平沢家
梓「しかも優しいし気が利くし偉ぶらない、とってもとっても良い奴なんですっ!」
唯律澪紬憂「…………」ポカーン
純「いや、だから梓……いきなり何言ってるのさ」アキレ
梓「みんなに純の良さを知ってもらおうと大声で説明してるんだよっ!」
純「褒めてくれてありがと。でも大声はやめときな? もう夜だし」
梓「分かったっ 純がそーいうならやめるねっ」ウンウン
純「ハイハイ……あ、でも今日はホントによかったんですか? 軽音部のお泊り会だったのに」
律「平気平気♪ 部員以外は駄目とかそーいうのないからさ」ニコニコ
純「そういってもらえると助かります」
澪「っていうか、唯と憂ちゃんの家なのに律が答えてどーするんだ」アキレ
唯「私は全然構わないよぉ~」ニヘ~
紬「人数が多い方が楽しいものね♪」ニコニコ
梓「まぁ、純は参加しちゃ駄目とか言ったらぶっ飛ばしてやるですけどね」フンス
律「おいおい」アキレ
梓「純も来たかったよねっ? 合宿とか来たいって言ってたもんねっ!?」
純「そりゃぁそうだよ。別荘っ スタジオ完備っ! 夏フェスっ!! 軽音部の集まりって楽しそうなんだもん」
梓「だよねっ だよねっ♪」ニコニコ
純「いや……梓? 何でそんなにテンション高いの?」
梓「純が居るからっ♪」ニコニコニコニコ
純「へ、へぇ~……」
律「変な薬でもやってんじゃないのか~?」ニヒヒ
澪「おいおい」アキレ
唯「純ちゃんといるときは、あずにゃんいつもこんな感じなの?」
憂「うぅん。いつもは普通だよ?」
紬「なんというか……凄く新鮮ね」
純「明らかにおかしいですよ。今日の梓」
梓「そんなことないもんっ いつも通りだもんっ いつも通り純のこと大好きだもんっ」フンス
紬「告白っ!?」ガタッ
律「……違うだろ」アキレ
純「わ、分かったから手握らないで振り回さないで抱きつかないでっ!」バタバタ
梓「じゅーんー♪」ギュゥ
純「こらー」バタバタ
唯「あずにゃんに抱きついてもらえるとは……純ちゃん羨ましいっ」フンス
紬「カメラッ カメラはどこっ!?」ゴソゴソ
律「はいはい~……やめような、ムギ」アキレ
澪「それにしても、ホントにどうしたんだ? 梓は」
憂「う~ん……ホント、どうしたんでしょう」ウーン
梓「♪~」ギュゥ
純「先輩達、見てないで助けてくださいよ~。憂も何とかしてー」バタバタ
唯「わたしとしてはこのまま見てたいかも~♪」ニコニコ
律「珍しいものではあるしな」ニヒヒ
澪「うん、確かに珍しい」
紬「あぁん、もぅっ カメラがないわっ」ゴソゴソ
律「や・め・ろ」ポカッ
紬「ぁいたっ」ムギュゥ
憂「何とかって言っても……引き離すわけにもいかないし……」ウーン
純「いや、引っぺがしていいよっ」グィー
梓「にゃーっ にゃーっ」ギュゥ
純「はーなーれーろ~~」グィー
梓「に゛ゃーっ」ギュゥ
憂唯律澪紬「…………」ジィー
律「何ていうか……ホントーに新鮮だな」フムフム
澪「というか、やっぱり明らかにおかしいよな」ウーン
唯「これはこれで可愛いよね~♪」ニコニコ
紬「じぃ~~~~~~」フンス
律「ガン見するな、ムギ」アキレ
純(だ、誰も助けてくれない……)
純「えぇい、このっ」グィー
梓「ぅに゛ゃぁぁっ!」ギュゥ
純「なんでそんなに力一杯抵抗するのさっ」グィグィ
憂「じゅ、純ちゃんっ あんまり乱暴にするのは……」オロオロ
純「う……そうだけどさ。いい加減暑くるしくて」
憂「う~ん……ねぇ梓ちゃん? 純ちゃん暑がってるよ? 少しでいいから離れてあげれば?」
梓「純。暑いのやだ?」
純「うん」コクリ
梓「わかった。我慢するね」パッ
純「へ? あ、うん……ありがと」
梓「♪~」ニコニコ
純「…………」
梓「♪~~」ニコニコ
純「何であたしのすぐ横にピッタリくっついてるの?」
梓「ここがいいっ」
純「そ、そう……」
憂唯律澪「…………」ポカーン
紬「じぃ~~~~~」フンス
純「えっとぉ……あ、そだ。憂、そこのジュース取ってくれる?」
憂「うん、わk」
梓「わたしが取ってあげるねっ」ダッテテテッヒョイッテテテッ
純憂「…………」
梓「はい、純っ あ、飲ませてあげようか? 飲ませてあげるねっ? はい、あーんってしてっ」
純「いや、いいから。自分で飲むし飲むから押し付けるなっ」バタバタ
梓「遠慮しなくていいよっ 純もジュース飲ませてくれたりとかしてるしっ」グィグィ
純「こぼれるこぼれるっ! あーもー、憂ー何とかして~」バタバタ
憂「う、うんっ 梓ちゃんストープッ ストーップッ!」テテテッ
梓「…………憂」ピタッ
憂「え?」
梓「…………」
憂「な、何かな?」ビクビク
梓「憂も大好きー♪」ガバッ
憂「今度はこっち来たーっ」ビクッ
梓「にゃぁにゃぁっ♪」ギュゥ
憂「あ、梓ちゃん!?」
純「こら梓っ とりあえずジュース置きなさいっ」ヒョイッコトッ
梓「にゃぁ~♪」ギュゥ
憂「どうしよう、純ちゃんっ」オロオロ
純「振りほどいちゃえば?」アキレ
憂「そんなの無理だよぉ」オロオロ
律「……これはちょっと、本気で普通じゃないな」ウーン
澪「だからさっきからそう言ってるだろ」アキレ
唯「あずにゃん、ひょっとして酔っ払ってる?」
紬「え?」
律「おいおい、誰か酒持って来てたのか~?」
澪「さすがにそれはないだろ」
唯「なんかさー……お酒飲んだときのお父さんに似てるんだよね」
憂「あ、確かに」
律「唯ん家のお父さんはこんなになるのか……」アキレ
唯「うん。唯~憂~って言って抱きついてくるよ」
澪「ほのぼの家族」アキレ
紬「でもお酒なんて……あっ」
澪「どうした? ムギ」キョトン
律「まさかムギが酒持ってきてたとか?」
紬「お酒じゃないけど……これ」コトッ
唯「チョコだね」ツンツン
憂「ひょっとしてウィスキーボンボンですか?」
紬「えぇ」
澪「お酒が入ってるお菓子だっけ?」
律「でもこれ……アルコール度数めっちゃ低いぞ」ヒョイッ
紬「うん、だから持ってきたんだけど……」
律「梓ー、このチョコ食べたか?」
梓「にゃぅ~♪」ギュゥ
律「……聞けよ」ムゥ
憂「あ、梓ちゃん。律さんが持ってるチョコ、食べた?」
梓「んう~? 食べたよ。美味しかったっ♪」ギュゥ
憂「……だそうです」
律「でもこれ、一箱丸々残ってるぜ?」
唯「りっちゃん……こっちに空っぽになった箱が二つありますぜ」
澪「……結構食べたんだな」
純「ねぇ、梓。ちょっとこっち向いて、はぁ~……ってやってみて?」
梓「にゃっ♪」ギュッ
純「こらっ いちいち抱きつくなっ」
梓「で、なになに?」
純「こっち向いて、息を、はぁ~……ってやってみて」
梓「ん~~♪」チュゥ~
純「キス顔するなっ」ビクッ
梓「むぅ……はぁ~~~」
純「……確かにちょこっとだけお酒臭いですね」ムゥ
律「何て酒に弱い奴だ」アキレ
澪「私、一つ食べてみようかな……」
律「ほい」ヒョイッ
澪「ん……んぅっ!?」パクッビクッ
唯「どう? 澪ちゃん。美味しい?」ワクワク
澪「……私は駄目だ、これ」ウググ
律「あたしも食べてみよう」パクッ
唯「あ、わたしも~」ヒョイッパクッ
紬「私も私もっ」ヒョイッパクッ
律「ほい、憂ちゃんと純ちゃんも」
憂「ありがとうございます」ヒョイッパクッ
純「どもです」ヒョイッパクッ
純憂唯律紬「…………」ムグムグ
唯律「うっ」
純憂紬「ん♪」
唯「ジュースぅ~」コクコク
律「うへぇ……これは駄目だ。あたしもジュースジュース」ゴクゴク
紬「美味しい~♪」
純「あ、美味しいっ」
憂「うん、美味しいね~♪」
梓「わたしもっ わたしもっ♪」バタバタ
純「はいはい。憂、一個取って~」アキレ
憂「うん……はい、どうぞ~」スッ
純「ありがと。ほれ、梓」スッ
梓「純、食べさせてっ♪」アーン
純「はいはい……」ヒョイッ
梓「うまうま♪」パクッムグムグ
律「にしても、梓って酔っ払うとこんなになるんだなぁ」
澪「なに上戸になるんだろう」
唯「あずにゃん上戸っ」
律「なんだ、それ」アキレ
紬「甘え上戸?」
澪「確かにそれっぽいな」
憂「純ちゃんに甘えたかったのかな?」
純「う~ん……悪い気はしないんだけどねぇ」
純「どっちかって言うと……もの凄く素直になってる気がする」ジィー
憂「そう言われると……そうだね。そんな気もする」ジィー
梓「♪~」モグモグ
律「じゃぁ、ちょっと試してみようか」ニヒヒ
唯「りっちゃん……何か悪いこと思いついた顔してるよ~」ニヤニヤ
律「唯だって何か悪いこと思いついた顔してるぞぉ?」ニヤニヤ
澪「お前達一体……」
律「なー梓ー。澪の事どう思ってる?」
澪「へ?」
梓「澪先輩は綺麗でカッコ良くてベース上手ですっ でもヘタレでビビリなのを何とかした方がいいと思うですっ」
澪「う」
梓「あと律先輩に甘いところも直した方がいいと思うですっ」
律「……あたしに甘いか?」
澪「そ、そんなことn」
唯紬「うんうん。甘い甘い」ウンウン
澪「…………」ショボン
唯「あ……じゃぁ、あずにゃん。ムギちゃんの事はどう思う?」ワクワク
紬「わ、私!?」ビックリ
梓「ムギ先輩は優しくて綺麗でお金持ちですっ でもほんわかし過ぎてゆるゆるなのがちょっと心配ですっ」
紬「しょぼん……」シュン
梓「あと、わたしの分のお菓子はもっと大目でも良いと思うです」
紬「う、うん。今度からは余分に持ってくるわね」
梓「よろしくですっ!」グッ
唯「いいなぁ~あずにゃん」
律「いやいや、それは図々し過ぎるだろ」アキレ
憂「でもこれは……」
純「ホントに素直になってるね……っていうか、素直すぎるくらいだ」
律「ぶっちゃけ過ぎって感じだな」アキレ
唯「じゃぁじゃぁ、りっちゃんの事はどう思ってる?」
律「あ、こらっ」アセアセ
梓「律先輩はだらしなくて大雑把でいい加減ですっ でも他人のことを気遣える優しい女の子だと思うですっ」
律「へ?」キョトン
梓「料理も上手だし裁縫も得意だしとってもとっても良い先輩だと思うですっ」
律「あ……う、え?」アセアセ
梓「あとカチューシャは外した方がカッコいいですっ ぜひとも外すべきですっ!」
律「うるへーっ!」ギュゥ
純「……そんなにカッコいいの?」
梓「惚れるねっ」フンス
純「へぇ~……」ジィー
律「外さないぞ」ギュゥ
澪「……私はよく知ってるけど」ボソッ
純憂梓唯律紬「…………」
澪「な、なんでもないっ」アセアセ
律「あ、じゃぁ唯の事はどう思ってる?」
唯「わくわく」ドキドキ
梓「唯先輩はぼけ~っとしてほわ~っとしてふにゃ~っとして、全体的に駄目駄目ですっ」
唯憂「……」ガァンッ
純「なんで憂まで……」
律「容赦ねぇ~」アキレ
梓「すぐ練習サボろうとするし色々覚えないしこれほど才能というものを無駄使いしてる人は始めてみましたっ」
唯憂「ぁぅぁぅ~」ガックリ
梓「でもやる時はやるし好きな事には一生懸命だしわたしにも優しくしてくれるしとってもとっても大好きな先輩ですっ!」
唯憂「わぁっ♪」パァッ
純「平沢姉妹のシンクロが凄い……」
最終更新:2010年09月22日 23:53