部活後!!

唯「うぅ~、やっぱりライブとお芝居の練習を同時にやるのは大変だぁ」

梓「大変なのは澪先輩達だと思いますけど。唯先輩は木Gじゃないですか」

唯「何言ってるの、あずにゃん! 落ち着きのない私にとって、木の役がどれほど大変か!」

梓「はぁ(自覚はあったんだ……)」

紬「唯ちゃん、もうちょっとだから頑張ろー」

唯「うん、私はやるよ!」フンス

律「芝居もいいけど、そろそろライブの方も曲順を決めないとなー」

澪「わ、私ロミオ役大変だし、ライブは全部唯にボーカルやって欲しいなぁ、なんて……」

唯「うん、いいよ~」

律「なっさけないな~。舞台で主役やるついでに、ボーカルも私にまかせろー、とか言えないのかよ~」

澪「うん、言えない!」キリッ

律「いや、そんな後ろ向きなことに自身満々になられましても……」

紬「うふふ」

唯「澪ちゃんは相変わらずだね~」

梓「結局、恥ずかしがり屋は克服できませんでしたね」

澪「うぅ~///」

唯「あ、りっちゃん。コンビニに寄ってかない?」

律「なんだよ、もっと早く言えよ~。もうとっくに通り過ぎちゃったぞ」

梓「あ、でもあの先曲がったトコにもコンビニありますよ」

唯「うん、そこでいいじゃん」

紬「私、駄菓子買っちゃお♪」

律「あはは、どっぷりハマっちゃってますなー」



コンビニ!!

??「いらっしゃいませー」

律「お」

姫子「あ」

唯「姫子ちゃん!!」ダキッ

姫子「わあ! 唯!?」

律「はーい、お仕事中の店員さんに抱きつかないでくださーい」グイッ

唯「あぅぅ~。コンビニの制服可愛いのにぃ~」ジタバタ

紬「姫子ちゃん、このコンビニでバイトしてたんだ~」

姫子「ん。みんなは部活の帰り?」

律「まあね。姫子がバイトしてるんなら、これからはこの店に来るかぁ」

唯「私も常連さんになるよっ!」

姫子「あは。サンキュ」

律「でも姫子って、ソフト部じゃなかった? もう引退したの?」

姫子「運動部は夏の大会で引退だから。だからこうしてバイトできるってわけ」

律「ふーん。バイトもいいけど、ちゃんと受験勉強してるかー?」

姫子「あ、律には言われたくないわねぇ」

律「なんだとー!」

梓「クラスの人ですか?」ボソボソ

澪「うん、立花さんって言うの」ボソボソ

梓(ちょっと見た目怖いけど、いい人なのかな。唯先輩が懐いてるみたいだし)

梓(でも澪先輩はちょっとビビッてる? でも澪先輩、人見知りだしなぁ……)

紬「りっちゃん、大変大変! うまい棒に見たことない味があったの」

律「ああ、お店によってちょっとずつ品揃えが違ったりするんだ」

紬「私、このサラミ味を買ってみる!」フンス

律「うん、いいんじゃない?」

唯「ムギちゃん、甘いよ! 私なんてこんなの見つけちゃったよ! ハッピーパウダー200%のハッピーターン!」

律「お、それは良さそう」

紬「なあに、それ。ハッピー? ハッピーなの?」キラキラ

唯「ハッピーなんだよ! しかも200%なんだよ!?」

紬「凄いっ!」キラキラ

姫子「……この2人の会話は和むけど、律は大変そうね」フフッ

律「あはは……」

梓「ああ、それ食べたことありますよ。美味しいですよね」

唯「おぉ~」

紬「梓ちゃん、ハッピー? ハッピーになった?」

梓「はぁ、まぁ、それなりに」

紬「凄い凄い!」キラキラ

姫子「ああ、この子が『あずにゃん』なのね」

梓「えっ!?」

姫子「私、唯達のクラスメイトで立花姫子

梓「あっ、2年の中野梓です。よろしく」ペコ

姫子「唯がいつも可愛い後輩がいるって自慢しててさ、だから知ってたの」

梓「そうなんですか(どんな話してたのか気になるなぁ)」

姫子「ネコミミ似合うんだって?」プッ

梓「(ぎゃ―――――っ!!)あ、あははは……///」

ピピッ ピピッ

姫子「あ、ごめん。私、揚げ物やってたんだわ」

律「あっ、じゃあからあげ君のチーズ揚げたら教えてよ。揚げたて買うから!」

姫子「ん。わかった」

澪(みんな立花さんと平気で話せてるんだな……)

澪(私、引っ込み思案なせいで、凄く損してる気がしてきた……)

澪「律っ!」

律「うおっ!? どうした、澪」

澪「今日も律の家に行っていいか? またお芝居の練習しよう!」

唯「おぉ~、澪ちゃんがやる気だ!」

紬「澪ちゃん……」ウルウル

律「よし、今日もやるかぁ」

唯「私も負けずに、憂にお芝居の稽古を見てもらうよ!」

梓「木Gの稽古を、ですか?」

唯「あずにゃん、落ち着きのない私が…」

梓「あー、はいはい」

唯「流された!?」ガーン

姫子(唯は可愛いなぁ……)ププ



お会計!!

姫子「さっき聞こえちゃったんだけど、秋山さん、これから練習だって?」

澪「う、うん。せっかく選んでもらったんだから、頑張ろうかな、って……」

紬「澪ちゃん……」ウルウル

姫子「あは、真面目なのねぇ。でもファンクラブの子達も喜ぶだろうし、頑張って」

澪「あ、ありがとう…………ひ、姫子」

姫子「ん」

律「でもどうして私までジュリエットに選ばれるんだよー」プンプン

姫子「あー、律は澪と仲いいし、宝塚的なアレを期待されてるんじゃない?」

紬「そう! そうなの! 姫子ちゃん、わかってる!」キラキラ

律「とんだとばっちりだ―――っ!」

唯「でもりっちゃんも澪ちゃんも、お互いが相手役だから安心でしょ? いい配役だよ~」

律「うぅ~」

唯「そして私は木G役に魂を込めるよ!」フンス

姫子「ん。私も大道具として木Gを魂込めて作るよ」フフッ

唯「姫子ちゃん、ありがと!!」

姫子「あはは。……えっと、会計誰までやったっけ?」

紬「私で最後でぇ~す」

澪「うまい棒10本……」

紬「贅沢しちゃった♪」

律「いや、買い過ぎだろ」

梓「でもうまい棒って、実際は棒じゃなくて筒ですよね」

紬「え……?」フラッ

律「梓、お前はなんてことを!」

唯「あずにゃん、それは言い過ぎだよ!」

梓「へ? え?」

紬「私……私……ずっと騙されてたの……?」フラフラ

唯「ああっ、ムギちゃん、しっかり!」

律「梓っ! 謝れ! ムギに謝れ!」

梓「え? え? え?」

姫子「あっはっはっはっは! アンタら最高っ!!」

澪「は、恥ずかしい///」

姫子「バンドもいいけど、漫才でもイケるんじゃない? やってみれば?」

唯「それじゃあ、私がツッコミだねっ!」

唯以外全員『なんでやねん』

唯「はうっ!? 綺麗にハモられた!?」



唯の家!!

唯「なんでやねん! なんでやねん!」ビシッ ビシッ

憂「お姉ちゃ~ん、ご飯だよ?」

唯「なんでやねん! なんでやねん!」ビシッ ビシッ

憂「……お姉ちゃん、何やってるの?」

唯「今ツッコミの練習してるんだぁ~。なんでやねん!」ビシッ

憂「そうなんだ」

唯「憂、私のツッコミどうかな? 鋭いかな? なんでやねん!」ビシッ

憂「それもお芝居の練習なの?」

唯「あ……」

憂「?」

唯「ツッコミの練習に夢中で、お芝居の練習忘れてたよ!」

憂「そ、そうなんだ…(なんでやねん…)」



次の日!!

唯「りっちゃん、澪ちゃん、おはよう」

律「おーっす、唯」

澪「おはよう」

唯「2人とも一緒に来たんだ。昨日は練習進んだ?」

律「まあまあかな」

澪「1日でどうにかなったら苦労しないよ……」

唯「おぉ~、澪ちゃんがまた後ろ向きになってる!」

澪「うぅ~」

唯「あっ、いちごちゃんだ!」

律「ホントだ。お~い、いちご~!」

澪(うわ、あの子無表情で苦手なんだよなぁ……って、こんなことじゃダメなのに)

いちご「」プイッ

唯「うわ、あからさまに無視された!」

律「なんで無視すんだよー!」

いちご「……今日の私は機嫌悪いから……」

律「えぇ~?(普段と変わんねーし)」

唯「あっ、いちごちゃん、右側の巻き巻きが甘い! なるほどぉ~、それで機嫌悪いんだね!」

澪(唯ったら、そんなことぐらいで……)

いちご「そう」コク

澪(当たりかよ!)

律「えぇ~、よく見てもわかんねーし。気にすんなよ」

いちご「…ガサツ」プイッ

律「何を――――っ!」


唯「まぁまぁ、りっちゃん。今日はしょうがないよ~」

律「うわぁ~ん、唯ぃ~。アイツが、アイツがぁ~」

唯「よしよし」ナデナデ

澪「馬鹿やってないで、さっさと行くぞ」

律「ほーい」

唯「じゃあね、いちごちゃん。教室でね」

いちご「」コク



教室!!

唯「おっはよ~」


「おはよー」「はよー」「おはよう」「おっす」

唯「あっ、エリちゃん、また仏像の本読んでる!」

エリ「えへへ。また新しいの買っちゃった」

律「ぶつぞー、どうぞー」

澪「昭和のギャグか!」

あかね「あははは。この本、3千円もするんだって」

律「うわ、高っ!」

唯「うまい棒3百本分だね!」

あかね「あははは(何でうまい棒換算?)」

エリ「だってこの阿弥陀如来像見てよ~。うっとりしちゃう…」ホゥ…

あかね「うーん…」

律「わかるようなわかんないような…」

唯「可愛いよね」

律澪あかね『いや、それはわかんない』

唯「あれっ?」

エリ「うふふ」

律「ま、でも何かに夢中になるのっていいことだよな」

唯「う~ん。私もエリちゃんみたいに夢中になれるものあるかな~?」

澪「いや、お前は軽音部だろ! バンドに夢中になってくれよ!」

唯「おおっ、そっか。澪ちゃん鋭いっ!」

あかね「あはははは(唯ちゃんは凄いなぁ……)」



体育!!

春子「今日の体育、先生休みだってさー」

和「あら、そうなの?」

春子「テキトーに試合しとけって」

和「いい加減ねぇ」

唯「うぅ~、今日もバスケなの~?」

春子「なんだ、唯はバスケ苦手なの」

和「この子は大体苦手よ」

唯「和ちゃん、酷いっ! バスケは特に苦手なの! ボールを真っ直ぐ投げらんないんだよぉ~」

和「両手にバランス良く力を入れて投げないからよ」

春子「しょうがないなぁ。おーい、バスケ部~」

信代「何~?」

慶子「何?」

春子「ヘタクソな子集めてさ、簡単なバスケ講座やってあげなよ」

慶子「あぁ、そういうのは信代が得意だよ。ね?」

唯「信代ちゃん、おねげーします!」ペコ

信代「よっしゃ、まかしといて!」

紬「私もお願いしまぁ~す」

唯「ムギちゃんも?」

紬「私、球技は苦手だから」

信代「けっこうな人数になっちゃいそうね。まぁいいわ、体育館行こうよ!」

唯紬『はーい』


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最終更新:2010年08月25日 22:54