梓(まさか部活中のティータイムまで私から取り上げるなんて……もう我慢出来ない!)

梓(大体ムギ先輩のやり方は私には合わなかったんだ……こんなんじゃ、いずれ餓死しちゃう!)

コンコン

梓「失礼しま……」

さわ子「え、いいの?私がケーキ2つも食べちゃって?」

紬「はい、梓ちゃんのダイエットの為にもこのケーキは今は食べさせられないんです」

さわ子「そういうことならしょうがないわね……残すのも勿体ないし、私がおいしく頂くわ!」

紬「ありがとうございます、さわ……」

梓「……私のケーキ!!」

バタンッ

紬「あ、梓ちゃん!?」

タッタッタ タッタッタ

紬「梓ちゃん、待って!」

梓「嫌です!待ちません!」

ガシッ

紬「つ、捕まえた……」

梓「何で追いつくんですか!?」

紬「そ、それは梓ちゃんが……」

梓「皆まで言わなくてもわかりますよ!私がデブだからって言いたいんですよね!?」

紬「あ、梓ちゃん……?」

梓「たった今わかりました!あんなダイエット、元から無理なんですよ!」

梓「ムギ先輩はそれがわかってて、それでも必死になってる私を見て楽しんでたんですね!?」

紬「そ、それは違うわ!私は本当に梓ちゃんのダイエットに協力したいから、私の経験も踏まえて……」

梓「でも、私には合わなかったんですよ!大体漬け物だけしか食べれないとか……私を栄養失調にでもさせるつもりでしたか?」

紬「そ、そんなわけないじゃない……あれは梓ちゃんに我慢を覚えてもらおうと思って……」

梓「なら、残念でしたね!私、昨日の夜中チョコ一袋食べてますから!」

紬「そ、そんな……酷いわ、梓ちゃんを信じて監視カメラだけは付けてなかったのに……」

梓「どっちにしてもムギ先輩のやり方は私には合わなかったんです!」

梓「第一、ムギ先輩がダイエットをしたのはまだ小学生の頃じゃないですか……」

梓「身体も未発達だったからあんな無茶が出来たんじゃないですか?あ、ムギ先輩の場合はトレーナー付きでしたね」

紬「梓ちゃん……私はただ……」

梓「とにかくムギ先輩とダイエットごっこをしてる暇は私にはないんです!」

梓「文化祭まであと1ヶ月……私は私にあったダイエットを自分で考案します!」

梓「じゃあ……さようなら!」

紬「あ、梓ちゃん……」

梓「……ただいま」

梓「…………」

梓(……私、ムギ先輩に酷いことを言っちゃった)

梓(ムギ先輩は本当に私のためを思って頑張ってくれてたはずなのに……空腹のあまりイライラし過ぎてたんだ)

梓「明日、ちゃんと謝んないと……でも」

梓(もしこれが律先輩に知れ渡ったら……)

梓(ただでさえ、太ってから私に対してものすごく嫌悪感を抱いてるっぽいのに……)

梓「……本当に嫌われるんだろうな」

ガラガラガラッ

梓「……」

梓「……はあ、どうしようかトンちゃん」


……

てくてく てくてく

律「……はあ」

律(なーにキレてるんだろうな、私……)

律(全部澪の言う通りなんだよな……あれは他の誰でもない梓だってのに……)

律「勝手にイライラして、唯や澪にぶつけて……最悪だな、私」

律(あんなのガキの頃の話なんだから、とっとと忘れればいいのにさ……)

律「……ったく」

律「ホント……なーにやってるんだろうな……あ?」
律「……」

律「……なにやってんだ、梓?」



梓「り、律先輩……!?」

梓(ヤ、ヤバい!?)

梓(ムギ先輩に逆ギレして逃げ出してきたのがもうバレたの!?てゆーか、早すぎ!?)

梓「これは……あの……その……」

律「……何でここにいるんだよ、梓?」

律(あーっ!だから、聞き方って物があるだろうに!なんで私はこんな聞き方しか出来ないんだよ!)

梓「す、すいません!実は……」

梓(律先輩やっぱり怒ってる……!どうしようどうしよう!頭の中がこんがらがってきた!?)

律「……実は、何だよ?」

律(だーかーら!もっと優しく聞けないのかよ、私は!)

梓「ひっ……!」

梓(ヤバいよヤバいよ!何言えばいいかわからない!?何言っても言い訳に聞こえそう!?)

梓「実は……トンちゃんが死んじゃったんですー!」

律「……え?」

梓(……一番言っちゃいけない真実を言っちゃった)

律「あ、梓……それどういうことだよ?」

梓「あの……その……」

梓(終わった……私のせいでトンちゃんが死んじゃったのバレちゃった)

梓(……もうどうなってもいいや、全部話そう……それで)

梓「すいません!……実は」

梓(それで……軽音部を辞めよう)

………………

…………

……

律「……そうだったのか」

梓「……はい、本当にすいませんでした……みんなのトンちゃんが私のせいで……私のせいで!」

律「……梓」

梓「……はい」

梓(律先輩が近づいてくる……大丈夫、殴られる位の覚悟は出来てる……さて、歯を食いしばって)

ぎゅっ

梓「……へ?」

律「梓!この馬鹿野郎!……何でそんな大事なことをもっと早く言わなかったんだ!」

梓「……律、先輩?」

梓(律先輩……泣いてる?)

律「……そんな大事なことをお前1人で抱え込まなくていいんだよ!梓!」

梓「律先輩……」

律「辛かっただろうに無理させて悪かったな梓……やっぱりお前は大事の軽音部の一員なんだよ」

梓「り、律先輩……うっ……うえええん!す、すみ……すみま……せんん!でしたあああ!」

律「ほら、泣け泣け……辛かった分だけ一気に泣くんだ……グスッ」

梓「り、律先輩だってぇ!な、泣いてるじゃない……ですか!ううっ……!」

律「馬鹿野郎!これは……鼻啜ってるだけだよ!うっ……グスッ」

………………

…………

……

律「黙祷!」

唯「……」なむなむ

澪「……」なむなむ

紬「……」なむなむ

梓「……」なむなむ

律「……よしっ、と」

澪「トンちゃん……天国で見守ってくれてるかな?」

唯「トンちゃんはきっと見守ってくれてるよ……だってトンちゃんも軽音部の仲間だもん」

澪「唯……そっか、そうだな」

梓「ムギ先輩!さっきは本当にすみませんでした!」

紬「いいのよ、梓ちゃん……私も梓ちゃんのことを考えきれてなかったんだから、私の方こそゴメンね」

律「よーし!これでケンカ両成敗だな!」

唯「りっちゃんとあずにゃんも元に戻ったみたいだね……ホントに良かったよ~」

澪「ああ……多分、それもトンちゃんのおかげなんだろうな」


律「さーて!これからは軽音部全員で梓のダイエットのサポートをするぞ!」

梓「皆さん、よろしくお願いします!」

唯「え~、いいよもうダイエットは~」

律「おい、唯……何言ってるんだよ?」

梓「そ、そうですよ!文化祭まであと1カ月です!早急に痩せないとヤバいです!」

澪「ああ……じゃないと、さわちゃんの作る衣装着たら大変なことになりそうだしな」

紬「今すぐにでも、これからの計画を立てないと!」

唯「でも、あずにゃんはあずにゃんなんだよ?姿形が変わっても中身はあずにゃんなんだからいいじゃん~」

唯「それに……太ってるあずにゃんってなんかトンちゃんっぽいし~」

梓「な、何言ってるんですか唯先輩!?」

律「アハハハハハ!」

澪「フフッ……ウフフフフッ……!」

紬「ププ……クスッ!」

梓「せ、先輩たちも何笑ってるんですかー!!」

END




最終更新:2010年10月01日 00:49