ガチャッ!
唯「大変!大変!」
律「いきなりどうした」
唯「事件!事件だ!大事件!」
律「なにぃ!?」
唯「尾の島の海で殺人事件だよりっちゃん!」
律「よーし!現場へ急行だ!」
唯「おーっ!」
ザザーン
唯「ここが尾の島だよりっちゃん!」
律「おぉ。きれいな海だな!」
律「……ん?」
梓「シクシク」
律「唯、あそこで泣いてるのは……」
唯「……第一発見者のあずにゃんだよ。今はそっとしといてあげよう」
律「そだな」
現場
唯「ここだよ」
澪「」
律「げっ、まだ死体が転がってるじゃないか!」
唯「警察にはまだ通報してないからね」
律「ふーん。それで被害者の身元は?」
唯「えーっと、名前が秋山澪ちゃん。桜ヶ丘在住で高校生だって」
唯「澪ちゃんバンドを組んでて、今日はこの尾の島に歌詞を考えに来たらしいよ」
律「一人で?」
唯「一人で」
律「そうか……」
律「高校生なのに海の見えるホテルに一人旅……豪勢なこった」
律「……ん?」カサッ
律「なんだこの紙?」
唯「ああ。それ澪ちゃんが考えた歌詞だよ」
律「へぇーどれどれ」
もってけ☆エリザベス
作詞 秋山澪 作曲 琴吹紬
曖昧3弦 そりゃぷにってことかい? ちょっ!
らっぴんぐがベース・・・だぁぁ不利ってこたない ぷ。
がんばっちゃ やっちゃっちゃ
そんときゃーっち&Release ぎょッ
汗(Fuu)々(Fuu)の谷間にDarlin' darlin' F R E E Z E!!
もっていけ!
最後に笑っちゃうのはあたしのはず
ベーシストだからです←結論
月曜日なのに!
機嫌悪いのどうするよ?
低音がいいのです←キャ?ワ!イイv―――――――
律「……」
唯「……」
律「……スランプだったのか?」
唯「そこまでは調べてないよ」
律「そっか」
律「さて」
律「私たちの使命は澪を殺した犯人を見つけることだ!」
唯「そうだねりっちゃん!」
律「殺された澪の無念、はらさでおくべきかー!」
唯「はらさいでりかー!」
律「というわけでとりあえず第一発見者の梓の話を聞くぞ!」
唯「うん!」
唯「あずにゃーん、いらっしゃーい!」
梓「はぁーい」ガチャッ
唯「あずにゃん。澪ちゃんを見つけた時の状況を教えてくれる?」
梓「シクシク……は、はい」
律「私のこの聡明かつ柔軟な頭脳を使った華麗な推理できっと犯人を探し当ててやるからな!」
律「じっちゃんの名にかけて真実はいつもQED!」
唯「あ。りっちゃんはすごいんだよ!」
梓「はぁ」
唯「この前なんか和ちゃんが後ろから刺されて死んでるのを一目見ただけで」
唯「これは他殺だって見事言い当てたんだから!」
律「えっへん」
梓「へぇー……」
梓「グスン……それじゃ、まず私がここに来たいきさつからですけど」
梓「澪先輩が一人で尾の島にいて寂しいとメールを送ってきたんで……グス……いやいやここに来たんです」
律唯「……」
梓「いざ部屋までくると人の声がする」
梓「"このつり目ハゲー!"とか"この金髪デブ娘ー!"とか」
律「へぇー」
梓「不審に思って部屋に押し入ってみると……ウッ……み、澪先輩が死んでたんです」
唯「なるほど」
梓「あ。犯人は窓から逃げたみたいですよ」
梓「なにか強い力でこじ開けられたように窓が勢いよく開閉してて、そこから見える海が妙に印象的でよく覚えてるんです」
梓「というか窓からたなびく金髪が丸見えでした」
律「へぇー……」
梓「シクシク……澪先輩を……ヒック殺した人、きっと見つけてくださいね……グスン」
律「……もちろんだ!」
梓「あ、そういえば」
唯「なに?」
梓「部屋の隅にクレジットカードが落ちてたり」
梓「そのあたりに沢庵やキーボードが飾ってあったり」
梓「澪先輩の足元にT.Kって書いてあったり」
梓「そんなことがありましたけど頑張って推理してくださいね」
律「……」
律「が、頑張って推理するぞぉー」
唯「さ、さすが名探偵だねりっちゃーん」
律唯「……」
梓「?」
テーテレッテッテー テーテレッテッテーテー テレーテー テレーテー テーテー
りっちゃんの冴え渡る名推理のおかげで無事犯人を突き止めることができました
逮捕後、犯人は
「取調室でカツ丼を食べるのが夢だった」
などと供述していて警察では余罪を含めて捜査しているそうです
こうして、街に平和が戻ったのでした
日は照らし、風が踊り、草木は揺れて、人が笑い
そんな風景が見れる。ただそれだけで私たちはとても幸せです
それに現場の窓から見える海もすっごくきれい
殺された澪ちゃんも最期にこの海が見れて幸せだったのかもしれません
でもこの景色を見ながら盗作するあたり澪ちゃんってたいがいあれだよね
どうでもいっか
そうだ。ねぇりっちゃん、今から泳ぎに行こうよ。あずにゃん誘ってさ!
おしまい
最終更新:2010年10月06日 20:33