おまけ

ガラッ

唯「あ、和ちゃん」

澪「どうしてここに?」

和「講堂の使用許可書、もう締め切り過ぎてるわよ!」

律「おーそれなら…今から書くから大丈夫!」

澪「今からかよ!」ポカ

和「そういえばみんな何騒いでたの?」

唯「ムギちゃんが私達の夢に日替わりで来て、助けてくれたんだ~」

律「ほい書いた~!」


……

和「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」

和「…夢の中で助けてもらう…か…」

和「私最近良い夢とか見たかなぁ…」

和「早く…仕事を…片付け…ないと…」

和「zzz…」


紬「!」

澪「どうした?ムギ」

紬「急に眠気が…」

律「きっとみんなを夢で助けてばっかだったからちゃんと眠れてなかったんだな」

唯「練習は一旦休んで寝ていいよ!」

紬「…ありがと…う…」

梓「ムギ先輩、また誰かの夢に行くんでしょうか」


────────
────

もう見ることもないと思っていた真っ暗な空間…
唯ちゃんも助けたし、もう唯ちゃんを殺さなくていいのかな?
それともまた別な人?

私は光に包まれる
今日はいったい誰の夢?

目を開けるとそこは白黒の世界
ここは…生徒会室?

和「違う…こうじゃない…」

紬「和ちゃん?」

和ちゃんが一人机でうつむいている

和「ムギ…見られたくないところを見られちゃったわね…」

紬「和ちゃん…どうしたの?」

和「何度計算しても予算が合わないのよ」

和ちゃんは夢の中でも仕事してるんだ

紬「ちょっと見せて…」

そこには予算なんかじゃなく、苦しい、助けて、などといった言葉がびっしり書かれていた

紬「!?」

和「どうしたの?ムギ、とんでもない間違いでもあったの?」

これは本人に言うべきだろうか
いや、言っても信じてはくれない気がする

紬「いえ、なんでもないわ」

和「うーん、じゃあどうして…」

ガラッ
生徒会室の扉が開いた

「生徒会長!どういうことですか!」

和「え…何のことでしょうか?」

「私達の部の書類、また紛失したんですってね!」

和「そんなはずは…」

「生徒会の子がまた問題起こしたみたいじゃない、そこんとこ会長様はどう思ってるんですか」

和「…知らない…」

「知らない!?責任者はあなたでしょ!自覚ないの!?」

和「…すみません」

生徒たちが和ちゃんに罵声を浴びせ続ける

紬「みなさん!言いすぎじゃないですか!?」

「軽音部になんか言われたくないわよ」

「生徒会長と仲がいいからって優遇されちゃって…」

「だいたいあんたみたいなお嬢様が常識を覆しちゃうから悪いのよ!」

怒りの矛先が私に移った
これで和ちゃんはとりあえず大丈夫なはずだ

その後罵声は1時間にも及んだ
といっても夢の中の時間なので、実際はどれぐらいだったのだろう

言いたいことを言い終わると、生徒たちは帰って行った

紬「大丈夫?和ちゃん」

和「…ムギこそ大丈夫なの?」

紬「私はこういうのは大丈夫だから」

和「ごめんね」

紬「本当に…知らないの?」

和「うん、そんなミスした覚えはないんだけど…」

和ちゃんによると、生徒達が言っていたことは身に覚えが無いらしい
おそらく、脅迫観念が夢で現れたのだろう

和「…私も軽音部だったらもっと楽しい高校生活だったのかな」


和「みんな楽しそうだし、それなのに他の人も楽しませることができて…」

和「そもそもこの程度で弱音を吐くようじゃ、元から向いてなかったのかな?」

和ちゃんは弱弱しく愚痴を語りだした

紬「そんな弱気じゃダメ、自分を責め過ぎないで」

紬「私達は軽音部で、和ちゃんは生徒会だけど…」

紬「みんな友達じゃない!」

和「ムギ…」

紬「辛いことがあったら音楽室まで来てお茶しましょう」

紬「そしてみんなに話してくれれば、きっとなんとかなる!」

和「…」

和「…そうね、そうしてみる…ありがとう」

和「じゃあお礼に…」

お礼をもらうのは恒例なのだろうか

和「このメガネをプレゼントするわ」

和「きっと似合うわ」

紬「あ、ありがとう…」

メガネをかけようとした瞬間、例のごとく目が覚めた


紬「…う~ん」

律「おー、目が覚めたか」

澪「ずいぶんうなされてたけど、また誰かの夢に行ってたのか?」

紬「うん…和ちゃんの…」

唯「和ちゃん…今仕事中なのに寝てたんだ…」

澪「授業中いっつも寝てるお前が言うな」

唯「えへへ~」

梓「で、どうでした?」

紬「もちろん…」

ガラッ

唯「あ、和ちゃん!どうしたの?」

和「お茶させてもらうわ」

澪「…?珍しいな」

和「みんなに愚痴りたいことがあってね」

律「ほうほう~」

和「一回ぐらい提出期限守りなさい!」


和編おわり



憂編 
最終更新:2010年09月03日 22:21