そしてついに学園祭の日がきました。
唯の声は相変わらず枯れていて結局私がボーカルをやることになりました。
そして・・・今日こそ絶対に言わなければ!
澪「ねえ律~、最後だし練習しとこうよ~」
律「あ~ゴメン店番やってっから終わったらすぐ行くよ!」
何を考えたのか私は律に甘えてみることにしたのです。
上目遣いとやらをやってみたのです!
澪「え~はやく律と練習したいな~」
律(う!かわいい・・・)
律「わ、わかったよ!すぐ行くよ!」
こうして律と二人っきりで練習することになったのです。
律「じゃあやるか!」
律は昨日のことはなかったのように普通に振舞います。
きっと律の中で何かが吹っ切れてしまったのでしょう。
もう残された道は、私から告白するということです!
私は震える拳を握り締め、大胆な行動に出ました。
律「おい澪どうしたんだ?緊張してるのか~?」
澪「なあ律・・・緊張して手が・・・」
律「大丈夫か?」
律は私の頭を撫でてくれました。私は我慢できずに・・・
澪「律!!!」
私は律をギュッと抱きしめました。
律「お、おい澪・・どうしたんだよいきなり・・」
澪「私怖い・・・歌うのが怖い・・・」
それは嘘でした。私はただ律を抱きしめたかっただけなのです。
嘘をついたという罪悪感よりも、律を抱きしめたという達成感が私の中にはありました。
澪「律・・・もう少しこのままでいさせて・・・」
律「お、おう・・・落ち着くまでいいよ」
律のその言葉に涙が出そうでした。私は今まで何をやっていたんだろう・・・
自分が傷つかないために「好き」という一言が言えずに・・・
でもそんな自分と決別するために私は今ここに来ているんだ。
い、今しかない!
澪「り、律!!」
律「え・・・?」
澪「私・・・律のことが・・・」
律「・・・」
時間が止まったようでした。なのに心臓はバクバク波打ちます。
言葉が出てきません。せっかく過去に来たのにこんな自分が情けない。
澪「私は律のことが・・・!!!」
ガチャ
唯「遅れてゴメ・・・」
澪「!!!!!!!!」
律「唯・・・」
そこに入ってきた女の子は唯でした。しかしなぜか複雑な表情です。
唯「あ・・ゴメンね遅くなっちゃって。クラスの仕事があったんだ」
唯「今からちゃんと練習するよ!」
声が枯れているせいか、唯の言葉には哀愁に似たようなものを感じました。
唯(なんだろこのモヤモヤした気持ち・・・)
唯(こんな気持ち初めてだ・・・澪ちゃんとりっちゃんが凄くいい感じだった)
唯(なんかよくわかんないけど胸が苦しい・・・)
そしてムギも合流し何事もなかったのように練習しました。
私はまた伝えることができなかったんだ・・・
その悲しみを頑張って隠しました。唯も元気に振舞ってきます。
そして音楽室から講堂に向かう途中、私は聡を見かけたのです。
澪「あ、聡、こんなところで何やってんだ」
聡「う、うわ!澪さん・・・」
どうやら聡は私達の演奏を見に来てくれたようです。
でも私は気づいていました。聡の本当の目的はムギだとういことを。
本当なら聡は普通に演奏を見て帰ってしまうのですが・・・
聡のためを思いこう言ったのです。
澪「なあ聡、本当はムギを見にきたんだろ?」
聡「え!ち、違うよ!!!」
澪「バレバレだぞ聡」
聡「う・・・」
澪「なあ聡、私たちの演奏が終わったらムギに話しかけろ。いいな?」
聡「え、無理だよ・・・」
澪「なんでだ?」
聡「だって、俺なんか絶対相手にしてもらえないよ!」
私は聡の言葉に妙にイラっとしました。そして厳しい口調でこういいます。
澪「やってもいないのになんでそう言えるんだ!?」
澪「やる前からなんであきらめてるんだよ!」
澪「今いかないと将来後悔することだってあるんだぞ!」
まるで自分に言い聞かせているようでした。聡ゴメン。
これじゃただのウザいお姉さんだよな。私みたいな後悔しまくり人間に言われたくないよな。
でも聡には気持ちは伝わっていました。
聡「澪さんの言ってること妙に説得力がある・・・」
聡「俺間違ってた、演奏終わったら紬さんに感想を言いに行く!」
澪「そうか。頑張れよ聡」
聡「ありがとう澪さん」
そういうと聡は走っていきました。
そんな純粋な聡を見ていると、うらやましく思えました。
そしてついに演奏の時を迎えました。
澪(う・・・だめだ・・・)
二回目なのになぜか緊張してる私・・・
体が震えます。
ああ・・・また律に言えなかった。私は何をやっているんだ。
すると唯が声をかけてくれました。
唯「澪ちゃん、みんな澪ちゃんが1人で練習してたのしってるよ」
なんでだよ・・・私は唯の邪魔をしに来ているようなもんなんだぞ?
こんな悪者にそんな優しい言葉をかけるなよ・・・
律が結婚したのもわかってしまう。
唯・・・本当にゴメン・・・そしてありがとう。
澪「君を見てるといつもハートどきどき」
澪「みんな!ありがと~!!!!」
無事にライブを終えました。大成功でした。
でも律には言うことが出来ませんでした。またまた後悔です。
なんで私はこんなにもチキンなんでしょう・・・
あれ?
私はふとこんなことを考えました。
もしも写真を撮られるのを阻止したらどうなるんだろう?
私がここで転ばなければあの写真は無いはず・・・
私はさわ子先生のほうを見ました。
澪(先生・・・)
すると先生も何か言いたそうな目で私のほうを見ていました。
私はそれに気を取られ、結局コードに引っかかり転んでしまいます。
澪「いたたたた・・・・」
ああ恥ずかしい・・・
今思い出しても恥ずかしい・・・
澪「え・・・・」
パシャ!!!!
澪「うわあああああああああああああああああああああああああああ」
ふ~わふわ
ふ~わふわ
ふわふわ
ふわふわ
ふわ~ふわ
澪「ん・・・」
さわ子「おかえり澪ちゃん」
澪「あ、帰ってきたんだ・・・」
さわ子「はあ・・・・ホントにダメな子ね澪ちゃんは」
さわ子「なんのために過去に帰ってると思ってるの!その理由をしっかり考えなさい!」
澪「すいません・・・」
まあ怒られるのも仕方ないでしょう。事実なんですから。
しかし私が過去に帰ってもこっちの世界にはほとんど影響はないようです。
告白しても変わらないのかな?と考えました。
しかし、私の知らないところで未来は変わっていたのです
聡「紬、ワインでいい?」
最終更新:2009年10月12日 23:47