これ以上は話がややこしくなるだけだ

梓「憂っ!ごめん!ホントにごめん!」

憂「謝るのはもういいよ」

梓「そうじゃなくて…ごめん話が長くなるんだけどいいかな?」

憂「どうしたの?」
それから私は必死に私がカオスな状況にいるということを説明した
憂は最初はふざけないでと怒っていたけどなんとかうまく伝わったらしい

憂「ホントに梓ちゃんは何も知らないの?」

梓「うん…ついでに言うと軽音部がこんなにまじめに練習してるのも私のところじゃなかったんだけど」

今は関係ないだろうけど
憂「そっか…だから…。梓ちゃん…実はね純ちゃんと関係してるんだ…軽音部」
前言撤回しないといけないみたい


憂「軽音部って…ほんとに楽しい?」
憂のよくわからない質問から始まったこの話をまとめてみるとこうだ

軽音部
律先輩が部員ゼロの状態から必死に部員を集めて部を復活させた
そして必死に練習してどんどんうまくなっていった
最初の学祭で大成功をおさめ(あのハプニングはあったみたいだけど)次に軽音部はライブハウスでライブを行ったらしい
そこでも大成功をおさめ、定期的にライブを行うことで今ではファンもいるらしい

梓「聞けば聞くほど凄いね」

憂「うん…だけどね」

2年になった軽音部は新歓際でも演奏をしてなかなかの評判だったようだ
おかげで新入部員も結構来てたらしい
けれど

憂「軽音部の人達…上手でしょ?だからオーディションなんて始めちゃって」

梓「えぇっ!?」

憂「それで残ったのは梓ちゃんだけだったんだ。純ちゃんは落とされたってこと」

梓「まさか…」

軽音部の皆さんがそんなことをするとは思えない
でも憂が冗談でこんなこと話すというのはもっと思えない

梓「それで…純は…」

憂「もう純ちゃんも気にしてないと思うけど」

梓「もしかして今年も同じことを?」

憂「うん…今年は1人もいないみたいだけど…合格者」

梓「…」

憂「あっでも知らなかったんだったら気にしないで?軽音部って結構みんなのあこがれの部活だったりするから」

梓「でも純みたいに傷ついてる人もいるんだよね?」

憂「うん…それはそう…かも…」

梓「ありがとね憂、純にはまた改めて謝るよ」

憂「うん気にしないで」
今の話…嘘だったらなぁ

梓「あっところでさ…」

憂「ん?どうしたの?」

梓「あずにゃん」

憂「どうしたの?いきなり」

梓「知らない?」

憂「う…うん」

梓「ならいいっ気にしないで///バイバイ」

憂「うん…じゃあね」


翌日
私は昨日のことを聞いてみた
唯「えっ!?オーディション?うん、したじゃん」

梓「そうですね…」
唯「今年は1年生に梓ちゃんくらいうまい人いなかったのが残念だよ」

律「まぁ5人もいれば十分だしな無理に入れて演奏が乱れたらたまんないし」

梓「…」

紬「それより昨日の新曲を修正してみたんだけど」

澪「おぉ聞かせてくれよ」

この日の練習は散々だった
まったく集中できない
澪「どうした梓?ミスが多いな」

梓「すみません」

律「一昨日もミスが多かったし…このままじゃライブ不安だぞ?」

唯「梓ちゃんならちゃんと本番に合わせてくるから大丈夫だよー。ね?」

紬「本番に風邪なんて引いちゃったら練習が無駄になっちゃうんだから無理しないでいいのよ?」

梓「あっはい…大丈夫です」



今日先輩たちが言っていたことを思い出す

オーディション?残念?演奏が乱れる?

確かにそうかもしれない
先輩方は3年生だし今年で最後だ
初心者が入部すればろくに弾けないだろう、教えないといけないしその分練習時間が減る

みんなまじめに練習をしてみんなまじめに演奏をして

昨日だってみんなライブの曲順を本気で議論してた

すごいいい部活だ

遊び半分じゃないんだ!

よし!明日からは心を入れ替えて頑張ろう!


なんて気分にはなれない
凄くいい部活だよ?
そりゃあれだけうまかったらファンもいるよ?
でも…
でも…
違う…
元の世界では律先輩は私が部室に入部希望だと言いに来ただけで逃がすまいと抱き

ついてきた
澪先輩も外バンじゃなくてあのペースの部活がいいって言ってくれた
ムギ先輩も律先輩が風邪で学祭ピンチの時にりっちゃんがいなきゃダメだって言っ

てた
唯先輩だって来年私が1人になっちゃうから必死に新入部員を探してくれた
うぬぼれかもしれないけど私は必要とされているって思う
でもこの世界…私は軽音部にとって必要なのかな?
オーディションしてまで厳選するほどの人材かなぁ
それだったらせめて…


梓「ライブの心配より…私の心配してほしかったなぁ…」


明後日はライブかぁ…
今になって…ムギ先輩のお菓子と紅茶…飲みたいなぁ
律先輩の急ぎぎみのドラムと遠慮がちな澪先輩のベース
唯先輩の…ってこれはいい///

梓「明日になれば…元に戻ってれば…いいのに」



翌日
そんな願いもむなしく今日も朝練

梓「でもまぁ…どんな状況であれ私の勝手な判断でライブをめちゃくちゃにする権利はないし…」
とにかく明後日に向けて練習だ
うまくなってるのは確かだし

唯「あずにゃん!」

梓「にゃっ!?」
突然唯先輩が猫耳を頭にかぶせてきた

律「なんだそれ…」

唯「猫耳!家にあったの」

澪「なぜ持ってきた」

紬「あらあらかわいいわ梓ちゃん」

唯「昨日憂があずにゃんって知ってるって突然聞いてきてね~。猫耳つけた梓ちゃんってあずにゃんじゃん!って思いついたの」
律「おぉ…似合ってるぞ梓、にゃーんって言ってみろ」

梓「にゃーん///」

なぜか…条件反射的にしてしまった

唯律紬「ほわぁぁぁ///」

澪「…」

唯「あずにゃ~ん!!やっぱり似合ってるよ」ダキッ

律「唯がギー太以外に変なあだ名をつけた」

澪「梓もいやがって」

梓「アヘェ…///」

紬「ないみたいね。ウフフ」

梓「はっ!?ついっ!れっ練習しましょう練習」

律「おぉそうだ。ライブまで時間ないというのに」

唯「いやっこれは有意義な時間だったよ。あずにゃん発見時間だよ」

澪「なんだよそりゃ…」


なぜかうれしかった
久しぶりに軽音部の皆さんと楽しく話せた気がした

梓「ガンバろっと」



ライブ前日の夜

梓「明日はライブかぁ~いろいろあるけどライブ自体は楽しみたいなぁ」

チャララ~♪
梓「電話…はいもしもし?」

律「梓!大変なことになった!!」

梓「どっどうしたんですか?」

律「今病院なんだが…唯が…」

梓「唯先輩がどうしたんですか?すぐ行きます」



平沢家

梓「びっくりさせないでください」

唯「ごめんなさい…」

紬「突き指…」

律「ギターは…無理なんだよな?」

憂「2,3日で治るらしいんですけど…明日は…ちょっと

律「…そうか」

唯「ホントにごめん!みんな」

澪「そうだっ!憂ちゃんは?去年の学祭のときだって唯の代わりに行けたじゃないか」

律「そっそうだな!憂ちゃん」

憂「えっと…その…」

紬「さすがに憂ちゃんでも明日までには無理よ…しかも明日は新曲まであるんだから」

梓「ですね…」

澪「うぅ…私のぴゅあぴゅあはーと…」

律「大体だなぁ!唯!何をしてたか知らないけど突き指するようなことをするなよ」

唯「うん…」

澪「明日なんだぞ?ライブが大事じゃないのか?」

唯「大事だよ…」

紬「だったらもう少し慎重になるべきよ?」

梓「…」

憂「あの…私が悪いんです…お姉ちゃんにお料理手伝ってほしいなんて言ったから…」

澪「唯は大事な部員なんだ。あんまり余計なことさせないでくれ」

憂「すみません…」

唯「私が…ドジだから…だよ…憂が悪いんじゃないよ…」

紬「明日を楽しみにしてるファンのこだっているのに」

律「あ~あ…明日は無理かぁ…私たち結構期待されてたのになぁ」

梓「…」

唯「梓ちゃんだけで行くのは無理かな?ギターは元々1人でやってたんだし」

澪「そうだなぁ…無理じゃないだろうけど」

紬「新曲は無理でも他のはいけるんじゃないかしら?」

律「梓…できるか?」

梓「無理です」

紬「そんな最初から無理だなんて言わずに…」

澪「そうだ、梓はうまいんだからちょっとやれば」

律「いけるって」

梓「いい加減にしてください!!」

私はつい大きな声を出してしまった

澪「どうしたんだいきなり…」

梓「みなさんホントにいいんですか?唯先輩がいないままライブして」

律「だから梓が大丈夫なのかって話なんだよ」

紬「唯ちゃんがいないとファンの人もさみしいだろうけど」

梓「わかりました!私はがんばって練習します明日までに間に合わせます」

唯「ほんと?よかったよー」

梓「その代わりライブが成功したら唯先輩は明日以降このバンドのメンバーじゃないです」

律「は?」

紬「どういうこと?」

梓「だってそうでしょう?明日のライブ成功したら唯先輩がこのバンドにいなくて


も問題ないってことですよね?」

唯「そんなぁ」

澪「それは言い過ぎだろ」

梓「じゃあ唯先輩がいないといけない理由はなんですか?」

律「演奏の幅が広がるだろ?」

梓「つまり唯先輩じゃなくても唯先輩くらいギターができればいいんですよね?」

律「それは…」

梓「だったらライブハウスにいってバンドメンバー募集しとけばいいじゃないですか」

紬「そんな…」

澪「そういう問題じゃあ」

梓「どういう問題なんですか?そういうことじゃないんですか?ライブが成功さえすればメンバーなんて誰でもいいって言ってるのと何が違うんですか?」

律「そんなわけないだろっ」


3
最終更新:2010年10月07日 00:06