~~部室~~

純「・・・」

純「・・・こない」

純「・・・」

純「ベース・・・弾いてみるか」

純「」ボーン

純「・・・」

3年2組一同「ふぅぅううう、終わった~」グデー

さわ子「みんなご苦労様~疲れたでしょう?」

梓「思ってたのより、時間かかりましたね」ふぅ

憂「皆お昼ごはん食べずに作業始めたもんね・・・もうすぐ3時だよ・・・」

3年2組一同「おなかへった~!!」

さわ子「ホント、ごめんなさいね?」

さわ子「もっと軽い労働だと思ってたの。甘かっt」ぐぅううきゅるるるぅう

ザワザワ ザワザワ

さわ子「///」

さわ子「う、打ち上げ!みんなお腹減ったでしょ?クラスの親睦会兼ねて行ってみるのは?どう?」あせあせ

モブ「え~、入学式の準備だけで打ち上げって・・・」

モブ2「でも、お腹減ったよね~。いいじゃん!楽しげで!」

モブ「それもそっか~」

さわ子「(うまく、ごまかせた)」ホッ


~~ 部室 ~~

純「・・・」

純「・・・」グゥー

純「お弁当・・・食べちゃおっか・・・」

純「・・・」

純「」パクパク モグモグ

純「」パクパク モグモグ

純「・・・」

純「・・・放課後、ティータイム・・・」グスン



ワイワイ ガヤガヤ

3年2組一同「どこいく~?」ワイワイ

梓「あぁ~お腹減ったよぉ」グゥー

憂「あっ!忘れてた!」

憂「(そういえば、お弁当作ってきたんだっけ)」ゴソゴソ

憂「(私ってば、お姉ちゃんがいなくなって、おっちょこちょいになっちゃったかな・・・?)///」テヘヘ

憂「(ん?)」

憂「ん~?(なんで、午後に授業ないのにお弁当作ってきたんだっけ?)」

モブ「さわ子先生はいつも何食べてるんですか?」ワイワイ

さわ子「私は行かないわよ?」キョトン

モブ「発案者なのに!?」ガビーン

さわ子「当たり前よ~まだ働かないとね」

さわ子「今頃は他の先生も普通に仕事したり、部活みたり―」

憂「部活・・・」

憂「あ」



~~部室~~

ダダダダダ

ガチャ バンッ

純「・・・」

梓・憂「はぁ・・・はぁ・・・」

純「・・・遅いよ・・・」

梓「私・・・最低だ」

純「なんで?」

梓「私・・・連絡すら忘れてて・・・」

憂「私も・・・」

純「あ、あぁ~連絡?あっ!ケータイがあったんだっ」

純「わたしも忘れてた、いっぱいいっぱいで・・・」

純「お互い様だよ。バカだねーあはは」

純「もぅ、二人とも!なんで遅れたの?」

憂「えと・・・新しいクラスで入学式の準備してて」

梓「それで、クラスで親睦会するかってなって」

純「・・・新しいクラス・・・親睦・・・」

憂「純ちゃん?」

純「・・・」

純「バイバイ」

梓「ちょっ、純!」

ガチャ バタン!

純「(なによ!なんでよ!)」

純「(梓の為に、軽音部の為に、わたしジャズ研辞めたのに!)」

純「(それで・・・それで、新しいクラスでもハブられたのに!)」

純「(ずっと・・・教室で、部室で不安で待ってたのに!)」

純「なんで梓が軽音部に来てないのよ!」

純「なんで、わたしより新しいクラスメートと仲良くするのよ!」

純「なんで・・・わたし、わたしは・・・」

純「・・・」

純「ははっ、クラスメートと仲良くするのは当然かぁ」

純「勝手にジャズ研やめて、勝手に恩着せた気分になって」

純「なにしてんだろ、わたし最低だなぁ」

Trrrr

純「!」

純「梓と、憂から電話・・・」

ピッ

梓「切られた・・・」

憂「私も、なんか受信拒否されちゃったみたい」



純「ゴメン。やっぱり、今は八つ当たりしそうだよ」グスッ

純「明日学校行きたくないな」

純「軽音部、どうしよう」トボトボ



~~某川原沿い~~

梓「・・・」トボトボ

憂「・・・」トボトボ

憂「あの、梓ちゃん」

梓「もう、いいよ」

憂「梓ちゃん・・・」

梓「純、部室出て行くときに泣きそうな顔してた」

梓「なのに、何も話してくれなかった」

梓「怒っても・・・くれなかった」

梓「今も電話でないし」

梓「私が悪いのに・・・謝ることもできないよ」グスッ


?「おや?」



憂「でも、それじゃ軽音部はどうするの?」

梓「・・・」


とみ婆「憂ちゃんと・・・あずにゃんさん?」

憂「あっ・・・こんにちは」

とみ婆「こんにちは、憂ちゃん。でももうすぐこんばんはの時間ね」フフッ

憂「・・・」

とみ婆「おや?ずいぶん元気がないね?どうかしたの?」アセアセ

憂「いえいえ」アセアセ

梓「あの、心配なさらないでください。大丈夫です」ニコッ

とみ婆「そう?」ジッ

梓「・・・ぅ」タジッ

とみ婆「あずにゃんさんも元気がないみたい」

梓「そ、それは」

梓「ギター!ギターがないからです」

梓「前にお会いしたときはギターを持ってたからテンション高かっただけで」アセアセ

梓「(どんなごまかし方だ・・・orz)」

梓「今はその部室に、忘れてきちゃって」

とみ婆「あぁ、あずにゃんさんはギターが大好きなんだね?」

梓「他にも、部室に、置いてきちゃった・・・みたいで」グスッ

とみ婆「だから落ち込んでいたんだね?」

とみ婆「大好きなものを置いてきちゃって」

とみ婆「だから、泣いていたのかぃ?」ヨシヨシ

梓「っ!」ポロポロ

梓「うぅう」ポロポロ

とみ婆「よしよし、大丈夫」

とみ婆「そりゃ、大事なものが側になくて、不安なのかもしれないけど」

とみ婆「失くしちゃったワケじゃないんでしょ?」

とみ婆「どこにあるかも、わかってるんでしょ?」

梓「う゛んっ」グスグス

とみ婆「それなら、泣かなくてもいいのよ・・・」ポンポン

とみ婆「そこにあるってわかってるなら、またすぐにでも取りにいけるじゃない?ね?」ニコッ

梓「・・・!」

憂「そうだよ!」

梓「憂っ」

憂「行こっ?梓ちゃん」ニコッ

憂「ありがとうっ、おばあちゃん!」

梓「あ、ありがとうございました!」

とみ婆「いえいえ、わたしゃなにもしてないよ?」ニコニコ

梓「・・・あの!私達、軽音部でバンド組むんです!」

梓「今年も演芸大会でます!だから今度も演奏、聴いてくれますか?」

とみ婆「ええ、楽しみにしてるわね?」

憂「それじゃ、行こっか」ギュッ

梓「うん!」

テテテテテ


とみ婆「ギター・・・そんなに楽しいなら始めてみようかね?」



~~鈴木家~~

ピンポーン

純母「純~お友達よ~降りてきなさ~い」

憂「お夕飯どきにすみません」

純母「いいのよ~、でも降りてこないわね~?」

純母「どうぞ、あがって?」

梓「お邪魔します!」



純「・・・」


~純の部屋~

コンコン

憂「純ちゃん、入っていい?」

純「・・・」

梓「(部屋のドアも、開けてくれない・・・)」

梓「純、あのね?」

純「・・・帰って」

憂「!純ちゃん!」

純「帰って!!」

純「もぅ・・・いいから、帰ってよ」

純「(謝ろうと思ってるのに)」

純「(やっぱり・・・側に来られると)」

純「(たった一日のことなのに)」

純「(今日会ったこととか、色々とドロドロした感情がおしよせてきて)」

純「(自分も、二人も、むちゃくちゃになっちゃいそう)」

純「(なんかもう、めんどくさい)」

純「(全部どうでもいい)」

純「(いいから、今は帰って―)」


梓「帰らないよ!!」


憂「私も、まだ今日のこと謝れてないよ」

憂「まだ、帰れない!」

梓「せっかく、部室で待っててくれたのに」

純「(・・・違う、そんなことじゃなくて―)」

純「・・・もう、いいってば」

梓「よくない!」

梓「純は、まだ私達を許してない」

純「っ!」

梓「電話、でてくれないし・・・部屋のドア、開けてくれないし」

梓「ぅっ、泣いてる、怒ってるのに、なにも話してくれてないし」グスッ

梓「私・・・許して貰ってないのに」

梓「それなのに・・・『もぅ、いい』、なんて・・・そんなの」


梓「寂しいよ…」ポロポロ


純「(梓…)」

憂「純ちゃん」

憂「もしかして、今日学校で他になにかあったの?」

純「!」

梓「憂?」

憂「私、ここに来るまで純ちゃんはすごく怒っているんだと思ってた」

憂「確かに今日は私達、純ちゃんにヒドい事した・・・ゴメンね?」

憂「でも、今の純ちゃん怒ってるというより」

憂「むしろ、すごく落ち込んでる・・・よね?」

純「・・・」

純「(憂・・・)」

憂「わかるよ、中学からの付き合いだもん」

梓「純、そうなの?」

純「・・・」

純「・・・帰って」

純「…ほっといてよ」


梓「ほっとけないよ!」


梓「私、純と憂が軽音部に入ってくれて」

梓「先輩達から受け継いだ軽音部を残すことができそうで」

梓「本当に嬉しかったの」

純「(それなら、なおさら今日の事なんか話せないよ)」

梓「でもね、軽音部を残すこと以上に」

梓「これから純と憂とで、新しい軽音部で演奏できるってことが嬉しかった」

梓「私・・・先輩達が卒業してから、落ち込んでた」グスッ

梓「先輩達の思い出を1人で追いかけてた・・・」

梓「そんなとき、純と憂が軽音部に入ってくれて」

梓「これからも、思い出を作っていけるんだって・・・3人で、軽音部を始めるんだって思ったら」

梓「そしたら、初めて先輩達の演奏をみたときみたいな気持ちになって」

梓「前を向くことができたっ」


純「・・・」


憂「私もだよ!」

憂「私も、お姉ちゃんが卒業して、1人暮らし決めて・・・っ」グスッ

憂「お姉ちゃんも、和ちゃんも、二人とも春になったら遠くに行っちゃって」

憂「1人で落ち込んでた・・・」

憂「でも、純ちゃんと二人で軽音部に入部するって決めたとき」

憂「まだ、大事なものがあるって気付いたの」

憂「大事なものは失くしてないって気付いたの」

憂「・・・失くしたく、ないの」


憂「だから、ね?純ちゃん」

憂「1人で抱え込まないで?」

梓「純!」

純「・・・」

純「―――っ」

純「・・・ぅん」ポツリッ


ガチャッ 

純「・・・」

純「」チラリ

憂「純ちゃん!」

梓「純!」

純「・・・ふぅ」

純「二人とも・・・おおげさだよ?」クスッ

梓「え」

憂「!」

純「寂しかった?あずにゃん?」ニヤリ

梓「――な、なななな///」

梓「まままさか、からかってたの?!!!」

純「えぇ~?今日は一日中1人で待ちぼうけだったんだよ?」

純「その仕返しっ」フフン

梓「ぅ!それは・・・!」タジッ

純「梓は寂しがり屋だね~?」ニヤニヤ

梓「ニャーーー!!!///」フシャーッ

純「ふふふっ♪」

憂「純ちゃん?」

純「憂・・・」

憂「・・・」ジーッ

純「・・・あの」

憂「純ちゃん」ジーッ


3
最終更新:2010年10月06日 22:59