誕生日編
8月20日の夜11時半頃、澪が家に迎えに来るらしい。
wwktkして待ってたら来なかった。
50分くらいになってからかな?
着いたよって澪から電話が入って外に出た。
誕生日を迎える瞬間に一緒にいようね、なんて言っちゃって
言ったのは私だけど
で、夜も遅いし、ちらっと0時前後に会う程度かなって思ってたから私Tシャツに短パンパイナップル頭で出てったわけよ。
そしたら澪がなんか唖然とした表情してる。
あれ?これからお出かけコース?
ラブホテル?
律「着替えてきます」
澪「もういいよ。時間ないから行くぞ」
澪が私の手掴んで速足で歩きだす。
律「時間ないって澪が遅れたんじゃん」
澪「それは…ごめん。準備時間かかっちゃって…」
律「準備って?」
澪「あっ、何でもない!忘れて!」
はーん。勝負下着ですね。分かります。
時計を見ながらそわそわしてる。
私もつられてそわそわしちゃう。
0時になったらどんなふうにエロい事されるんだろう。
澪「あぁ!あと1分しかない!」
おもちゃかな。SMかな。
それにしてもどこ行くんだろう。
澪「律走るよっ!」
律「澪!前!」
自販機の隣にあるごみ箱がいつもよりちょっと前に出てて、ぶつかる前に気付いたからとっさに避けたんだけどバランスは崩れるよね。
べちゃって澪が地面に倒れる。
手繋いでたから私も引っ張られた。
全然余裕でたってられたんだけど、せっかくの機会なので倒れるふりして澪の上に乗ってみた。
澪「いったー…」
律「大丈夫?」
澪「うん。ごめんね律」
律「いえ、こちらこそありがとう」
澪「は?」
律「こっちの話です」
澪「もう間に合わないかぁ…」
律「何?」
澪「こっちの話」
律「そうか」
澪「誰か人来ちゃうから早く退いてくれないか?」
律「夜中だし来ないよ」
澪「もうこの前みたいなことはしないからな」
律「この前って何かな?」
澪「もういいから!早く退いて!」
律「あぁっ…足が痛くて動けない…」
澪「嘘!?どうしよう!?ごめんね律!どうしよう…」
慌ててる澪に今さら冗談だなんて言えない。
律「そんな心配しなくても大丈夫だよ」
澪「でも…公園近くあるから、とりあえずそこで座ろう」
澪に肩貸してもらって、近所の公園へ向かう。
知る人ぞ知るあの公園です。カナブンのね。プリンのね。
入口付近来たらなんか女の子たちが騒いでる声が聞こえた。
夜中に何してるんだよDQNめ。
夏休みだからってはしゃいんでんじゃねーよ。
あ、私と澪はいいのです。
でもこの声どこかで聞き覚えのあるような…
唯「ああ!りっちゃん来ちゃった!」
紬「あら大変」
梓「ムギ先輩そんな落ち着いて言わないでくださいっ!」
はい?
澪「何で出てくるんだよ!隠れてろって言ったのに!」
唯「違うんだよ澪ちゃん!これには深いわけが…」
梓「唯先輩が猫と先輩方を見間違えまして…」
唯「私のせいっ?あずにゃんも慌てて火付けてたじゃーん」
梓「それは!まぁ…そうですけど…」
紬「つまり作戦失敗ね」
澪「…」
ははははい?
簡単に言うと、澪が私を連れてきたときに、皆が花火パーんって打ち上げてドッキリ大成功みたいな作戦だったらしい。
澪「…仕方ないよ。私も来るの遅くなっちゃったし…」
唯「ごめんね澪ちゃん」
梓「すみません…」
紬「ごめんなさい…」
しんみり…
ここは!部長である私が!
律「そんなに落ち込むな!ぱーっと行こうぜ!今日は私の誕生日なんだから!」
梓「あ!」
唯「そうだよ!せーのっ」
唯紬梓「お誕生日おめでとう(ございます)!」
律「へへっ。ありがとーう!!」
澪「あぁぁ!まだ私言ってないのに!」
紬「ええ!?」
唯「なんで!」
梓「すみませんすみません!」
澪「一番に言おうと思ってたのに…」
澪しゃん落ち込んでる。
可愛いよぉちゅっぱちゅっぱしたいよぉ
紬「そんなにくっついてるから、もう言ってあんなこともこんなこともした後だと思ってたわ…」
澪「ち、違う!これは律が足を痛めてしまってだな…」
唯「そうなの?大丈夫?」
律「お、おう」
梓「あそこ座りましょう」
近くのテーブル付きのベンチに移動。
律「どっこいしょー」ドスン
澪「座ったんだからもう肩組まなくていいだろ」
律「そんなこと言わずに」
唯「りっちゃん親父見たーい」
隣に座る澪ちゃんにべたべたくっつく。
誕生日だもんね
何してもいいんだもんね
紬「あらあらあららららあらあら」
梓「呂律回ってませんよ」
紬「私アイスティー持ってきたの。お茶にしましょ」
唯「わーい!!」
準備よすぎ
ムギが持ってきたアイスティーを飲む。
どこにいたってティータイムは健在だ。
律「これから3人どうするんだ?もう電車もバスもないだろ」
唯「遊びつくして朝を待ちます!」
紬「オールって一度やってみたかったの」
梓「夏休みもあと少しですしね」
律「お、いいな!私たちも混ぜてくれよ」
唯「嫌!」
律「まさか断られるとは」
唯「だって誕生日の夜は二人きりにしてあげなきゃってムギちゃんが言ってたよ」
紬「うふふ」
律「でも、家帰っても親いるし出来ないからいいよ」
唯「え?何するつもりなの?」
律「そりゃ…ねぇ?」
澪「見るな!何もしないぞ唯!」
紬「しないの?」
澪「ムギまで聞くな!律が変なこと言うからだぞ!」
律「ひぃっ」
テーブルの下で澪が私の太ももをつねる。
皆に見えないからって澪さんったら。
痛さも嬉しい
律「…と、ところで何して遊ぶんだ?」
唯「花火持ってきたよ!」
律「花火あるのか!?」
澪「私たちも花火していいか?律と一緒にいても別に何もすることないし」
律「澪しゃん…」ガーン
唯「いいよー!」
梓「花火向こうにあります」
律「よっしゃー!」ダダッ
梓が指さしたところに花火セット発見!
あれは、まぁいつでも出来るしな!
素早く気持ちをチェンジする。
早くやろうぜって言って走り出した。
澪「律?」
律「なんだ?」
澪「足は?」
やってしまった。
忘れてしまった。
律「お、おおお!!お茶を飲んだら治ったよ!」
紬「まぁ」
梓「ムギ先輩、きっと嘘ですよ」
律「何を言うか」
澪「律ー?」
律「はいっ!」ビクビク
澪「嘘だったんだ?」
律「澪が可愛くて仕方なかったから、つい…」
澪「み、みんなの前で何言ってるんだよ…」
紬「まあまあまあまあ!」
澪ちゃんがもじもじしてる。
可愛い可愛い!
花火してる場合じゃないかもしれない!
家でも声出さなきゃ良いんだし、どっか別の場所いってもいいし!
あれこれ考えてるうちに4人はもう準備を始めている。
あれは、ま、まぁ、いつでも出来るしな。
出来るけど…シュン。
で、手持ち花火をしゃーしゃーしてるときに澪が私を呼んだ。
持ってた花火もちょうど終わって、バケツの中に入れた後澪のとこに駆け寄る。
律「なんだ?」
澪「どっか行こう」
律「え?」
澪が私のパイナップルを掴む。
律「いてぇ!」
澪「律、こっち」
他に掴むところなんてどこでもあるだろうがー!
いてぇよ!抜けちゃうよ!
律「やんっ!そんなところ掴まないでぇぇ…」
澪「変な声出すなっ静かにしろっ」
木の生えてるところ連れてかれる。
身の危険だ。
木の陰で向かい合う。
相変わらずパイナップル持ち上げられたまんま。
収穫されてしまう。やばい。
澪「ここなら二人きりだ」
パイナップル引っ張って、澪が顔を近付ける。
あぁんもう澪ったら
仕方ないから収穫されちゃうぞー
今日の私は一段とジューシーだぞー
なんたって18歳のおねぇさんだからなー
目瞑ってたらデコにチューされた。
そっちかよ!
澪「誕生日おめでとう」
律「あ、ありがとう」
パイナップル離して、澪の手が私の首に回った。
ぎゅって澪の身体がくっつく。
私も腰に手を回して距離を縮めた。
ちゅっちゅって澪が何度も私の頬にキスする。
嬉しいけど、あんな話した後だし、二人っきりだし、気分的にはああなるじゃん?
澪の背中を木に押し付けた。
澪「り、律?」
律「誕生日の夜に二人きりだし?」
澪「でも、あっちに皆いるんだぞ…」
律「だから声出すな」
澪が私の肩に頭を乗せる。
それを合図に澪の胸に手を置いた。
唯「あ、打ち上げ花火ある!これやろう!」
紬「さっき全部使い切っちゃったかと思ったわ」
梓「澪先輩、さっきの花火…ってあれ?澪先輩?」
唯「りっちゃんも居ないよー」
紬「あら!」
唯「おーい。りっちゃーん澪ちゃーん」
紬「今すぐ探して!でも声はかけちゃ駄目よ!静かに!静かに!!見守るの!!」
ぎゃあぎゃあと騒ぎ声が聞こえる。
3人が意外と近くにいたことにびっくりした。
ムギの声が一番うるさいよ!!!!!
空気を呼んでください。頼むから頼むからあ!!!!
ムギの声が一番うるさいよ!!!!!
澪「戻るぞ」
律「え!?」
いつの間にか澪の姿が小さくなっていって、唯たちに弁解している声が聞こえる。
とぼとぼと後からついて行った。
紬「お邪魔したようね!続けていただいて構わないわよ!」
律「かまいます」
唯「主役が来たところで、メインイベント。100連発いきます」
律「おぉ!」パチパチ
唯「ではご両人は先ほどのお席へ」
唯の案内でさっきの椅子に座る。
我慢できそうにないから、澪と少し距離をあけた。
澪「なんで離れるんだ?」
律「ふーんだ」
澪「怒ってる?」
律「別に。仕方ねーし」
澪「…」
梓「つけますよー」
唯「あずにゃん、それは私の役目だ!」
梓「気を付けてくださいね。火付けたらすぐ離れるんですよ」
唯「がってんだ」
梓の心配顔とは正反対のやる気に満ち溢れた顔で唯が火をつける。
ダッシュで逃げた後、一発目がうちあがった。
律「たーまやー」
次々と打ち上げられる花火に掛け声を一つ。
上向いてたから、澪が距離を詰めている事に気付かなかった。
テーブルの下、私のふくらはぎを裸足の指で澪が撫でた。
澪「律ぅ…」
律「おい。見られたらまずいんじゃないの?」
澪「これくらい大丈夫だよ。今は皆花火に夢中だし」
両手で頬杖ついて上見上げて、何にもしてませんって顔しながら澪が言う。
こっちは変な汗かいて花火どころじゃないっていうのに。
全く澪の奴…。
律「そ、そうか。じゃぁチュウでもしましょうか…」
澪「それは駄目。見つかるかもしれない」
律「えぇー」
澪「チュウとか他の事はまた後でな」
律「ほ、他の事というのは」
唯「あー終わっちゃった…」
澪「今ので最後だろ?片付けしようか」
いつの間にか花火は終わってしまったらしく、澪も隣からいなくなってしまった。
他の事って?
他の事ってええええええええええええ!!!
後でっていつだ!?
朝になってからか!昼か!夜か!?
一日中でも全然大丈夫だよオオおおおお
片付けが終わってまた紅茶飲んで、ぐだーってしてた。
唯「暇だね」
梓「んー…」
紬「梓ちゃん眠そう」
律「もうすること無いしな」
というわけで、オールする計画も中止。
お開きになった。
澪「3人は家おいでよ。来るかもって一応ママに言ってあるから」
唯「さすが澪ちゃん!」
紬「ありがとう!」
梓「ありがとうごじゃいましゅ…」
律「3人って私は?」
澪「自分の家があるだろ?」
律「そうだけど…」
唯「じゃぁね!りっちゃん!」
律「うー…ヤダ!私も澪の家いく!」
澪「5人も寝られるかな?」
律「澪の敷布団の代わりになってもいいよ」
澪「寝苦しい」
紬「きっと大丈夫よ!今日はりっちゃんが主役なんだし!りっちゃんの言う事を澪ちゃんは聞きなさい!ばかばか!」
澪「は、はいっ!」
律「よっしゃ!」
というわけで皆で澪の家へ向かった。
今日一番ムギが輝いていた瞬間だった。
最終更新:2010年09月10日 20:37