律「大学入ってもテストはつらいぜ…」
澪「今回こそはもう一夜漬けはさせないからな」
紬(そんなこと言って…また手伝っちゃうんでしょ♪)ニコニコ
唯「みんな~、遅れてごめーん!」
律「おう、唯なら遅れてくると思ってたぜ!」
唯「そんな~」
紬「唯ちゃん、その帽子は?」
唯「あー、これ?さっき露店で買ったんだ~」
澪「いや、センスを疑うぞ…」
律「なんか昔のSFみたいな帽子だな…」
唯「これ被ってるとα波出て頭が良くなるんだって~」
澪「怪し!しかもα波は頭良くならないから!」
唯「…騙された…」ショボーン
律「…まぁ、もしかしたら他の効果あるかもじゃん!そう落ち込むな!」
唯「う、うん…」
澪の家
澪「ここがこうで…」
律「眠…」グテ
唯「…あれ…全く分からない…」
紬「どうしたの?唯ちゃん」
唯「この問題が全く分からないよう…」
律「それなら私にもわかるぞ~!」
澪「調子に乗るな」ゴン
律「あいて~…ごめんごめん」
唯「そう言うのじゃなくてね、なんか私がヘンになったみたいな…」
唯「それよりアイスある?」
澪「ん?どういう繋がり?」
唯「あいすだよアイス~、私チョコミントがいいな~」
律「えー、チョコミントとか歯磨き粉だろ!」
澪「チョコミントは甘さと爽快感が組み合わさってるからいいんじゃないか!」
さわ子「チョコミントの話とかどうでもいいから」
紬「先生!どうしてここに?」
さわ子「唯ちゃんのその帽子、モエブターのものね…あ、お茶貰える?」
澪「あ、はいどうぞお茶です…それで、今度はどういう」
律(澪もさわちゃんに染まってきたな…)
さわ子「奴は恐らくケイマーヌ、相手の脳をとろけさせる能力を持っているわ」
澪「けっこうヤバイ奴ですね、最初の奴が最弱呼ばわりされるのも納得です」
律「さわちゃん、だったら唯の帽子取らないとまずいんじゃね!?」
唯「うんたん♪うんたん♪」
さわ子「ダメよ!無暗に取ると脳に悪影響が出てしまうわ」
澪「奴は今どこに?」
さわ子「奴は…今に来るわ」
ピンポーン
澪「…まさかこのパターンは」
さわ子「ムギちゃん、代わりに出て」
紬「私、居留守してあげるのが夢だったの~♪」
澪「…目的違うからな」
紬「じゃあいってきま~す♪」
さわ子「私達は後ろで様子見よ」
律「ムギはおとりかよ…」
澪「なんか悪いな…」
紬「なんでしょうか?」ガチャ
?「あのー、秋山さんのお宅ですか」
紬「そうですけど本人は外出中です」
?「んー…じゃあんたでいいよ」
?「この頭が良くなるCD買わない?」
紬(すごい!胡散臭さがすごすぎるわ!逆に欲しい!)
?「1枚1万円なんだけど…」
紬「買います!」
?「今なら…って、え?ああ、じゃあどうぞ」
さわ子「どうやら間違いないようね」ボソボソ
澪「何で買ってるんだムギ…」ボソボソ
律「会計してる今がチャンスなんじゃないか?」ボソボソ
唯「何でみんなボソボソ話してるの~?」ボソボソ
さわ子「んじゃ、早速変身よ、はいこれ」ボソボソ
澪「変身!」ピカー
澪「クレーマー!」ジャーン
澪「クレーマーて!どんな服よ!」
さわ子「怒るところはそこじゃないでしょ」
澪「あー、イライラしてきた!」ズカズカ
モ「あ、秋山さん、居たんじゃないですか」
澪「何よ貴方!秋山さんとか慣れ慣れしいわね!」
モ「す…すいません」オド
澪「だいたいあんたでしょ!うちの唯に変なもの売りつけて!」
モ「あ…あれは…変なものではなくて…」
澪「変なものでしょうが!あれのせいでうちの唯が頭おかしくなっちゃったのよ!」
モ「いえ…そんなはずは…」
澪「あるから言ってるんでしょ!」
モ「しかしあれは輸入物でして…当社では責任は…」
澪「責任とかそういう話をしてるんじゃないの!」
紬(澪ちゃん怖いわ~♪)
モ「ですがこのCDを聞けば唯さんもきっと元に戻ります!だからCDを…」
澪「はぁ!?ふざけないでよ!そんなの信用できるわけないじゃない!」
澪「だいたいCD1枚1万とかふざけてるの!?」
モ「あれは…あの後値引きする予定でして…」
澪「だったら最初から値引いときなさいよ!」
律「さわちゃん、脱線し過ぎじゃね?」
さわ子「まぁ黙って見てなさい」
唯「1枚1万円だったら2枚でいくらだろ?」
モ「でもこのCDは1万円の価値はあります!効きますから!」アセアセ
澪「だったらここであなたが試してよ!」
モ「いえ…私は…」
澪「ほら!CDプレイヤーとイヤホンならここにあるから!実験だよ早く!」
モ「は、はい…」
紬(ケ、ケイマーヌさん…)
カシャ
モ「あ、秋山さん、やっぱりやめましょうこんなこと…ね」
澪「ダメだ!!だったらこの唯元に戻してくれよ」
唯「ほげー」ホゲー
澪「C・D!!C・D!!」
澪「再生!」カチャ
モ「うわああああああ!」
モ「…」
モ「…ほげー」シュワシュワー
律「や、やった!」
唯「んあ?私何してたんだろ…」
紬(ああ!せっかく買ったCDが消えちゃった!)
さわ子「奴は頭を使って戦うモエブターだから本人の脳をとかしちゃえばいいのよ」パチン
澪「はっ!今回は叫んでばっかりで喉渇いた…」クタクタ
唯「ごめんね、あずにゃんの時と言い、私ばっかり迷惑かけて…」
澪「いいんだよ、どうせ倒さなきゃいけない敵だし」
さわ子「『倒す』っていうのはよろしくないわね」
澪「え?なんでですか?」
さわ子「仮にも彼らはあなた達のファンのうちの一人なんだから、ファンは大事にしないとよ」
唯「人をゴキブリにしたり頭悪くしたりするのも愛なのかな…?」
律「愛は人それぞれだからなー」
紬(愛は人それぞれ…いい言葉ね)
唯「んじゃあ勉強に戻ろうよ!」
律「お!唯がなんかやる気だ!」
唯「うん!なんかおバカになってた分頭がすっきりするっていうか」
澪「あ、その前に…」
律「ん?」
澪「チョコミント買ってこよう!」
『智将ケイヌーマが脳波を吸う!!』完
紬「見て見て!きれいな花!」
澪「ユリかぁ…いいな」
紬「百合…///」
律「自分で振っといてなんなんだよムギは…」
唯「なになに何の話?」
律「お子様は聞いちゃダメだ」
唯「もう大学生だから大人だよー」
澪「にしてもそんな立派なユリどこにあったんだ?」
紬「道端で既に切られてるのを拾ったの」
律「生えてたわけじゃないのか」
唯「じゃあもう死んじゃってるのかな?」
律「まだ花瓶にでも刺しとけばなんとかなるんじゃね?」
澪「ユリは無理だろ~」
紬「あれ?突然この百合からいいにおいが…」クンカクンカ
律「マジでー、嗅がせてー」クンカクンカ
律紬「!?」
唯「ん?どうしたの二人とも」
紬「なんだか胸が切ないの…唯ちゃん…」ムギュ
唯「うわあ!ど、どうしたの?ムギちゃん」
律「澪ーーーー!好きだーーーー!」ダダダ
澪「恥ずかしい気持ち悪い」ドス
律「う…ぐ…」バタ
紬「唯ちゃんチュッチュ♪」
唯「み、澪ちゃん…これってまさか…」
さわ子「そのまさかね」
澪「毎度毎度登場が突然だな」
唯「ムギちゃんとりっちゃんが突然おかしくなっちゃったんだよ、さわちゃん…」
紬「私をおかしくしたのはあなたの存在よ…」
唯「さっきから離れてくれないしクサい台詞吐くし…」
澪「といっても唯は人に言える立場じゃないけどな」
唯「私はやっぱ抱きつかれるより抱きつくほうがいいな…」
澪「においを嗅いでから二人がおかしくなったってことは…」
さわ子「どうやらこのユリがモエブターみたいね」
モ「正確には花から鼻に入り、脳を支配するのが私、レズリリーだ!」
澪「ここにきて初めて相手が名乗った!」
さわ子「…」
モ「え?名乗っちゃダメだった?」
さわ子「…」ゴゴゴ
モ「すみません、出しゃばりました」
さわ子「どうやらこのユリがモエブターみたいね」
唯(…やり直した…!?)
澪「それで、どんな奴なんですか?」
さわ子「奴の名前はレズリリー、女の子が女の子を好きになってしまうわ」
モ「お前も百合属性にしてやる!」
澪(嗅がなきゃいいんじゃないの?)
さわ子「澪ちゃん、変身よ!」
澪「変身!」ピカー
澪「男装!」ジャーン
澪「うーむ…今までよりは納得がいくな」
律「みおしゃん…宝塚みたいで…かっこいい…」
唯「りっちゃんが生き返った」
澪「ふん!」ドス
律「ぐは…おやすみ…」バタ
唯「そして意味もなく気絶させられた!」
澪「どうやら俺の力も上がってるみたいだな」
唯「一人称が俺になってる!」
紬「俺っ子萌え~♪」
澪「おい!こらムギ離れろ!」
紬「澪ちゃん素敵~!」ムギュ
紬「え…豊満なお胸がカチカチ…まさか…!?」
紬「男はフケツよーーー!助けて唯ちゃん!」ダダー
唯「私はムギちゃんに抱きつかれなければ助かるよ…」
澪「なんか精神的に来るものがあるんですけど…」
さわ子「気にしないで」
澪「あと俺の胸は胸当てで硬いだけだから勘違いするなよ」
澪「さっさとけりつけるぞ」
モ「ふふふ、私のにおいを嗅げば男装してたって…」
澪「そい!」プチ
モ「踏むとか…ありえ…ない…」シュワシュワー
澪「あっさりだったな」
さわ子「早期解決ね」パチン
澪「はっ!この格好は割と恥ずかしい!」
紬「うーん…あれ?」
紬「…わっわわわわ私唯ちゃんに抱きついてる…!?」
唯「あ、元に戻ったんだね、ムギちゃん」
律「うーん…み…お…私…何で倒れてんだ…?」
ドス
律「ぐ…は…」バタ
澪「あ、ついつい反射的に…」
さわ子「今回はムギちゃんの百合嗜好につけこんで狙われたのね」
紬「…ごめんなさい」
唯「私はいいんだよ、いっつもあずにゃんに抱きついてるし」
さわ子「モエブターの能力はあなた達の性質から来るものもあるから気をつけてね」
紬「はい」
澪「律、起きろ」
律「キャベツ…ん?ここはどこだ?」
澪「大学だよ、今モエブターを倒したところだ」
律「また倒したのか、すごいな、惚れちまうぜ」
澪「まだ残ってるーーーー!」ドス
律「残ってるって…なに…が…」バタ
『悪魔の居る花』完
最終更新:2010年10月08日 00:47