澪「んん……」

澪(なんか、あったかい……)

唯「すー、すー…」

澪「ゆ、ゆい?……ってそうか、昨日は唯と……」

澪「 」カァァ

澪「……もう少し、寝ようかな」

唯「すー、すー…」

唯「むにゃむにゃ……はっ」

澪「……すー……」

唯(おお、澪ちゃんより早く起きれた!)

唯「……えへへ、遊んじゃお」

ぷに ぷに

唯(ほっぺた、マシュマロみたい)

澪「……んぅ……」

唯「!」

澪「……すー…」

唯「ふう、セーフセーフ」

ぷに ぷに

唯「……可愛いなぁ」

澪「……」


ぷに ぷに

澪「……」

ぷに ぷに

唯「……」

ぷに ぷに

澪「いつまで続けるんだ?」

唯「はわっ!? お、起きてたの?」

澪「セーフセーフの辺りからな」

唯「早く言ってよ……。許可を貰いたかったんだから」

澪「許可……って、なんの?」

唯「こっち、吸っていいかなって」

さわ

澪「あっ……」

唯「ねぇ、いいでしょ」

澪「……昨日の夜、散々吸い尽くしたくせに」

唯「足りないの」

澪「甘えん坊」

唯「いいもん、甘えん坊で」

澪「ふふ。……いいぞ、吸って」

唯「いただきます」

ちゅっ

澪「んんっ!」

唯「……」レロレロ

澪「こ、こらそんなに……んぁっ」

唯「おいし……」



澪「そろそろ、シャワー浴びないか」

唯「うん。ベトベトだしね、おもに澪ちゃんので」

澪「……うるさいな。しょうがないだろ、あんなこと……されて」カァァ

唯「えへへ」

――――――――――――――――
――――――――――
――――――

ざああ

唯「……」

澪「どうした?」

唯「改めて見て、格差社会っていうのを思い知ったよ」

澪「……いや、まあ唯もそのうち大きくなるって」

唯「うぅ……それっていつ?」

澪「分からないけど……ほら、揉まれると膨らむって言うだろ」

むにゅ

唯「ひゃうっ!」

澪「たっぷりマッサージするからさ……」

唯「……澪ちゃんのえっち」

澪「これは優しさだ。あるいは思いやりだ」

ぷしゅっ

唯「……」ゴクゴク

唯「ぷっはぁー! 風呂上がりはこれだね!」

澪「またうちの冷蔵庫を勝手に」

唯「えー? もう澪ちゃんの家は私の家だよ!」

澪「!」

澪「ははっ、そう! そうだなっ! 唯はもう家族同然……だもんな……へへへ」

唯「さて、もう一本っと」

澪「今日は何をして遊ぼうか」

唯「ゴロゴロ」

澪「……それは、楽しそうだ。他には?」

唯「ゴロゴロ」

澪「うんうん。じゃあショッピングモールに……」

唯「ゴロゴロ」

澪「……太っちゃうぞ」

唯「激しくゴロゴロ」

澪「分かったよ」

唯「わーい」

唯「えへー」

澪「こら、引っ付きすぎ。暑いだろ」

唯「ね、澪ちゃん」

澪「んー?」

唯「ずっと、こうしていたいね」

澪「難しいな、暑いし」

唯「ずっと」

澪「……ああ、そうだな。ずっと……あっ!」

唯「どしたの?」

澪「詩! 詩が浮かんだ!! ペンと書くもの!」

唯「澪ちゃん、紙! 紙!!」


一部完



律「ん……ふぁあ」

律(朝、か)

律(うわ、けっこう布団がぐっしょり……)

律(半分以上はコイツのせいだな……)

梓「……くー……」

律「さて、喉も渇いたし、布団から出ようかな」

梓「……くー……くー」

律「出たいんだけど、な!」

梓「むにゃ……くー」

律(手が回されてて出るに出られん!! かといって起こすのも憚られる)

律(どうするべきか)

律「って、んなのどうでもいいわいっ」バサッ

梓「んん、……くー……」

律(全然起きないな、梓)

がちゃ

律(冷蔵庫には……炭酸水しかない)

律(あんまり美味しくないんだよなー。甘くもないし、酸っぱくもない)

律「……ごく」

律「うへ、まっず……」

律(先にシャワー浴びとこうかな)

―――――――

梓「……ん、あれ?」

梓「りつ、せんぱい……? どこです?」

梓「律先輩……」

梓(朝起きて一人なんて……、嫌じゃないですか。もう……)

―――――――

律「あずさー?」

梓「……」

律(なんだ、まだ寝てるのか)

梓「……」

律「……」ナデナデ

梓「っ……」

律「寝顔だけは可愛いやつめ」

梓「!」

梓「……」

梓「ん、……律先輩、おはようございます」

律「起きたか。今から朝飯作るけど、入りそうか?」

梓「はい。何か手伝いましょうか?」

律「いや、大丈夫。それよりシャワー浴びてこいよ」

梓「そうですね」

―――――

ざああ

梓(律先輩って、二人で何かすることを特別に思わないのかな)

梓(二人で起きて、二人でシャワーを浴びて、二人で朝ご飯を作って………なーんて)

梓(私がちょっとベタベタし過ぎかも)

梓(先輩はもっとドライな関係を望んでるのかな)

梓(だとしたら、私は……)

梓「よしっ!」



梓「シャワー終わりました」

律「おう、いま出来るからちょっと……」

梓「先輩!!」

律「わっ!? いきなりなんだよ?」

梓「裸にワイシャツで朝ご飯作るの止めてください! あまりにみだらです」

律「えっ?」

梓「それと、髪はちゃんと乾かさないとダメです! こっちへ!」

律「ちょ、まだ味噌汁がっ!」


ごおお

律「……なあ、そろそろ乾いたろ?」

梓「まだです。まだまだです」

律「もしかして、なんか怒ってる?」

梓「そんなことありません」

律(なんだかツンとして冷たいなぁ、今日の梓)

梓(ベタベタしながらもカラリとした受け答え。これがベストなはず!)

律「もしかして、昨日激しくしたせい?」

梓「なっ!!?」

律「やっぱりそうか。ごめんな。いつも生意気な梓が健気に私を呼ぶから、なんかすごい堪らなくって」

梓「……り、律先輩のばかぁッ!!」

ごっ!

律「ったく、痛いじゃないか。ドライヤーへこんだし」

梓「すみませんでした、つい……」

律「で、なんで今日はつんけんしてるんだ」

梓「それは……その、律先輩とはそういう関係を保った良いのかなって」

律「別にMじゃないんだけどな」

梓「そ、そうじゃなくて! 先輩はいつもサバサバしてるから!」

律(そっか、なるほど)

律「……私が好きなのは!」

ぐい

梓「きゃっ」

律「いつもの、ありのままの梓なんだっ!」キラッ

梓「あ、そうなんですか」

律(流された!)


梓「私も、いつも愚直な律先輩が大好きです」

律「いま、暗に馬鹿って言ったな」

梓「暗に言う必要もないですけどね」

律「このやろっ」

梓「あはは。あ、なんか吹きこぼれる音が」

律「うぁあっ! 味噌汁!!」


第二部完



さわ子「ぐおー……がこー……」

紬(先生の鼾で眠れなかったなぁ)

紬(いつもは大人の女性って感じだけど……)

さわ子「……ぐおー……ごっ…………ぐおー」

紬「ふふっ」

紬(眼鏡を外してる寝顔は、すごく子供っぽい)

さわ子「ごっ……むにゃ……あ、おはよ、ムギちゃん」

紬「おはようございます」

さわ子「って、私……膝枕されてる?」

紬「恋人を膝枕して朝を迎えるのが夢だったの。ありがとう、先生」

さわ子(恋人……先生……)

さわ子「むしろ私がありがとうよ。このアングル、とっても眼福……」

紬「やだ、先生ったら」

さわ子「ふふ。ね、もうちょっとだけ寝かせて? 心地良いの、貴女の膝枕」

紬「どんとこいです」

さわ子「ありがと……すー……」


紬(……痺れて来ちゃったかも)

さわ子「痺れたなら早くそうと言えば良かったのに」

紬「だ、だって」

ちょん

紬「やぁあっ!」

さわ子「ふふふ、良い声で鳴くわね」

紬「許してぇ……先生……」

さわ子(たまらん)

さわ子「先にシャワー浴びてくるわ」

紬「は、はい」

紬(た、助かったー……)

―――――

ざああ

さわ子「恋人………先生……」

さわ子(私ってあの子に悪影響なんじゃないかしら)

さわ子(ものを教えるついでに女の喜びまで……)

さわ子「………はあ」



さわ子「ムギちゃん、次どうぞ」

紬「はーい、先生」

さわ子(この子にとって私は、先生……)

紬「どうかしました?」

さわ子「い、いえ。なんでも」

紬「わあ、可愛いお風呂場!」

ざああ

紬「つ、つめたっ!」

きゅっきゅ

紬「あっつつ……」

紬(使い方、よく分からないわ……)

紬「シャンプーは……これかしら」

ぽん

びゅるっ!!

紬「ひゃぁっ! 胸元にかかっちゃった」

さわ子(お風呂覗きに来たら……なにこのサービスシーン)

―――――――――

紬「上がりましたー」

さわ子「ごちそうさまー」

紬「?」

さわ子「いえ、こっちの話」



紬「このお弁当、どうしたんですか」

さわ子「あ、これはただのコンビニ弁当」

紬「うわぁ、これがコンビニ弁当っていうものなんですね!」

さわ子(なんかすごいキラキラしてる………)

さわ子「さ、食べましょ」

紬「いただきます!」


紬(この緑のギザギザ、食べ物なのかしら)

さわ子(私とムギちゃん、ホントに恋人になって良かったのかしら)

紬(普通食べ物以外は入ってないと思うけど、なんだかビニールみたいだし……)

さわ子(先生が恋人っていう事実を、お嬢様のムギちゃんがどう受け取っているかもよく分からない……)

紬(質問してみよう)

さわ子(ちょっと聞いてみようかしら)

二人「「あの、聞きたいことが」」

さわ子「あ、ムギちゃん先どうぞ」

紬「でも、些細なことですから。先生からどうぞ」

さわ子「うーん、そう? じゃあ聞くけど……私達って本当に恋人になって良かったのかしら?」 

紬「どうしてそう思うんですか?」

さわ子「だ、だって私、先生だし……不器量な女だし……じり貧だし」


紬「そんな先生が好きなんですから、何も悪いことなんてないです。悪いことなんて……」

さわ子(……ムギちゃんの目、真剣)

さわ子「……ありがとう。そう言ってもらえて、私とっても幸せよ。愛してる」

紬「私も幸せです。あ、それより先生」

さわ子「なに?」

紬「この緑のギザギザ、食べられるんですか?」

さわ子「………」

第三部完



おまけ

梓「……ん」

梓(もう、朝……)

唯「すー……すー……」

梓(唯先輩……)

梓(なんで私のパンツかぶって寝てるんですか……)

唯「っくしゅ……すー……」


お付き合い下さり、ありがとうございました。



最終更新:2010年08月23日 23:27