人。

律「俺一人で良かったのに」
↑慣れた
↓慣れてない
唯「り、律一人に任せたら悪いよぉ」

隣の席の女「うふふ、ラブラブねあの二人。見てて顔が熱くなっちゃうよ」

男「俺もあれぐらい優しくなれたら女さんに…」

唯「///」
律「///」

唯「あ、は、はじまるよっ」
律「お、おう!」

上映されているものをビデオ撮影することは、法律で(ry

 ┏━┓
 ┃●┃
⊃┃ ┃⊂
 ┗━┛

唯「(これ面白いよね」クス

律「(手の動きがなんともいえないよな」

(←は小声



「待てよ! お前死ぬ気か!?」

「俺が死んでも…覚えててくれるか?」

「マイケールッ!!!!!」

唯「(マイケル死んじゃうのかな…」

律「(死亡フラグ立ちまくりだもんな…」

────────

「俺はどうなってもいいっ! その代わりこの子だけは助けるッ!」
唯「っ……」
律「(唯のやつ見入ってるな~……)」

唯「(マイケル頑張れっ!)」

映画の光に照らされた唯の横顔をまじまじと眺める律。

律「(唯って女の私から見ても可愛いって思うよな。彼氏とかいないのかな)」

唯「(あぁっ! マイケルそっちじゃないよあぶなーいっ!)」

唯「っ!!?」
律「……」

律は、黙って唯の手に自分の手を重ねた。

唯「(り、りっちゃん…?)」

唯も律の方を振り向く。しかし律は既に映画に目を向けていた。
しかし、手は依然として唯の手の上に重ねられている。

唯「(いくらデートって言っても雰囲気出しすぎだよぉ…。)」

律の横顔を見つめる唯。

唯「(髪下ろしたりっちゃん可愛いかっこいい…服装次第で女の子になれたり男の子になれたりりっちゃん凄いっ! 胸がちっちゃいからねりっちゃんは)」ニヤニヤ

律「(……)」

唯「(……ん)」

そして私達は、静かに手を握りあった。


──────

律「いや~まさかあそこでジャックスが助けに来るなんてな!」

唯「燃える展開だったね~!」

律「マイケルッ! お前ばっかりにいい格好されてたまるかよっ!」

唯「りつ似てないよ~それ」

律「なにを~っ!」

ぐぅ~…

律「そう言えば飯食ってなかったな~」
唯「お腹空きましたなぁ」

律「ご飯に致しますかな唯姫」
唯「姫だなんて恥ずかしいですわ律王子」

律「いざ参りましょうぞっ! マックへ!」
唯「ええ! よくってよ!」

というわけで近くのマックに行くことに


律「」モグモグムシャムシャ

唯「も~りつはしたないよぉ?」

律「べらんべ~腹が減ってはデートは出来ないでぇ!」

唯「ケチャップついてるよぉ?」フキフキ

律「!!////」ビクッ

唯「どうしたの?」

律「い、いやぁ…なんか唯が女の子だなぁって」

唯「失礼だなぁ。これぐらい私にも出きるよ」フンス

律「唯って彼氏とか出来たら尽くすタイプなのかもな」

唯「そうなのかな? 居たことないからわかんないやっ」

律「ではわたくしが初の彼氏でございますかな?」キランッ

唯「うふふ、そうだね~」

律「ゆい~ナゲットあげる!」
唯「じゃあ私はポテトをあげよう!」
律「物々交換とはいやはや社会の定義ですな!」
唯「全くですな!」
律「ははっ」
唯「えへへ」

唯「次はどこに行こっか!」

律「服とか見に行かね?」

唯「いいねいいね! じゃあデパート行こうか!」タッタッタ

律「あんま走るなよ~こけるぞ~」

唯「小学生じゃないんだからだいじょ(」バタンッ

律「全く…」

律「(こうしてるとほんとに彼氏と彼女みたいだよな。唯は私のことどう思ってるのかな……って友達意外に何があんだよ)」

唯「えへへはしゃぎすぎちゃいました!」

律「(ドキッ き、気を付けろよ~(その笑顔は女の私でも来るぞ……)」

唯「せっかくだし手繋いでいこっか!」
律「さっきから随分積極的だなおい!」

唯「デートだからねっ!」
律「まあな!」

そうして二人は手を握り合いながら、ニコニコしながら歩いてゆく



デパート────

唯「どうかなりつ!」

律「お~可愛いな。似合ってるぞ(何で胸に懐中電灯! とか書いてる服を選ぶのか…)」

唯「ありがとっ」

唯「さあ次は律の番だよ!」

律「え~……私はいいよ~」

唯「私?」

律「お、俺!」

唯「よしっ! じゃあ選んでくるねー」タッタッタ
律「元気なやつ」フフッ

───────

律「って何このヘビメタみたいな服!」

唯「似合ってるよ~律」
律「ありがとな」ワシャワシャ

唯「ふふふーん」テレテレ

店員「お客様大変お似合いでございますよ! 彼女さんもかっこいいですよね? 彼氏」
唯「か、彼氏…あっ、はいっ! かっこいいと思います!!」

律「(唯のやつ照れすぎだろ…)」

店員「お客様、こちらの方も試着してみてはどうですか?」

律「あ~(あんな普通のTシャツ来たら胸で女ってバレちゃうな。なんか変な人達って思われない前に撤退しときますか)」

早々と着替える律

律「いや、もう帰るとこなんで。唯、帰るぞ~」

唯「えぇ~もう帰るの~?」

律「いいからいいから」

店員「あぁっ、ちょっと待ってくださいっ! これだけ試着(ry」

Tシャツを律に当てる(サイズを計るため)

店員「(あれ、柔らかい…)」

律「あっ…」

店員「えっ…あれ? 女の子…?」

律「/// 唯、行くぞっ!」
唯「り、りつ~」
店員「(ああいうの流行ってるのかしら…にしてもイケメンだったわぁあの子!)」

唯「りつ大丈夫…?」

律「変な子とか思われなかったかな…?」

唯「思われないよきっと~。りつイケメンだもんっ」

律「イケメンは関係ないだろ~?」

─────

律「もう結構な時間だな。最後にどこ行く?」

唯「公園!」

律「賛成っ! お金がかからないことはいいことだー!」

唯「でクレープ食べよう!」

律「世の中お金ですものねー」
唯「ね~」ニコッ


……

澪「ママも買い物ぐらい自分で行けばいいのに…はあ…」

澪「結局勉強捗らなかったし、気分転換に律の誘いに乗っとくんだったな…」

澪「律……今何してるんだろ」

「─の中──ものね~─」

「ね~」

澪「(カップルか……女子校の私には無縁だな。彼氏か~…想像つかないな。もし…律が…って何考えてるんだ私はっ!)」


律「じゃあ行こっか、唯」ニギッ
唯「うんっ! 律!」ニギニギッ


ドサッ……

澪「えっ…? り…つ? 隣にいたの唯だよな……? なんで律が男の格好なんて……」

澪「凄くカッコよかった……じゃなくて! どうなってるんだ…」
澪「まさか唯と律…つ、付き合っ…って女の子同士だぞっ! ないないっ!」

澪「でもっ! でもっ! じゃあなんで律が男の格好なんて……しかも仲良く手とか握ってたし……あれじゃまるでデート……」

スゥ───

澪「あれっ……なんで私泣いてるんだろ……。別に悲しいとかじゃ……ないのに…ヒック……うぇ……りつぅ……なんでだよぉ……」

澪「(ずっと側にいるのが当たり前だと思ってた…。私が呼んだら来てくれて…私が呼ばなくても来てくれて…律も私のこと好きなのかな?って思ってたのに…)」

澪「律は…唯が好きなんだな…そっか…いいよ…もう」

澪「玉子潰れてる…また買いなおさないと…」

澪「胸が痛い…苦しい…何でだろ…おかしいな…」



公園────

唯「りっつ~あ~ん」

律「あ、あ~ん///」モグモグ

唯「美味しい?」ニコッ

律「お、おぉ美味い美味い。唯も食べるか? 男のハバネロ味っ!」

唯「辛いの苦手だよぉ」

律「これを気に克服するんだ! はい、あ~ん」

唯「ん、ん~……あ~ん……」モグモグ

律「どうだ?」

唯「……辛い~……けど意外と美味しいねっ!」

律「だろ~? 食わず嫌いは良くないぞ~? 唯。何でも食べないとおっきくならないぞっ!」

唯「りっちゃんもちっちゃい(ry」

律「何が小さいって?」

唯「ひぃっ何でもないですぅっ」


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最終更新:2010年08月19日 23:12