安価 ※憂澪



美人でかっこいい人。
それが彼女の第一印象でした。

憂「……」ジーッ

澪「ん?どうしたんだ憂ちゃん」

憂「いっ、いえ…」

そして意外と恥ずかしがり屋さん。
そのギャップが可愛い。

あとメイド服も似合う。

今日は軽音部の人たちがうちに来た。
みんなで夏休みの宿題をするみたい。

憂「外暑かったですか?麦茶いれますね」

澪「ありがとう、憂ちゃん」

ちょっと嬉しかった。
澪さんと話せて。
澪さんにお礼を言ってもらえて。

律「よーし、澪。さっそく写させてくれ!」

澪「自分でやれっ!」

澪さんが律さんの頭を殴る。
痛そうだ…
でも、どこか楽しそうにも見える。

私はそんな光景を見て、ちょっぴり羨ましいと思った。

澪「憂ちゃんは宿題終わったの?」

憂「えっ…まだですけど」

澪「なら、一緒にやる?」

憂「いいんですか?」

唯「もちろんだよ~、分からない事があったら教えてもらいたいし」

澪「妹に教えてもらってどうするんだ!」

憂「じゃあ…お言葉に甘えて」

嬉しかった。
澪先輩と話すだけで気持ちが高ぶってくる。

お姉ちゃんとはまた違う喜び。
なんだろう?
不思議だ…

律「澪さん、ここを教えなさい」

澪「もうちょっと自分で考えろ」

律「んだよー、ちぇっ」

唯「ムギちゃん、ここ教えて~」

紬「そこはね…」

律「澪ちゃん、ここ教えて~」

澪「唯のマネしてもだめ」

律「ケチー」

憂「……」

二人のやり取りは見ていてやっぱり羨ましい。

距離が近い。
そう感じる。

これがお互いに長い間に築いてきた絆なんだろうか。

憂「うーん…」

澪「どうしたんだ憂ちゃん?分からないところがあった?」

憂「あっ、はい。ここなんですけど…」

澪「どれどれ…」

律「こらぁ!私に教えないで憂ちゃんに教えるとはどういう了見だ!」

澪「憂ちゃんは後輩なんだからいいだろ!」

憂「うふふ」

ちょっと律先輩に勝ったようで嬉しい。

憂「そろそろお昼ですし、私なにか作ってきますね」

唯「やったー、ご飯だー」

憂「ふふっ」

澪「ごめんね、憂ちゃん」

憂「いえ、みなさんはお客さんですし。どうぞゆっくりしていってください」

律「おーし、私も手伝っちゃうぞー!」

憂「そんな…悪いですよ」

律「気にしなーい、気にしない」

台所で律さんと二人きり、お昼ご飯を作っている。
律さんは意外と料理が上手く、私は驚いた。

憂「律さんって料理上手なんですね」

律「いやー、憂ちゃんには負けるよ」

そうは言っても、その手さばきは慣れているものがあった。

憂「普段も料理するんですか?」

律「うん、たまにね」

憂「へぇ……」

私と律さん、どっちが料理上手なんだろう?
もし私が負けたら…イヤだなぁ…


料理が出来上がり、みんなのもとへと運ぶ。

律「おまたせーっ!」

唯「待ってました!」

澪「憂ちゃんの料理、楽しみだな」

律「おいおい、私も作ったんだぞ?」

澪「憂ちゃんの料理、楽しみだな」

律「無視すんなーっ!」

たとえ軽口でもいい。
褒められて悪い気はしない。

唯「ふぅ…お腹いっぱい」

憂「はいお姉ちゃん、食後のアイスだよ」

唯「ありがと~っ」

憂「ふふっ、みなさんもどうぞ」

澪「本当に憂ちゃんはよくできた妹だな」

憂「えへへ」

唯「ふあぁ…なんだか眠くなってきちゃったよぉ」

紬「私も…昨日寝るのが遅かったから眠い…」

律「おいおい、食ってすぐ寝たら太るぞ?」

唯「むにゃむにゃ…」

律「聞いてねえ…」

憂「お姉ちゃん、風邪ひいちゃうからちゃんと布団かけて」

澪「まったく、何してるんだか」

憂「いいじゃないですか、疲れてるみたいですし」

その後、結局お姉ちゃんと紬さんは寝てしまった。
二人とも気持ちよさそうに寝ている。

お姉ちゃんはいつもより勉強を頑張っていた。
だからちょっとは休ませてあげたいしこのままにしておこう。

律「これからどうする?」

澪「どうするって…勉強だろ?」

律「えぇ~…だって二人とも寝てるのに?」

澪「二人が寝てても私たちはできるだろ」

律「勉強つまんなーい」

澪「だったら邪魔にならないように寝てろ」

律「ちぇっ、じゃあそうしよっと。勉強するぐらいなら寝てる方がマシだ」

とうとう律さんまで寝てしまった。

憂「い、いいんですか?」

澪「ほうっておこう…それより、私たちは頑張ろっか?」

憂「は、はいっ」


まさかの展開。
今この部屋で起きてるのは私と澪先輩の二人きりだ。

心臓の鼓動が少し早くなった気がする。


憂「……」

澪「……」

憂「……」

澪「……」

正直に言って、勉強に集中できない。
澪さんの顔をチラチラと見てしまう。
気になって気になってしょうがない。

今まででは考えられないこと。

お姉ちゃんみたいに気になってしまう。
いや、お姉ちゃん以上かもしれない。

だけどお姉ちゃんに対する気持ちとは微妙に違う。
この気持ちは何?

澪「…あ、あのー…憂ちゃん」

憂「な、なんですか?」

澪「さっきから私のこと見てるけど…な、なに?」

憂「!」

チラ見してるのがバレてた。


憂「あっ、いやっ!そのっ!」

ドキッとする。
顔が熱くなる。
頭の中はパニック状態だ。

澪「な、なにか変なものでもついてるのかな…?」

憂「ち、違うんです!澪さんが綺麗だからついその…」

澪「えっ」

憂「あっ…」

つい出てしまった本音。
口の動きが止まってしまう。

澪「あっ…その……」

澪「えっと…あ、ありがとう///」

憂「い、いえ…」

面と向かって言われれば、流石に恥ずかしいに決まってる。
澪先輩の顔は赤くなっていた。

この空気はちょっとマズイかも。
何か言ってフォローしなきゃ。

憂「で、でも!美人なのは本当ですよ?」

澪「…///」

逆効果だった。
それに言ったこっちまで恥ずかしくなってくる。

憂「ぁの…えっとぉ…」モジモジ

澪「そ、そういう…」

憂「え…?」

澪「そういう憂ちゃんも…可愛いんじゃないかな…」

憂「あっ…えぇっ!?」

澪「いやっ、その…私ばかり褒められるのもあれだし…」

憂「うぅ…///」

いきなり言われた一言。
それだけで私は撃沈された。

澪「……べ、勉強やろっか」

憂「そ、そうですね…」

とりあえず気を静めよう。
勉強に集中さえすれば落ち着くはず…

憂「…///」チラッ

澪「っ///」

無理だった。
やっぱり澪さんの方に目がいってしまう。

このままじゃ自分がおかしくなる。

憂「あ、あのぅ…澪さん」

澪「はいっ!」

とりあえず話の流れを変えよう。

憂「み、澪さんの字って…かわいいんですね」

澪「え?」

憂「ノート、ちょっと見えたんで」

澪「あっ!?」

澪さんはとっさにノートの上に体を覆いかぶさった。
まるで何かを隠すようにして。

憂「澪さん?」

澪「いや!なんでもないんだ、なんでもないぞー」

憂「?」

何を隠してるんだろう…
気になる。

でも触れないほうがよさそうだ。

澪「……」チラッ

憂「……」

澪「……」チラチラッ

憂「…あの~」

澪「な、なにっ?」

憂「ひょっとして…見てもらいたいんですか?」

澪「えぇっ!?そ、それは…でも…」アセアセ

澪「えっと~…」オズオズ


最終更新:2010年08月23日 21:40