ある日
律ママ「アールグレイ最高」
澪ママ「ダージリン最高」
律ママ「琴吹さんからもらったこの紅茶すごい美味しいわね」
澪ママ「えぇ、香りからして高級感が漂っているわよね」
律ママ「そうそう、この香りがね」
澪ママ「あと、この香り」
律ママ「あ、うん。語彙がないのはわかった」
澪ママ「忘れちゃいけないのが、この香り・・・!」
律ママ「忘れてないでしょ、数秒前にその話したでしょ、忘れたの?」
澪ママ「そういえば・・・りっちゃん達、大学生活に慣れてきたみたいねー」
律ママ「もう入って2~3ヶ月でしょ?」
澪ママ「うん、今だから言うけど、澪の性格だとなかなか友達できないんじゃないかなーって心配だったの」
律ママ「大丈夫よ、律がついてるんだから」
澪ママ「『大丈夫よ、律がついているだから』」キリッ
律ママ「私そんなにキリってしないしね」
澪ママ「そうそう、今日は田井中さんに見せたいものがあったの」
律ママ「見せたいもの?」
澪ママ「そうそう、これなんだけど・・・」
律ママ「何?この書類」
澪ママ「これね、ネットで色々と調べてみたの」
律ママ「へー?ちょっと見せてもらえる?」
澪ママ「はい、どうぞ」スッ
律ママ「これって・・・!」
澪ママ「そう、養子縁組っていうものについてちょっと調べたのよ」
律ママ「へー」ペラッ
澪ママ「・・・」ジー
律ママ「何?」
澪ママ「褒めて?」
律ママ「ずうずうしいな、おい」
澪ママ「うん!」
律ママ「認めちゃったよ」
澪ママ「それ読んで私思ったことがあるの」
律ママ「なに?」
澪ママ「秋山律って、なんかいかつくないかなーって」
律ママ「え?何言ってるの?田井中澪でしょ?」
澪ママ「またまたー」
律ママ「いや、またまたーじゃないから」
澪ママ「え?」
律ママ「え?」
澪ママ「田井中さん・・・え?」
律ママ「あ、今なんかイラっとした」
澪ママ「ここはりっちゃんが秋山を名乗るべきだと思うの」
律ママ「おかしいわ、律の方が旦那っぽいもの」
澪ママ「ベッドの中のりっちゃんを知らないからそんなこと言えるのよ・・・!!」
律ママ「娘がベッドの中でどんな感じか、なんて知りたくないわ」
澪ママ「すごい可愛かったわよ?」
律ママ「泣くぞ、律に代わって私が泣くぞ」
澪ママ「い、やぁ・・・みぃお、らめぇ・・・!!」
律ママ「とどめ刺すなよ」
澪ママ「とにかく、澪の方がしっかりしてるし旦那さんっぽいと思うの」
律ママ「いいや、律の方が旦那だって。こうグイグイ引っ張っていく感じで」
澪ママ「・・・」
律ママ「どうしたの?」
澪ママ「そこまで言うなら・・・確かめよう?」
律ママ「へっ?」
澪ママ「だから、どっちが旦那さんに相応しいか調べよう?」
律ママ「ど、どうやって・・・?」
澪ママ「それは考えてないわ☆」
律ママ「もう少し考えて発言しろ」
澪ママ「でも、気にならない?」
律ママ「確かにねぇ。まぁ、調べるまでもなく律の方が旦那であることは間違いないけど」
澪ママ「あぁん?」
律ママ「怖ぇよ」
律ママ「調べるまでもないけど、確認するって意味では・・・いいかもね?」
澪ママ「絶対泣かしてあ・げ・る」
律ママ「私さっきあんたに泣かされたばっかだよ」
澪ママ「・・・」ピッピッピッ
律ママ「何してるの?」
澪ママ「いいから見てて?」ニコニコ
プルルルルル・・・
律ママ「まっまさか・・・!」
澪ママ「そう、どう?」
律ママ「いや、それはさすがn」
澪ママ「あ、もしもーし☆」
律ママ「」
澪ママ「ちょっと待ってねー」カチカチ
律ママ「何してるの?」
澪ママ「スピーカー使って電話するの。そうすれば田井中さんも二人の声が聞こえるでしょ?」ピッ
律ママ「なるほど。りつー?聞こえてるー?律達も同じようにしてよー」
ゴソゴソ・・・
律「ん、あーもしもし?」
律ママ「もしもーし?久々ね?」
律「昨日電話で話したばっかだろー?」ナニイッテンダヨ
澪ママ「へー?田井中さんって結構こまめに連絡とったりしちゃうんだー?」ニヤニヤ
律ママ「うるさい、律も空気読みなさい」
律「あ、うん(なんか怒られた)」
律ママ「っていうか律に電話かけたんだ?」
澪ママ「うん、澪は忙しいかも知れないから・・・」
律ママ「人の娘に遠回しに暇人って言うな」
律「澪ならそこに居るけど?」
律ママ「そうなの?」
律「あぁ、ヘッドフォンつけてるから聞こえてないみたいだけどな」
澪ママ「ちょっと話があるから澪も呼んできてもらえる?」
律「はい、じゃあ声かけときますね。そろそろ課題終わる頃だと思うんで」
澪ママ「・・・」
律「あ、あれ?もしもし?」
澪ママ「敬語で話かけられたら無視することに決めましたー」ムーン
律&律ママ「ホント子供だな、あんた」
澪ママ「子供じゃありませんー」ムーン
律ママ「っていうか『ムーン』って何」
律「おーい、みおー?」
律「・・・あ、うん。わかったよ」
律ママ「澪ちゃんなんて?」
律「もうちょっと待っててってさー」
澪ママ「わかったわ」
律「え・・・?」
律ママ「・・・?」
澪ママ「・・・」
律ママ「いや、なんか喋ろう!?そんな律儀に待ってなくていいから!」
澪ママ「じゃあ、りっちゃんに聞いちゃおうかしら?」
律「はい?・・・じゃなかった。えっと、なに?」
澪ママ「りっちゃんと澪はベッドでは主にどちらが上なの?」
律ママ「ぶはっ!!?!?」アールグレイブー!
律「は、はい!?」
澪ママ「だから」
律ママ「待て待て待て待て」
澪ママ「主導権はどっちが握ってるの?」
律ママ「私、待てって言ったよね?ねぇ、聞こえてないの?」
律「ど、どっちって・・・」
律ママ「いや、律も答えようとしなくていいから」
澪ママ「答えて?」
律ママ「とりあえず秋山さんは私にアールグレイを返して」
澪ママ「あ、はい、どうぞ」プラーン
律ママ「安物のティーバッグかよ!」
澪ママ「どうぞっ」ベチャッ
律ママ「しかも使用済み!?どっから出した、それ!」
澪ママ「何言ってるのよ、さっき田井中さんが飲んでたじゃない」
律ママ「わお、こいつ自分だけ琴吹さんの高級な紅茶飲んでたよ。私さっき安物の紅茶を大絶賛しちゃったよ」
澪ママ「田井中さんは置いといて・・・りっちゃん?教えてほしいな?」
律ママ「いや置いとくなよ、さすがに今のを無視されたら寂しいよ」
律「え、えっと、主に・・・私かな///」カァァァ
澪ママ「」
律ママ「ぃよっしゃぁ!!」
澪ママ「待って、まだ戦いは終わらない」
律ママ「誰との戦いだよ」
澪ママ「交戦中の相手は私など眼中にないようだ・・・」
律ママ「あ、私と戦ってたんだ」
澪ママ「さっき主にって言ってたわよね?つまり・・・?」
律「えー・・・?答えないと駄目ですか?」
澪ママ「・・・」ムシッ
律「ホントめんどくさいな、あんた」
澪ママ「そうそう、その調子でフレンドリーにね」
律「うっ・・・(勝てる気がしない)」
律ママ「その質問はさすがに、ねぇ律?」
律「う、うん」
澪ママ「え?どうして?」
律ママ「わかってないところがまたすごい」
律「っていうか、いきなりどうしたんだ?さっきから変な質問ばっかして」
律ママ「えーとね、苗字はどうするって話になってね?」
律「は?」
澪ママ「だから、田井中澪か、秋山律かって話しよ」
律「あー・・・そう」
律ママ「そのあからさまにめんどくさそうな返事っ」
律「だって、仕方が無いだろ?」
澪ママ「「りっちゃんはどっちがいい?」
律ママ「いや、それあんたのフルネームだから」
律「間違った。えっと、田井中澪がいい」
律ママ「でしょ!?」
澪ママ「はー?マジ意味わかんないんですけどー?」
律ママ「何キャラだよ、いきなり性格変わりすぎだろ」
澪ママ「澪は!?澪はまだなの!?」
律「えっと・・・お、来たか」
澪「あぁ、お待たせ」
律ママ「澪ちゃん久しぶりー」
澪「はい、お久しぶりです」
律ママ「・・・」ツーン
律「あんたもか」
澪「え?何これ?」
律「敬語使ってると無視されちゃうから気をつけろよー?」
澪「えぇ!?む、無理だよ・・・恥ずかしいし・・・」
律「うん、でも頑張ってみようぜ?」
律ママ「きた、今の律旦那っぽくなかった?」
澪ママ「全然たいしたことありませんー」
律ママ「マジでそのキャラやめろ」
澪ママ「今のはただの会話よ、有効打ではないわ」
澪「え?なんの話してるの?」
律「なんか、母さん達が田井中澪か秋山律かで喧嘩?してるらしいんだよ」
澪「は、はぁ?」
澪ママ「なんで呆れるの!?」
澪「いや、誰でも呆れるだろ・・・」
律「いや、お前・・・」
澪「え、なに?」
律「もうちょっと乗ってやれよ・・・」
律ママ「そうよ、ちょっと寂しかったわよ?」
澪「あぁ、ごめんなさい。でもあまりにもくだらなくて」アハハ
律ママ「ホントこの親子強烈だわ」
澪ママ「くらだらないのは百も承知だけど、でも・・・」
澪「百済の百と、百も承知の百をかけたんだ?母さん、それすごい面白い」アハハ
律「こじつけ過ぎだろ!?お前こそよくそんなことに気付いたな!?」
澪ママ「うふふ、笑ってもらえて何よりだわ」クスクス
律ママ「って、かけてたのかよ!」
澪ママ「ねぇ、澪はどっちがいいと思う?」
澪「えっと・・・私は・・・」
律&律ママ&澪ママ「・・・」ゴクリッ
澪「やっぱり、秋山律・・・かな」
律「なんでだよ!?」
律ママ「なんでだよ!?」
澪ママ「なんでだよ!?」
律&律ママ「なんでだよ!?」
澪ママ「ごめんなさい、ノリで一緒になって言っちゃった」
律ママ「全く・・・」
律「なぁ、澪?」
澪「なんだ?」
律「ここはやっぱり田井中澪の方がいいと思うんだ」
澪「それは嫌」
律「え、えぇー・・・?」
澪「だって、律の方が、その、可愛いし・・・///」
律「ばっ///」
澪「駄目、かな・・・?」
律「うっ、いや、でも」
澪「?」
最終更新:2010年09月16日 21:25