梓「ぁ……それ……気持ちいいです」

紬「これがいいの?」プラン プラン

梓「はぁ……落ち着く……」

紬「よいしょっ」 グイイ

梓「あぎぃっ……ぁんっ……痛い痛い、痛いですー!」

紬「あ、ごめんなさい」

梓「も、もっと優しくしてください」

紬「整理運動も以外と疲れるわね……やっぱり自分でして」

梓「ええ? もうちょっとだけでいいからお願いしますよぉ」

紬「仕方ないわね、ふんっ!」

梓「いたいたいたいたいたいたいたい」

梓「ところでムギ先輩」

紬「なあに梓ちゃん後輩」

梓「踏み台昇降ってなんですか?」

紬「まずは厚さ15センチくらいの踏み台を用意します。台の大きさは人によりけりだけど」

梓「それで、どうするんですか?」

紬「乗ったり降りたりするの」

梓「それだけ?」

紬「それだけ」

梓「そんなので効果あるんですか?」

紬「たしかに体重には影響しにくいけど、体格には効果がけっこうあるわ」

梓「具体的に言うと?」

紬「お尻が小さくなったり、腰にくびれができたりするわ」

梓「わかりました頑張ります!」

梓「はあはあ……意外と、キツイですね」

紬「梓ちゃん、そんなに速く昇り降りしなくていいのよ」

梓「そ、そう……なんですか……はあはあ」

紬「……水飲む?」

梓「はあはあ……ポカリとかアクエリアスとかないんですか?」

紬「ダメよ」

梓「スポーツにはアクエリアスかポカリでしょう!?」

紬「コーラよりカロリーの高いものを飲ませれるわけないでしょ」

梓「え!?ポカリのほうがコーラよりカロリー高いんですか?」

紬「やっぱり知らなかったのね」

紬「それから踏み台昇降をするときは時間がごとに最初に乗せる足を変えるといいわ」

梓「なんでですか?」

紬「片方の足ばかり使ってたら片方だけ太くなるじゃない?」

梓「それはいやですね」

紬「それから踏み台を昇り降りするときに身体を左右に捻るとより効果があるわ」

梓「勉強になります!」

紬「ふふ、頑張って。頑張ったら今日は」

梓「今日は?」

紬「ハンバーグだから」

梓「ふんふんふんふん!」

紬「だからそんなに急いでやらなくていいから」

紬「続いては筋トレなんだけど……」

梓「わ、私にできますかね?」

紬「……やるの!」

梓「はい。じゃあまずは腹筋から」

紬「じゃあ私が梓ちゃんの足押さえてるから」

梓「んんーーーんっ……はあはあ……む、無理です」

紬「……やっぱりできないのね」

梓「どうしましょう?」

紬「じゃあ梓ちゃんこれをやりましょう。まずは身体を仰向けのまま、足をピンと伸ばして」

紬「そしてピンと伸ばした足をそのまま上に持ち上げるの」

梓「んんぬあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ああああああ!」

紬「そうそう、ナイス足あげ腹筋よ。はい、じゃあ上までもってきた足をゆっくり下ろして」

梓「うぐううあ゛あ゛いいぐっ!……やった降ろせる……」

紬「下ろしてはダメよ!床に足をつけないでそのまま足をもう一回てっぺんまであげる」

梓「んぬ゛あ゛あ゛あ゛ばばばばああ足つるううううううう」

紬「耐えて!耐えないと今日のハンバーグがミートボールに変わるわよ!」

梓「ああああ今度は腹があ゛あ゛あ゛あああああああああああ」

紬「がんばれ!がんばれ!」

梓「ふんぬばあらああああああああああああ!!」

紬「よしよし、足上げ腹筋、背筋も終わり」

梓「ぜぇ、はあ……はあはあ……」

紬「ちなみに明日からは筋トレはランニングの前にやるからね」

梓「はあはあ……はあはあ……そ、はあはあ……う、はあはあ、で……すか」

紬「ちなみになんでか説明するとその方がより、筋トレの効果が出るからよ」

梓「はあはあ……はあはあ……………」

紬「……お風呂にしましょうか」

梓「はあはあ……はい」

梓「さあさあ風呂あがりのハンバーグですね」

紬「ふふ、たっぷり堪能してね。はいどうぞ」

梓「……」

梓「……?」

梓「……なんですかこの白いのは」

紬「ハンバーグだけど。焦げ目もきちんとついてるでしょ?」

梓「……それに切られた生のトマトが上に載ってますが」

紬「普通じゃない?」

梓「これ本当にハンバーグなんですか?」

紬「うん。豆腐ハンバーグよ」

梓「豆腐ハンバーグ!?」

紬「そんなに驚かなくても。誰でも知ってるから」

梓「いえ、初めて知ったんですが……」

紬「豆腐をベースに作ったものなの。普通のハンバーグよりカロリー低くておいしいわよ」

紬「それにそのハンバーグにかかってるスープは酢がベースになってるから栄養価も高いの」

梓「い、いただきます」パクッ

紬「どう?」

梓「……あ、美味しい」

紬「でしょう?」

梓「他にはなにがあるんですか?」

紬「タコの酢のもの、納豆、おすいもの、ご飯、よ」

梓「少ないですね。主にご飯が」

紬「炭水化物だからね」

梓「ところで、炭水化物であるご飯って食べていいんですか?」

梓「あの、デブにゃんって人も炭水化物抜いてると言ってましたが……」

紬「それね。実はダイエットに失敗する人に炭水化物抜きをやってる人が意外と多いの」

梓「そうなんですか?」

紬「炭水化物を抜く→体力がない→運動しない→でもお腹がすく→炭水化物以外を大量に食べてしまう」

紬「みたいな負のループが続くの」

梓「へえ、恐ろしいですね」

紬「あるいは、痩せるには痩せるんだけど食生活をもとに戻したら途端に太り出したりとか」

梓「リバウンドですね」

紬「痩せる、太るのループで気づいたらとんでもない巨漢になってたりとかね」

梓「じゃあ炭水化物は食べないといけないんですね」

紬「まあ普段よりは少なめに取らないといけない、ってところね」

梓「ごちそうさまでした」

梓(あかん。全然量がたりない)

紬「さあ、梓ちゃん、今日はゆっくり休んで。休日は追加メニューがあるし明日も早く起きないといけないしね」

梓「はーい」

梓(もっとなにか食べたい。食べたい食べたい食べたい)

紬「あ、そうそう」

梓「な、なんですか!?」ビクッ

紬「なにをそんなにビックリしてるの」

紬「私はただ、夜中にご飯食べたりしたらダメよって言おうとしただけよ?」

梓「わ、わかってますよ!どうせ監視カメラついてますしね」

紬「わかっているならいいわ」

梓「お腹がすいた」

梓「お腹がすきすぎた」

梓「ポテチはまだ隠せている……しかし!」

梓「監視カメラがあるからポテチを食べることは不可能」

梓「くぅそっー!」

梓「食べたい。食べたいよー。コンソメパンチのポテチ食べたいよー」ジタバタ!

梓「ムカムカ」

梓「あ、そうだ!」

梓「ベッドに隠れて食べればいいんだ!」

梓「えへへ」

梓「というわけで食べれちゃいました」

梓「多少満たされたかな?」

梓「うーん、でもなんか他にも食べたいなあ……」

梓「……お腹空いたよぉ」

「お腹すいたの?」

梓「ええ、それはもう」

「だからカルビーのポテトチップス食べちゃったの?」

梓「あはは、空腹には勝てません」

「さすがデブね」

梓「失礼ですねー」

紬「わざと失礼なこと言ってるんだけどね」

梓「ああ、ムギ先輩」

梓「あああああああああああああああ!?」

紬「梓ちゃん。約束は?」

梓「え?え?」

紬「私約束を破った相手に浣腸して悶えさせるのが夢だったの」

梓「む、ムギ先輩……冗談でしょう?」

紬「私はいつでも真面目よ」ブスッ


梓「いやあああああああああああああああああああ」ギュルルルル


梓「………というわけでした」

純「それは大変だったね」

憂「食事中にする話じゃないよね?」

純「はは、まあね」

梓「でも浣腸ってあんなに気持ち悪いものだなんて知らなかったよ……」

純「まあダイエット中は無駄な食事は控えなさいってことでしょ?」

梓「うん……でもお腹が空いたよー足りないよー」

憂「そのお弁当は?」

梓「ああ、これはムギ先輩の家の人が作ったやつ。うまいんだけど……」

純「量が少ないんだ?」

梓「うん……ああ!イライラするー!」ジタバタ!

梓「なんでもいいから食べたい!食べたいよ純!」ベタベタ

純「熱苦しいわ!」

梓「ああ!なんで好きなものを食べちゃダメなの!ねえなんで!?」

憂「それは梓ちゃんが、肥満だから……」

梓「もういい!私購買でなんか買ってくる!」ガタッ

純「ちょ、ちょっと、梓!」

憂「行っちゃたね」

純「あれで本当に痩せられるのかな?」

憂「さあ?」カチカチ

純「なにケータイいじってんの?」

憂「紬さんにメール」カチカチ



紬「梓ちゃん!」







梓「いやあああああ浣腸おおおおおお!」

紬「いや、さすがに学校で浣腸はしないわ」

梓「ほっ……」

紬「家に帰ったら覚えてなさい」

梓「いやあああああああああああ」

唯「ねえねえ、ムギちゃんあずにゃん部活来ないけど」

紬「これからは梓ちゃんには一時間、後に来てもらうことにしたの」

律「なんで?」(いや、全然かまわないけどな)

紬「さすがにダイエット中の梓ちゃんの前でお菓子食べるのはひどいと思って」

澪「まあな」

唯「あずにゃんは今なにしてるの?」

紬「グラウンドをゆっくり歩かせてる」

律「走らせたほうがよくね?」

紬「それは……ちょっと……」

澪「?」

澪「で、一時間経過したわけだが……」

梓「今来ましたー」

唯「おお!あずにゃーん!」ダキッ

律(うわ、あのデブに抱き着きやがった)

梓「せ、先輩、やめてくだ……」

唯「ゲホッゴホッゲホッ!……ゲホッゲホッ」

澪「ゆ、唯大丈夫か!?」

梓「唯先輩!?」

唯「あ、あずにゃん……」

梓「はい……」

唯「すごく臭いです……ガクッ」

唯「」

梓「いやあああああああああああ」




その夜

梓「私の体臭ってそんなに臭いんですかね?」

紬「ふがっふがっふがっふがっ」

梓「あの、身体洗ったから鼻詮とってもらっていいですか、ムギ先輩」

紬「ごめんなさい。サウナの中にいるとついつい鼻詮しないといけない気がして」

梓「ていうかサウナって痩せるんですか?」

紬「痩せないわよ」

梓「ああ、痩せないんだ……え?」

紬「だからサウナは痩せないわよ。だいたいサウナはダイエット目的のものじゃないし」

梓「そうなんですか?」

紬「うん」

紬「サウナっていうのは汗腺を開いて身体の汚物を吐き出すのが本来の目的なの」

梓「そうなんですか」

紬「でも全く効果がないわけじゃないから」

梓「はい……」

紬「そろそろ出ましょ。お腹すいたでしょ?」

梓「…………はい」

紬(相当唯ちゃんのことでまいってるわね、梓ちゃん)

紬(ここは憂ちゃんにでも励ましてもらうしかないかしら?)

紬「……ええ……そういうことだから…………うん、そんな大したこと言わなくていいから」

紬「ええ……おねがい。すげ梓ちゃんのケータイにかけて」

梓「ムギ先輩……?」

紬「なに?」

梓「いえ……なんにもです」

紬(やはり自分の体臭を気にしてるのか私から距離とってるわね)

紬「さあ、ご飯にしましょ」

梓「…………」

紬「…………」

梓「あ……電話だ」

梓「もしもし?」

憂『梓ちゃん、私だよ』

梓「憂?」

梓「唯先輩はどう?」

憂『うん。命に別状はないってお医者様が言ってた』

梓「…………」

憂『うんうん、本当にお姉ちゃんが無事でよかったよね』

梓「そ、そうだね」

憂『お姉ちゃんもね、梓ちゃんは悪くないって言ってたよ』

梓「……うん」

憂『もちろん、私も梓ちゃんが悪いなんてこれっぽちも思ってないから』

梓「…………」



紬(憂ちゃん、傷心の梓ちゃんを助けてあげて!)


8
最終更新:2010年09月30日 02:34