ある春の日のこと。私の大親友である律こと田井中律が結婚した。
しかもその相手は、なんと親友である平沢唯
私は律のことが好きだったのですが、想いを伝えることができなかったのです!
そうしてる間に天然である唯は、律にサラっと告白したのです!
ああ・・・私はなんてチキンなんだ・・・。
心から祝福できないまま結婚式の日を迎えたのです。

澪「はあ・・・唯と律幸せそうだな」

紬「あら澪ちゃん、もう来ていたのね」

澪「おうムギ。かわいいドレスだな~」

紬「うふふ・・澪ちゃんも素敵な服よ」

これまた親友であるムギこと琴吹紬と談笑を。

しかし私の心は後悔でいっぱい。今にも叫びたいくらいでした。

そして会話をしていると、私の運命を変えるであろう人物が現れたのです。

さわ子「あ!澪ちゃんにムギちゃんお久しぶりね」


そこに現れたのは、何を隠そう高校の頃の顧問であるさわちゃんこと山中さわ子だった!
高校を卒業してから五年以上たってるというのに相変わらず綺麗であった!

澪「先生!お久しぶりです!」

紬「ご無沙汰してます」

さわ子「あら二人とも、とても大人っぽくなっちゃって」

紬「先生こそお綺麗ですわ!」

さわ子「ありがとう。しかしりっちゃんと唯ちゃんが結婚するなんてねえ」

澪「・・・」

さわ子「あ、ムギちゃん。向こうで梓ちゃんが呼んでいたわよ」

紬「ほんとですか?じゃあ私はちょっと失礼します」


そういうと紬は走って行ってしまいました。私と先生は二人っきりになりました。
すると先生は不思議なことを言い出すのです。

さわ子「やっと二人きりになれたわね」

澪「え?」

さわ子「澪ちゃん、顔色がよくないこと」

澪「・・・」

さわ子「澪ちゃんがりっちゃんのこと好きなことくらいお見通しよ」

澪「ふぇえええ!!!??」

さわ子「まったく澪ちゃんチキンだからこんなことになっちゃうのよ」

澪「・・・すいませんね・・・」

さわ子「うふふ。ねえ澪ちゃん、今でもりっちゃんのこと好きなの?」

澪「え・・・・・はい・・・」

さわ子「じゃあなんで高校のとき言わなかったの!このチキンが!!!!」

澪「・・・」

さわ子「ねえ澪ちゃん。もしも過去に戻れるとしたらどうする?」

澪「え?戻れるわけないじゃないですか・・・」

さわ子「もしもよ」

澪「律に・・・好きって言います・・」

さわ子「あらほんと?一度できなかった人間がそんな簡単にできるかしら?」

澪「で、できます!・・・・多分・・・」

さわ子「もう・・ダメダメね・・・」

澪「でも素直に言いたいって気持ちはあるんです」

さわ子「そう。そう気持ちが大事ね。澪ちゃん、ひとついいことを教えてあげる」


そういうと先生は私に顔を近づけて小さな声で言うのです。

さわ子「澪ちゃんを過去に戻してあげる」

澪「!!!!!!」

澪「な、何言ってるんですか先生!冷やかしはやめてください!」

さわ子「あらホントよ?いいの?戻りたくないの?」

澪「いや・・・戻りたいです・・・」

さわ子「そう。じゃあもどしてあげる」

澪「ホントですか?」

さわ子「もう・・まあ信じれない気持ちもわかるわ」

澪「そりゃそうですよ・・・」

さわ子「じゃあ実際にやってみましょ。ここに三枚の写真があるわ」

澪「はあ・・・」

さわ子「まず一年生のときの合宿の写真。そして澪ちゃんのパンチラ写真」

澪「・・・」

さわ子「そして・・・卒業式の写真」

紬「澪ちゃ~ん」

澪「あ、ムギ、聡も」

紬「聡君が澪ちゃんに挨拶したいんだって」

聡「あ、澪さん。今日は姉ちゃんのためにわざわざありがとうございます」

澪「ううん。律の晴れ舞台だもん」

聡「本当にありがとうございます」

澪「うん!」(そういや聡ってムギのことが好きだったんだよな・・)

聡「あ、あの紬さん!向こうで飲みましょう!」

紬「うん!飲もうか!」

澪(聡もムギに想いを伝えられないままだったんだよな)

澪「卒業式・・・」

さわ子「卒業式になんか嫌な思い出でもあるの?」

澪「実は・・・卒業式の日に唯が律に告白したんです・・・」

さわ子「そうだったの・・・」

澪「はい・・・」

さわ子「唯ちゃんには悪いけど・・・その前に澪ちゃんが告白すればいいのよ」

澪「でも律が私のこと好きかもわかんないし・・」

さわ子「今からそれを確かめに過去に戻るのよ」

さわ子「そしてそんな弱気なこと言わない!」

澪「すいません・・・」

さわ子「写真が三枚しかないから、簡単に言うとチャンスは三回よ」

澪「わかりました」

さわ子「じゃあまずは高1のときの合宿の写真ね」

澪「で、どうやって過去に行くんですか?」


私がそう聞いたときでした。先生は私の目を手で覆いました。


澪「わ!何するんですか!」

さわ子「いい澪ちゃん?今からこう叫んで」

「ふわふわタイム!!!!」

澪「え!?」

さわ子「いいから!」

澪「ふわふわタイム・・・」

さわ子「もっと大きく!」

澪「ふわふわタイム!」

さわ子「もっと!」

澪「・・・ふわふわタイム!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



澪「うわあああああああああああああああああああああああああああああ」

澪「ん・・・」

律「おい澪何ボーっとしてんだよ!」

唯「ねえ澪ちゃん聞いてる~?」

紬「何か悩みごとでもあるのかしら・・・」

澪「え・・・」

澪(ここ音楽室だ・・・?)

澪「なあ、今って西暦何年?」

律「何いってんだよ!今は2009年だろ~」

唯「私でもわかるよ~澪ちゃん」

澪「あ、そうだったな。あはは・・・」

澪(本当に戻ってきてる・・・うそ・・・)

律「んでさ澪、どうすんの?」

澪「え・・・何が?」

律「お、おい・・・澪が言い出したんだろ~合宿」

澪(そうか・・・合宿私が言いだしっぺだった)

澪「えへん!合宿をします!」

唯「やった~!」

紬「まあ、そういうの夢だったわ!」

律「海だ~!唯!思いっきり遊ぶぞ~!」

唯「お~!」

澪「遊びに行くんじゃありません!」

澪(この頃から唯は律のことが好きだったのかな?)

私は過去に来たという実感があまりなかったけど、時間がたつとともに実感してきたのです。
しかしなぜでしょう。過去に戻ったとたん、律に想いを伝えることが怖くなってきたのです!
やはり先生の言ったとおりでした。
しかし言わなければなりません!

そんなこんなで合宿の日はやってきました。

律「夏だ~!」

唯「海だ~!」

澪「おい!遊びにきたんじゃ

紬「まあまあ澪ちゃん」

澪「う・・・」

というわけでムギの別荘に着いたわけです。しかし私は失態をおかしてしまいました。

唯「!トイレどこ!もれちゃう」

紬「トイレは

澪「トイレはそこをまっすぐ行って突き当たりを左に曲がればあるぞ」

唯「澪ちゃんありがとう!」

そういって唯は走っていったんです。
なぜかムギが私のほうを見てくるんです。

紬「ねえ澪ちゃん・・・なんでトイレの場所知ってるの・・・?」



私は失態に気がつきました。高校の頃の綺麗に覚えているこの記憶力を呪いました。

澪「あ・・・えっと!来る時に通ったじゃない!」

紬「そこは通ってないわ・・・」

私は何を思ったのかムギに耳打ちしました。

澪「ムギ・・・驚かないで聞いてくれ」

澪「実は私未来から来てるんだ。詳しくは言えないけど」


そういうとムギはクスクス笑い出しました。

紬「ふふふ・・・澪ちゃんて面白いこと言うのね!」

紬「私そういう夢のある話好きよ」

澪「ははは・・・」

なんとかごまかせました。いや、ごまかしたわけじゃないんですが、結果オーライでした。
しかし注意しなければ。
すると外から声が聞こえてきました。そう。あの声が・・・

律「お~い!はやく海いくぞ~!」

澪「遊びにきたんじゃありません!練習が先だろ」

この期に及んでまでこんなことを言ってしまう私。

律「いいじゃん!唯行こうぜ~」


律は唯を誘いました。軽くショックでした。私は勇気を振り絞りました!

澪「わ、私だって泳ぎにいくぞ!今着替えるから待ってろ!」

律「お~澪ちゅわん?練習するんじゃなかったんでちゅか?」

澪「う、うるさい!いいから先行ってろ!」

私は今過去と違う行動をしました。これで少しは何かが変わるのかな?

唯「まって~みんな~」

紬「さあ海で遊びましょ!」

律「ついにたどりついたな・・・」

唯「りっちゃん隊員・・・食料が・・・」

律「大物だ・・・」

澪「なにやってんだ」


律と唯は仲良しです。すごく楽しそう。
そしてなぜでしょう?この経験は二回目だというのに、私はまたフジツボのあるところまで来たのです!

澪「ふふふ」

澪「・・・・・」


澪「こわくないこわくないこわくない」

律「ふ・・・じ・・・つ・・・ぼ・・・」

澪「ぎゃああああああああ」

澪(いや待てよ・・・怖がってるフリして律に抱きついてみたり・・・)


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最終更新:2009年10月12日 23:33