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スネーク「…生きてたか」

銃を構えながら律に目を遣るスネーク。

りっちゃん「えっ……あっ、はい!」

スネーク「あいつがテロリストのボス、秋山澪か」

りっちゃん「……一応そうなるの…かな。でも何で伝説の傭兵がこんなところに」

スネーク「そんな大層なもんじゃない。フィランソロピー、今はメタルギア根絶の為に戦ってる」

りっちゃん「それで…」

澪「頼もしい助っ人だな。良かったじゃないか、律! お前には世界中に味方がいて!」

りっちゃん「なっ、何いってんだよっ! 今のはそんな話じゃ……」


スネーク「お前達がどういった関係かは知らん、だがどんな関係だろうがテロリストはテロリストだ」

スネークは全てを見透かした様に澪にSOCOMを向ける。
テロリストに情など向けるなと、同じ兵士である律への当て付けの様に。

りっちゃん「……」

律もそれがわかったのか渋々Mkを澪に向ける。

澪「伝説の傭兵が相手じゃ分が悪いな…。」サッ

後ろに大きくバックジャンプし、逃亡を図る澪。

スネーク「逃がすかッ!」

バンッバンッ!!

カンッ!チュインッ!

澪「そんなものじゃなっ! 腕は一流でも銃の方はポンコツかな!?」

スネークの銃弾を強化外装のコートが軽く弾き、澪はいつの間にか視界から消え去った。

スネーク「ぐっ、逃がしたか。…何故撃たなかった?」

りっちゃん「えっ…」

スネーク「ここは戦場だ。女子校じゃあない。死にたくないならさっさと帰ることだ」

SOCOMをしまうと指を鼓膜に宛て何やらしている。恐らくナノマシン通信だろう。

りっちゃん「何だよ…人の気も知らないで…」

水を差された律は不機嫌そうにスネークの通信が終わるのを待っていた。

スネーク「厄介なことになってるな。名前は?」

りっちゃん「……りっちゃん」

スネーク「りっちゃん? コードネームか。まあいい。今からこいつを破壊する、手伝ってくれ」


伝説の傭兵の第一印象は
偉そうに……そんな印象だった。

りっちゃん「りょ~かい……」

でもそれは自分が子供だから、世界の規模を、世界の重さをわかってないからだろうって、そう思った。
だから…そんな自分に余計苛立った。

それでも…

りっちゃん「(澪……お前はもう戻って来ないのか……?)」

─────────


澪「コートがなかったら蜂の巣だな……」

もう私一人しかいない。ムギは最後の最後に反抗したから眠らされた。作戦実行まで起こされることはないだろう。

澪「私…なにやってんだろ…ぉ……助けてよ……りつぅ……」ガタガタ

バカだ、自分が選んだ道に律がいないことなんてわかってたのに。
それでもまだ私は律に頼ってる。
いつまでも変わってない。
あの頃のまま……

澪「それじゃ……いけないんだ…!」

私はもっと、もっと、もっと……強くならないと。

あの日を取り戻す為にも


──────

梓「あれ…ここは、部室?」

紬「おはよう梓ちゃん。良く寝てたからみんなで起こさない様にしてたの」

唯「全くあずにゃんは~」

律「さっきまで寝てた唯が言うなよっ!」

唯「えへへぅ~」

澪「今日も練習出来なかった……」

紬「また明日すればいいじゃない、ね?」

澪「…そうだな」

律「明日明日~」

唯「ずっと一緒だもんね♪ 私達!」

ああ、これは夢なんだろうな

だから、言った


梓「明日なんて……もう来ませんよ……」

周りの風景が一気に砕け、散る。



───無人島 研究所付近───

ポツ───

梓「ん……」

何かが顔に当たり目覚めた。

梓「私……」

ポツポツ……

梓「雨……そっか」

律先輩にやられて……。

梓「…生きてる」

体の感覚を確かめながら起き上がる。
背中がやけに暖かかったのが不思議で振り向くとライオンのむすたんぐが座り込んで眠っていた。
梓は少しはにかむとよしよしとむすたんぐを撫でた。

「起きたか」

梓「っ! 誰?!」

声の方に振り向くとそこには白い外装に包まれた男が木に凭(もた)れながら立っていた。

雷電「俺は雷電……元FOXHOUNDだ。この島にはメタルギアの破壊とテロリストの駆除の為に来た。あんたの所属を教えてくれ」

梓「……(駆除……か)」

この人にとっては私達は世界を危険に曝した虫か何かとしか思ってないんだよね……。

梓「私は……」

「あずにゃ~ん!!!!!」

梓「ッ!?」

雷電「なんだ?」

唯「あずにゃんみっけ」ダキッ

梓「ゆ、唯先輩っ!? なんでこんなところに……というか何か元に戻ったと言うか……」

唯「ふぅ?」

間違いない、あの時の唯先輩だ。
戻ってきたんだ……!

梓「先輩っ!」ダキッ

唯「ようやくあずにゃんに私の愛が通じたんだねっ!」ダキッ

雷電「お、おい」


梓「唯先輩っ」

雷電「おいっ!」

唯「ん?」

ようやく雷電の存在に気付いた唯が雷電を見て一言。

唯「変な人がいるっ!」

雷電「……」

───────

雷電「所属は?」

梓「えっと……」

ここでテロリストなんてばか正直に言ったら殺されちゃう……私はともかく唯先輩はダメっ! 絶対守らないとっ!

梓「私達テロリストに捕まってて(ry」

唯「テロリストでしたごめんなさい!」

梓「唯先輩っ!?」

梓「なんで言っちゃうんですかっ!」

唯「だってぇ~……嘘は良くないしぃ…?」

梓「唯先輩は素直過ぎますっ! こういう時は嘘をつく必要もあるんですっ!」

唯「えぇ~……嘘は駄目だよ~?」

梓「もうっ」

雷電「……(本当にこんな子達がテロリストなのか?)」

だが敵ならやむを得ない……か。

雷電「すまないな……」

静かに刀を抜く雷電。

雷電「(ローズ……俺は……正しいことをしてるのだろうか)」

言い合ってる二人に刃を向け、

雷電「(二人一緒に逝かせるのがせめてもの……)」

横一閃、

ガキィッ

刃と刄がぶつかり合う音が木霊した後、次第にそれはギシギシと刃が擦り合う音に変わって行く

雷電「なに…っ」

唯達の間に割り込み雷電の刀を止めたのは、全身を忍者のような強化スーツで覆った人物だった。

ニンジャ「させない……」

唯「わっ、わっ、何っ?」

ニンジャ「あなた達は下がっていて」

雷電とニンジャのつばぜり合いを見て、梓も動く。

梓「加勢します…。」

ニンジャ「邪魔になるだけよ、下がってて」

それを聞いて少し眉を細める梓だが、直ぐ様
梓「それは聞き捨てなりません」
と反論する。次に梓が取った行動は自分の持っているナイフの刃を自らの手に押しつけると云う異形だった。
血が梓の小さな手のひらの上に溜まり出るのを見て唯が思わず叫んだ。

唯「あずにゃん!?」

梓「大丈夫です…、見てください」

唯「傷が……」

ニンジャ「……」

雷電「吸血鬼……ヴァンプと同じ、デッドセルの生き残りか」

梓「私は自らこの力を求めました…。小さくて弱くて…いつも誰かに守ってもらってばかりの自分が嫌で…っ!」

唯「あずにゃん……」

梓「雷電さん……確かに私達はテロリストです。世界を脅かし…眠れない夜を過ごさせました……」

雷電「それがわかっていて尚、生き続けるのか?」

梓「償いはして行くつもりです…。一人じゃ怖くて行けなくても…唯先輩、澪先輩…紬先輩に……律先輩。みんなと一緒ならきっと…」

唯「あずにゃん……」

唯は梓の手を取り、

唯「ずっと一緒だよ。これから…何があっても」

そう呟いた。

梓「はい…」

ニンジャ「……」

雷電「今から反省するから許してくれ…か。ムシがいいな」

梓「わかってます…だから……あなたと戦うことになったとしてもっ……! 私達はここで死ぬわけにはいかないんです!」

ニンジャ「」ガキィッ

雷電「くっ」

刃を弾き返し雷電を後退させる。ニンジャも唯達の意見に同意したかのように改めて雷電に向かって構え直した。

唯「私も戦うよ……! そしてまたみんなとやり直すんだ…!」

雷電「だがこちらもそれで引き下がるわけにはいかない。相応の報いは受けてもらう……それが世界のルールだ。
楽にいかせてやりたかったが……」

雷電も名もない日本刀を構える。

梓「私達は自分達の世界の為に戦いますっ!何と言われても!」

雷電が動く、一番厄介だと思われるニンジャに斬りかかる。

ニンジャ「ッ!」

それをマチェットで受けてから返しに一閃
それを軽く飛び避け、クルっと空中で一回転しながら刀を降り下ろす雷電。

ニンジャ「くっ…」

今の行動で一対一の実力なら雷電が上回っているのがわかる。刃物の使い方、間合いの取り方など格段に雷電の方が巧い。
避け、弾き、その隙間に斬り込んで来るため隙がないのも特徴だ。

梓「てやっ!」

そこで分の悪そうなニンジャを投げナイフで援護する梓。
雷電はそれを見て後退しつつ弾く。

唯「ギー太スタン弾モード!」クルクルッ

ギターを雄々しく二回回すとガチャリ、と何が切り替わる音がする。

唯「レボリューションだよっ!」

更に唯のスタン弾、特殊加工のゴム弾が雷電を襲う。
実弾を使わないのは唯の弱さ故か、優しさ故にか。

雷電「(あれだけ言っても殺す気では来ないか。それで自分達の世界を守る……か)」

梓「はあっ!」

左からはナイフを持った梓が接近する。

ニンジャ「っはぁ!」

右からはマチェットを持ったニンジャが。

雷電「(世界の答えはそんな甘くはない)」

ガシッ

キィンッ

梓「えっ」

ニンジャ「ッ!」

左のナイフをそのまま掴み、右のマチェットを日本刀で防ぐ。

雷電「甘えるな…!」

その声と同時にナイフを離し、梓の鳩尾に雷電の左拳が狙い済ましたかのようにスルリと入り込む。

梓「かはっ…」

雷電「ふんっ!」

右の日本刀でマチェットを払い上げ、ニンジャの体勢が整わない内に袈裟斬り。

ニンジャ「くっ」

強化スーツの上からでも切り裂き、ニンジャの左腕から血が吹き出す。

雷電「何を言おうがお前達はテロリストだ。その事実は何があろうと変わらない。さっきから自分達主観の綺麗事ばかりを言っているがそれはお前達が都合のいいよう解釈しているだけに過ぎない。お前達は…悪だ」

梓「っ……確かに私達は悪いかもしれません…でもだからってここで諦めたくないんです!」

苦しいながらも息を振り絞って告げる。
精一杯の気持ち。そうだ、ここで終わってしまってはあの人に申し訳が立たないじゃないか。
どんなに変わっても、部長として私達を叱りに来てくれたあの人に。

雷電「……」

雷電は黙って俯いたままそれを否定することもなく聞き入れる。
ただ、雷電の根元にある闇は深い。

梓「私達に償うチャンスをください……!」

雷電「償う……か」

思えば俺は、生きていなかった。

自分の意思でやっていたと思ったことは、奴らに利用されていただけだった。

記憶をすげ変えられ、偽りの自分を演じられ続けていた。

最愛の者を想う気持ちでさえ本当なのかもわからず……ただ俺はこうしてまた誰かに利用されながら生きている。

だが、今この子達を許してやれる立場にいるのは間違い。
俺が許すことで彼女達はこの場だけでは救われるだろう。
それは他でもない俺自身の決断によるものだ。誰にも左右されず、利用されていることもない純粋な俺の答えを出せる。

だが、それでも

雷電「……その償う気持ちが本当かどうか、俺が確かめてやろう」

梓「やっぱり…」

雷電「ああ、このままただ黙って見過ごすわけにはいかない。それにさっきチャンスと言ったな? チャンスと云うものは待っていれば来るものじゃない。掴みとるものだろう」

梓「……」

雷電「俺を倒して掴みとってみろ。この先一生を賭けて償う覚悟を見せてみろ」

雷電「来い」

もう語ることはない、かかって来いと言わんばかりに首をくいっと動かし、顎を突き出した後、刃に手を添え構える雷電。

唯「あずにゃ~ん大丈夫~?」

だいぶ距離が離れてしまっていた唯が二人を心配して近寄って来た。

梓「大丈夫です。ただ私達はどうしてもあの人を倒さなくちゃいけないみたいです。」

唯「…どうしても?」

梓「はい。ここで何もしないまま殺されたら律先輩に申し訳が立ちませんから」

苦笑いでそう告げる。

唯「りっちゃん……。うん、そうだね」

うんと頷き更に続ける

唯「これからりっちゃんやあずにゃんやムギちゃん……澪ちゃんも。みんなでまたやり直すんだもんね!」

梓「はいっ!」

唯「じゃああの変態さんを早く倒しちゃおっか! ニンジャさんもいい?」

ニンジャ「」コクリ

唯「あっ! 怪我してる……ちょっと待っててね。こうやってこうやって……せいっ」

もっていたハンカチで簡単に治療すると「これでよしっ」とニコニコしながらニンジャに微笑む唯。

ニンジャ「……変わらないのね、唯」

唯「??」


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最終更新:2010年10月09日 21:51