教室

唯「あれ?ムギちゃんまだ来てないの?」

律「う~ん?本当だな」

澪「もしかして今日欠席なのかな…」

唯「新曲期待していたのになぁ~」

律「ま、何か理由があるんだろうさ」

澪「梓にも伝えておかないとな」

ガラッ

さわ子「はい、みんな席についてー」

唯「ありゃ、さわちゃん来ちゃったよ~」

律「こりゃムギ欠席確定だな…」

さわ子「HRの前に琴吹さんについてお知らせがあらます」

生徒4「琴吹さんがどうしたのかしら…?」ヒソヒソ

生徒5「そういえば教室に現れてないわね…」ヒソヒソ

ザワザワ…

さわ子「はいはい静かにー!じゃ、入って来なさーい」

ガラッ

紬「し…失礼します…///」ヒョコッ

生徒一同「・・・」

唯「ほえ~」

律「・・・」

澪「・・・」

さわ子「えーと…琴吹さんはとある事情で今この姿になっちゃっていて…」

唯「か…かわいいっ…!」

生徒6「きゃ~!ちっちゃくてかわい~!」

紬「・・・///」

さわ子「…あ、こら、あんまり言わないの!でね、この姿だと学生生活で支障が出ることもあるからみんなで琴吹さんを助けてあげてね?」

生徒一同「はーい!」

和「先生。琴吹さんの身体が変わっただけで、他は変わらないということでしょうか?」

さわ子「えぇ、そんな感じよ。体育以外の授業は支障なく受けることはできるわ」

和「そうですか…」

紬「あ…あの…みんな…!」

唯「ほえ?」

紬「私…こんな姿になっちゃってみんなにこれからいっぱい迷惑をかけるかもしれないけど…よ…よろしくお願いします!!」

さわ子(お辞儀する姿も良い…!これはきゅんきゅんしちゃうわぁ~!///)

紬「・・・」

生徒6「迷惑だなんて思わないよー!」

紬「え?」

生徒7「琴吹さんは琴吹さんだもの!」

律「そうだぜ!ムギ!困った時は私たちに任せなっ!」

紬「み…みんな…」ウルウル

紬「ありがとう…グスッグスッ」

澪(な…泣き顔のロリムギ…も…持って帰りたいな…///)

唯「ム~ギちゃん!」ガバッ

紬「きゃっ!びっくりした~!」

唯「えへへ…ごめんね!でもムギちゃんがちっちゃくてかわいいから~!つい抱きしめたくなったんだぁ~!」

紬「・・・」シュン

澪「こ…こら!唯!ムギにちっちゃいと言うわないの!」

唯「え?なんで?」

澪「ムギは今の身体のことに触れてほしくないんだよ。本人が気にしていることなんだからあまり言ってやるなよ」

唯「え~!だってだって本当にちっちゃくてかわいいんだもん!」ギュッ

澪「だけど、ムギは…」

紬「良いのよ、澪ちゃん…」

澪「へ…?」

紬「唯ちゃんは悪気があって言っているわけじゃないことは分かるから良いの…それに、小さいことは本当に見た通りのことだから仕方ないわ…」

澪「ムギ…」

唯「えへへ…ムギちゃんありがとう」スリスリ

紬「もう…唯ちゃんってば苦しい…」

唯「良いではないか~良いではないか~」

澪「ま…いっか…」

教員4「え~と、じゃあ、この問題を誰に解いてもらおうかな~?」

生徒5「うわ…難しい問題だよ…当てられたくないな…」ヒソヒソ

教員4「じゃ、琴吹。解いてみろ」

紬「は…はい…!」ピョン

トテトテ

紬「・・・」

紬「うーん…うーん…届かない…」

紬「えいっ!えいっ!」ピョンピョン

生徒5(必死に頑張っているところ、かわいい…)ぽわ~ん

律「やべ…つい見とれちまった…先生!椅子か何かないんですか!」

教員4「…はっ…!琴吹…この椅子使いなさい…」

紬「あ…はい!ありがとうございます!」ヨジヨジ

紬「えっと…」カキカキ

唯(わは~!ちびっこムギちゃんかわいいよ~!)

紬「…と、できました…あ、椅子ありがとうございます」

教員4「あ…あぁ…」

教員4(やばい…なに生徒に萌えてんだ…)

律「あれ~?先生顔真っ赤ですよ~?」

教員4「だ…黙れ田井中!」




メイド「・・・」スチャ…

メイド「まず一人目のターゲットを言うぞ…」



紬「・・・」カキカキ

紬「あ…」ポロ

紬「うーん…うーん…」

紬(消しゴム取れない…)

生徒6「はい、琴吹さん」ヒソヒソ

紬「あ…ご、ごめんなさい…!」ヒソヒソ

生徒6「良いって良いって…」ヒソヒソ

紬(今度は自分で取らないと…!)

紬「あ…」ポロ

紬(今度は前の人の椅子の下に消しゴムが行っちゃったわ…でも今度はちゃんと椅子からおりて取らないと…)ピョン

紬(あ…あった…!)

教員3「えっと…あれ…?琴吹さん?琴吹さんがいない!」

生徒4「琴吹さんを捜そう!」

生徒5「まだ遠くに行っていないはず!」

タタタ

紬「・・・」

紬(どうしよう…みんな私がくなったと勘違いしちゃって捜しに行っちゃった…)

紬(今から椅子の下から出るに出られない…)


後で見つかりましたとさ




律「お~い!唯~!早く理科室に行くぞ~!」

唯「ま…待って~!」

澪「唯も準備できたことだし行くとするか」

律「しっかし、さっきのムギ失踪事件は面白かったな~!」

唯「椅子の下に隠れていたというよりも入っちゃったって感じだよね~!」

澪「こ…こら!ムギが気にしているだろ…」

律「あ…悪い…」

紬「ううん…いいの…私がちっちゃくなったのがいけないのだから…」

澪「ムギ…」

唯「ムギちゃんごめんね…」

紬「ううん。みんな気にしないで」ニコッ

唯澪律(やっぱりこの顔いい…!///)



教員2「各種の水溶液は何の水溶液か求めていく実験です。各班で結果を出していくのが今回の課題です」

律「よし!ちゃっちゃっと済ましちゃおうぜ~!澪とムギ任せたぜ~!」

澪「人をあてにするな!」

唯「?あれ?ムギちゃんは…?」

紬「ゆ…唯ちゃん…私…高椅子に座れなくて…」

唯「ごめんね!気づかなかったよ~!よっこいせ~!」ヒョイ


紬「ゆ…唯ちゃん…い…椅子にのせて…///」バタバタ

唯「ムギちゃん、アンプより軽~い!すっご~い!」

ピクッ

澪「私も小さくなりたい!」

律「はいはい…早く課題終わらせよーぜ…」

澪「ムギ…その水溶液は酸性だったっけ?」

紬「えっと…これとそれとあれが酸性だったわ」

律「・・・」

唯「ムギちゃんぎゅぅ~!」ギュー

律「いつまでムギを抱えているんだよ…」

唯「フィットサイズなんだよ~!」

紬「ゆ…唯ちゃん…もう、いいかしら…?」

唯「もうちょっとだけ~!むふふぅ~!」




メイド「……ふむ…」スチャ

メイド「これは良いものが見れた…」カキカキ


紬「はぁ…」とてとて

律「あ~腹減ったな~」

唯「お昼お昼~!」

澪「全くあの二人は…」

紬「・・・」

澪「どうした?ムギ…?」

紬「私…ずっとこのままなのかな、と思っちゃって…」

澪「突然になったんだろ?また突然元に戻るんじゃないのか?」

紬「だと良いのだけれど…」

澪「・・・」

唯律「いっただきまぁ~す!!」

紬「お弁当が大きく感じるわ…」

律「もし余ったらさ、もらってもいい?」

唯「あ!りっちゃんずるーい!私も私も!」

紬「え?いいけど…」

澪「おいおい…二人とも卑しいぞ」

律「そっかぁそっかぁ~!澪は要らないんだぁ~!」

澪「当たり前だ!人の弁当をねだるか、普通!」

紬「澪ちゃん…要らないの…?」

澪「へ…?」

紬「ほら、この玉子焼き美味しいよ?」ニコッ

澪「う…///」

紬「はい、あーん」

澪「へ?え?あ…あーん…///」パク

もぐもぐ

澪「あ…美味しい…甘味がちょうど良い!」

紬「良かったぁ~!」

唯「あ~!いいなぁいいなぁ~!私も欲しぃ~!あ~ん!」

紬「唯ちゃんには弁当箱の蓋に置いたじゃない?」

唯「違うよ~!ムギちゃんから食べさせて欲しいんだよ~!」

紬「え…?え…?」

律「もう唯、自分で食えよ」

澪「あ、そういえば、ムギ、新曲を聞かせてくれるって言っていたけど、今日は大丈夫なのか?」

紬「うん。ちゃんとみんなの分は用意してあるから大丈夫よ」

唯「やったぁ~!放課後楽しみ~!」

律「よっしゃ、がんばるか!」

紬「やっぱりもうお腹いっぱいだわ…みんなもらっていいわよ」

唯律「やったぁ~!」

澪「・・・」

澪「私も小さくなりたい!!」


教員6「え~…じゃあ、次の文章を…琴吹、読んでくれ」

紬「は…はい…!」ガタッ

教員6「ん?声はしたのだが…琴吹はどこなんだ…?」

紬「あ!私はここです!」ピョンピョン

教員6「おお、そんなところにいたか…えらく見えなくなったな…もう私も歳か…」

生徒5「ぷっ…くくく…」

生徒6「琴吹さん…」ヒソヒソ

紬「え?なに?」ヒソヒソ

生徒6「椅子の上に立って読んでみたらどうかしら?それなら先生に見えるでしょ?」ヒソヒソ

紬「そ…そっかぁ…!ありがとう!」ヒソヒソ

紬「よいしょっと…」

生徒6「・・・」

紬「あ…あ…」グラグラ

生徒6「え?ちょっ…!」

紬「ふぅ…」ピタ…

生徒6「ほっ…」

紬「えっと…今は昔…あっ…あっ…」グラグラ

生徒6「・・・」ハラハラ

紬「ふぅ…」ピタ…

生徒6「ほっ…」

紬「あっ…!」グラグラ

生徒6「ごめん、もう椅子からおりて!見ていられないわ」

紬「・・・」シュン

キンコンカンコーン

和「きりーつ!」

紬「・・・」しゅた

和「れい!」

紬「・・・」ぺこ

和「ちゃくせーき!」

紬「・・・」ぺたん


……

紬(あ…トイレに行きたくなっちゃった…)

紬「ね…ねぇ、唯ちゃん…」

唯「ん?なぁに?ムギちゃん?」ギュー

紬「…えっと…私今からトイレに行きたいのだけど…一緒に来てくれる…?」

唯「んー…私はまだ良いや!」

紬「そ…そうなの…」シュン


紬「・・・」とてとて

紬「ねぇ、りっちゃん」

律「んー?どうしたー?ムギー?」

紬「ちょっとトイレについて来て欲しいの…い…良い…かな…?///」モジモジ

律「・・・」

律「あ…あぁ!良いぜ!バッチグーだぜ!///」

律(その時、私の中の何かが弾けた気がしたが、心の中に留めておくことにした…いやするしかないのだ!)

紬「・・・」とてとて

律「・・・」すたすた

生徒1「あ、例のあの子だわ!かわいい~!」

生徒2「本当だ!もう撮影終わったのかな?撮影終わったのかな?」

生徒3「そんなわけないでしょ、だったら一緒にいる三年生の人はどうなるのよ?私前見たことあるわよ?」

生徒2「え?それじゃ、あの子、子ども役者じゃないの?」

紬「・・・///」ギュッ

律「……まぁ、あまり気にするな…悪口じゃないんだし…」

紬「で…でも…///」ギュー

律「・・・」

律(あれ…?ムギってこんなにかわいかったっけ?あ…子どもになったからそう感じるんだよ…そうに違いない…はは…)

紬「りっちゃん…?」ウルウル

律「ブフォッ!」

律(違う!断じて私は今のムギの仕草にときめいたわけじゃない!そうだあれだ!萌えたんだ!…あれ?一緒じゃねぇか!あぁ~もう!分からなくなってきた…!)

紬「り…りっちゃん…?大丈夫?」

律「うわああああああああああああああああ!!!!」ガンガンガン

紬「!?ちょっ…!りっちゃん何しているの!止めて!おでこケガするわよ!りっちゃん!」

生徒1「・・・」

生徒2「・・・」

生徒3「・・・」


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最終更新:2010年09月01日 23:05