……………


コトブキシティ


律「さて、確か次の道を右に回って……」

唯「こっちだね!」バッ

???「うわっ!?」ドン

唯「あたたた……すいません……」

律「唯! 大丈夫か!?」タッタッタッ

唯「うん、私は大丈夫だけど……」

???「僕も大丈夫だから別に構わないよ」

唯「そうですか……よっと……」スクッ

律「そういやあなた、クロガネの方から来ましたけどクロガネの人ですか?」

???「あぁ、そうだけど?」

律「クロガネで人がたくさん集まってる場所ってありますか?」

???「たくさん集まる場所? なんでそんなところを?」

律「ちょっと人探しをしてまして……」

???「人探しねぇ……まぁ深くは追求しないけど、その探してる人がどういうところにいるのか知らないのかい?」

律「はい……」

???「人探しならここから北へ向かった方がいいと思うよ」

律「え?」

???「おっ、君ポケッチ持ってるね。 ちょっと貸してみて」

唯「は、はい」

???「えーと……」ピッピッピッ

???「まずコトブキから北に進めばソノオタウンに出るだろう?」

律「はい」

???「そしてハクタイの森を抜けてハクタイシティに着く」

???「ハクタイシティから南へ出ればクロガネシティに着く。 こういうルートで探した方がいいと思うよ」

律「はぁ~、ありがとうございます……」

唯「でも、クロガネから探しちゃダメなの?」

???「駄目じゃないけどクロガネからハクタイ、ハクタイからソノウへ行くとまたこの町に戻ってきちゃうだろ? クロガネまで行ったらすぐ近くにある『テンガンざん』を超えればこの地方の東側に出るからいいと思うけど……」

律「なるほど~」

唯「ありがとう! えぇーと……」

ヒョウタ「僕はヒョウタさ。 もしよければクロガネに来た時街中を案内してやるぞ」

律「ありがとうございますヒョウタさん!」

ヒョウタ「別に構わないさ。 あとポケッチ返すね」

唯「あっどうも」

ヒョウタ「それじゃあ僕はミオシティに向かうからこれで」

律「ありがとうございました!」

唯「お気をつけて~!」

律「………」

唯「………」

律「……行っちゃったな」

唯「でも次の行先はここから北へと変わったね」

律「うむ、クロガネは後でも構わないだろ」

唯「えーと北は……ソノウだっけ?」

律「そうだ! 次はソノウタウンに行くぞー!!」

唯「おー!!」





時はミオシティで梓が唯と律と別れるところまで戻ります


……………


梓「間に合えー……」

ぴーたん「………」パタパタ

梓「頑張ってぴーたん……」

ぴーたん「ぴー……」パタパタ



……………


アクア号

梓「よし、なんとか間に合った!」

ぴーたん「………」ゼェゼェ

梓「ごめんね、無理させちゃって……」ボン

梓「澪先輩はどこかな……? 船長室かな……?」

梓「……とりあえず探してみよう」タタッ



アクア号 船長室


梓「澪先輩いますか!!」バン!

船長「!?」

澪「梓!?」

梓「やっぱり……」

澪「梓! なんで戻ってきたんだ!!」

梓「澪先輩が心配だからです!!」

澪「私の心配はしなくていいから早く律と唯のいるミオシティに戻れ!!」

梓「嫌です!!」

澪「戻れ!!」

梓「嫌です!!」

澪「………」

梓「………」

澪「……もういい、勝手にしろ」

梓「………」

澪「船長さん、前見ないと危ないですよ」

船長「あ、あぁ……」



……………


アクア号 甲板


梓「はぁー……やっぱり唯先輩達と一緒に残ればよかったかな……」

野生のピジョット「ピジョォォー!!」バサバサ

梓「わっ!? 野生のポケモン!?」

野生のピジョット「!」ジロッ

梓「えっ?」

野生のピジョット「ピジョォォー!!」ゴォ

梓「わわっ!? こっち来た!!」

梓「助けてあずさん!!」ボン

あずさん「ニャー!」バッ

野生のピジョット「ピジョ!?」


梓「あずさん! "ねこだまし"!!」

あずさん「ニャ!」パシン!

野生のピジョット「ピジョ!?」ビクッ

梓「あずさん! "きりさく"!!」

あずさん「ニャア!」ズバッ

野生のピジョット「ピジョ……」

梓「よし、このままいけば……」

澪「梓! さっきから何騒いで……」

野生のピジョット「!!」ギロッ

澪「ん?」

野生のピジョット「ピジョォォォォー!!」グォ!

梓「澪先輩! 危ない!!」



澪「ふわ☆ふわ、"10まんボルト"」ボン!

ふわ☆ふわ「ピー!!」バチバチバチ

野生のピジョット「ピジョォォォォー!?」ビリビリビリ

梓「澪先輩! 大丈夫ですか!?」

澪「あぁ、まさか野生のポケモンと戦ってるとは思わなかったから少しビックリしたよ……ん……?」

梓「どうしました?」

澪「もうすぐ着くな。 クチバの港が見えてきた」

梓「あっ、ホントだ」

澪「降りる準備しておいてくれ。 私は船長とちょっと話をしておく」

梓「は、はい」


……………


澪「準備はできたか? 行くぞ」

梓「は、はい」

澪「梓、私のばさ☆ばさに掴まってくれ」

梓「こ、こうですか……?」

澪「そうだ、じゃあばさ☆ばさ。 頑張って飛んでくれ」

ばさ☆ばさ「」コクン


バサバサバサバサ




クチバ港


船乗り「あれっ? 今何か飛んでったような……まぁいっか」



……………


船乗り「すいませんね。 止めようとしたんですけど」

船長「いや、構わん……」

船乗り「実はマチスさんからすぐに船の出航をやめるよう言われたんですけど間に合わなかったようで……」

船長「………」

船乗り「とりあえずマチスさんに帰ってきたことについて連絡しないと……」ピッピッ

船乗り「あっ、しばらく休憩しといて下さいね! あっもしもしマチスさん?」タッタッタッ

船長「………」



……………

17番道路


バサバサ


澪「ここまで来れば大丈夫だろう。 梓、一度降りてくれ」

梓「はい……よっと……」

澪「この道路を北へ上るとタマムシに、南へ下るとセキチクに着く」

梓「澪先輩は?」

澪「私はちょっと調べたいことがあるから……ポケモンセンターに着いたらパソコンでメールを見てくれ。 何かわかったらメールを送っておくよ」

梓「わかりました」

澪「よし、ばさ☆ばさ頼む」

ばさ☆ばさ「シャー!」バサバサ

梓「………」

???「………」

梓「何だろう……誰かに見られてるような……」

???「………」

梓「………」

梓「気のせいかな……」

梓「さて、とりあえずどっちに行こうかな……」


ブロロロロロロ・・・


梓「ん? バイク……?」


ブロロロロロロ・・・


梓「あれっ? もしかしてこっち来てる……?」


ブロロロロロロ・・・キキッ!


暴走族「おいおい、てめえ俺のテリトリーで何してんだよ!?」

手下1「しかも自転車にも乗ってねえじゃねえかよ!? 舐めてんのかコラァ!!」

梓(うわぁ……なんか絡まれちゃったよ……)


手下2「あれっ? よく見りゃ可愛くないすかこの子?」

手下1「兄貴、どうします?」

暴走族「へへっ、じゃあちょっと可愛がってやるか」スッ

梓「触らないで下さい!!」パシン!

暴走族「あぁ!? 何すんだテメエ! せっかく可愛がってやろうと思ったのによ!!」

梓「結構です!!」

暴走族「じゃあ無理にでも可愛がってやる!! ドガース!!」ボン!

ドガース「ドガース!」

梓「ぴーたん!!」ボン!

ぴーたん「ぴー!!」

暴走族「おっ? ポケモン持ってんのか? じゃあ勝ったら可愛がってやるぜ?」

梓「絶対負けませんよ!」

暴走族「それじゃあ遠慮なく行くぜ! "えんまく"!!」

ドガース「ドガース!」ブシュウウウウ

梓「うわっ! 何も見えない!!」

ぴーたん「………」ジー

暴走族「ドガース! "たいあたり"だ!!」

梓「躱して!!」

ぴーたん「ぴー!!」パタパタ

ドガース「!」

暴走族「なかなかやるな……じゃあ"ヘドロこうげき"!!」

ドガース「ドガース!」ブチャ

ぴーたん「ぴー!!」ベチャ

暴走族「へへっ! これでどうだ!?」

梓「"サイコキネシス"!!」

ぴーたん「ぴー!!」キュイイイイン

ドガース「!?」ドカッ

暴走族「ドガース!!」

ドガース「………」ガクッ

ドガースは倒れた!


梓「勝負ありですね!!」

暴走族「おいおい、俺はドガース一匹で勝負するなんて言ってねぇぞ?」

梓「えっ!?」

暴走族「むしろこっからが本番だ! マタドガス!!」ボン!

マタドガス「マタドガース!!」

梓「ええっ!?」

暴走族「オラオラ! 何驚いてんだいくぞゴラァ!!」

マタドガス「マタドガース!!」ドカッ

ぴーたん「ぴー!!」バタ

ぴーたんは倒れた!


梓「くっ! こうなったらあずさん!!」ボン!

あずさん「ニャー!!」ダッ

暴走族「まだ持ってたか!? おもしれぇ、そいつも倒してやる!! マタドガス! "どくガス"攻撃だ!!」

マタドガス「マタドガース!!」ブシュウウウウ

あずさん「……!」

梓「あずさん!?」

暴走族「マタドガス! "ヘドロばくだん"!!」

マタドガス「マタドガース!!」ドン!

ドゴン!

あずさん「………」フラフラ

梓「しっかり! あずさん!!」

暴走族「トドメだ! "ダメおし"!!」

マタドガス「マタドガース!!」ドカッ!

あずさん「」バタッ

あずさんは倒れた!


梓「あずさんまで……」

暴走族「へへっ、これで勝負あったな! それじゃあ……」


ガサガサ


暴走族「ん!? 誰かいんのか!?」


シーン・・・


暴走族「気のせいか……」


ガサガサ


暴走族「んんっ!?」


ドーブル「………」

暴走族「なんだてめぇは!?」

ドーブル「………」

暴走族「よくわかんねぇがやれ! マタドガス!!」

マタドガス「マタドガース!!」バッ

ドーブル「………」キュイイイイン

マタドガス「!?」ドカッ

暴走族「マタドガス!?」

マタドガス「ドガ……」フラフラ

梓「………」

マタドガス「………」バタッ

マタドガスは倒れた!

暴走族「マタドガス!? くそっ!? 覚えてろよ!!」ブロロロロロ

手下達「あっ、兄貴~待って下さい~!!」ブロロロロロ

梓「………」

ドーブル「………」ジー

梓「……助けてくれたの?」

ドーブル「………」コクン

梓「えーと……ありがと……」ナデナデ

ドーブル「♪」

梓「そうだ! ポケモンセンター行ってぴーたんとあずさんを回復させなきゃ!!」ダッ

ドーブル「………」ジー

ドーブル「………」テクテク


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最終更新:2012年09月27日 00:20