唯「ムギちゃん、今日の紅茶は お断りするよー!!」

紬「え、なに?私の紅茶が気に入らないの? クソがアアッ!!」ガッシャーン!!

律「そ、それくらいで怒らんでも」ビクッ

梓「でも唯センパイも唯センパイです」

 「せっかくムギセンパイが紅茶を淹れてくれるのに断るなんて……」

唯「えへへ。実は今日から 牛乳いっぱい飲もうと思って」ゴクゴク

紬「え、なになに~?便秘~?」キラキラ

澪「よかった、ムギの機嫌が治ったみたいだ」

律「なんでだろうね」


唯「牛乳を飲むと巨乳になれると聞いたんだよ」プハ~

梓「おや? 唯センパイもそんな事を考える年齢(とし)ですか」

唯「あずにゃん、私だってもう18歳なんだから」

澪「というか梓の方が年下なんだが」

紬「そ、それでその大きくなった お胸をどうする気なの!?」

唯「おっぱいを……飲む」

律「なん……だと」

澪「揉む……じゃなくて……飲む」

唯「大きくなった胸から出るお乳を飲み続ければ

  永久にお腹いっぱいだもん」」

律「それはいいな大バカ野郎」

唯「えっ、なんで今バカにされたの」

梓「安心してください」

 「バカにされたのではなく、バカなんです」

唯「なるほど!! どういうこと?」

澪「唯。お前、巨乳なら すべからくミルクが出ると思ってるのか?」

 「ミルクはセッ

唯「だって 牛乳って 巨乳のお姉さんから集めて売ってるんでしょ?」

律「???」


紬「え? あ? ぎゅうにゅう?」

澪「なんでお姉さんから牛乳が出るんだよ? 牛乳だぞ? 牛だぞ?」

唯「何故も何も、え? どういうこと?」

律「頭痛が痛くなってきた」

梓「人間の乳なら、牛乳ではなく人乳と表記して売っているハズでしょう」

唯「は? アンタ バカ?」

梓「うぉわああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

  クソバカ野郎の唯センパイにバカ呼ばわりされたああああああ!!」

唯「ごめんごめん、昨日エヴァンゲリオン観ちゃって

  おい、クソバカ野郎がなんだって?」

律「というか、え?牛のお乳をしぼるシーンとか見たことあるよな?」

唯「私、そういうマニアックなAVは ちょっと……」

律「獣姦アダルトビデオの話じゃねぇんだよ!!」

梓「この人、今までどういう環境で生きてきたんですか」

紬「これは正しい知識を身につけるために

  唯ちゃんを牧場に連れて行く必要があるわね」

唯「やったー!!牧場!!牧場!!」



第7話 「ゆいにゅう!!」 前篇 おわり



─牧場─

唯「あっ!!本当に牛のおっぱいを揉んでる!!」

 「アイツ変態だ!!」

牧場従業員「……」

律「おいバカ謝れ!!牛のおっぱい係に謝れ!!」

梓「律センパイ、おっぱい係はないでしょう」

律「なにぃ? じゃあ あの男はなんだってんだ!?」

 「牛のおっぱいを揉みしだく委員会だってのかよ!?」

澪「委員会をつければ なんでも許されると思ったのか」

律「なにぃ? じゃあアイツはなんだってんだ!?」

 「今 流行りの いきものがかり だってのかよ!?」

 「すげぇ!!」

澪「一体どうすればいいんだ」

紬「とにかくコレでわかったでしょ唯ちゃん」

 「牛乳は牛のお乳なの」

唯「じゃあ人間の赤ちゃんがお母さんのおっぱいを

  飲んでるシーンって全部CGだったんだ……」

梓「いや、それは間違ってませんよ」

唯「え? 牛からも 人からも 牛乳は出る……?」

澪「いやいやいや」

紬「人間から出るミルクは 牛乳じゃないのよ」

唯「でもミルクを訳したら 牛乳って習ったよ」

梓「めんどくせぇヤツだな」

唯「わかった!! ミノタウロスと関係が!?」

澪「今 なにが分かったと思ったんだ?」

唯「結局、私のおっぱいは出るの? 出ないの?さぁどっち!?」

梓「将来的に出る可能性はありますが、今は出ませんよ」

唯「なんで分かるの?あずにゃん預言者なの?」

梓「はい」

唯「のすとらだむす!?」

梓「はい!!」

律「コイツ、心底めんどうくさくなりやがった」

紬「ねぇ唯ちゃん、唯乳が出たら少しでいいから飲ませてくれる?」

唯「いいよー。そのかわりムギ乳も飲ませてね」

紬「じゃあ飲ませあいっこしようね!」

唯「うん!!」

澪「あー いい天気だなぁ」

牛「モ~」


第8話 「ゆいにゅう」 後篇   完




紬「学園祭のお泊り会、楽しかったね~」

唯「そうそう!!りっちゃんったら

  オレオを床に落っことして、大騒ぎしてたっけ」

澪「アイツ泣いてたもんな」

梓「あのあとオレオと寄り添うように眠りについたのは

  ロミオとジュリエットの余韻かと思いました」

澪「律のヤツ、オレオの事が本当に大好きだったから……」

紬「食べられなくなったことが よっぽどショックだったのね」

梓「しかし朝、目が覚めると嬉しそうに

  そのオレオをたいらげてしまいました」

澪「律のヤツ、バカだからなぁ」

紬「一晩経ったら床に落としたこと忘れたのね」

唯「そういえば、りっちゃん 今日はお休みなんだよね」

澪「あぁ、お葬式だよ」

梓「えっ、どなたか亡くなったんですか?」

澪「オレオ」

梓「え?」

紬「オ、オレオのお葬式?」

梓「一応、確認しておきますけど

  そのオレオって黒くて中にクリームが入ってる

  あのおいしいヤツですよね」

澪「あぁ、その おいしいヤツだ」

梓「その おいしいヤツのお葬式をしちゃうんですか」

澪「それが私達けいおん部の部長、田井中 律さ」

梓「本当に残念です」


唯「それって学園祭の時に落っことしたオレオくん?」

澪「いや、それとは別件」

 「昨日、家で なかなか包装が開かなくて

  無理にひきちぎろうとしてバァーンってハデにブチまけたらしい」

唯「大惨事だね」

澪「しかも下には うんこがあったらしいよ」

紬「家の中に うんこが落ちているの?」

澪「いや、もうアイツが何言ってるか分からなかったから

  深くは追求しなかったよ」

紬「そっか……」

梓「それが私達けいおん部の部長、田井中律センパイですか」

澪「本当に残念だな」


澪「実は昨晩、オレオのお通夜に出席させられてさ」

紬「!!」

唯「どんなのだったの!?」

澪「まずアイツの部屋に入ると こんなのがあって」


┏━┓
┃●┃ ←こんなの
┗━┛

唯「なにこれ」

澪「どうやらオレオの遺影らしい」

梓「もはや お通夜というより田井中アートギャラリーですね」

澪「私が 『お悔やみ申し上げます、死ね』とか

  テキトーなこと言ってたら律のヤツ

 『オレオ!!おおオレオオオォォォ!!』

 『どうしてアナタはオレオなの!?』って叫びながら

  2階の窓から飛び降りて そのまま帰ってこなかったよ」

唯「ワイルドなジュリエットだね」

梓「部屋の中に注射器とか転がってませんでしたか?」

澪「失礼だぞ梓。アイツはクスリなんかに頼らなくても

  ナチュラルでアレな存在なんだ」

梓「何が失礼なのか私にはわかりません」

唯「りっちゃんのアタマのお見舞いに行こうよ」

澪「そうだな」

紬「ねぇ、狂人が喜びそうなお見舞いの品ってなにかしら」

梓「オレオじゃないですか?」

澪「バカ!! きのこの山!! アイツの気持ちにもなってみろ!!」

梓「あ、スイマセン。 全く理解できませんが謝っておきますね」

唯「澪ちゃんは 何が いいと思う?」

澪「そうだな…。めんどくさいし食パンでも買ってくか」


第9話 「それイケあんぱんまん」 完



梓「クラスで夢占いの本が流行っているのですが

  みなさんは最近、何かステキな夢を見ましたかー?」ピョンピョン

唯「銀河鉄道999に飛び乗って機械の体をもらって

  永遠に高校生活を続けることが夢だよー」

梓「私が聞いたのは 寝 言 じゃなくて夢ですよ」

唯「ごめんね……」

澪「あ、そういえば昨日、私の夢に梓が出てきたぞ」

梓「一富士、二鷹、三あずにゃん」

 「澪センパイは将来、出世するかも知れませんね」

 「で、夢の中の私はどうなりましたか?」

澪「亀にぶつかって ちっちゃくなって

  スリップしながら 穴に落ちて消えていった」

梓「それは ル イ ー ジです」

梓「夢占いの本によれば、澪センパイは不幸な死に方をしますね」

澪「ひぃぃ!?」

律「随分シビアな結果が書かれているんだな」

梓「それがこの本のウリですから」

紬「そういえば、私も梓ちゃんが夢に出てきたわ」

梓「無病息災あずにゃんにゃん」

 「ムギセンパイは来世でも人間に生まれ変われるかも知れませんね」

 「で、夢の中の私はどうなりましたか?」

紬「思いっきりジャンプしてトゲに刺さってハジけとんで消えていったわ」

梓「それは ロ ッ ク マ ンです」

梓「夢占いの本によれば、ムギセンパイはブタに犯されブタの子を孕みます」

紬「いやあああ!?」

律「随分マニアックな結果が書かれているんだな」

梓「それがこの本のウリですから」

唯「そういえば私の夢にもいっぱい あずにゃんが出てきたよー」

梓「唯センパイの来世はティッシュに受け止められる精オタマジャクシです」

唯「はかない生涯なんだね……」

澪「ていうかその占い本、本当にクラスで流行ってんの?」

梓「律センパイの夢では私はどうなりましたか?」

澪「すでに梓が夢に出てくることは確定的なのか」

紬「まるでエルム街の悪夢のようね」

律「いや、私の夢には梓なんか出てこなかったぞ」

梓「ここでまさかの法則ずらし」

律「で、私はどんな死に方をするんだ?」

梓「死ね。エッフェル塔のてっぺんに突き刺さって死ね」

律「すげぇ」

 「お前、今『死ね』って言わなかった?」

 「しかも2回も」

紬「もはや占いじゃない」

澪「梓が夢に出てこなかったヤツは

  みんなエッフェル塔に突き刺さらなきゃいけないのか」

唯「フランスが大変なことになるね」

 「これがフランス革命なんだね」

紬「その本、どんな人が書いてるの?」

梓「著者は平沢唯センパイです」

唯「そういえばそうだった」

律「お前、なんか悩み事でもあるの?」

唯「ないよ、何一つ。今日も私の脳内は平和だよ」

澪「何一つ悩みもないのに、あんな内容の本

  書いちゃうなんてステキだな」

紬「でも唯ちゃんが『ブタに孕ませられる』とか

  書いたかと思うと胸が熱くなるわね」

唯「そういう文章は澪ちゃんに考えてもらったんだ」

澪「そういえばそうだった」

律「お前かよ!!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

唯「……と、りっちゃんが

  キレイなツッコミを入れて夢は終わったんだけど

  夢占いの本にはなんて書いてあるのかな?」

梓「唯センパイの前世はホイス・グレイシーですね」

唯「生きてるよ、その人まだ生きてるよ」

梓「まぁ現実なんて そんなものです」

唯「そっかぁ」



第10話 「いじわるなあずにゃんに気をつけてね!」 完



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最終更新:2010年09月08日 23:15