ゆう子「今日は先月生まれた子供をこの子の祖父である海原先生にみせるためにおチヨさんと美萌倶楽部にきています。」

ゆう子「この子,梓といいます。」

雄山「ふむ,士郎がつけた名前にしては上出来だな。」

ゆう子「士郎さんがつけたとお分かりになるんですか。」

雄山「いくらけいおん厨でも自分の子に好きなキャラクターの名前をそのままつける人間は
めったにおるまい。」

ゆう子「ペロペロしてやってください。」

雄山「なに?」

雄山「ペロペロ(^ω^)」

中川「ありがたいありがたい・・・」

雄山「中川,あれを」



ゆう子「まあ!これを子供達に!?」

中川「作画は先生が直接を監修したんですよ。」

ゆう子「まあ!こんな破廉恥な作画を!?」

中川「パンツじゃないから恥ずかしくないもん!」

ゆう子「この子も萌えがちゃんとわかる人間に育てます。」

雄山「うむ」

ゆう子「本当にありがとうございました。」

中川「これを士郎様に・・・」

ちよ「あら,なんなの?」

中川「士郎様が目をつけていたものさ。」

ゆう子「まあ,中川さんすみません。」

中川「いえいえ。」


帰宅

ゆう子「本当に素晴らしいわ。」

士郎「ふん,そんなもの,ありがたるほどのものじゃない。」

ゆう子「そんなこと言って!」

ちよ「まあまあ,中川が何か用意してくれたみたいですから機嫌を直してください。」

士郎「え,中川が何をくれたの?」

ちよ「あら?禁書。うちの人どうしたんだろ。禁書なんかをもったいぶって・・・」

士郎「何いってんの,禁書は10月から2期が始まるんだよ。」

ゆう子「まあそうなの!?」

士郎「けいおん!!が完全に終了するとわかったいま,俺達けいおん厨は新しいアニメに
シフトしていかなきゃないだろ?もちろんけいおん!!の思いでは大事にするけどさ。んで,
けいおん厨の多くが流れ込むと言われているのが禁書2期なんだ。」

ゆう子「なるほど!禁書1期をみなおして復習をしておけというわけね!」

ちよ「まあ,ぜいたく!」

士郎「それじゃ,みようか。」

ゆう子「やっぱり私はインなんとかさんが一番好きだわ。」

士郎「何いってんの?禁書の醍醐味は黒子だよ!」

ちよ「まあまあ。でもよかった,今日で・・・明日だったら,私みれなかったところだったわね。」

ゆう子「あら?明日美萌倶楽部で何かあるんですか?」

ちよ「そうなんですよ。とても大事な宴会があるんです。」

ちよ「今,アジア各国の首脳が東京に集まって,けいおん!最終回に関するアジア首脳会議を
開いているでしょう。そのアジア各国のお偉いさんたちを,日本政府が美萌倶楽部にお招きす
るのよ。だから明日は私は失礼して,朝から先生のお手伝いをさせていただきます。」


ゆう子「でも,まさか本当に最終回だなんて私まだ信じられないわ。」

士郎「下手に女子大編なんてやって続ければ人気が落ちるのは目に見えているからね。まさに有終の
美ってやつさ。」

プルルルルr

ちよ「はい,山岡でございます。あら,あんた。」

士郎「珍しいな,中川が電話してくるなんて・・・」

ちよ「

         ナ ゝ   ナ ゝ /    十_"    ー;=‐         |! |!   
          cト    cト /^、_ノ  | 、.__ つ  (.__    ̄ ̄ ̄ ̄   ・ ・ 

     / ミ:::,..::- 、::;;;ミミミ彡)             ./´.: .:: ~:. :.`゙ー=,
    !'"  ミ:::/   u`ヽ--、'k.、  ,..-一、,.‐--、,,_   i '.: .: ,,..,.,..,.. ドヾ   __,,,,...::-一=、
    i. ミ::/ ゙゙゙''ヽ、  u   iミ;!,.'";: .: .: .: .:. :: ド;'.  i _,.ァ='-ノノi!_、i    /.: .: :   :. :.ミ
  /',、ヾ ! u ,'"´r。`ヽ、_ :. _,,iミi ''  彡_イィiレヾi゙`  iヘi ゙--゚,..` t_;7!   .i .: ,.=-、ソiヾ、.,ヾ
  ゙i 'ヘ i:┘  ゙ー---.,,  ゙i''f..i ,.i.-./r'"r。ヾ、ィ;、゙!   ゝ. u .,.-、.,.ゞ. i   .r、:i‐i' ( ;) i-i;"゙i'
   .! ゙ヾ  u    "   .:ヤ''〈ヘォi u ̄,._ ト‐-!   ,,.ィ''ヾ ド--、 〉丿   ゞ_ u゙ー=、'.冫ィ
  _,__7‐'i     ,.:-‐-、.´/ .i,゙F'i   /__.゙ラ' ,..j_,,ィ'" i. .:ヾ.==-'/  _,,../i' .、(ー-7 ノ
;'";;;゙i.  i.    /`==‐-/  .ノ: i. \ ゙、__././  ゙、  :i. ゙' .:::`゙T´ i`ー'-、;,.  ゙、 ::゙ーr-'_´
;;;;;;;;;;゙i.  ,;\  ゙、-- 、.:/ /;,: : :゙i :. ;,,`ーr'´、.__   ゙、  .i.-、 ,.-i: .i   ゙i ;,  ゙、;::::i  ';,ー、
;;;;;;;;;;;;゙i. , ; ;;\  ゙二ニ'./: : : ;,: : :゙ト、 ;;::i: : :;,: :.ヽ  ゙、 .:i.   i :i    ゙i ;,  ゙、ノ  ;'  :i
先生が!?」

士郎「雄山が?」

ちよ「先生が倒れられたって・・・」

ゆう子「ええ!?」

士郎「雄山は梓表紙のコミックスが出ていないことに気づき,芳文社に問い合わせたが,いまのところ
梓表紙の番外編,ガイドブック等が出る予定はないと言われショックを受け倒れ,救急車で病院に運
ばれたが意識がないそうだ・・・」

ゆう子「まあ・・・!!」

ちよ「私,病院へ・・・」

ゆう子「あなた,一緒にいってあげて・・・」


病院

医者「いまのところ脳に目だった異変はみられません。しかしかなりのショックを受けられたようで楽観はできません。」

中川「そんな・・・」

ちよ「ひいい!!」

ゆう子「・・・」

帰宅

ゆう子「ただいま・・・」

ゆう子の母「で,海原さんは?」

ゆう子「今朝になってもまだ意識が戻らないの・・・」

母「ああ,なんてこと・・・・・・」

ゆう子「お母さん,おばあちゃん,梓をお願い。私,美萌倶楽部に行くから。今度の大事な宴会を
今更中止にするわけには行かないの。みんなで協力すればなんとかなるかもしれないわ。」

母「いきなさい,梓ちゃんは引き受けたわ。」

ゆう子の父「山岡くん,君は行かないのか?」

士郎「俺はあの男とは関係ありません。」

母「あなたこんなときに一体何を言っているの!?」

士郎「こんなときもあんなときもない!俺はあの男とはとっくに親子の縁を切っているんです!!
放っておいてください!!」

バタン!!

一同「・・・・・・」

ゆう子「じゃ,お願いします。」


美萌倶楽部

ちよ「みんな,お部屋の支度をきちんとね。」

仲居A「おチヨさん,音楽は何をかけましょう?」

仲居B「軸には何をかければ・・・・・・」

ちよ「ああ・・・どうしよう,そういうことは先生でなければ・・・」

ゆう子「おチヨさん。しっかりして,私も手伝うわ。」

ちよ「ああ,ゆう子ちゃん。調理場も大変なのよ。」


調理場

中川「先生がおられなくても美萌倶楽部の名に恥じないおもてなしができるよう,みんなしっかり
やってくれ。」

調理人「主任,献立の組み立てはどうしましょう?」

中川「うむむ・・・今日はいつもと勝手が違う。日本の普通のお客様の通りにはいくまい・・・」

良三「私もそう思います。アジア主脳の方々というので,先生は何かお考えだったに違いありません。」

中川「ああ・・・いったい先生は,どんな献立をお考えになっていたのか・・・・・・」


山岡家

士郎「・・・・・・くそっ」

美萌倶楽部

士郎「・・・・・・」

ゆう子「あなた!・」

ちよ「士郎さん!!」


調理場

調理人A「主任,照れ和を前菜に出して大丈夫でしょうか?」

調理人B「冬アニメがとどいていますが,これは何にすれば・・・・・・」

バッ

中川「士郎様!!」

調理人達「若!!」

士郎「うろたえるな!!みんな,持ち場につけ!!」

士郎「中川,なんてざまだ!今まで雄山に全てを任されてきたおまえが,うろたえてどうする!」

中川「ははっ・・・」

士郎「お前達もお前達だ!雄山がいなかったら満足な仕事もできないのか!?それでも美萌倶楽部
のけいおん厨か!?雄山のいない今こそ,おまえたちの実力を見せるときだろう!けいおん!から
何を学んだか,それを見せてみろ!」

調理人たち「・・・」

調理人A「若のおっしゃる通りだ。」

調理人B「こんな時こそすばらしい萌えを提供しなければ先生に恥をかかせることになるぞ!」

調理人達「よし,やろう!!」

中川「こんな状態のわれわれをまとめて気持ちを燃え上がらせて下さるなんて若ならではのことだ。」

良三「若が鞭をくれなければわれわれは道を失って総崩れになるところでした。」

士郎「中川,献立を作成するあいだ,俺は女性軍の手助けに行って来る。曲と掛け軸で困っているようだ。」

中川「あ,若・・・じつは,我々の手に負えないことが一つあるんです。」

士郎「え?」

中川「今回,先生はけいおん!最終回を用意されているんです。まんがタイムきらら
10月号を大量に注文されたようです。」

士郎「最終回を!?」

中川「今回のお客様はアジア地域の首脳の方々です。国によって何厨であるかが変わって来るのは
いいとして,萌えを楽しむにはいささか重過ぎる最終回を用意されるなんて・・・」

士郎「ううむ・・・雄山の奴,いったい何を考えているのか・・・。宴会の開始は?」

中川「午後7時からです。」

士郎「よし,まだ十分時間はある。最終回の件はなんとか俺が考えるよ。」

士郎「最初は『ふわふわ時間』をかけろ。けいおん!の定番だ。余計な演出はせず唯ver.でいけ。
2曲目は『U&I』。この2曲が終わったらOPをCagayake!からUtauyo!まで垂れ流しにするんだ。
どうせその頃には誰も聞いちゃいない。」

ゆう子「まあ!なんて大胆な・・・」

ちよ「こんな発想ができるのは,先生か士郎さんしかこの世にいないよ。」

士郎「広間の掛け軸は誰か全員がはいっているものがいい。和厨や憂厨のお客もいる
だろうからな・・・」

仲居A「さすがは若だわ,先生がそのままそこにおられるような・・・若が居て下さったら何も
心配ないわ。」

ゆう子「それじゃ,私ちょっと失礼するわ。義父(ちち)が心配だからそばについていたいの。」

士郎「雄山のそばに?」

ちよ「ゆう子ちゃん,お願い,ほかの誰よりも先生の先生の力になるわ。」

ゆう子「じゃ,あとはお願いね。」

士郎「ふん」


調理場

士郎「キャラ萌えや百合萌えを狙うなら他にもいい回がたくさんある・・・
最終回を選んだということはその逆をいこうというわけか・・・ヤッテヤルデス!」

病院

医者「状態は変わりません。意識が回復しないことには・・・」

ゆう子「ああ・・・」

ゆう子兄「おお,海原さんがえらいことになったそうだな。」

ゆう子「ええ,ひどくショックを受けていて意識がまだ・・・」

兄の嫁「私もりっちゃん彼氏事件がアニメで放送されないと知って意識を失ったことがあります。」

ゆう子「まあ!」

嫁「その時,意識の底で他の隊員達がベッドの横で『りっちゃん!りっちゃん!』と呼び続けているのが聞こえたように
思いました。その声に,私は引き戻されたような気がしたんです。」

ゆう子「意識を失ってからも,仲間達からの励ましが大事だということね。」


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最終更新:2010年10月01日 04:03