紬「ふぅ…」スカッ
紬「・・・」
紬「う~ん…」ふるふる
紬(紙まで手が届かない…)
律「ムギ~!まだか~?」
紬「あ…うん!ごめんね、りっちゃん」
紬(とにかく紙を…せーのっ!)ふるふる
紬「あ…!」どてっ
律「んー?大丈夫かー?ムギー?あ…」ガチャ
紬「だ…大丈夫よって…あ…」
律「ごめんっ!!本っ当にごめんっ!!」
紬「い…良いよ、りっちゃんわざとじゃなかったのだから…それにりっちゃんがかけつけてくれなかったら私、紙取れなかったんだし…///」ふきふき
律「で…でもよ…」
紬「私の方こそごめんなさい…あんなものを見せちゃって…///」
律「いや…綺麗だったよ…毛が生えていない純粋さが…はっ…!///」
紬「……り…りっちゃん…///」
律「うわあああああああああああ!!!!マジでごめん!!マジでごめん!!マジでごめん!!」
メイド「・・・」スチャ…
メイド「ふっ…そんなことでうろたえるとはまだまだだな…」
紬「……もう、良いよ…///」
律「ご…ごめん…」
紬「りっちゃんがさっきのことを秘密にしてくれるなら許すから…///」
律「分かった!絶対に誰にも言わない!嘘ついたらハリセンボン飲んでやるぜ!」
紬「分かった…りっちゃんを…信じるね」ニコッ
律「・・・///」
紬(ハリセンボンじゃなくて針千本なんだけどね…)
律「・・・///」
律(い…いかん…!さっきから今のムギを見るたびにハートがドキドキしてしまう…!いかん!相手はムギだぞ!仲間だぞ!蘇れ!私の理性いいいいいい!!!!)
紬「?りっちゃん…大丈夫…?」
律(ここでムギに心配をかけさせちゃあいけねぇ!平常心!平常心!)
律「あ…あぁ…大丈夫さ…」
紬「無理しないでね…」ウルウル
律「・・・///」
律(うおおおおおおおお!!!!カムバック私の理性!!!!カムバック私の理性!!!!)
紬「あ…りっちゃん…トイレにつきあってくれてありがとう…本当に嬉しかったわ…///」キラキラ
律「」
生徒1「・・・」
生徒2「・・・」
生徒3「・・・」
紬「りっちゃん止めて!止めてったら!」
律「うわああああああああああ!!!!」ガンガンガン
紬「りっちゃん!どうしちゃったの?ねぇ、止めてよ!」
律「私は!!私は!!変態じゃねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」ガンガンガン
律が頭を打ちつけた壁に血が残り、後の桜ヶ丘高校の七不思議として語り継がれるのであった
ガラッ
律「う…」フラフラ
澪「律!遅いぞ…って、どうしたんだよ!」
律「え…?あぁ…これはちょっとした正当防衛さ…」
澪「……は?」
律「私は変態じゃねぇ…変態じゃねぇ…」ボソボソ
澪「・・・」
紬「りっちゃん、いきなり頭を壁に打ちつけ始めたの…何度も止めさせようとはしたのだけど…」
澪「・・・」
澪(原因はおそらくムギであることが想像できるが言葉にするのは止めておこう…)
澪は少し大人に近づいた
放課後
さわ子「みんな気をつけて帰るのよ~」
律「さわちゃん、今日部室に来るの?」
さわ子「それどころじゃないわよ~吹奏楽部が大会控えているし、(ムギちゃんの保護者のせいで)職員会議が増えたから当分来れないわよ~」
唯「大変だね。さわちゃん」
さわ子「はぁ…」
紬「さわ子先生…」
さわ子「ん~?どうしたのムギちゃん?」
紬「これ先生の分です…暇な時間に召し上がってください…」キラキラ
さわ子「・・・」
さわ子「あはははは!
山中さわ子!今日こそ素敵な日はないわ~!疲れなんて吹っ飛んじゃったわ~!」
紬「あの…さわ子先生…どうしちゃったのかしら…?」
律「気でも触れたんだろ…放っておけ…」
澪「つ…疲れていたんだよ…きっと…」
澪(本当のことを知ったらムギ…傷つくだろうな…)
唯「部室~!部室~!レッツラゴ~!」
紬「はぁ…はぁ…」
律「ムギー大丈夫かー?」
紬「え…えぇ…はぁ…はぁ…」
澪「やっぱり筋力も下がっているみたいだな…」
唯「ムギちゃん頑張って!部室はあともう少しだよ!」
紬「う…うん…」
紬(どうしてなんだろう…私…何で私だけこんなに苦しい思いをしなくちゃいけないの…)
紬「はぁ…はぁ…」
律「やっぱりこの階段は急だよな…今のムギにはキツ過ぎるだろ…」
澪「ムギ…」
唯「なら私がムギちゃんを抱えて来るよ!」
紬「ダメ!!」
唯「へ…?」
紬「私が…はぁ…はぁ…自分でのぼらないと意味ないの…」
唯「でもムギちゃん…きつそうだよ…?」
紬「だ…大丈夫…私が…自力でのぼらないと…」
紬(いつもそうだった…私は自分だけの力で達成したことなんてない…必ず誰かの助けがあってやってきたの…)
紬「はぁ…はぁ…」
紬(今回だってさわ子先生やりっちゃんに、澪ちゃん、唯ちゃんのおかげで今日の授業を無事にすごせたの…)
紬「はぁ…はぁ…」
紬(人が見ればたかが階段かもしれないけど、そのたかが階段さえもできなくちゃ意味がない…!)
紬(だって自分の力で達成できないとこの身体の問題だって解決できるはずがないじゃない…!)
紬「はぁ…はぁ…」
とん
紬「ようやく…たどり着いた…」
唯「ムギちゃんやったよ!ムギちゃんはできる子だよ~!」
紬「う…うん…ありがとう…」
澪「しばらく休んだ方がいいぞ?ムギ」
紬「ありがとう…でも、みんなお茶とか飲みたいんじゃ…」
律「なーに言ってるんだよ!お茶なんかよりムギの方が心配に決まってんだろ!」
唯「そーだよ!そーだよ!私がお茶を入れるよ~!」
律「え…唯が…?」
澪「不安だな…」
唯「」
唯「もういいもん…私みんなにお茶をいれたりなんかしない…グスン」
律「じょ…冗談だってば…」
澪「ムギ、そこの椅子で休めるか?」
紬「え…えぇ…」とてとて…ころん
澪「・・・」
紬「ふぅ……」
紬「スヤスヤ…」
律「寝ちゃったな…ムギのやつ…」
唯「ねっ…寝顔もかわいいっ…!」
澪「少し気になるんだが…ムギはあの身体のままでこれからやっていけるんだろうか…?」
律「確かにさっきの階段でへばっちゃったからな…かなりキツイと思うなぁ…」
澪「やっぱり…ムギは…身体が小さくなったせいで体力まで落ちたのか…」
律「どうするよ?やっぱりムギは…」
唯「二人とも勝手なことを言わないでよ!!」
澪「唯…」
唯「さっきムギちゃん、あんな急な階段を自力でのぼろうと必死だったんだよ!」
律「だけどよ…ライブとかもっとハードなんだぜ?」
唯「でもでもムギちゃんなら絶対やってくれるはずだよ!さっきのムギちゃんの目を見ていればライブだって参加できるってわかるはずだよ!」
澪「…分かった…唯…」
律「ムギを信じてみるか…」
唯「うん!うん!」
ガラッ
梓「すいません!遅れました!」
律「ちょうどまとまったところで梓やって来たな!」
梓「…はい?」
梓「え…?こ…この小さな子がムギ先輩…!?」
紬「スヤスヤ…」
律「まぁ一発で信じろとは言わないが…」
唯「かわいいよね!かわいいよね!あずにゃん!」
梓「あ…はぁ、まあ確かにかわいいですけど…」
紬「ん…私眠ちゃった…」
梓「あ…目を覚ましましたね…」
紬「梓ちゃん…?」
梓「は…はい!」ビクッ
紬「ごめんなさいね…私…寝ちゃってしまって…」
梓「あ…いえ…」
梓(雰囲気はやっぱりムギ先輩だ…!)
紬「寝たせいか、もうすっかり良くなったからお茶の準備するわね!」
紬「♪~」とてとて
梓「・・・」
梓「ど…どうしてムギ先輩あんな風になったのですか?」ヒソヒソ
澪「ムギも分からないらしいんだ…」ヒソヒソ
律「ホント謎だよなぁ…」
紬「み…みんな…!お…お茶ができたわよ…」フラフラ
梓「わーっ!!危なーい!!」
梓「私がやりますから!ムギ先輩は座っててください!」カチャカチャ
紬「ごめんなさいね…梓ちゃん…」
澪「ムギ…身体が小さくなると共に体力も落ちたんだからあまり無理するなよ?」
紬「うん…」シュン
律「まぁ、みんな心配してのことなんだからさ…」
紬「そう…よね…」
梓「…あ、ムギ先輩!新曲はどうでしたか?今日持ってきてくれたのですよね!」
紬「あ…うん!みんなの分もちゃんとあるわよ!」ガサゴソ
紬「ほら!」
唯「わ~い!ムギちゃんさすが~!」
澪「早速歌詞を作ってこないといけないな…」
律「楽しそうな感じじゃないか!さっすがムギ!」
紬「えへへ…///」
梓「!?」
梓(今のムギ先輩の顔…かわいかった…)
律「それじゃ、練習してみっか!」
唯「ほーい!」
梓「まず唯先輩は楽譜の読み方から入りますよ」
唯「あぁ…あずにゃん優しく教えてね~」
梓「それは唯先輩次第ですよ」
唯「あぁん…そんなぁ~…」
紬「・・・」
紬(私も練習しようっと!)
紬「あ…」
唯「あはぁ…」ほわわん
梓「唯先輩?」
紬「う~ん…」プルプル…
唯「ぐふふぅ~」ほわわん
梓「唯先輩…聞いてます…?」
紬「えい!えい!」ピョンピョン
唯「ふふふぅ~」ほわわわん
梓「唯先輩!!」バンッ
唯「!?え…な、な、なあにあずにゃん?」
梓「私の話聞いてましたか?」
唯「うん!ムギちゃんかわいいよね!」
梓「・・・」ペキッ
紬「う~ん…あ!」
紬「♪~」とてとて
梓「ゆ~い~せ~ん~ぱ~い~!!」
唯「あはぁ~…はっ!あ、あ…あずにゃん…こ、怖いよっ!!」
梓「唯先輩が人の話を聞かないからでしょっ!!」
唯「ご…ごめんね!あずにゃん!ちょっとムギちゃんに気をとられていたのでつい…」あたふた
梓「人のせいにしないでくださいっ!!」
紬「♪~」とてとて…とん
紬「よし!」フンス
澪「律、テンポまた違うぞ!」
律「あり?また間違えちゃった?」
澪「しっかり見てないからそうなるんだぞ」
唯「ぎゃー!!痛い痛いよ!!あずにゃん!!」
梓「ダメです!!唯先輩はこうしないとダメです!!」
律「…はは…」
澪「なにやってんだか…」
唯「あずにゃん、苦しいよ!!ロープほどいてよ!!」
梓「イヤです!!だいたい唯先輩が私の話を全然聞いていないのが悪いじゃないですか!!」
唯「いやぁん…あずにゃんがいじめるぅ~!!澪ちゃん助けて~!」
律「・・・」
澪「…なに…やっているんだ…?二人とも…」
梓「はっ!あ、こ、これは…その…唯先輩が言うことを聞いてくれませんから…///」あたふた
唯「あずにゃん…私に厳しいんだよぉ…」
梓「誤解を招く言い方しないでください!!」
澪「唯…梓がせっかく教えてくれているのだから聞いておかないと…」
唯「だって、その傍らでムギちゃんが一生懸命にキーボードに手を伸ばそうとしているから、それどころじゃなかったんだもん」
梓「何がそれどころじゃなかったんだもんですか、何が」
律「…一理あるな…ムギのあの姿は愛くるしいのは確かだ…」
梓「はぁっ!?」
澪「唯っ!!」
梓「澪先輩も言ってやってくださいよ!!今日は唯先輩酷いんですから!!」
澪「どうだったんだ…?ちびムギの姿は…?」
唯「すっごいキュートだったよ~!持って帰りたかったぐらい!」
澪「い…いいなぁ…」
梓「」
最終更新:2010年09月01日 23:07