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林田「けいおん?」
北斗「ああ、今、巷で大人気のコミックスだ」
神山「へえ、どんな話なんだい」
子分「なんだ知らないのかよお前ら!」
北斗「よせ。知らない方が語りがいもあるというものだ」
前田「……」
林田「面倒な説明はいいからよ、あらすじだけバーッと頼むぜ」
北斗「え……あらすじ?」
北斗「……」
北斗「女子高生がバンドをする、日常ほのぼの音楽
コメディだ」
前田(それはあらすじというより、ジャンルなのでは……)
神山「へえ、バンドって事は楽器かい?」
子分「ああ、もう唯ちゃんが可愛くて仕方ないんだ」
北斗「ふっ……ムギの可憐さには敵うまい」
林田「……」
林田「なあ、ちょっといいか」
北斗「む?」
林田「音楽の話なのによ、その……可愛いキャラってのはどういう事だ?」
北斗「……質問の意味がわからないのだが」
林田「いや……あんまり音楽の漫画は読まねえからわからないんだけどよ、そういうのって楽器とか曲について語るもんじゃないのか?」
子分「ああ、もちろん。レスポールやテレキャス……楽器の話題もあるぜ」
林田「でもよ、お前らの言う、何とかちゃんの話が一番に出てくるんだろ?」
北斗「ふっ、けいおんを語る上で音楽などは無意味。彼女がそこにいればそれでよいのだ」
神山「……北斗君たちがそんなにハマっているなら、ちょっと興味があるかな」
子分「おう。そういうと思ってよ、ここに一巻があるから読んでみな」
神山「……」
パラパラ
北斗「……どうだ」
神山「いや、どうだと言われても……」
子分「唯ちゃん可愛いだろう!」
林田「まあ、女の子が出るのはわかったがよ……だから何なんだよ」
北斗「……え」
林田「確かに、女の子は可愛い。楽器の話もちょっとはしてるみたいだが……」
神山「でも、だから何だと言われてもね」
前田(……この律って子可愛いな)
林田「なあ、前田?」
前田「え……お、おう」
北斗「うぬぬ……貴様らにはけいおんの良さが解らないのか!」
神山「そう、そこだよそこ。何が北斗君たちを惹き付けているのか……それを教えてくれないかな」
北斗「ほう、この俺を試そうと言うのか、神山よ」
北斗「いいだろう。まず第一にけいおんの良さと言うのはな……」
北斗「……」
北斗(……あれ?)
北斗(こうして冷静に考えてみると、女子高生がダベって、ふわふわとしているだけではないか)
北斗(いや、確かに俺はそのふわふわが好きだ。好きなのだが……何が魅力か?)
北斗「……お、女の子が楽器をやっている」
神山「でも、楽器を弾いているシーンなんて数えるくらいしか無いみたいだけど」
子分「甘いな。いいか、漫画だとそう見えるかもしれないがアニメだとな……」
北斗(そ、そうだアニメだ。楽器の雰囲気を伝えるなら紙より映像の方が効果的なのは至極当然)
神山「へえ、アニメにもなってるんだ」
子分「ああ、ここにDVDの第一巻があるぜ」
北斗「ふふっ、次は映像で彼女たちを感じ取ってもらおうか」
前田「いや、学科でアニメ見ていいのかよ……」
ピッ
林田「……お、始まったな」
神山「話は同じ、女子高で唯が部活に入るところからなんだね」
唯『うんたん♪ うんたん♪』
神山「……確かに、声が入るとイメージは変わるかもしれないね」
ゴリラ「ンゴ」
フレディ「……」
林田「……」
前田「……」
神山「何だかんだで、第一期は全部見てしまったね」
北斗「彼女たちが堪能できた、それだけで貴様らは果報者だ」
子分「やっぱり唯最高~!」
林田「いや、そこは澪だろう」
前田「俺は律派かな」
ゴリラ「ンゴ」
フレディ「……」
神山「どういう話なのかは解ったよ。確かにアニメだと面白いのかもしれない」
北斗「ふふっ、そうかそうか」
神山「……で?」
子分「えっ……」
北斗「貴様、まだそんな事を言うのか。彼女たちの魅力は充分にわかっただろう!」
神山「女の子が可愛いのはわかりました。それで、北斗君は僕に何を伝えたくてこれを見せたんだい?」
北斗「そ、それはだな……」
神山「ここまで時間を取らせたんだから、相応の内容なんだろうね?」
北斗(くっ、奴の目は尖っている……今さら、ちょっとクラスに広めたかったなどと言ったら……)
子分(俺たちの権威が丸つぶれだ……)
林田「……神山よ、ちょっといいか」
神山「む?」
林田「確かに、お前にとっちゃあただのアニメかもしれねえ。女の子も好みのタイプがいなかったかもしれねえ」
北斗「は、林田……」
林田「正直最初はよ、女の子が楽器をやっているだけで何が面白いのかは分からなかった」
林田「……でもよ、一期を見終わった俺には分かるぜ。北斗たちが何を伝えたかったのかを、よ」
北斗「林田……」
林田「北斗たちはよ……俺たちとバンドやりてえって伝えたかったんじゃないのか
北斗「……え」
北斗(いやいや、どうしてそうなるんだ。何を言い出すかと思えば……バンド、だと……)
神山「バンド……そうなのかい、北斗君」
林田「言ってやれよ、お前が言いたかった事をよ」
北斗「バ……」
子分(うわあ、ぜってーアレは何も考えてない目だよ……)
北斗「バ……バンドだ。そうだ、林田」
子分(言っちゃった……)
林田「フッ、今ならわかるさ」
神山「北斗君……!」
北斗「な、なんだ神山(まずい、また何か言われる……)」
神山「感動したよ」ガシッ
北斗「え……」
神山「いや、実は僕も見ているうちにちょっと楽器が楽しそうに思えてきてね」
北斗「ほ、ほぅ。それでこそ俺が見込んだ男だ……」
神山「君がそう言ってくれるのなら、僕は喜んで協力するよ」
子分(えっ、本当にバンド組むの?)
林田「神山、俺もいるぜ」
神山「林田君……」
ゴリラ「ンゴ」
フレディ「……コク」
北斗「よ、よーし! 今日から俺たちはクロマティ高校けいおん部だ!」
全員「おおー!」
ベンチ
北斗「明日からどうしよう……」
くろまてぃ!
次の日
林田「なあ。バンドやるはいいけどよお、楽器はどうするんだ」
北斗「ふっ、各々がやりたい楽器を自分で買い揃えればいいだけだ」
神山「ちょっと待って下さい。けいおん部のメンバーは全員で五人でしたよね」
北斗「当たり前だ」
神山「僕たちは……」
前田「……」
林田「……」
子分「……」
ゴリラ「ンゴ」
フレディ「……」
メカ沢「……」
北斗「八人、か」
神山「あれ、メカ沢君、いつの間に?」
メカ沢「ふっ、バンドと聞いちゃあ……ちょいと血が騒いじまってな」
林田「お、メカ沢経験者か」
メカ沢「まーな。こう見えても音楽スタジオでバイトしていた事があるんだぜ」
神山「それは心強い」
北斗「ちなみに、なんの楽器が弾けるのだ?」
メカ沢「ドラムだ。俺から出る音はなかなか評判よかったんだぜ」
神山(俺から出る?)
北斗「ふむ、早速腕を見たいがここにはまだドラムが無いからな……」
メカ沢「だ~か~ら、任せておけっての。よっ」カシュン
神山「……」
メカ沢「いやあ、久しぶりだからな。ちゃんと設置できるかどうか」カシャン カシャン
林田「……」
メカ沢(ドラム)「出来たぜ。さ、弾いてくれ」
北斗(お前がドラムになるのかよぉぉ……)
神山「さすが、バイトしてただけあるね」
林田「ああ、すげえドラムっぷりだぜ」
北斗(いや、お前ら突っ込めよ……楽器弾けるかって聞いたじゃん。特技はドラムになる事ですって、そんなメンバーいねえよ)
メカ沢(ドラム)「へ、へへっ。あんまりジロジロ見るなよ。さ、誰が俺を叩いてくれるんだい?」
林田「そう言えば、前田はりっちゃんが好きだったよな」
前田「え、お、俺はドラムなんて触った事ないからいいよ……」
メカ沢(ドラム)「遠慮すんなって。最初はプロも素人……恥ずかしがってちゃ上達なんてしないぜ?」シャン シャン
北斗(喋る度にシンバルの部分が揺れるのか……)
前田「じ、じゃあ……ちょっとだけ」
ジャーン
林田「お、意外と響くな」
ドンッ ドンッ
メカ沢(ドラム)「いいぜいいぜー。慣れてきたらリズミカルに叩いてみな」
前田「こ、こうかな」
ドンッ シャン
神山「んん~、雰囲気はいいけどやっぱり安心するような音では無いよね」
前田「す、すまねえメカ沢……」
メカ沢(ドラム)「謝る事はねえよ。お前が今叩いているその……一生懸命な気持ちはビリビリ伝わってくるぜ」
前田「メカ沢……」
子分「へへっ、これから上手くなればいいじゃねえか!」
ゴリラ「ンゴ!」
フレディ「……」コクッ
北斗(くっ、なんだこのちょっといい雰囲気は……許せん)
北斗「ええい、待て貴様ら! そいつを見て何も思わないのか!」
前田「ん?」
北斗「お前じゃない。ドラムになっている……貴様だ」
メカ沢(ドラム)「んん~?」
北斗「よく考えてみろ、バンドメンバーがドラムになってるんだぞ。何か変だとは思わないのか!」
神山「?」
林田「なに言ってんだ、お前」
北斗「くっ……貴様ら……これが変だとは思わんのか!」
メカ沢(ドラム)「……」
メカ沢(ドラム)「ああ、確かに俺はとんでもないミスをしていたみたいだな」
神山「メカ沢君?」
北斗「……やっと気付いたか」
メカ沢(ドラム)「……すまねえな、久しぶりのドラムだったんでちょっと興奮していた。我ながら情けないぜ」
林田「待てよメカ沢。話が見えないぞ」
メカ沢(ドラム)「そこの北斗って奴は、よっぽどこのバンドに命かけてるらしいな。俺のミスに、こんな熱い言葉を掛けるなんて……」
北斗「……よくわからんが、わかってくれたならよかった。さあ、早く元に戻ってみんなでバンドを……」
メカ沢(ドラム)「すまねえ、サイドとトップの位置を逆にしていた」カシャン
神山「あ、間違えて置いてたんだあ」
林田「全く、一々北斗は熱く言うよな」
北斗「……」
ベンチ
北斗「そうじゃねえよ……」
ドラム(本体)メカ沢!
最終更新:2010年09月17日 22:00