律「澪~!!」

澪「?」

律「クラブ見学いこうや」

澪「え?」

律「粉もん部やんか♪」

澪「でもウチ文芸部に入るつもりやし…入部希望の紙も書いたし…」

  ビリッ…

澪「ああ~!!なにすんねん!!」

律「ええからええから」

澪「ちょっと…そんなひっぱらんといて…」


律「ええっ!?廃部してもうたって!?」

さわ子「正確には廃部寸前ね」

さわ子「今月末までに4人入らないと廃部になっちゃうの」

センセー

さわ子「じゃあ行くから…今から家庭科の授業があるの」

澪「えらいべっぴんさんな先生やったな~」

澪「ほなウチは文芸部に…」

律「ちょっと待ったり~な」ガシッ!

律「今、粉もん部に入ったらウチが部長♪」

律「そう決まったら、はよ粉もん部の部室で新入部員待ちやな!」

澪「かんにんしてぇなぁ~…」

紬「あの~?見学したいんどすけど…」

律「粉もん部の!?」

紬「そうやのうて…合唱部の…」

律「粉もん部に入りはりませんか~?」

紬「合唱部…」

澪「えらい困ってはるやないの。律やめとき。」

澪「ほなウチも行くさかい…」

律「澪ッ!!」

律「あん時の約束は嘘やったんかー!!!」

律「あんたがたこ焼きでウチがうどんで…」

律「一緒にお店やろって…いうてたやんか!!」

澪「……律」

律「で、店の売り上げは7:3やゆうて」

澪「なんでやね~ん!!」ビシッ!!


紬「ぷっ…くすくす」

律澪「!?」

紬「ええツッコミみせてもらいましたえ~」

紬「ケーキくらいしか焼けまへんけれども
  ウチでよかったら入部させていただきますよってに」

律「ケーキでもつまるところ立派な粉もんやで!!」

紬「琴吹紬どす~。よろしゅうお頼申します」

律「ッシャーコラ!これで3人や!」

澪「ウチももう数に入っとるんかいな…」

律「あっとひっとり!あっとひっとり!」


和「唯。もう入る部活決めたん?」

唯「あ!和ちゃん♪実はまだなんだ…」

和「ええ!?もう学校始まって2週間でっせ!きっついわ~」

唯「でもでも…まだ関西のノリについていけないし…」

和「これやから東京者は…」

唯「久しぶりに関西に帰ってきたのに東京者扱い!?」

和「何年かぶりに帰ってきた思えば東京かぶれしよってからに…」

唯「確かに馴染まなきゃいけないと思うんだけど…
  いったい何をすればいいんだろう?」

──小学校低学年のときに関西から東京に引っ越して
久しぶりにまたこっちに帰ってきたんだけど…
あっちで関西弁は恥ずかしかったから自然と言葉は矯正されたし
関西特有のノリにもなかなか着いていけない…


─粉もん部 部員募集中!─

唯「粉もの…か…」

唯(粉の中に顔突っ込んで…飴玉探す…とかかな…)


唯「うん!関西っぽい!!」


唯「とりあえず粉もん部って所に入ってみました!」

和「へ~。ええ心がけやね。ところで何する部活なん?」

唯「さぁ?」

和「そうそう。いまいちよう解からん所に入ってミステリー入部ツアー…ってオイ!!」

唯(さすが和ちゃん!ノリつっこみも完璧!)


和「なんかお好み焼きとか焼くらしいで?」

唯「え!?私お好み焼きなんて焼けないよ!」

和「じゃあ何やったら焼けんの?」

唯「…やきもち…とか」

和「3点やね」

唯「厳しい!!」

唯「じ、じゃあ和ちゃん見本みせてよ!」

和「!?」

和「せっ…世話焼き」ボソッ

唯「え!?」

和「まぁ今日はこのくらいにしといたるわ!」スタスタ…

唯(逃げた!!)


……

唯「入ったばっかで言いにくいけど、やっぱり辞めるって言おう…」

律「あっ!もしかして入部希望の平沢さん?」

唯「ひっ!?」ビクッ!

律「お好み焼き焼くんがめっちゃうまいねんってな~♪」

唯(そんな噂がたつってどんな状況!?)

律「みんな~入部希望者が来たでー!!」

澪「ホンマか!?」

紬「おこしやす~」

律「ウチらも新入生で部員が足らんから
  アンタが入ってきてくれてホンマ助かったわ~」

唯(言い辛い…)

唯(でもこのソースの匂いとか耐えられない…!!)

唯「あの!申し訳ないけど入るの辞めさせてくださいって言いに来たんです!」

律「え~…よ~いわんわ…」

唯「もっと違うことするんだと思って…(顔中粉まみれとか…)」

紬「ほなどんなもんやったら焼けるんどすか?」

唯「やきも…(これはすべっちゃうから…)」

唯「はっ!もんじゃ焼き!!(関西の人には馴染みが薄いから大丈夫だよね)」

律「おお!もんじゃセットやったらちょうど今日仕入れたから…」

唯「!? ごめんなさい焼けません!!」

「・・・・・・」

澪「でもこの部に入ろう思うたゆ~事は粉には興味あるんやろ?」

紬「澪はんその発言は勘違いされたらえらい事どすぇ~」

紬「何か他に入りたいクラブがあるんどすか?」

唯「ううん…特には…」

律「ほなウチらの実演見てってや。細かいこと言わんと」




唯「覇気が伝わる…うどんを打つのがあんなに力強く雄大なものだったなんて…」

唯「たこ焼きの手際も早くて手が見えない!?これはたこ焼き器との戦いなんだ…」

唯「ケーキのデコレーションもギリシャ彫刻をも凌ぐ芸術へと昇華させている…!?
  (でもケーキって粉もの?)」

唯「すごい…」ゴクリ

律「どうやった…?」


唯「なんて言うかとても言葉にしにくいんだけど」

律「うんうん」

唯「あんまりうまくないですね!!」
唯「って、なんでやね~ん!!!」




「ぷっ…あはははははは」

律「あんた東京者らしいけど、今のは中々『間』がよかったで」

澪「せやね。新喜劇もビックリやわ」

唯「皆さんの真剣さが伝わってきました!」

唯「私。この部に入部…」

唯「しません!!」

律「もうええわ!!」

澪「ええ加減にせぇ!!」


唯「でも私料理なんてしたことないし…」

唯「味見役なんてどうかな?」

澪「いやもうそういうボケいらんから…」

唯(結構真剣だったんだけど…)

紬「そうでしたら、あんさんお好み焼きをやってみはるんはいかがどすか?」

澪「ちょうどこの部お好み役おらんしええかもね」

唯「でもなんか難しそうだし…」

律「大丈夫やって!ウチらも分かるとこ教えたるさかい」

唯「そうだねさっきの見たら私にもできるかもって!…てへへ。なんちゃって」

律「おおじょうしまっせ~…」


……

和「結局粉もん部入ってもうたん!?」

唯「どうしてもって言うから」

和「………あぁ、味見役としてやな」

唯「やだな~和ちゃん。もうそんなボケいらないよ」

和「えっ!?ちゃうの!?」

唯「えっ!?」

和「ホンマかいな…」

唯「お好み焼き一から教えてくれるって♪」

和「ほなホットプレート買わなあかんね」

唯「う~ん…貸してくれないかな」

和「アホな!ホットプレートは一人一台って常識やんか!」

和「たこ焼きプレートもついてるのがええ思うよ」

唯「へ~(一人一台?)5000円くらいで買えるよね~」

和「あかんあかん5千万円は用意せなあなかんわ。あはははは~!」

唯「・・・・」

ガチャ

唯「こん↑にち↓は~→」

律「唯も関西弁戻りつつあるな~」

唯「うん。もう完璧やでまんがな~」

澪「それはやりすぎやろ」

唯「えへへ…///」


唯「そういえば澪ちゃんはなんでお好み焼きじゃなくて
  たこ焼きやろうと思ったの?」

澪「だって…お好み焼きは…恥ずかしい」

唯「恥ずかしい!?(どんな感覚!?)」

澪「お好み焼きは夕食にもなるやろ?たこ焼きは精々おやつやし」

唯(そういうもんなのかな…?)

澪「食卓の主役になるって考えてしもうたらウチ…」プス~

澪「どないしたらええんかわからへんわ~(泣)」

紬「澪はんは繊細どすからな~」

唯(デカルチャー…)



唯「ムギちゃんはケーキ作るの上手だよね」

紬「ウチ、コンクールで賞獲ったこともあるんどすぇ~」

唯「すごいね!(なんで粉もん部に居るんだろ?あとしゃべり方がなんか変)」

唯「ところでこの部室すっごい設備整ってるよね。お店できそう」

紬「ウチの家から持ってきたんどすぇ」

唯「自前!?」

紬「そうどすぇ」

唯(お嬢様…っていうか実家が店やってんのかな?)



唯「りっちゃんは『うどん』って感じだよね!(自分で言っててよく分かんないけど)」

律「失礼なやっちゃな~ウチにもどエライ理由が…」

唯「なになに?」

律「・・・・・」

律「…出身が香川県」ボソッ

唯「納得だよりっちゃん!!」

律「だいたい、たこ焼きとかちまちま転がして焼かなあかんのなんて…」

律「う゛ぎぃぃいいぃぃーーー!!ってなるんやもん!!」

唯「前のうどんも太さがマチマチだったもんね~」


澪「唯はもうホットプレート買ったんかいな?」

唯「実はまだなんだ。どんなの買ったらいいか分かんなくて…」

澪「安いのはあるやろけどあんましょぼいのもな~」

律「ほないきなし鉄板とか行っとくか?」

澪「初心者捕まえてそらキツイわww」

紬「ほな今度の休みに千日前の道具屋筋行くんはどないどすか?」

律「せやね。ヘラとかも揃とるやろうし」

澪「もしええのなかったら日本橋まで出て電気屋漁ったらなんかあるやろ」

唯(私どうなっちゃうの?)


紬「あんじょういきましょ」

唯「いっぱいあるけど、選び方ってあるの?」

澪「そらそうよ。材質もピンキリやし最近は波型プレートとかあるしな」

唯(ホットプレートにカワイイもなにもないし適当でいいや…)

唯「じゃあ…これ」

澪「まぁ妥当やな」

紬「鉄板やのうてよろしいんどすか?」

律「初心者は焦がすよってにかまへんやろ」

紬「残念。このお店ウチの系列の店やさかいえらい勉強させてもらおう思ってたんどすぇ」

律澪「!?」

澪「ほな遠慮したら悪いな!ウチこの銅製のたこ焼き器もらうわ」

律「ウチこの寸胴!!…んでいくらまけてくれるん?」

唯(…怖い)


──唯の部屋

唯「・・・」

ホットプレート「・・・」

唯「・・・」

ホットプレート「・・・」


唯(部屋にホットプレートって邪魔だな…)

唯「今日は疲れたしもう寝よう」

澪「ホットプレートの前に立ったらそれらしゅう見えるな~」

唯「・・・・(どういうことだろう?)」

律「なんぞ焼いてみて~な」

唯「う~ん…」

 カポッ   ジュワー…

律「目玉焼きかいな…」

澪「家で練習してへんの?」

唯「いやホットプレートは大活躍なんだけど(憂の料理に)」

唯「でも私がやるとなんか引っ付くんだよね」

澪「そらあぶら引かなしゃーないわw」

律「ほらウチがやさしゅ~引いたるさかい」

  カポッ  ジュワー…  スッ

唯「きれいに取れた!!」


澪「やっとやな…」

律「ウチらの粉もん部…」

紬「そうどすなぁ~」

律「目標は上沼恵美子のおしゃべりクッキング出演!!卒業まで!!」

澪(そんなんでええんかいな…)

紬(ウチがお願いしたら明日にでも達成できそうどすなぁ…)

  カポッ  ジュワー…

律「また目玉焼きかいな…」へなへな~

唯「まだこれしかできないんだ。また練習するから」

唯「もう下校時刻だから片付けるね」

澪「唯危ない!!」


唯「へっ?」

 ジュッ!

唯「熱ッ!!!!??」

澪「そら温度下がるまで待たな火傷するっちゅー話やで…」

律「体張るな~。若手芸人かてそこまでせんわ」

紬「けったいな娘どすなぁ…」

唯(そりゃそうだ…涙)


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最終更新:2010年01月26日 00:55