教員8「はい、今日はバレーボールをやりまーす。じゃまず、4人一組となってトスの練習をしてくださーい」
生徒一同「はーい」
唯「りっちゃんはさっき壁を頭に打ち続けたせいで額から出血しちゃって今保健室に行っているから、澪ちゃん、ムギちゃん、和ちゃん一緒にやろー?」
澪「これぐらいならムギにも問題ないだろうな」
和「そうね」
唯「それならさっそく、行きま~す!それ!」
ぽ~ん
澪「よっと…」
ぽ~ん
和「そーれっ」
ぽ~ん
紬(トスぐらいならこの身体でも大丈夫なはず…よ~し!)
紬「そいやっ!」
ぐきっ
紬「」
唯「ああ~ん!ムギちゃん飛ばしすぎだよ~!」
唯「あれ…?ムギちゃん?」
律「突き指で私と同じ保健室にいるわけか…」
紬「……ぐす」こくんこくん
律「まぁ良かったじゃん。骨折とか脱臼じゃなくて」
紬「うん…そうなんだけど…初めてだったから…」
律「えぇっ!?今まで一度も突き指になったことないのかよ!?」
紬「う…うん…」
律(マジかよ…ムギがお嬢さま育ちだとは分かっていたがまさかこれほどまでいっていたとは…)
紬「ねぇ、りっちゃん、突き指っていつになったら痛みが引くの?」
律「そりゃあ…放っておけばいつの間にか痛みが引いているけど…」
紬「そ…そうなんだ…」しゅん
律「・・・」
律「あ~…少し痛みが引く方法があるんだったなー…」
律「・・・」チラッ
紬「・・・」きらきら
律「うぐっ…やるからさ…痛い指を出してみな」
紬「うん…」さっ
律(ちっちゃくて強く握ったら潰れちゃいそうな指だなぁ…)
紬「ど…どうするの?」
律「それはな~こうするんだよ…」
キュッ
紬「?ハンカチで指を巻いてあるけど…これだけでいいの?」
律「なんか知らないけど、突き指は一種の内出血みたいなものらしいから、冷やすか血の流れを抑えた方が良いんだってさ」
紬「本当…りっちゃんの言う通り、痛みが引いてきた気がする…りっちゃんすごい!何でも知っているのね!!」
律「へへ…まーな…」
紬「りっちゃんは大丈夫なの?自慢のおでこをぶつけたりしちゃって…」
律「へ…?あ…あれは…き、筋トレのよーなもので、頭を鍛えてさ…なんつーか、平常心を取り戻すためのものっつうか…」
律(ああもう自分で何言っているか分かんねぇ…)
紬「そうなの…」
律(あ、今ので良かったのか…)
紬「でも、あまり無理しないでね。りっちゃんが体育でいないだけでもみんな寂しがっていたのよ?それほどりっちゃんはみんなから慕われていたのよ」
律「・・・」
律(いや…これはムギが単純に私を誉めただけに過ぎないんだよ…あぁ、そうに違いない。そりゃあ三回も同じような感じになりゃあ、いくら私でも学習能力はつくぜ!良かった…私は変態じゃないんだな…私はロリコンじゃない…!)じーん…
紬「あ…あの…りっちゃん…///」
律「んー?どったー?ムギー」
律(今の私ならどんなものでも耐えられそうだぜ…!)
紬「あの…またりっちゃんに迷惑がかかるかもしれないのだけど…///」もぞもぞ
律「なーに言ってんだよ、ムギ!私らの仲だろ?迷惑だなんて気にするんじゃねぇーよ!」
紬「あ…ありがとう。そ…それなら……トイレについて来てくれる?///」
律「」
律「・・・」すたすた
紬「・・・」てとてと
律(……うむうぅ…いかん…!)
紬「・・・」てとてと
律(ついムギのブルマに目がいっちまう…)
紬「あ…!ねぇ、りっちゃん…」くるっ
律「!?」ビクッ
紬「?ど…どうしたの?そんなにびっくりしなくても…」
律「な…何でもないさ…はは…あははは…それよりどうしたんだ?」
紬「なんか…私たち今授業中なのに二人で抜け出したみたいですごいと感じない?」
律「・・・」
紬「それに、前に二人だけで遊んだ時もりっちゃんからいろいろと案内してくれたよね…なんだかわくわくしてきたわぁ~」
律「・・・」
律(なんでだよなんでだよなんでだよなんでだよなんでだよ!!ちきしょーー!!こいつは素で言っているんだよな?わざとじゃねえよな?なんでこうも『あれ?なんかこれありじゃね?』みたいな雰囲気を作っちまうんだよコイツは!!)
紬「♪~」てとてと
律(むきゃーー!!どうしたら良いんだよ!!)
トイレ
律「はあ…はあ…なんとか乗り越えたはず…たぶん…」
紬「りっちゃん大丈夫なの?さっきから顔色が優れないけど…」
律「・・・」
律(言えねぇ…コイツのせいだと言えねぇ…)
律「な…なんとかな…ははっ…というか今度は大丈夫なんだろうな?また紙が届かずこけてしまったらそれこそ骨折するぞ?」
紬「えぇ!今度はちゃんと考えてあるの!」
律「へ…へーどうするわだ?」
紬「和式の方でやれば良いのよ!」
律「……へ?」
紬「和式なら落ちることもないはず!これなら安心よ!」
律「あれ…?なら私いらなくない?」
紬「……あ!」
律「こらっ!」
紬「ご…ごめんなさい。りっちゃん…」しゅん
律「あ…いやぁ、私も暇だったからさ!そうそう…!私もトイレしたくなったんだぁ~」
紬「・・・」
律「はは…」
紬「りっちゃんは優しいんだね…」
バタン
律「・・・」
律(え…?なにこの喪失感…)
……
教員8「えっと…あなたは何をしていたのですか?」
メイド「精神的自由権の行使を…」
教員8「確かにカメラの撮影は自由ですよね」
メイド「そうです。自然的な行為です」
教員8「ですが、カメラに撮られたくない権利もあると思うんですが…」
メイド「それは初耳です」
教員8「…肖像権と言いましてね…撮られたくない人の気持ちを配慮したもので…」
メイド「大丈夫です。今日はその目標となる被写体がおりませんでしたので」
教員8「……は?」
唯「澪ちゃん、澪ちゃん。ムギちゃんの家のメイドさんが来ているけど、どうしたのかな?あんなにカメラをたくさん持ってきて」
澪「……詮索しない方がいいと思うぞ」
……
ガチャ
律「はぁ……」
律(くそっ…ムギのさっきの言葉が頭から離れねぇ…)
律(あれ?ムギの奴まだ終わっていないのか…)
律「はぁ…ムギ、おーい…」
しーん
律「そろそろ出た方がいいぜ?授業終わりそうだし」
しーん
律「ん?…はっ!もしやムギの奴トイレに落ちたんじゃ…!?」
律「開けるぞ!ムギ!」
バンッ
律「ムギ!大丈夫か!」
紬「!?み…見ないでー!!///」
律「へ?ご…ご、ごめん!!」バンッ
律「ふぅ…って、何があったんだよ?ムギ」
紬「……落としちゃったの…///」
律「へ?な…何をだ…?」
紬「……ブルマと…パンツ…ぐすっ///」
律「・・・」
律(つ…つまり…今のムギは下を隠すものがないということか…これは美味しい…)
律「……はっ!!」
律(いかんいかん!なに考えているんだよ私は!!仲間が困っているんだぞ?こういう時は助けてあげるべきだろ!!)
律「な…なぁ、ムギ…替えのぱん…下着は持っているか?」
律(いかん!!『パンツ』という単語でさえ危うい気がしてくる…!!落ちつけ!落ちつくんだ私!!)
紬「ううん…替えの下着なんて持って来てないの…」
律「…まぁ、普通そうだよな…下着は無理でも今からスカートを持ってくるからさ…ここで待っていなよ」
紬「うん…りっちゃんありがとう…ぐす」ぽろぽろ
律「もう、泣くなってば…すぐ持って来てやるよ」タタタ
紬「りっちゃんって…本当に優しいのね…ぐすん」
……
ガラッ
律「えーっと…ムギの制服はっと…これか。小さいからすぐ分かるな」
律「これを持って行って……」ピタ
律(今この部屋には誰もいない…今私が手にしているのは愛くるしい姿になったムギの小さな制服…こんなチャンスはもう一生ないだろうと感じた…いや、もうないはずだ…このチャンスを逃せば私は後世後悔の念に苛まれることになるであろう…ならばこの私の手に転がって来たチャンスを今使う他あるまい…このチャンスをどうするかって?それは決まっているだろ)
律「すー…はー…」
この時、桜ヶ丘高校で変態がまた一人生まれたという
メイド「お嬢様ばんざーーーい!!!!」
カシャンガシャン
律「おわっっ!?なんつー登場の仕方をしてんだよ!!」
メイド「私のお嬢様電波からスクランブル要請でしたからこの様な形で侵入させて頂きました」
律「……あ、そう…」
メイド「さて…せっかく用意したお嬢様のお召しものを物色した罪を償ってもらいますよ」チャキ
律「ちょっとタイム!タイム!」
メイド「なんですか」
律「私はムギのところに制服を持って行こうとしていただけだ!!」
メイド「それは…お嬢様を校庭で着替えさせるためなのですか…なんて素晴らし…いえ、いやらしい…」
律「なにをどう解釈したらそうなるんだよ」
律「とにかく今ムギはトイレの個室から出られない状況にあるんだ…早く持っていってあげないとムギがかわいそうだ」
メイド「なぜお嬢様はそんな状況にあるのですか」
律「……ブルマと下着を落としてしまったんだとよ…///」
メイド「すぐに駆けつかないといけません」ダッ
律「って、おい!カメラを持って何する気なんだよ!おい!」
……
紬「・・・」
紬(りっちゃんがもうすぐしたら着替えを持ってきてくれる…でもパンツはどうしよう…)
紬(スカートだけじゃすーすーしちゃうわぁ…)
紬「っくちんっ!」
紬「うぅ…///」もぞもぞ
メイド「こ…これは…」ぼとぼと
律「・・・」
メイド「これはけしかりませんね」ぼとぼと
律「お前の脳がけしからんよ」
律「ムギー!持ってきたぞー!」コンコン
紬「あ!りっちゃん!ありがとう!」
ガチャ
律「はいよ。下着はないが…」
紬「あ…あまり見ないで…私今下ないから…///」もじもじ
律「あ…悪い…///」
紬「ううん!持って来てくれただけでも私嬉しいの…ちょっと待っててね!」
律「あ…ああ…」
バタン
律「はぁー…危なかった…」
メイド「いい絵がとれました。満腹です」
律「警察呼ぶぞ」
ガチャ
紬「りっちゃん、お待たせ!…ってなんであなたもいるの?」
メイド「すいません、お嬢様。ケガをされたとお聞きし参りました」
紬「そうだったの…だけどケガはそう大したことはなかったから大丈夫よ。ただの突き指だったから」
メイド「それは安心でなによりです」
紬「だけど…私…パンツと体操着の下を落としちゃって…今から下着を取って来てくれないかしら?」
メイド「そ…それならば、今私がはいているものを…」
律「お前はいったい何を言っているんだ」
紬「それはだめよ…もともとは私のせいなのに…」
律(人のものを借りてはくことに違和感を感じないのかよ!)
メイド「そうですか…それは仕方ありません…予備のをお渡しします…」しゅん
律「なんで予備持ってんの!?なんで落ち込んでいるの!?」
紬「わぁ…助かったわ!これで恥ずかしい思いをしないですむわね!りっちゃんまた待っててね」
バタン
メイド「・・・」ニヤリ
律「!?お前…まさか良からぬことを…」
メイド「あなたもお嬢様の素晴らしさがお分かりであれば期待しておいてください。私はひとまずここで失礼致します」シュタッ
律「なんだったんだあいつ…」
ガチャ
紬「りっちゃん待たせちゃってごめんなさい」
律「なーに、こっちは全然気にしていないって!それよりさっさと教室に戻ろうぜ。みんな戻ってくるころだろうし」
紬「うん!」ニコッ
律「・・・」
律(いかんいかん…///)
最終更新:2011年03月01日 22:56