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憂「おはよー」

純「あ、憂。お早う」

梓「おはよう」

憂「うん。あ、梓ちゃん、昨日の宿題やってきた?」

梓「え、やってきたよ。憂やってないの?」

憂「ないの。だから写させて」

梓「いいけど……珍しいね、憂が忘れるなんて」

憂「忘れたって言うか……お姉ちゃんと一緒に映画見てたんだ」

梓「へぇ。なんていう映画?」

憂「ターミネーター」

純「あ、それ知ってる。かっこいいよね!」

憂「うーん、お姉ちゃんは好きだったみたいだけど、私はあまり……」

純「えー、そっかー」

憂「ごめんね」

純「いいよ別に。個人の感覚だし」

梓(趣味、完全に一致してないなぁ)

梓(なのに何で、ずっと仲良かったんだろ)

憂「梓ちゃん? あのー、宿題……」

梓「あ、ごめんごめん。待ってて」

梓はカバンから、宿題を取出す。

梓「はい、これ」

憂「ありがと、梓ちゃん」

梓「へへへ、いやー」



お昼休み

憂「私、トイレに行ってくるね」

純「いってらー」

憂は教室を出て行く。

梓「ねぇ、純」

純「なに?」

梓「何で憂と仲良くなったの?」

純「え? うーん……自然と、いつも一緒にいるようになったんだよなぁ」

梓「自然に?」

純「うん。最初は当たり前だけど、そんなに仲良くなかったんだ」

梓「へえ」

梓「何か意外だなぁ。憂と純って、ずっと仲よさそうだったから」

純「そう? それでね中一の文化祭でさ、一緒の係りになったんだよね」

梓「うん」

純「そのときに会話するようになってさ、それ以来仲良くなって……って感じ」

梓「ロマンティックな出会い、みたいのはなかったんだ?」

純「うん、そういうのは漫画だけだよ」

梓「かもね」


憂「ただいまー」

憂「何の話してたの?」

梓「憂とじゅnモガモガ   純「何でもないよ、さ、お昼ご飯食べよ」   梓「モガーモガー!」

憂「う、うん……何か聞いちゃいけないこと話してたんだね」

純「う、まぁそんなところ」      

梓「モガー!」

純「あ、ごめんごめん」

梓「ぷふっ。いきなり口押さえないでよー」

純「無意識のうちに手が動いたのよ」

梓「もう」

純「いいから食べよ。お昼休み終わっちゃうよ」



放課後

純「一緒に帰らない? 憂」

憂「ごめん。お姉ちゃん、部活ないみたいでさ。早く帰らないと」

純「そっかー、残念」

憂「じゃあね」

純「うん」

純(じゃあ、梓と一緒に帰ろうかな)

梓「純、残念だったね」

純「へ?」

梓「一緒に帰りたかったんでしょ、憂と」

純「まぁ、ね」

梓「私が憂の代わりになってあげようか?」

純「うん、そうして。一人で帰るの、寂しいしね」

梓「正直だね、純は」

純「そ、そうかな?」

梓「うん。――すこし、羨ましい」

純「え?」

梓「私さ、誰に対しても素直になれないから。そうやって真っ直ぐな純を見てると、なんだか嫉妬しちゃうんだよね」

純「褒め言葉?」

梓「のつもりだよ」

純「ありがとう、とだけ言っておくよ」

梓「ま、いいや。帰ろう」

純「うん」

梓と純は学校を出た。



街中

梓「もうすぐ、クリスマスだね」

純「うん。もう一年終わっちゃうよ」

梓「中学生になったころからさ。年々、時間が経つのが早くなってる気がするよ」

純「わかる。御婆ちゃんになったころには、もっと早くなるんだろうね。一年なんて、あっという間に過ぎてさ」

梓「かもね」

純「ねえ、梓はどこの大学行くの?」

梓「音大のつもり」

純「へえ」

梓「純は?」

純「私は――N女かな」

梓「へえ。意外」

純「え? 何で?」

梓「純は、まだ未定とかいいそうだったから」

純「昨日までは未定だったんだけどね」

梓「今日決まったの?」

純「そんなところ」

梓「何でN女?」

純(憂と一緒がいいから!)

純(なんて言えないなぁ)

純「秘密」

梓「えー、教えてよー」

純「今度ね」

梓「うう、気になる」

純「まぁまぁ。あ、そうだ、あのゲーセンよってかない?」

梓「ゲーセンかぁ。あまり行ったことないなぁ」

純「もったいないなー。人生損するよ」

梓「楽しいの? ゲーセン」

純「結構」

梓「ふぅん。じゃあ、行ってみようかなぁ」

二人はゲーセンへ向かった。



三時間後

梓「お金使いすぎた……」

純「私も。もうすっからかんだよ、財布」

梓「でも、まぁ楽しかったからいいかな」

純「でしょ?」

純の手には、人形が二体。

梓「何千円もかけて、ゲットしたやつがその人形二体だけだと、何か損した気にならない?」

純「梓は一体じゃん」

梓「私のはキティだから、何か格が違うと思わない?」

純「どっちも同じようなものだと思うよ」

梓「そうかなぁ」

純「うん」

梓「でもさ、その人形どうするの? 純の家に人形が飾ってあるの、想像できないんだけど」

純「うーん。そうだね……」

梓「それ、なんて人形なの?」

純「『おちょなんたん』って人形だよ」

梓「おちょなんたん?」

純「名前は可愛いね」

梓「まあね」

純「でもなー。確かに、私の部屋楽器だらけで人形なんて置いてないからなー」

梓「あ、じゃあさ、憂にあげれば?」

純「あ、それいいかも!」

梓「でしょ!」

純(憂、喜んでくれるかな……)

純(何か、人形渡すだけなのに、今からどきどきしてる)

純は人形を、強く握った。



翌日

学校

純「憂、いる? この人形」

憂「いいの? うわー、可愛い」

純「うん、あげるよ」

憂「えへ、ありがとう。純ちゃん」

憂は笑みを見せる。

純「二つあるからさ、唯先輩にでも上げてよ」

憂「うん。そうするよ」

純(よかった、受け取ってもらえて)

梓「おはー、純」

純「お早う、梓」

梓「お、憂。人形もらったんだ」

憂「え? うん」

梓「その人形ね、純が憂のために、ゲーセンで何千円もはたいてとったんだよ」

純「な、何言ってるの! 梓」

と、梓は純の耳元に口を寄せた。

梓「いいじゃん、こういった方が憂も喜ぶよ」ヒソヒソ

純「そ、そうかもしれないけど」

憂「本当なの?」

純「う、うん。昨日の帰り、暇だったからゲーセン寄ってね」

嘘をついた。

憂「ふぅん、何だか悪いなぁ」

純「き、気にしないでよ。私の、えーと、あ、気まぐれだしさ」

憂「気まぐれ?」

梓(アドリブ下手だなぁ)

純「それに、憂にプレゼントしようと思ったんだよ。ほら、早めのクリスマスプレゼント? ってやつ」

憂「へぇ。じゃあ、私も今度なんかプレゼントするね」

純「え? 本当?」

憂「うん。もらいっぱなしじゃ悪いからね」

純「じゃ、じゃあ、お言葉に甘えて……」

純(プレゼントかぁ、なんだろう)

梓「よかったねー、純」

純「ま、まぁね」

今から、プレゼントがどんなものか、気になっていた。


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翌日

純(憂のプレゼントかぁ)

翌々日

純(プレゼント……キスとかかな)

純(きっと、クリスマスプレゼントとして渡してくるんだろうなぁ)

翌々翌日

純(まだかなぁ、クリスマスプレゼント……)

翌々翌々日

純(クリスマスイヴと終業式って同じだからなぁ。そのときもらえるんだろうなぁ)

翌々翌々翌日

純(その日まで、もう少しだなぁ)

純(楽しみすぎて、今からわくわくしてるし)

そして――クリスマス・イヴ当日。

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12月24日  ……終業式当日

憂「明日から冬休みだねー」

純「うん。心置きなく羽を伸ばせる」

梓「でもさ、クリスマスイヴに学校って、ひどくない?」

純「ま、いいじゃん。正月に学校とかよりはましだよ」

梓「それはそうだけど……」

憂「クリスマスに、こうやって皆で顔を合わせられるんだよ! 何かうれしくない?」

梓「まぁ、確かにね」

純(プレゼント、いつくれるのかな?)

純「ねぇ、憂。クリスマスって何か用事あるの?」

憂「え? 今年はお姉ちゃん達、紬さんの家でクリスマスパーティするからね」

憂「私は特にないよ」

梓「私もそこに行くんだー」

純「ああ、軽音部だからね」

梓「そう!」

純(いいなぁ、軽音部)

憂「そうだ、純ちゃん」

純「何?」

憂「今日、私の家に来ない?」

純「え?」

憂「私一人っての、ちょっと寂しいからさ」

憂「あ、もしかして、用事あった?」

純「う、うぅん! ないない!」

憂「じゃあ、一緒にクリスマスパーティしない?」

純「私でいいの?」

憂「うん」

憂「大歓迎だよ」

純「……ありがと、行かせてもらうよ」

憂「じゃあ、今日の6:00からね」

純「了解。それまでに憂の家行けばいいのね」

憂「うん」

純「OK」

純(よし! 二人だけでクリスマスを迎えるなんて、ロマンティック!)

純(私、最高に幸せ!)

純は小さく、ガッツポーズをした。


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最終更新:2010年09月24日 22:35