憂「なんで!?」
唯「もうだめ……」
憂「どうしたのお姉ちゃん」
唯「うわあああああん、もうだめだぁ」
憂「だめじゃないよ、何があったのか教えて」
唯「だめ人間だってことに気づいたの」
憂「へ?」
唯「勉強できないし演奏もろくにできないし家事はういに任せっぱなしだし」
憂「そんなこと」唯「あるの!」
憂「…」
唯「もう死ぬ……生きてる価値が無い」
憂「…そうかもね」
唯「!?」
憂「お姉ちゃんが好きなようにしていいよ」
唯「…」
憂「…うん」
唯「ほんと?」
憂「なにが?」
唯「わたしってだめ人間?」
憂「違うよ?」
唯「いや、だめ人間だよ」
憂「…」
唯「死ぬしかないよね、今までごめんねうい」
憂「…ううん、こちらこそ」
唯「死ぬよ?」
憂「好きにして」
唯「ほんとに?お姉ちゃんいなくなっちゃうよ?」
憂「別にいいよ」
唯「寂しくなっちゃうよ?いいの?」
憂「別に」
唯「電話しよっと」
憂「誰に?」
唯「お母さん」
憂「なんで?」
唯「今までありがとうって」
憂「ふ、ふーん」
唯「ほんとに死んじゃうもんね」ぴぽぱ
憂「…」
唯「もしもしお母さん?」
憂「…」
唯「お母さん、わたし今から死んじゃうけど心配しないでね」
憂「…」ばしっ
唯「んあ、うい!携帯とらないでよ!」
憂「…」
唯「…」
憂「…電話かかってないじゃん」
唯「ぎく」
憂「なにしてんの?お姉ちゃん」
唯「あ、あれ?電話切れちゃったかな、あはは~…」
憂「通話履歴にも無いよ?」
唯「あれ~…?携帯壊れちゃったかも」
憂「お姉ちゃん」
唯「は、はいぃ」
憂「めっ」
唯「ひぃぃ」
憂「簡単に 死ぬ なんていっちゃだめだよ」
唯「簡単じゃないよ!死ぬもん!!」
憂「なんで死ぬなんて言うの」
唯「さっき言ったじゃん!そうやってういも私をバカにして!!」
憂「バカになんてしてないよ」
唯「うそつき!バカにしてるくせに!」
憂「ほんとにしてないって、お姉ちゃん、信じて」
唯「ほんとに?」
憂「本当だよ」
唯「ほんとのほんとに?」
憂「ほんとのほんと」
唯「ほんとのほんとのほんとの…」
憂「お姉ちゃん!」
唯「は、はいっ!?」
憂「本当だよ、お姉ちゃん。だから死なないで」
唯「え、そう?死なない方がいいかな?」
憂「あ、ごめんうそ」
唯「!?」
憂「お姉ちゃんの好きにしていいよ」
唯「ちぇ…」
憂「死ぬの?」
唯「うん」
憂「ふーん」
唯「じゃあねうい」
憂「うん」
唯「でもどうやって死ぬのがいいかなあ」
憂「さぁ?」
唯「トラックに轢かれたら即死できる?」
憂「できるんじゃない?」
唯「じゃそうしよっかなぁ~」
憂「お姉ちゃんがやりたいようにしていいよ」
唯「うん!じゃあトラックに轢かれて死にます!」
憂「うん」
唯「よぉし、じゃあ着替えて死ぬ用意しよ」
憂「うん」
唯「…じゃあ、なにを着て死のうかなぁ~」
憂「お姉ちゃんが好きな服にするのはどう?」
唯「いいかも」
憂「はい、お姉ちゃん」
唯「なにこれ?」
憂「遺言状作成キットだよ」
唯「遺言状……」
憂「死ぬ前になんか書き残しておきたいことある?」
唯「ある!」
憂「書いていいよ」
唯「ふっふ~」かきかき
憂「なんて書いたの?」
唯「わたしが死んでからのお楽しみだよ」
憂「なんだろう」
唯「ふふ、着替え終わったから死ににいくね」
憂「うん、いってらっしゃい」
唯「いってきまーす!」
憂「いってらっしゃい」
唯「いってきまーす!!」
憂「?いってらっしゃい」
唯「いってきます」
憂「…はやくいきなよ」
唯「!?」
憂「どうしたの?お姉ちゃん」
唯「え、なんでもないよ。行くよ?行っちゃうよ?」
憂「うん。いってらっしゃい」
【どうろ】
唯「ちっ……ういのいけず」
唯「ほんとに死んじゃうもんね」
憂(よし、お姉ちゃんには気づかれてない)
憂(このままお姉ちゃんの後をつけよう)
唯「うおおおー!!死ぬぞー!!」
とみ「あら唯ちゃん」
唯「おばあちゃん!」
とみ「唯ちゃん今なんて…?」
唯「ふふ、おばあちゃん、今までありがとう」
とみ「?」
唯「わたし死にますっ!」
とみ「しぬ?」
唯「そうだよ!じゃあ行ってきます!」
とみ「??、いってらっしゃい」
唯「ふっふん~♪」
唯(……ういめ、思い知らせてやる)
唯(わたしが死んじゃったらどうなるか…くくく)
憂(お姉ちゃんどこに行く気だろう)
憂(それにまだバレてない、この調子でつけよう)
唯「うっ……苦しい」すわりっ
憂(!?)
唯「あぁぁ~……苦しい」
憂「……」
唯(ふふ、ういがつけてきてることなんてお見通しだよ)
唯(さぁうい、どうでる!?)
憂(…お姉ちゃん、座ってるけど顔は笑ってるのが見える)
憂(これはお姉ちゃんの罠に違いない。お姉ちゃん、そんな手には乗らないよ)
唯「…」
憂「…」
唯「……く、くるじぃ…」
憂「…」
唯「…」
憂「…」
律「お!唯!」
唯「りっちゃん!?」
憂(!!)
律「どうしたんだよ、こんなところに座り込んで」
唯「なんでもないよ」
律「なんでもないことないだろー」
唯「りっちゃん!」
律「あ?」
唯「わたし死ぬよ!」
律「…そう」
唯「死ぬ!!死ぬぞー!」
律「ごめ、急いでるからまたな」さーっ
唯「…」
憂「…」
唯「ちぇっ……りっちゃんの薄情者」
梓「あ、唯先輩!」
唯「あずにゃん!」
梓「どこいくんですか?」
唯「天国」
梓「は?」
唯「あずにゃん、今日でお別れだよ」
梓「明日学校ありますよ」
唯「うんっ……ごめんね、あずにゃん」
梓「なにいってるんですか全く…」
唯「死んじゃうんだよ」
梓「はいはい、わたし憂と純と待ち合わせしてるんで行きますね、じゃ」さーっ
唯「あずにゃん待って!」
唯「…」
憂(純ちゃん梓ちゃんごめんね、急用ができたのでいけません……っと)ぴっぴ
唯「…2人とも予定があるならしょうがないよね、うんうん」
唯「澪ちゃんちに寄っていこっと」
唯「…って澪ちゃん!」
澪「お、唯」
唯「澪ちゃん聞いて」がしっ
澪「ああっ、離せ、塾に遅刻する」
唯「私死ぬの!澪ちゃん、今日でお別れだよ」
澪「分かったわかった、また明日学校で聞いてやるから」
唯「待って澪ちゃん」
澪「ああもう!離せって」ばんっ
唯「わっ」すてん
澪「ごめん唯、また後で」さーっ
唯「…塾ならしょうがないよ、うん」
唯「…」シュン
憂「…」
唯「…うい」
憂(ぎく)
唯「そこにいるのは分かってるよ、うい」
憂(…お姉ちゃん、違う方向見て言ってるからばれてないみたい)
唯「うい~…」
唯「あれ?」
憂(ちょっと離れておこう)
唯「ういがいない……」
唯「…」
憂「…」
唯「ぐすん…」
憂「…」
唯「…ムギちゃんに電話しよ」
唯「…」ぴっぴ
携帯「つーつーつー」
唯「話し中…」
唯「…」
唯「和ちゃんならきっと」ぴっぴ
携帯「…おかけになった電話番号は現在使われておりません」
唯「…」
唯「ああああああああああああ」
唯「なんで!!?どうして!?」
憂(お姉ちゃんなに叫んでんだろう…)
唯「…」ぷっつん
憂(ん?)
唯「あははははは!!」
憂(笑いだした!?)
唯「ふふふふ、死んでやる、絶対に死ぬ」
唯「せっかくだから死ぬ前に事件起こしてやる」
憂(!?)
唯「……くくく」
憂(お姉ちゃんが横断歩道を歩いてるおばあさんに近づいた!?)
唯「ふんっ!」ばっ
憂(お姉ちゃんがおばあさんの荷物をうばった!!)
老女「あら…」
唯「って……重……」のろっ
老女「ありがとねぇ~」
唯「え、そうじゃなくて…」
老女「助かるわぁ」
唯「…おも……」
老女「ありがとう。これはお礼」
唯「千円…」
老女「なにかお菓子でも買って食べて」
唯「うん……」
老女「ありがとねぇ」すたすた
憂(お姉ちゃん…)
唯「アイスでも買って食べよ」
憂(お姉ちゃんがコンビニに入った!私は外で待っていよう)
店員「いらっしゃいませー」
唯(アイス~)
唯「…」
唯「…あれ?」
店員「あ、ガリガリ君はまだ入ってないんですよ~」
唯「え、なんで?」
店員「この暑さで飛ぶように売れてまして…」
唯「お日様までわたしのことをぉ…」
店員「へ?」
唯「…」ぎろ
店員「!?」
唯「帰る…」
店員「…」
唯「はぁ…」
憂(お姉ちゃんが何も買わないで出てきた!?)
唯「…私はなんてかわいそうな少女なのでしょう」
唯「誰にも相手にされず死んじゃうんだ」
幼女「うぇ~ん」
唯「お?どうしたのかなぁ?」
幼女「ポケモンシール落としちゃったの…」ぐすん
唯「…」
最終更新:2010年10月13日 22:16