どうも、平沢憂です。
今年に入って早3ヶ月
お姉ちゃんの一人暮らしもすぐそこです

「おきてー、お姉ちゃん」

「んぅ…後少しー」

お姉ちゃんはマダ眠いみたいです
今は春休み、学校はありませんが
今日はお姉ちゃんとお出かけです

「ほーら、今日は出かけるんでしょ?」

「はっ!……おはようございます…」

「ふふっ、ご飯できてるからね?」

「はぁーい、着替えたらいくよぉー」

トントントン


昨日、お姉ちゃんが急に出かけたいと言って来ました
確かに最近引越しの準備や大学の準備で忙しかったです。
でも多分それだけじゃありません。
私の事、お姉ちゃんは優しいから
気を使って誘ってくれたんです。ありがとうね、お姉ちゃん

ガチャ
「ふぁー」

お姉ちゃんが欠伸をしながら入ってきます

「はい、朝ご飯だよ」

「おぉ、ありがと憂~、いただきます!」

ふふ、そんな無邪気なお姉ちゃんを見るのは、
やっぱり楽しいです、温かい気持ちになれます。

「私も、いただきます」

でも、それも今週で最後です
来週にはお姉ちゃんはこの家を出て行きます。
それは悲しい事ではありません、お姉ちゃんの一人立ちです
…わかっていても、胸の奥がチクリと痛みます。
私はお姉ちゃんが大好きです、だからこそ、笑顔で見送ります
お姉ちゃんが心配しないように…



「よし、じゃあそろそろ行こうか!」

お姉ちゃんがそう言って立ち上がります

「そうだね、じゃあ少し支度してくるね」

「りょーかいです!」

そう言って自分の部屋へ向かいます。
部屋に入る途中、お姉ちゃんの部屋が目にとまります
前とは違い、片付いてスッキリしています。
もう引越しの準備もだいぶ終わりました。
寂しいと感じつつ、私は支度に取り掛かりました



「おまたせ、お姉ちゃん」

「よし、じゃ行こうか!」

お姉ちゃんは元気に玄関を飛び出します
私も笑いながらそれに続いて。
外は明るい日差しが降り注いでいます、気持ちいいです。

「そういえばお姉ちゃん、どこに行くの?」

私は歩きながらお姉ちゃんに尋ねます。

「んー……それが、実は決めてないんだよね…でへへ」

お姉ちゃんは申し訳ない、と呟いて苦笑いします

「ふふふ…やっぱり」

「えへへ、じゃあまずは買い物でも行こうか!シッピングショッピング!」

そう言ってお姉ちゃんが笑います、とても楽しそうに、
それを見るだけで、私の胸にも温かいものが広がります。

「憂は何かほしい物あるー?」

「んー、やっぱり服とかかな?」

「おっ、いいねいいね、じゃあまずは服屋に直行だぁ!」

お姉ちゃんは意気揚々と前を歩き出します

「あっ………憂!」

「ん?なぁに、お姉ちゃん」

「ふふっ…はい!」

そう言って私に手を差し伸べるお姉ちゃん

「手、繋ごうよ」

「………うん!」

そう言って手を握る私…
温かい…お姉ちゃんの温もりを感じ、
思わず頬が緩んでしまう

「ふふっ……温かいね、お姉ちゃん」

「そうだね、あったかあったか!」

ふふ、私たちは笑いながら目的地に向かった。


洋服屋

「お姉ちゃん、なんかいいのある?」

「んーそうだなぁー」

お姉ちゃんはしかめっ面であっちを見たりこっちを見たり

「憂はー?なんかあるー?」

「えっと………どうだろ」

お姉ちゃんのころころ変わる表情が楽しくて、
服を選ぶのを忘れてました、失敗失敗

「じゃあ、私が選んであげるよ!!」

「え?お姉ちゃんが…?」

「うん!私にまっかせなさい!」

そう胸を張って言うお姉ちゃん

「…うん、わかった、お姉ちゃんに任せるよ」

「ふふふ、憂にピッタリ似合う服、探してあげるからね!」

お姉ちゃんは上機嫌になって服を選び始めました
そんな楽しそうなお姉ちゃんを見てると、こっちも楽しくなって…




しばらくたった後、お姉ちゃんが戻ってきた

「ふふ………じゃーん!」

そういってお姉ちゃんがだしたのは可愛いキャラクターがプリントされたTシャツ
それによく見ると、それは楽器、ギターだった

「ふふふ、可愛いね、ギー太かな?」

「ちっちっち、わかってないな憂、これはギー汰だよ!似てるけど違うよ!」

そう言って笑うお姉ちゃん、私も釣られて笑う

「それにね、これ見て」

「…?」

そう言って取り出したのは、色違いのTシャツ
おそろいのTシャツ…

「私と憂、二人でおそろいだよ~」

「…お姉ちゃん」

そうです、お姉ちゃんはおそろいのTシャツを持ってきました
私と、お姉ちゃん
同じように、どこか違っても、一番近い存在…

「…素敵だね、お姉ちゃん」

「えへへ~、気に入ってもらえてよかったよ!」

不意に胸の奥から熱いものがこみ上げてきました
嬉しくて、それでもやっぱり切なくて…
でも私は笑いました、今を大切にするため




「よし、じゃあそろそろいい時間だし、ご飯食べに行こうか!」

「おっ、いいねいいね、何食べようか~」

服の勘定を済まし、私たちはまた歩き出します



「さて、どこで食べようか」

「ん~そうだなぁ~、あっ、見てみて憂!!、春のスイーツ追加だって!」

そう言ってお姉ちゃんが指さした先には「春のスイーツメニュー追加」
と垂れ幕が下がったファミレスだった

「ふふ、じゃあそこに行こうか」

「うん!レッツゴー!」

そうはしゃぎながら言うお姉ちゃんに手を引かれ
私たちはファミレスへと歩を進めます

「んー」

お姉ちゃんは何やらメニューとにらめっこしています

「どうしたの?お姉ちゃん」

「んー?、いやこのスパゲッティ食べたいけど、こっちのハンバーグも捨てがたい…」

そうしかめっ面のままメニューを指さします
その無邪気なお姉ちゃんを見て私はまた楽しくなります

「じゃあさ、わたしが一つ頼むから、半分こしようか」

「えっ!いいの?、ありがと憂~」ガバッ

「わっ、もう…お姉ちゃんったら」クスッ

抱きつかれた私は周りの目が気になって少し恥ずかしかったけど、
それでも笑わずにはいられませんでした



「ふー、満腹じゃ」

お腹をさすりながら幸せそうな顔をするお姉ちゃん

「もう…だらしないよ?」

「えへへ、面目ない…」テレテレ

「あっ、お姉ちゃん、デザート来たみたいだよ」

その直後、頼んでおいたデザートが運ばれてくる

「むほぉ、待ってました!!」

お姉ちゃんは目をキラキラさせています、本当に子供みたいに

「いただきます!」

「ふふっ…いただきます」

お姉ちゃんはパフェを食べはじめました
私はケーキを………

「…」ジー

そこでお姉ちゃんがこちらを見ているのに気づきました

「クスッ、一口食べる?お姉ちゃん」

「えっ!?いいのぉ?」パァッ

本当に嬉しそうです

「じゃあいただきます!、憂、あーん」

「…え……」

そう言ってお姉ちゃんが口を開けます

「ほら、はやくはやく~」

「もうっ、しょうがないなぁ…はい、あ~ん」

「パクッ………うん、んまい!!」

「良かったね、お姉ちゃん」

そう言って私もはにかみます


「じゃあ、はい、憂、あーん」

「えぇ、いいよ私はぁ」

お姉ちゃんはこちらにスプーンを差し出します

「いいからいいから!、あ~ん」

「え…えと…あっ、あーん」パク

「えへへ…おいしい?」

「…うん!、冷たくて、すごくおいしいよ、お姉ちゃん」

「よかったよかった、えへへ」

「ふふふ…」

本当に楽しいな
いつもと変わらない日常
でもやっぱり…どこか暗い影がついて来る
幸せなら、幸せなだけ。






あれから色々な所を回った…
に映画館にゲームセンター。
どれもすごく気持ちが安らいで…楽しくて

今私とお姉ちゃんは帰り道の川沿いの道を歩いている、手を繋いで

「憂…今日は楽しかった?」

「うん!楽しかったよ!お姉ちゃん」

「そう?、良かったぁ」

そう言って優しく微笑むお姉ちゃん
夕焼けに染まったお姉ちゃんの顔が、いつもより眩しくて…

「…憂」

「…?」

「本当に、今までありがとうね?」

「っ!…」

胸が苦しくなった
お姉ちゃんが笑いながら言ったその言葉
どこか悲しそうなその笑顔で言った言葉に

「今まで…ずっと傍にいてくれて、迷惑いっぱいかけたね?」

「…ちがう!…迷惑なんて…私は……楽しかったから」

「ううん、私は憂に何もしてあげられなかったから、せめて楽しい思い出を、そう思った」

違う。
違うよお姉ちゃん、私はたくさんのものを貰ったんだよ?
お姉ちゃんの優しさから
お姉ちゃんの笑顔から
お姉ちゃんの温もりから
だから……そんな寂しい顔しないで


「お姉ちゃん…っ…私こそ…ありがとう…」

それだけ言うのが精一杯で…
胸がいっぱいってこう言う事を言うのかな
言葉もうまく話せないや…


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最終更新:2010年10月10日 23:56