憂(ちょ、ちょっと待ってよ!私が原因でお姉ちゃんが軽音部を辞めちゃう…?)
憂(お姉ちゃんが私の事をそこまで想ってくれてたのは嬉しいけどそんなこと絶対させるわけにはいかない…)
憂(………私が、寂しいって思わなければ大丈夫なんだよね?)
唯「そー言えば憂まだかなー?」
律「憂ちゃんの料理楽しみだなー」ジュルリ
唯「私ちょっと聞いてくるよ!」
憂(わわっ、戻らなきゃ…)コソコソ
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憂(お姉ちゃんの最後の文化祭まであともう1ヶ月…)
憂(もしここで私がお姉ちゃんを引き止めたらお姉ちゃんはきっと軽音部を辞めちゃう)
憂(お姉ちゃんは不器用だよ…私の為に自分を犠牲にしようとしてる…)
憂(でもそんなお姉ちゃんの覚悟を無駄にしたくないから何も言えずにいる私も十分不器用かな?)クス
憂(うん、私は大丈夫…大丈夫だ…)
憂(………)
憂(…文化祭でのライブ頑張ってね、お姉ちゃん)
次の日!
憂「お姉ちゃん起きて!今日は朝から部活でしょ?」
唯「うい~おはぁよ~」ダキッ
憂「わわっ!おねえちゃん、朝御飯食べていくでしょ?」
唯「はっ!」パッ(私昨日憂と喧嘩したんだった!)
唯「い、いらないよっ!ふんっ!」
憂「駄目だよ!昨日だってあれからすぐに寝ちゃったし何も食べてないでしょ!?」
唯「う、うぅっ、でもいらないものはいらn……」グゥー
唯「あっ」
憂「うん、お腹は正直だね!もうご飯出来てるからね」
唯「くそ~空気を読め胃袋」グゥー
唯「いただきます」
憂「はーい、召し上がれ♪」
唯「昨日喧嘩したのに憂は普通だね」ムシャムシャ
憂「お姉ちゃんが私の心配してくれただけでしょ?喧嘩だなんて思ってないよ~」
唯「むー憂は相変わらず大人だなあ」
憂「そ、そんな事ないよ……」
唯「私は朝から意地張ってたのにさ」
憂「それだけ私の事を想ってくれてるんだよ、私すごく嬉しかったから……」
唯「でへへ~そう?」
憂「うんっ」
唯「ごちそーさま!じゃ、行ってくるね」
憂「いってらっしゃい、練習頑張ってね」
唯「はぁー、なんて情けない姉なんだ」スタスタ
唯「でもこのまま日曜日部活に参加するわけには行かないよ」
唯「憂に辛い思いをさせてまでライブしたって意味ないもんね」
唯「皆に軽音部を辞めるって言う事も覚悟しておかないと駄目、だよね…」
唯「心の準備が…………そうだ!とりあえず川原で自主練にしよう!」
唯「そうと決まればレッツゴー♪」
唯「着いたぁ~」
唯「さぁてライブも近いし練習を……ってせっかく良い天気だしお昼寝してからでも良いよね」
唯「携帯の電源も切っておこうっと」
唯「担いだギターの重みが心地よい……」
唯「起きたら練習始めよっと……むにゃ…………・・」
澪「なぁ、そろそろ練習しないか?」
律「練習するったってさ~唯がまだ来てないじゃん」ズズー
澪「ああ、携帯に連絡しても電源が切れてるみたいだし……」
紬「昨日の今日だからね……唯ちゃん……」
梓「まったく!ライブはどうなっちゃうんですかね」
澪「やっぱり昨日あんな事言わなければ良かったな」
律「今更そんな事言ってもしょうがないって!梓、憂ちゃんは?」
梓「あっ、そうですね!今から聞いてみます」
梓「……」プルルプルルガチャ
梓「あ、もしもし憂?うん、おはよう」
梓「あのね、唯先輩がまだ部活に来てないんだけど寝坊かな?」
梓「えっ!?ずっと前に家を出てる?」
澪「!!」
梓「そう、うん、あ、携帯は電源切ってるみたい」
梓「え、憂?ちょっと……あっ、切られちゃった」
律「家はちゃんと出たのに来てないって事は……事故とか?」
澪「それもあるかもしれないけど、おそらく昨日の事が原因なんじゃないか?」
紬「私もそう思う、もし事故なら憂ちゃんに連絡があるはずだもの」
律「……」
梓「多分憂も探しに出たはずですしね」
澪「行こう!唯と話をしないと!」
律「ちょーっと待ったあっ!!」
澪「なんだ律?早く唯を探さないと…」
律「みんな聞いてくれ!唯がどうしても日曜日に参加したくなかった理由!」
澪「なっ!?お前知ってるのか!?」
律「実は知ってるんだなーこれが」
梓「だったら何でもっと早く言ってくれないんですか!」
律「悪いな、唯に口止めされてたんだよ」
律「ただ、さすがにこの状況だとお前らも事情を知っておくべきだと思ってさ」
澪「大体なんでお前だけが知ってるんだよ!?」
紬「二人とも落ち着こう?りっちゃん、教えてくれる?」
律「悪いな、ムギ。あれは高校1年生の夏休み―――」
憂「お姉ちゃんどこ行っちゃったの……?」
憂「やっぱり昨日の事を気にして?……とにかく探さなきゃ!」タッタッタッ
えりか「いやぁ~たまには川遊びも良いね~つぼみっ!」
つぼみ「はいっ!川原に咲いてる綺麗なお花も見れますし!」
えりか「そうだね~、そういえばシプレとコフレってどこ行ったの?」
つぼみ「さっきまで蝶々を追い掛け回してるのが見えてたんですが、今はいませんねぇ」
えりか「えぇーっ!?それやばいよつぼみ!誰かに見られたら!」
つぼみ「そ、そうでした!えりか、急いで探しましょう!」
シプレ「蝶々さんいなくなっちゃったですぅ」
コフレ「ついでにえりか達ともはぐれたですっ」
コフレ「あっ!あそこで誰か寝てるですっ!」
シプレ「コフレ!バレたらまずいですぅ!」
コフレ「寝てるから大丈夫ですっ!」
シプレ「これは一体なんです?」
コフレ「さぁ~こんなもの持って寝るなんてよっぽど眠かったのかもしれないですっ」
唯「ん~?むにゃむにゃ……・」
コフレ「!!」
シプレ「ぬいぐるみのフリするですぅ!」パタ
唯「ふわわわぁ~、って今この人形喋ってなかったっけ?」
コフレ「……」
唯「ん~、絶対喋ってたよ!間違いないよ!」
シプレ「……」
唯「持って帰って憂に調べてもらおうかな?」
えりか「す、すいませ~~んっ!」
唯「ほぇ?私?」
つぼみ「はいっ!そ、その人形私たちのなんです!」
シプコフ(つぼみ~~えりか~~~~!!)
唯「あっそうなんだ~じゃあ、はいこれ」
えりか「いやぁ、どもども」
唯「あれ?でも何でこんな所に置いてあったんだろ?」
つぼみ「えっ、あ、いや、あの実は私それで遠投の練習をしてましてっ!!」
えりか(つ、つぼみぃ、それはさすがに苦しい……)
唯「そうなんだ、すごいね!頑張ってね!」
えりか(うそぉっ!?)
つぼみ「はいっ!ありがとうございます!」
えりか「あ、ギターだ」
唯「ギターのギー太だよ!」フンス
つぼみ「ギター弾けるんですか?わぁ~かっこいいです!」
唯「いやぁそれほどでもぉ~でへへ」
えりか「ねっねっ、ちょっと弾いてみせてよ!」
唯「いいよぉ!じゃあ弾くね」
ジャッジャッジャッジャジャジャジャカジャカジャンジャン♪
えりか「おぉ~~!!かっこいい~~~」キラキラ
えりか「私の名前は来海えりか!そしてこっちが」
つぼみ「花咲つぼみです!よろしくお願いします!」ペコリ
唯「わわっ、こっちの子は礼儀正しいねっ!」
つぼみ「いえっ、引っ込み思案なだけです///」
えりか「あったねぇ、そんな設定~」
つぼみ「むぅ~えりか!どういう意味ですかぁ!」
えりか「あはは、ごめんごめん!」
唯「えへへ、二人は仲良しだねえ」
えりか「まっ、家も隣同士だしねー!姉妹みたいなもんかな?」
えりか「って、私には本当のお姉ちゃんも一応いるけど……」
唯「姉妹、かぁ……」
つぼみ「どうかしたんですか?」
唯「うん、実は……かくかくしかじか四角い……でね」
えりか「なるほど~、つまり妹さんを優先してあげたいけど妹さんは部活に参加して欲しがってると」
つぼみ「うーん、これは難しい問題ですねぇ……お互いに想い合ってるから生じた問題ですし」
えりか「えーそうかなあ?妹さんが参加して欲しがってるなら参加すればいいだけなんじゃない?」
唯「うん、でも絶対憂は本当は寂しいはずなのにそれを隠してるような気がするんだぁ」
つぼみ「それは何故ですか?」
唯「うーん、なんとなく?」
えりか「なっ、なによそれぇ」ズルッ
唯「でへへ~」
つぼみ「でもこんなに妹さんの事を想ってる唯さんが言うんだから間違いないです!」
えりか「だったら本当の事を言うように頼んでみたら良いよ!」
つぼみ「えりかは単純に考えすぎです!」
つぼみ「憂さんはきっと唯さんに迷惑を掛けない様に本心を隠しているはずなんです!」
えりか「でも迷惑って?」
つぼみ「だから!唯さんが軽音部の皆さんと仲違いしないようにしてるんです!」
えりか「えぇー!?そんな事くらい別に隠す必要もないんじゃない?」
つぼみ「た、確かに…」
えりか「でしょ?寂しいけど文化祭までは仲違いしない様に軽音部を優先して!って言えば唯さんも納得するよねぇ?」
唯「う、うん…」
えりか「それなのに頑なに本心を隠そうとするなんて絶対変だよ!」
唯「!!」(あれ…でも憂は私が軽音部を辞めるつもりって事は知らないはずだよね…?)
つぼみ「うーん…えりかの言う事も一理ありますね…」
えりか「にしし、つぼみの方が単純だったんじゃないの?」ニヤニヤ
つぼみ「!! と、とにかく憂さんはとても優しいんです!唯さんに心配かけさせたくないんです!」
つぼみ「あぁ美しき姉妹愛!想い合う二人にどうしてこんな試練が与えられたんでしょう!?」
えりか「つ、つぼみ、落ち着きなよ……」
唯「えへへ、つぼみちゃんありがと~」ダキッ
つぼみ「きゃぁ!ゆ、唯さん!?恥ずかしいです……///」
えりか「唯さんって面白いよねー!私もこんなお姉ちゃん欲しかったかも!」
唯「えりかちゃんはお姉ちゃんがいるんでしょ?」
えりか「うん、でも桃姉とはケンカばっかりだしさ~」
唯「でもそれってちゃんと言いたいことが言い合えるって事だよね?うらやましいな~」
えりか「えーっ仲良し姉妹の方が絶対良いって!さっきも憂さんの自慢話ばっかりだったし!」
シプレ「つぼみ!えりか!」
つぼみ「はわわっ!」
えりか「わーーーーっ!!」
唯「つぼみちゃんえりかちゃん?どうかしたの~?」
つぼみ「な、なんでもありませんっ!あははははっ!えりか!ちょっと!」
えりか「うんっ!唯さんまた後でー!」ダッ
唯「ほぇ?どうしたんだろ?」
唯「でも、言いたい事が言い合える仲か……」
唯「憂は私に本音をぶつけてくれた事ってあるのかな?」
唯「……ないよね。それはやっぱり私が頼りないから……?」シュン
サソリーナ「あら~ん?心のションボリしてる子見~つけた♪」
唯「わっ!変な人!」
サソリーナ「誰が変な人よ!失礼しちゃうわん!」
唯「どうもすいませんでした!」ペコッ
サソリーナ「あ、いえいえお構いなく……ってそうじゃなくて!心の花頂いていくわね~」
唯「ほぇ?何の話?」
サソリーナ「心の花よ!出てきてぇん」
憂「お姉ちゃん、あぶない!」ドン!
唯「うわっ!え!?憂!?」
憂「きゃあああああああ!!」
サソリーナ「あらぁ?あ、でもこっちの子も心の花が萎れてるからいいわん♪」パキンッ
唯「憂!!!なに!?なんでこんな小さい水晶の中にいるの!?」
サソリーナ「んー、あらギター?これでいいわぁ」
唯「ねぇ!憂をどうしたの!!元に戻して!」
サソリーナ「んっふふ、デザトリアンのおでましよぉ!!」
デザトリアン(憂)「ギーーーーターーーーーー」
唯「憂!ういいいいっ!!!!」
えりか「はあっ!?お腹すいただけ!?」
コフレ「こればっかりはしかたないですっ!」
えりか「もぉ~そうかもしれないけどもう少しで正体バレちゃうところだったじゃん!」
つぼみ「シプレ!コフレ!もう人前で喋らないでくださいね!?」
シプレ「緊急事態だったですぅ……」
えりか「まっ早いとこ胃袋満たして唯さんの所に戻ろうよ!」
つぼみ「そうですね、急に逃げ出したから心配してるかもしれません!」
「ギーーーーターーーーーー」
えりか「!! い、今のって……」
シプコフ「デザトリアンですぅ!!!」
つぼみ「えりかっ!」
えりか「やるっしゅ!!」
シプコフ「プリキュアの種、いくですぅ~!」
つぼえり「プリキュア!オープンマイハート!!」
ブロッサム(つぼみ)「大地に咲く、一輪の花!キュアブロッサム!」
マリン(えりか)「海風に揺れる、一輪の花!キュアマリン!」
ブロマリ「ハートキャッチプリキュア!!」
マリン「サソリーナ!」
サソリーナ「あら、随分と早いじゃないプリキュア」
ブロッサム「マリン!デザトリアンの近くに唯さんが!!」
マリン「とりあえず唯さんを助けないとねっ!」ダッ
ブロッサム「はいっ!」ダッ
唯「うぅ…ういぃ……」ポロポロ
ブロッサム「大丈夫ですかっ!?」
唯「だ、誰っ!?」
マリン「私たちはプリキュアだよ!」
ブロッサム「ここは危険です!とりあえずここから離れてくださいっ!」
唯「憂がっ!憂を助けて!」
ブロッサム「えっ!?まさかっ…」
デザトリアン「ギーーターーー」
マリン「デザトリアンにされたのは憂さんなの!?」
ブロッサム「マリン!早く憂さんを助けましょう!」
マリン「うん!いこうっ!ここは私達に任せて、ここから離れて!」
唯「う、うんっ…」タッ
サソリーナ「いきなさいっ!デザトリアン!」
デザトリアン「ギターーーギーーターーーーー!!」ジャカジャカジャカジャカ
マリン「うぅっこの音は……!?」ズキン
ブロッサム「この音を聞くと……胸が……痛くなる…………?」ズキズキ
マリン「それに…なんなの、この気持ちは…!?」
サソリーナ「あぁ~私もそろそろ良い相手見つけなきゃいけない年頃かしらん…」ボヘー
ブロッサム「私、この胸の痛みの正体を知ってます…」
最終更新:2010年09月28日 00:01