律「おー、唯!」

唯「あ!りっちゃん!おはよう!」

律「はよー」

澪「唯は朝から元気だな」

唯「澪ちゃんもおはよー」

澪「あぁ。おはよ」

紬「みんなおはよー」

律「おぉ!はよ!」

澪「おはよ。なんか珍しいな。校門の前でこんなに揃うなんて」

唯「だね!」

律「そういえば憂ちゃんは?」

唯「憂は今日は日直だからもう教室にいると思うよ。あずにゃんと一緒なんだってさー」

律「そうなのか」

澪「ほら、そろそろ入ろう?」

紬「そうね」

「あら、みんな朝から揃ってるのね」

律澪「和!」

紬「おはよう」ニコッ

和「えぇ、おはよっぐえぇ!?」

唯「和ちゃん、おはよう?」ニコッ

和「たたた・・・あら、唯じゃない。朝から人の背中に蹴りかますなんてどういう神経してるのかしらね」ガスッ

唯「っだぁ!?・・・朝から人のわき腹に肘鉄入れる和ちゃんには言われたくないかなー?」

和「あらごめんなさい、ちょっと当たっちゃったわ」

唯「ううん、私の方こそごめんね。足が長くてちょっと当たっちゃった」

和「跳びながら蹴っておいてよく言うわ」

唯「和ちゃんこそ、右手に左手添えて思いっきり突き出してたよね?」

和「さぁ?どうだったかしら」


律「おい、お前ら」

唯「あれ?今さっきのことなのに覚えてないの?」チョーウケルンデスケド

和「唯みたいなノータリンに馬鹿にされるなんて終わったわね」

澪「おーい、教室行こう?な?」グイッ

唯「大丈夫だよ、和ちゃんは終わるどころかまだ始まってないから」

紬「ほら、予鈴が鳴っちゃう」グイグイ

和唯「・・・後で覚えとけ」

律「相変わらずだなぁ、お前ら」





教室


律「おい、お前ら仲良く出来ないのか?」

唯「え?なんのこと?」

紬「何って、和ちゃんのことに決まってるじゃない」

唯「えー?私達仲良しだよ?」

律「いやいや」

唯「何?」

紬「どう見ても仲良しとは言いがたいわ」

律「そうだよ。常に一触即発じゃないか」

唯「そうかな」

律「そうだって。最近おかしいぞ?」

唯「うーん・・・?」

紬「自覚がないんじゃこれ以上言ってもしょうがないわね・・・」

律「あぁ。だな」

唯「なんかごめんね」

律「いや、謝るなよ。私はみんなで仲良くしたいだけだしさ」

唯「でも本当に私と和ちゃんは仲いいよ?」

律「え、えー・・・?」

唯「今にわかるよ・・・多分」

律「いつまで経ってもわからない予感がするのは気のせいか?」

紬「とりあえず様子を見ましょう?」




澪「なぁ」

和「どうしたの?」

澪「唯のこと、嫌いなのか?」

和「は?」

澪「ぁぅ」

和「何か誤解しているみたいだけど、それはないわよ」

澪「本当か?だって今日の朝も」

和「だから唯のことは嫌いじゃないってば」

澪「なーんか信用できないな・・・」

和「それはどうして?」

澪「だって、顔を合わせる度にバトってる気が・・・」

和「それはそれ、これはこれよ」

澪「普通そこ、別のものとして考えるか?」

和「うーん、じゃあ普通じゃないのかも」

澪「・・・?」

和「ごめんなさいね、混乱した?」

澪「うん、ちょっと。難しくなってきた」

和「たいしたことじゃないわ、大丈夫よ」

律「おーす」

澪「お、律か」

律「おう、メシ食おうぜ」

和「唯とムギは?」

律「梓と憂ちゃん迎えに行ったよ」

澪「今日はみんなで食べるのか」

律「おう、たまにはいいだろ?」

和「そうね。にぎやかで楽しそう」




唯「迎えに来たよー」

梓「先輩!」

憂「ちょっと待ってもらっていいですか?」

紬「場所は取ってあるから焦らないでね」

憂「はい、ありがとうございますっ!」

唯「どう?」

憂「ん。お弁当も飲み物も持ったし、もう大丈夫だよ!」

唯「それじゃ行こっか」


パタパタパタパタ・・・


純「はい、私ぼっちー」





唯「おまたへ!」

律「おう、唯隊員!よくぞ生還した!」

唯「ほい!・・・りっちゃん隊員!そこをどいて!まだ残党が!」ダッ

律「へ!?」

梓「あ!っちょっと!唯先輩!?」

唯「でりゃぁぁぁぁ!!!」ドーン!

和「だう!?」

唯「ふぅ。これでよし」

律「よくねぇよ!?」

憂「もう、お姉ちゃんったら。和さんにじゃれるの禁止」

紬「これはじゃれてるって域を超えてるような・・・」

唯「さっ。みんな、ご飯食べよう?」

澪「あ、あぁ。そうだな」

律「ん。じゃそうするか」

梓「こういうときに限ってお弁当じゃなくてパンなんだもんなぁ」

憂「まぁまぁ。ほら、私のおかず分けてあげるよ。はい、チキチキボーン」スッ

梓「ありがと」

唯「えへへ、今日のおかずにチキチキボーン入ってる♪いただきまーす!」

和「」ムクッ

律澪「!?」

和「ふんっ」スッ パクッ

唯「」

梓「唯先輩のチキチキボーンが・・・」

和「確かにこれは美味しいわねー」スッ パクッ スッ パクッ

唯「」


律「うわ、容赦ねぇ」


和「んー」モグモグ

唯「ちょっと」

和「デリシャス」

唯「いや、デリシャスじゃないから」

和「あら、唯。何かしら?」

唯「白々しいなー。私のチキチキボーンは?あれ大好きなんだけど?」

和「食べたわよ、見てなかったの?それとも見えなかったの?一緒に眼科行ってあげようか?」プフッ

唯「見てたよ、見えてたよ」

和「そう、じゃあ記憶障害かしら」

律「おい、お前ら」

唯「だから違うって。私がこの状況で何が言いたいかわからないんだ?和ちゃんの方こそコミュニケーション障害なんじゃない?」

澪「ほら唯ってば。喧嘩腰になるなよ」

梓「ねぇ、憂」

憂「どうしたの?」

梓「教室に帰りたい」

憂「まぁまぁ」

和「何?おかずを取られて怒ってるの?」

唯「それもそうだけど、正確にいうと和ちゃんのその態度がちょっとイラッとするかな」

和「ごめんごめん、ほらあんたの好きなホネホネボーンよ」スッ

唯「違う、私が好きなのはチキチキボーンであってホネホネボーンじゃない」イラッ

律「ホネホネボーンって日本語にしたら骨骨骨だよな」

澪「なんか怖い」


和「悪いわね、肉の部分は全部食べちゃったからこれで我慢してくれる?」

唯「和ちゃんはちょっといい加減にしてくれるかな?」

紬「喧嘩は駄目だって言ってるでしょ?ね、二人とも」

和「大体、最初に私を突き飛ばしたのは唯の方でしょ」

唯「それについては本当にごめん」

律(おっ、珍しく素直にあやまって)

唯「視界に入ったらイラッとしたから思わず突き飛ばしちゃった」

律(ねぇぇ!!ぜんっぜん素直じゃねぇ!)

和「唯」

唯「何」

和「屋上」

唯「上等だよ」

憂「すとーっぷ!!」

一同「!?」

憂「ほら!遊んでないでご飯食べよう?ね?」

唯「でも和ちゃんが」

憂「和さんだって急にじゃれつかれたら困るでしょ?TPOを弁えて、お姉ちゃん」

唯「うー、憂ー・・・」

和「怒られてやんの」ププッ

唯「」イラッ

憂「はい、イライラするのも禁止」

唯「今の和ちゃんが悪いでしょー!?」

憂「なんでも人のせいにするのはよくないよ」

唯「・・・」

梓「どっちがお姉ちゃんなんだか・・・」

律「だな。まぁ、いいんじゃないか?とりあえずこの場は収まりそうだし」

澪「憂ちゃん、ありがとな」

憂「いえいえ」

紬「さ、もうあまり時間がないから急いで食べましょっ」

律「ん、だな」

和「唯・・・」ボソッ

唯「和ちゃん・・・」ボソッ

澪「ん?二人とも今何か言ったか?」

和唯「後で覚えとけっ」ボソッ

律「聞こえなかった、私は何も聞こえなかった」





放課後



律「なぁ」

澪「ん?どうした?」

律「唯は?」

澪「あれ・・・?」

紬「唯ちゃんなら掃除当番で遅くなるって言ってたわよ?」

律「あ、そうだっけ?」

澪「そういえばそんなこと言ってたっけな」

紬「とりあえずお茶にしない?」

梓「賛成です」

律「梓もすっかり軽音部になじんだよなー」

梓「むっ。そ、そうですか?」

律「おう、入部当初とは別人みたいだぜ」

梓「私、唯先輩と和先輩のような関係憧れます」

澪「どうしたんだ?急に」

梓「私も律先輩とそんな関係になりたいです」

律「遠回しにひどくないか!?」

澪「なるほどな、でも和と唯のような関係なら律に蹴られたりするぞ?」

梓「それもそうですね。私、高望みはしません。私の方から一方通行で構いません」

律「おい、一方的に私をぶっとばしたいならストレートにそう言いやがれこのやろー」

紬「みんなーお茶が入ったわよー。今日はレモンティーよ」

律「おー、さんきゅー」

澪「ありがとな。・・・そういえば」

紬「どうしたの?」

澪「唯と和って同じ班じゃなかったか?」

梓「はん?」

澪「いや、だから掃除の」

律「」

紬「・・・今日はレモンティーよー」

梓「あ、それさっきも聞きました」

紬「・・・」シュン

澪「・・・やばくないか?」

律「う、うーん・・・」

梓「律先輩、様子見てきてくださいよ」

律「なんで私!?」

梓「ほら、打たれ強そうだし」

律「私だって女の子なんだからな」

澪「っていうかさ」

紬「どうしたの?」

澪「なんであの二人、最近あんなに仲悪いんだ?」

律「さぁ?喧嘩でもしたんじゃないか?」

紬「でも前にそうやって聞いたとき、二人とも否定してたじゃない」

律「なんか言い出せない理由でもあるんじゃないか?」

梓「そんな風には見えませんけどね・・・」

律「じゃあなんだよ」

梓「それは・・・わかりませんけど」

澪「今日の朝も和に唯のことが嫌いなのか?って聞いたんだけど」

律「それで?」

澪「嫌いじゃないって」

紬「唯ちゃんも同じようなこと言ってたわね」

律「わっかんねーな、あの二人」

梓「律先輩と澪先輩ならわかるんじゃないですか?」

律澪「へ?」


梓「ほら、澪先輩ってよく律先輩のこと叩いたりするじゃないですか」

律「いや、あの二人はそういう次元じゃないだろ?」

梓「でもベクトルは一緒だったりして」

律「・・・」

紬「・・・」

澪「まさか、なぁ?」

律「う、うーん・・・」


バタン!


律澪紬梓「!?」

純「あ、あの!!」

梓「純!?どうしたの?」

純「大変なんだよ!ちょっと来て!」

梓「大変って、どうしたの?」

純「唯先輩達が、憂が・・・!梓、来て!」

梓「律先輩、行って!」

律「私!?」


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最終更新:2010年08月21日 03:17