十ノ┬三田ノ 幺 畄十`「フヽノ
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第六話『暗黒の微笑み!?軽音部室の大騒動!!の巻き』


ぶしつ!


はじまりは些細な事でした


紬「♪」 カチャカチャ


紬「今日のお茶は…これにしようかしら」


紬「後はお菓子だけど…」


紬「あら?」


紬「…1つ足りない…?」


紬「???」


紬「持ってくる数…間違えちゃった…?」



?『モグモグ』



唯「あれ?ムギちゃん、ケーキ食べないの?」

紬「うん、持ってくる数を間違えちゃったみたいで…」

律「4つしか持ってきてなかったって事か」

紬「ううん、先生の分も含めて5つ」

澪「いいのか、ムギ?」

紬「ええ、丁度ダイエット中だったから 私の事は気にしないで」 ニコッ

唯「でも元々はムギちゃんが持ってきてくれたケーキなのに…」

梓「私達だけ貰っちゃうのは…何だか悪いです…」


澪「…良かったらムギ半分食べてくれよ」 スッ

紬「え、澪ちゃんいいの?」

澪「ああ、私もダイエット中だからさ」

紬「澪ちゃん…」

律「じゃあ私もダイエット中だ!!」 スッ

唯「ずるいりっちゃん! 私もダイエット中だよ!」 スッ

梓「わ、私もダイエット中です!!」 スッ

紬「みんな… ありがとう!」


ドサッ

紬「でも……これはちょっと多いかも」


澪律唯梓「あ」

紬澪律唯梓「あはははは!」



?『…ジーッ』



次の日!


ぶしつ!


紬「シャランラシャランラァ♪」 カチャカチャ


紬「今日のお菓子は…」


紬「!!」


紬「うそっ!?」


紬「ぜ、全部無い!?」



?『ムシャムシャ』

?『ゲプッ』


……

紬「ごめんなさい!!」 ペコッ

律「おいおい、ムギが謝ること無いだろ?」

澪「ああ、いつも用意してもらってる私達の方が悪いくらいだ」

梓「そうですよ!ムギ先輩は悪くないです!

  ただ…」


唯「…」 ズーン


梓「唯先輩はぐったりしてますが…」

紬「唯ちゃん…」

唯「い、いいんだよぉ…ムギちゃん…」 プル… プル…

律「生まれたての子鹿みたいになってるぞ」

澪「唯、大丈夫か?」

唯「うぅ…いつものティータイムの有り難味がよくわかるよ……

  ムギちゃん、毎日毎日ありがとうね……」 プルプル…

紬「ううん!気にしないで、唯ちゃん!

  明日は唯ちゃんが元気になるように!唯ちゃんの好きなお菓子持ってくるから!」

唯「本当!?!」 ガバッ

紬「うん!きっとよ!」 ニコッ

唯「ムギちゃん大好きだよー!!!」 ダキッ

律「調子いい奴だなー」


ドア『ニコ』

さわ子「みんなー、いるー?」

梓(?)

澪(?)

唯「あ、さわちゃん!!」

さわ子「ムギちゃん、私ミルクティーね」

紬「あ…」

さわ子「ふふっ、今日のお菓子は何かな~」 ニコニコ

紬「…あの…さわ子先生…実は…

  今日はお菓子がなくて……」

さわ子「え」


さわ子「…」 ズーン


紬「せ、先生?!」

唯「し、死んでる…?!」

梓「唯先輩といいさわ子先生といい…まったく部活を何だと思ってるんですか!」 プンプン

澪「でも…ムギ、調子悪かったりするのか?」

紬「え? ううん、そんな事はないけど…」

澪「そっか、2日連続だったから…ちょっと心配になってさ」

紬「澪ちゃん…ありがとう」 ニコッ


律「…ムギ?」

唯「本当に元気なさそうだよ…?」

紬「ごめんね…自分でもちょっと不思議だったから…」

梓「ムギ先輩…?」

紬「実は昨日の事もあったから… 今日はちゃんと持ってきたはずなんだけど…

  朝とお昼に皆の分がある事をしっかり確認したはずなのに…」


律「…それって」 クルッ

澪「ムギが忘れたとかじゃなくて…」 クルッ

梓「誰かがつまみ食いしたんじゃ…」 クルッ

律澪梓「…」 ジー

唯「ほぇ?」

唯「わ、わわ 私じゃないよ!?!」

律「本当にか?」

梓「この前、食堂のデザートのつまみ食いしてましたよね」

澪「しかもケイオンジャーの姿で」

唯「あ、あれは ほ、ほんのちょっと魔が差したと言うか……

  ごめんなさい…」


唯「でも本当に今回は私じゃないんだよ~」 ウルウル

唯「ムギちゃ~ん」 ガシッ

紬「あらあら、よしよし」 ナデナデ

律「…わかってるって、冗談だよ」

澪「いくら唯でも、同じ事を二回したりはしないだろ」

梓「それにお菓子全部は流石に食べきれないでしょうし」

唯「いやあ~」 テレテレ

梓「褒められてないですよ」

梓「でもどうしてでしょうね、ムギ先輩の話を聞くかぎり

  確かに朝とお昼にはあったみたいですし」

律「スーツが持っていかれた時みたいに、誰かが持って行っちゃったとか」

澪「それは無いんじゃないか…アレからはしっかり戸締りもしてるだろ?

  部室の鍵も来た時に開けて、ちゃんと閉めてるし…」

紬「うん、今日の朝とお昼に私が来た時もちゃんと閉めたもの!」

律「うーん… じゃあ音楽の授業とかに開けて、その時に…」


さわ子「今日は授業無かったわよー…」 グッタリ


律「…授業中誰かが入ってきた線は消えたか」

梓「て言うか、なんで授業無かったのにそんなにぐったりしてるんですか」


さわ子「今日は授業無くて暇だったから…

     りっちゃんに頼まれてたアレを…作ってたの……」

澪「アレ…?」

律「!!!! まさか…アレが完成したんですか?!!」 ガタッ



さわ子「なんとか……完成はしたわ」

律「!!!! よっしゃああ!!!!!!!」


唯「りっちゃん?アレって?」

紬「?? それに完成したって?」

律「ああ、実はさ…ちょっと前からさわちゃんに頼んで密かに作って貰ってた物があってさ!」 ルンルン

梓「? 何をですか?」


律「それは…


  …秘密だ!」

澪「おい、秘密って…」


律「ふっふっふ、これはケイオンジャーの秘密兵器だから簡単には教えられないな」

澪梓唯紬「!!!」

唯「ひ、秘密兵器!!? な、なんだかカッコイイ響きだよ!!!」

澪「ケイオンジャーの秘密兵器… 確かにかっこいいかも」

梓「でもそれなら私達にも知る権利あるじゃないですか!」

律「ここでバラしたって有り難味がないだろ?

  ま、実際に使う時が来るまでのお楽しみって事で!」

唯「わー!何だろうねー!!」 ワク ワク

紬「うん、すっごく楽しみ!」 ワク ワク


さわ子「あんなの使う機会なんてそうそう無いと思うけどね……」 グッタリ


澪「さわ子先生がぐったりしてる理由はわかったけど…」

梓「肝心のお菓子が消えた理由がわかりませんね…」

律「戸締りもしっかりしてるし… 授業中誰かが入ってきた訳でもない…」

紬「も、もしかしたら私の気のせいかもしれないから…」


唯「ハッ! もしかしたら怪人の仕業かも!!」

澪「おいおい、流石にそれは…」

梓「まあ、確かに怪人の力を使えば鍵を開けずにお菓子を食べるのも朝飯前かもしれませんね」 クスッ

紬「朝御飯の前にお菓子?」

唯「おお、贅沢だね!」

梓「いや、そう言う意味じゃないです…」

律「そりゃあ怪人なら出来るかもしれないけどさ、

  お菓子をつまみ食いする怪人は流石にいないだろ~

  唯じゃないんだからさ~」 ケラケラ

唯「! りっちゃん酷い!」

梓「それもそうですね」 クスッ

唯「ぶー あずにゃんのいけず!」


律唯梓澪紬「あはははははは!」


?『…』


?『ニコ』



次の日!


ぶしつ!

紬「…」 ガサゴソ


唯「ふーんふーん♪」 ニコニコ

梓「唯先輩、なんだかご機嫌ですね」 クスッ

唯「だってー!」 ニヘラー

唯「ムギちゃん、今日は私の大好きなお菓子を持ってきてくれるって言ってたからねっ!!」 フンスッ

澪「それでか…」

律「単純な奴だな~」

唯「いや~、それほどでも~」 ニコニコ

梓「褒められてないです」

律「それで、大好きなお菓子って?」

唯「うん、それは…… はっ! 教えられません!」

律「え、いやなんで」

唯「ふっふ、これはムギちゃんの秘密兵器だからね!簡単には教えられないのです!」

澪「秘密兵器って…」

律「ほほう、でてきてからのお楽しみって事だな!」

唯「そう言うことで~♪」 ルンルン


紬「………ない」 

唯律澪梓「え」


紬「お菓子が…無いのぉ……」 ウルウル

律澪梓「!!!!!!!」


紬「私…今日こそはちゃんと持ってきて…部室に置いておいたはずなのにぃ……」 グスグス

梓「! ムギ先輩!?」

紬「うぅ……ぐすっ」

梓「わ、わ な、泣かないでください」 アセアセ

紬「あずざちゃーん…」 ギュー


律「…これで3日連続だぞ」

澪「流石におかしいな…」

律「お菓子だけにか…」

澪「上手い事言ったつもりか!?」


澪「……ムギがお菓子を忘れてきたとは私は思えない」

律「ああ、私もそう思う……今までだってほぼ毎日欠かさず持ってきてくれてたし…」

澪律「…」

澪「ムギには頭が上がらないな…」

律「本当にな…」

澪「ムギが忘れた訳じゃないなら、残る可能性は誰かがつまみ食いしたとしか…」


律「そして……昨日の話からして、外部犯の犯行は薄い…

  3日連続で戸締りの厳しくなってる部室に置いてあるお菓子を

  誰にも気付かれずに食べる事は、外部の人間にはできないだろうからな」

澪「! おい律、それは…」

律「…ああ、私は内部犯を疑っている」

澪「…でも」

律「澪、私達の中に犯人がいて欲しくないって気持ちはわかる」

澪「…うん」 コクリ

律「でもムギの様子をみろ」


紬「わだし……えっぐ……唯ちゃんが喜んでくれたらいいなっておもって…ぐすっ」 グスグス

梓「ほら、これで涙拭いてください」 スッ


澪「…ムギ」

律「私はムギのあの様子を見てこの問題をなあなあに終わらせたくはない」

澪「律…… わかった… 私もちゃんと向き合うよ、この問題に」

律「ありがとう、澪」


……

紬「…」 スー スー


梓「ムギ先輩、泣きつかれて寝ちゃいましたね」

澪「だな…」

梓「…ムギ先輩、随分責任を感じてるみたいでした」

律「ムギにとってティータイムはそれだけ…大事な事だったんだな」

澪「正直、私…ティータイムを甘く考えてたな」

梓「私もです…まさかこんな大事になるなんて」


律「でもムギが寝てるなら丁度いい、ムギの前でこんな話をする訳にもいかなかったからな」

梓「…つまみ食いの犯人ですよね」

律「容疑者はムギを除いた軽音部員4人、私、澪、唯、梓 そして…」

澪「さわ子先生か」

律「ああ、この5人が今最も怪しい」

梓「…」

律「さわちゃんは今この場にいないから、

  とりあえずは私達の犯行の可能性について考えていきたいと思う」

律「そして まず! この5人の中でも特に怪しい人物がいる!」

梓「…怪しいと言うと」

律「その人物には前科もある!」

澪「それって…」

律「それは…」 チラッ


唯「…」


律「……唯、さっきからどうして黙ってるんだ?」

梓「ま、まさか唯先輩が…」

唯「…」

澪「…唯?」

唯「…」


律「? おい、唯なんとか言って…」 スッ

唯「…」 グラッ

唯 パタンッ

澪律梓「!!!」 (た、倒れたっ!?!!)


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最終更新:2010年10月15日 19:54