<諸注意>

※作中時間として唯たちが1年で、夏合宿~学園祭ライブの話です。

※けいおん!第1巻を手に取り、一緒に読んでみるのを奨励。

※梓はこの段階では未登場なので出ません。ファンの方ご了承ください。

※ちょっとだけ”ハレルヤオーバードライブ!”というバンド漫画とクロスさせてます。

※「」は肉声。『』はパソコンやマイクからの音・音声とします。


※そんじゃ、テンションバリバリで投下してくぜぃ! 


  ”夜 露 疾 駈 !”



[前半]

<舞台は紬の別荘。唯たち初めての合宿初日、その夜まで遡る>


白い湯気とバスタオルを体にまとい、

4人の乙女が露天風呂から脱衣所までやってきた。


澪「ふー。いいお湯だったな」

紬「この別荘は広くはないけれど、ここの露天風呂は好きなのよね」

律「おーい、唯行くぞ~。キンキンに冷えたフルーツ牛乳だぁ!」


ぽ~い!


唯「はわわわわわ」


きゃっち!


律「ほら、澪もムギもいくぞ~」

澪「コラ、投げるな!」

紬「うふふ、いただきます」


律「そいじゃァ!」

キュポポン×4

グビッグビッグビッグビっ×4

ぷはぁー×4


律「ぅくーっ! たまらん!」

澪「律、その言い方おっさん臭いぞ」

唯「お風呂のあとの牛乳って、最高のひと時だねぇ~」

紬「ええ、そうね~」


時計は午後10時を少し回ったくらい。
あたりはとても静かで、遠くでセミの鳴き声が聞こえてくるくらいだ。
4人はパジャマに着替え、リビングにやってきた。


澪「よし! 明日は朝から練習するからもう寝るぞ」

律「ええええええええええええええええええええ!」

澪「な、なんだよ律」

律「澪、お前は私をおっさん臭いといったけど、お前はおばあちゃんだなっ」

澪「な、なんだってー!」

律「だってー! まだ寝るの早すぎるぅ~! もっと遊ぼうぜぇ~。なーなーなー!」

ジタバタジタバタ

唯「うん。みんなで大富豪しようよ。大富豪!」

律「いいねぇ。あたしトランプ持ってくるよ」

澪「ええい! やめろ! やめろぉ! もう寝て明日に備えるのっ!」

唯「ぶーぷー」

紬「私も、寝るには少し早い気もするわぁ」

澪「ちょ、ムギまで!」

律「そうそう。唯もギター弾けるようになってんだし、遊んでても大丈夫さ」

澪「確かに唯のギターもいい感じだけど、でももっと上手くなるよう練習する方がいいだろ!」

律「この~。まじめで堅物のいけいけ頑固ちゃんめ~」


ぐぬぬぬぬぬぬ……


唯「どうしよう、ムギちゃん?」

紬「それじゃぁ中間を取ってこうしない」

律&澪「中間?」


紬「他のバンドの演奏を見てみるの。その、インターネットの動画サイトから」

唯「ほうほう」

紬「そしたら演奏時の参考になるし、一通り見てたらいい時間になるんじゃない」

律「おお、それはいい」

澪「私もそれなら賛成。上手い人たちのを見れば勉強になることも多いだろうしな」


彼女らは別荘にある、大きめのパソコンに電源を入れる。

パソコンの名前はWindows。画面の枠が”窓”に見えるため、そう名づけられた。


紬「ちゃんと、ネット回線も繋がってるでしょう」

律「あぁ、回線速度も悪くない。ぬるぬる動画が見れそうだ」

唯「”ぬるぬる動画”ってなんだか卑猥な響き///」

澪「よーつべあたりにあるかな? 律、検索してみてよ」

律「おっけー」

カチカチッ

カチカチッ

律「さーて、動画サイトを開いたものの、」

紬「そうねぇ。どんなバンドを見てみる?」


唯「はいはい! 私<アニメ、はるみねーしょん>の第1話見たーい」

澪「バンドの演奏を見るんだろうが!」

唯「じゃぁブルーハーツ! もしくはRCセクションの!」

澪「し、渋い」


紬「でもあんまりレベルの高い人たちのを見ても、参考にできないんじゃぁ」

澪「そうだな……いや、でも色々と見てみようよ」

律「じゃぁ”邦楽”と適当なワードで検索して、いくつかリンクを踏んでみるか」

カチカチッ

唯「へー、音楽関連の動画って結構あるんだね」

律「めぼしそうな動画を、片っ端から見てくか」

澪「見終わったら、みんなで感想を言い合おう」

紬「はい。そういえばお茶とかは用意します?」


唯澪律「ちょーだーい」×3

ポクポクポク……

律「よし、お茶も手に入れたことだし、まず1組目再生」カチッ


タンタタンタタンタタタタ タンタタンタタンタタタタ♪

(略)

ジジャーン!


唯「こーいうのってカントリー調って言うんだよね」

紬「ほんとに『美しい日』って感じな、海が似合う曲ね」

律「バンド名のイメージと音が、まさしくあの冒険小説の主人公だな…」

澪「普通すぎて逆に新鮮。よかったよ」


律「それじゃぁ2組目!」カチッ


ジャンデェジャンデジャンデ、ジャンデジャンデジャン~。♪

(略)

ジャーン!


唯「これは若さが全力疾走い! まさに青春!」

紬「そうね~。紙飛行に乗ってどこまでも飛んできたくなる曲ね」

律「なんかこう。キラリ輝く”閃光”ってかんじだな」

澪「文化祭っぽさに親近感が湧くなぁ」



律「それじゃぁ3組目!」カチッ

チャンチャッチャッチャチャ、チャンッチャッチャチャー♪、チャンチャッチャッチャチャ、チャンチャチャッチャ~

(略)

セーーーーーーー…

唯「この5人って仲良くバンドしてそうでいいね~」

紬「歌詞も中高生の心情をキュッと掴んでるわ~」

律「そういえばこの曲のタイトルと同じ、ジャンプの主人公いなかった?」

澪「いないよ。でもそれってスラムダンクの主人公のことだよな」

律「それじゃぁ4組目!」カチッ

ホワホワホワワワン ホワホワホワワワン ホワホワホワワワン ホワホワホワワワン アハン♪

(略)

ジャン♪

唯「なんで味噌汁?」

紬「さぁ?」

律「みお~。ブッシュってどーゆー意味ぃ?」

澪「それはぁ、つまりちん毛って意味っ! って何言わせるんだよーーーーーーっ///」



律「それじゃぁ5組目!」カチッ

―――
――

唯「みんなで一緒に曲を聞いてくと楽しいねぇ~」

律「でも私たちのバンドも参考になる。ってのはなかなかないな」

澪「私たちの感想も、演奏じゃなく曲の方だったしな。いまさらだけど」

紬「今度は高校生のバンドでも聞いてみない?」



律「高校生のバンド……そういえば気になる噂があんだけど」

唯「んー。どんなどんな?」

律「あぁ。なんでも、とあるライブハウスの出来事なんだが」

紬「ふむふむ」

律「コスプレでステージに上がった、高校生バンドのギタリストがいたらしい」

澪「それはまぁ、珍しくもなくないか?」

律「いや、そのコスプレ衣装が問題で、”ウマ”のコスプレなんだよ」

澪「……”ウマ”のコスプレって、さすがにそれは」

紬「……どんなのかしら?」

唯「本当ならちょっと見てみたいね」


律「もしかしたら、よーつべ内にあるかも。検索していいかな」

唯「どうぞどうぞ」

律「えーっと、確かあのバンドの名前は……」






律「”メタルりかちゃん”だ」

カチカチッ

律「おっ。”メタルりかちゃん”で検索したら1件ヒットした。ライブ映像みたいなのがある」

唯「折角だから見てみようよ」

澪「うん。律、再生よろしく」

律「おっけー。それじゃぁポチットな」


カチッ


――パソコンの画面から、映像が流れ出す。


ワーワー!!

ボーカル『今日はこのバンド、”メタルりかちゃん”のライブへようこそぉ!』

観客『ワー』


紬「けっこうお客さん入ってるわね」


ギタリスト『声が小せぇもう一回ィィィィィ!』

観客『ワーワーワーワーワーワ~~~~~~~~~~~~~~~~!』


澪「この人の……なにこの衣装? 海賊? バイキング??」


ベーシスト『準備できたよ』

ドラムス『こっちも~』

ボーカル『う~し』


唯「どんな演奏するんだろう?」

律「”メタルりかちゃん”だからな。メタルだろ」


ボーカル『それじゃぁ一曲目! 毎度おなじみ”メタルりかちゃんのテーマ”から』

観客『わ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~lっ!』


澪「みんなテンション高いなー」

紬「楽しそうでいいわね~」









ドラムス『それじゃいくよ~』

ドラムス『イチ!! ニ!! サン!! シッ!!』カッカッ



 カッ♪





唯澪律紬「おお~~~~っ!」


ギター『ギュァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!』

ドラム『┣″┣¨┣″┣¨┣″┣¨┣″┣¨┣″┣¨┣″┣¨┣″┣¨┣″┣¨┣″┣¨ン!』

ベース『ガガガガガガガ!ガガガガガガ!がががががが!ガガガガガガ!ガガガガ╋┓″ッ!』

ボーカル『╋┓″ゴオッアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!』



唯澪律紬「す、すごい……ヘビーメタル!!」



唯(大空へ昇っていく、ドラゴンみたいな音を出す、すごいバカテクギタリスト!)

律(めちゃめちゃ叩いているのに、決して崩れない、百獣の王みたいな熟練ドラマー!)

澪(巨大な猛毒コブラのように、存在感のある、地面を這っていく重量ベース!)

紬(他の音圧に負けない、かいじゅうの咆哮のような力あるボーカル!)



唯澪律紬(これで私たちと同じ高校生!?)


観客『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!』


 ジャーン♪

ワーワー



唯澪律紬「……」



唯「( ゚д゚)ポカーン」

澪「( ゚д゚)ポカーン」

律「( ゚д゚)ポカーン」

紬「( ゚д゚)ポカーン」


唯「( ゚д゚)……」

澪「( ゚д゚)……」

律「( ゚д゚)……」

紬「( ゚д゚)……」





澪「も、もっかい見てみよう」

律「う、うん」



ギター『ギュァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!』

ドラム『┣″┣¨┣″┣¨┣″┣¨┣″┣¨┣″┣¨┣″┣¨┣″┣¨┣″┣¨┣″┣¨ン!』

ベース『ガガガガガガガ!ガガガガガガ!がががががが!ガガガガガガ!ガガガガ╋┓″ッ!』

ボーカル『╋┓″ゴオッアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!』

―――
――


唯「……すごいね」

紬「ええ」


律(この人たち、すげぇカッコイイけれど、)

澪(このレベルの演奏をするのは、今の私たちには無理だなぁ……)

紬(私たちも一生懸命だけど、それでもこの人と比べると、まだまだって感じねぇ~)

唯(……)


唯「……でも、この人たちの音楽も凄いけどさ、」

律「おお?」


唯「観客の人たち、すっごい盛り上がってるよね」


観客『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!』


唯「この歓声、まるで津波のような勢いがあってさ」

澪「うん」


唯「もうみんな、ハイテンションで、”感動の海”に飲まれまくってます、って感じだよね」

紬「そんな感じね。本当に”感動の海”、だわ」


唯「私たちの演奏でも、こんな、”感動の海”は作り出せるかな……」


澪律紬「……」


唯「みんなで同じ、モニターを見てるだけじゃなく、私は、向こう側の”海”に触れたいっ!」


澪律紬「……」


唯「こんな、観客を魅了するようなライブを、学園祭でっ!」





唯「 ねぇみんな! やったろうじゃんっ!! 」


澪「……そうだよ! やってやろうよ! 唯!!」

紬「”メタルりかちゃん”さん達には及ばないかもだけど、がんばろう!」

律「おおし! その意気やよし! うん! 軽音部しゅーごー!」

唯澪紬「うおー!」×3
がしっ


――4人は円陣を組んだ。


律「私たち4人はさっき、”メタルりかちゃん”が創った”感動の海”をモニター越しに見た」

律「今度の学祭ライブでも、同じようにモニターから…」


律「…いや、<同じ窓から見てた海> を、私たちもこの手で作りだそう!」


澪「ちょい待ち、なんだその言い回しは」

律「詩的表現だよ。<みんなで一緒に モニター越しで 見ていた感動>よりかっこいいじゃん」


律「とにかく、負けてられないぜぇぇぇぇ!」


唯「うん!」

紬「やろう!」

澪「やってやろう!」


律「桜ヶ丘高校軽音部~ファイトォォォォ!」

唯澪紬「おー!」×3


最終更新:2010年10月06日 03:36