澪「最近、めっきり寒くなってきたよなー」
クラスメート1号「え、やっぱり?」
和「わかるわ、私なんか先週ついにコタツ出しちゃったわよ」
2号「らしいよー」
澪「お、いいなー」
1号「思ったより早かったね」
和「あれ?澪の家にはコタツないの?」
3号「田井中さんやっるぅ!」
澪「そうなんだよー買おうと思ってるんだけどなかなか・・・」
1号「それでそれで、女が今日休みってマジ?」
和「確かに、そういう買い物って妙にめんどくさかったりするわよね」
2号「マジマジ!」
澪「そうなんだよな。それにかなり場所取るし・・・」
3号「相当ショックでかかったんだろうね」
和「それは悩みどころね」
2号「田井中さん、次は誰と付き合うんだろうね?」
澪「毎年、買おう買おうって思ってるうちに冬が終わってるんだよ」
3号「うーん、4組の佐々木さんがいくって話は聞いたけど」
和「わかるわ。そして春になって、夏が来るのよね」
1号「私、いっちゃおうかな♪」
澪「そうそう、いっちゃおうかな♪」
3号「マジで!?」
和「(澪、入り込みすぎて復唱してるわよ!?)」ボソボソ
1号「だって田井中さんだよ?かなりレベル高くない?」
澪「あーごめんごめん。それでなんの話だっけ?レベル上げの話だっけ?私ドラクエ9で」
2号「まあ確かに、社交的だし、運動神経もいいし、楽器も演奏できるしね」
和「(会話の内容がつられてるわよ!?)」ボソボソ
1号「そうそう、その田井中さんを・・・」
澪「そんなことないよ、和」
3号「田井中さんを?」
和「お願いだから自覚して・・・」
1号「本気になったところでポイ捨てしてみたい!」
澪「よし、殴ろう」カチン
2号「キャハハハwそれ傑作ぅwwww」
和「(澪っ!)」ボソボソ
3号「いいんじゃない?田井中さんも捨てられたら、それでいままでの罪滅ぼしできるじゃん!www」
澪「と思って、武器も装備せずにスライムをやっつけたんだ」
1号「でしょでしょ?私って頭いくない?ww」
和「無理矢理に話をつなげようとして不自然になってるわよ・・・?」
2号「で、結局アンタが本気になっちゃって捨てられるってオチでしょ?w」
澪「そんなことないよ、和」キリッ
1号「ちょwwマージ?wwそれ酷くない?ww私本気にならないしwww」
和「いや、あるわよ」
2号「まったまたぁ!ww」
澪「あれ、何の話だっけ?」
3号「そんなのわかんないじゃんwww」
和「コタツの話よ、コタツ。寒いからコタツを」
1号「だって私、田井中さんが好きっていうよりも優越感?みたいな」
澪「まず破壊しよう」ゴゴゴゴ
2号「www」
和「」
1号「みんなを泣かせてきた子を泣かせるなんて最高じゃん!?ww」
澪「そして燃やそう」プチン
2号「あんた、ホント性格悪いよね」
和「ま、まあ確かにちょっとは暖かくなるかもね、うん。・・・私ちょっとトイレいって来るわ(これ以上ここにいたらマズい!)」ソソクサ
3号「よっしゃいったれ!ww」
澪「逝ってらっしゃい」ニコッ
~~~~~~~~~~~~~~~~~
トイレ
和「全然さり気なくなかったじゃない!」
澪「ごめん・・・」
和「まったく・・・」
澪「ごめん、律の悪口聞いてたら我慢できなくなくて・・・」
和「気持ちはわかるけど、抑えなきゃ」
澪「仰るとおりです」
和「あの子達がどこまで本気かわからないけど・・・恐らく性質の悪い冗談を言ってるだけね」
澪「私もそう思う。こんな冗談言うなんて、最低だな」
和「ああいうのはどこに行ってもいるわ。慣れないと」
澪「まあ、そうだな」
和「でも、律ったら有名人じゃない」
澪「そ、そりゃあ律だからな!」
和「いや、自慢しないでいい」
澪「///」
和「いや、照れないでいい」
澪「ごめん」
和「それにしても・・・澪にフラれてから、本当に色んな子と付き合ってきたみたいね」
澪「みたいだな。私が律をフッたのってどれくらい前なんだろう?」
和「数ヶ月は前じゃないかしら、想像だけど」
澪「うーん、っぽいな。私は、どういう理由で律をフッたんだろう」
和「律は何も言ってなかったの?」
澪「うん・・・『澪にフラれた』としか」
和「もしかして、こっちの世界の澪には既に恋人がいたとか?」
澪「わからないけど、それはないんじゃないか?」
和「どうして?」
澪「なんとなく・・・私が付き合うなら、やっぱり律だと思う」
和「・・・いっそのこと、あんたがこの世界の律と付き合えば話は早いんだけどね・・・」
澪「つ、付き合うならの話だって!///」
唯「あれー?和ちゃんと澪ちゃんだ!」
澪「ゆ、唯!?」
紬「私もいますよ♪」
和「おはよう、唯、ムギ」
唯「おっはよう!和ちゃん!なんの話してたの?」
澪「え!?あ、いや、なんでもないよ」
和「(チャンスね)実はね、澪と律の話をしてたの」
ムギ「澪ちゃんとりっちゃんの?」
和「そう」
澪「(和っ!)」ボソボソ
和「(いいから見てて)」ボソボソ
和「あれ?律は来てないのね」
唯「そうなんだよー。なんかちょっと元気なくてさ。机で寝てるよ」
紬「うーん、多分、昨日のことを気にしてるのよ」
澪「昨日のことって、校門前の…?」
紬「えぇ。きっとそうよ」
澪「…(なんか違う気がする)」
和「校門前のことって?」
唯「実はねー」カクカクシカジカ
和「そんなことがあったのね・・・」
唯「最近のりっちゃん、ちょっと無理してるよね・・・」
和「私もそれは薄々感じてたわ。こうなったのも、澪が律と付き合ってあげなかったからかしら?」
澪「・・・!」
紬「の、和ちゃん…そういうのは」
和「わかってるわ、冗談よ」
唯「でも確かに!二人はお似合いだよね!」
紬「唯ちゃんまで…と、とにかく、人には事情ってものがあるのよ。踏み込み過ぎるのは良くないわ。ね、澪ちゃん?」
澪「あ、ああ、そうだな」
唯「うぅ、ごめんね」
キーンコーンカーン
和「あら、チャイムだわ。それじゃあね」
澪「またあとでな」
唯「・・・私おしっこしてない」
紬「」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
澪「なあ、さっきのって・・・」
和「ちょっとゆすりをかけてみたの」
澪「やっぱり、そういうことだったんだな」
和「でも収穫だと思わない?」
澪「ムギ、だな?」
和「当たり。あの言い方、何か事情を知っているに違いないわ」
澪「ああ。さらに、私に口止めされてるって感じだったな」
和「ええ。部活は置いといて、ムギと二人で話してきたら?」
澪「それもそうだな・・・でも、そんな簡単に教えてくれるかな・・・」
和「何を言ってるの。相談したのはこっちの世界の澪なのよ?」
和「本人にその話をされて『その話は教えてあげない』なんて、普通ないわよ」
澪「」
澪「あ、そうか!私は私を探ってるんだった」
和「そう、他人の秘密を暴くよりもよっぽど簡単じゃない」
澪「・・・その分、真実を知ったときのショックがでかそうだな・・・」
和「そこは・・・ふんばりなさい」
澪「ああ、そうするよ」
放課後
唯「よし!今日もギー太弾くよ!」
律「今日『は』だろ?」
紬「(あら?メールだわ)」
唯「ぎくぅっ」
律「昨日は何もしなかったからなー、今日こそちゃんとやらないと!」
紬「(澪ちゃんから・・・?)」
唯「昨日はりっちゃんが解散したんでしょ?」
律「ぎくぅっ」
唯「へへっ、仕返し完了♪」
律「やったなー!」グリグリ
唯「きゃー!」キャイキャイ
紬「ごめん、私用事思い出しちゃった。先に行っててくれる?」
律「マジかー、ちぇー。わかったよ」
律「ほら、行くぞ唯」
律「って、もうあんなところに!?」
唯「ほら、行くよりっちゃん!」
律「このー!」タッタッタッ
唯「きゃー♪」キャイキャイ
紬「澪ちゃん、どうしたのかしら・・・」
体育館裏
紬「どうしたの?こんなところで」
澪「あ、ああ。ごめん」
紬「りっちゃんのこと?」
澪「・・・うん」
紬「そっか・・・」
澪「あ、あのさ!・・・律のことなんだけど・・・」
紬「やっぱり、諦められないのね?」
澪「・・・え」
澪「(・・・どういうことだ?)」
紬「確かに、私も澪ちゃんの話を聞いたときは耳を疑ったわ」
紬「ううん。未だに、好きなのに付き合えないって生き方が・・・私にはわからない」
澪「(好きなのに・・・付き合えない、だと?)」
紬「澪ちゃんはなんでそんなに思いつめた顔をしているの?」
澪「なんでって・・・そりゃ」
紬「りっちゃんが苦しんでいるところを見たくない?りっちゃんに辛い思いさせてる自分が辛い?」
澪「・・・(ムギ、怒ってるのか?)」
紬「ねえ、どうなの?」
澪「わ、私は・・・律を助けたい」
紬「・・・勝手なこと言わないで!」
澪「!?」
紬「りっちゃんの気持ちから逃げ出した澪ちゃんに、そんなこと言う資格ないわよ!」
澪「・・・ごめん」
紬「私も・・・怒鳴ったりしてごめんなさい。」
紬「でも・・・りっちゃんが私を好きになってくれたら、絶対に逃げたりしないのにって、思っちゃう」
澪「(ムギ、律のことが好きなのか・・・!)」
紬「澪ちゃんもりっちゃんのことが好きなら、二人で幸せになればいいじゃない」
紬「私はりっちゃんが幸せになってくれるなら、一生友達のままで構わないわ」
紬「でも澪ちゃんは逃げてばっかり。私は、それがすごい悔しい」
澪「そうか・・・そう、だよな・・・(そうだったのか)」
澪「(どうしよう、状況は大体わかった。でも、なんで私は律の気持ちから逃げたんだ?)」
紬「ねえ、今からでも遅くはないと思うの・・・りっちゃんと」
澪「それは・・・出来ないよ」
紬「・・・じゃあ、りっちゃんのこと、諦めて。そして、りっちゃんに澪ちゃんのこと、諦めさせて」
澪「・・・」
紬「りっちゃんは現実から逃げてる。澪ちゃんはりっちゃんから逃げてる」
紬「こんなのずっと続くなんて・・・私、イヤ・・・」ウルウル
澪「そうだよな。わかるよ・・・ごめん」
紬「どうしてりっちゃんの気持ちから逃げるの?りっちゃんの気持ちは、きっと本物よ?」
澪「本物かどうかなんてわからないじゃないか!(何言ってるんだ私)」
澪「この先、ずっと一緒にいるなんてどの道無理なんだよ、だから私は律とは付き合えない!(言葉が、スラスラと・・・)」
紬「だからって、ずっと逃げるの?『この先ずっと一緒にいるなんてどの道無理』ですって?」
紬「じゃあ、澪ちゃんが選んだ道の先には、逃げた先には何があるの?」
澪「わからないよ・・・!でも、怖いんだ・・・!(止まってくれ、私の口)」
澪「律の知らない私、たくさんいると思う。それを知って、律はどう思うかな?(止まれ・・・)」
澪「きっと、嫌いになるよ。それで、フラれて親友と恋人失うなんて、私には耐えらr(止まってくれ!)」
紬「ならないわよ」
澪「」
紬「なるわけ、ないじゃない」
紬「私はね、りっちゃんの広い心が好き。思いやりのあるところが好き、元気なところも、もちろん好き」
紬「そんなに澪ちゃんが自分に自信を持てないなら、言ってあげる」
紬「・・・りっちゃんは、私の好きな人だもの。間違いないわ」
澪「・・・」
紬「本当は、二人の恋なんて応援したくなかった・・・!」
紬「でもね、それじゃ駄目なの・・・。りっちゃんが笑っていない世界なんて、私はいらない」
紬「だから澪ちゃん。少しずつでいいから、向き合っていこう?」
澪「ムギ・・・(この世界に足りないもの・・・)」
紬「りっちゃんの気持ちとも、自分の気持ちとも。ね?」
澪「うん、ありがとう(わかった気がする)」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
部活
澪「なー律?」
律「なんだ?」
澪「今日、律の家に行っていいか?」
律「は、はぁ?///」
澪「いいから」
律「いや、いいけど・・・///」
梓「なんか二人の空気がいつもと違いますねー」
唯「あずにゃん、せんさくはしちゃだめなんだって!ムギちゃんが言ってた!」
梓「そうですか」
紬「えぇ、唯ちゃん偉い偉い」ナデナデ
唯「えへへへー」
梓「(なでなでとかずるい!)・・・唯先輩は、もっと私を詮索すべきだと思います」ボソッ
唯「ん?今なんか言った?」
梓「いいえ、なんでもないですっ」プイッ
紬「唯ちゃん相手だと、梓ちゃんも苦労するわね」ボソッ
梓「えぇ、唯先輩、この上なくニブチンですから」ボソッ
律「唯、梓は構ってやらないとすぐ拗ねるからな、注意しろよ?」
唯「え!?ほったらかしにしてごめんあずにゃん!」ダキッ
梓「べべべ、別に、拗ねてなんていないですよ・・・///」
律「そうか、ごめん唯。私の勘違いだったみたいだ。今すぐ離してやれ」
唯「ちぇー」パッ
梓「!?な・・・なんてことを・・・!!!」
澪「梓と唯の仲を引っ掻き回すな!」ゴンッ
最終更新:2010年08月01日 23:40