【第五話:過去】
一年前、私が三味線を弾いていると明るい声の女と出会った。
明るい女の名は律。
彼女とはすぐに意気投合し私達はお互い友人同士となった。
幼い頃から目が見えない私にとって彼女は私の光だった。
律「おーい澪ー!団子食いに行こうぜー!」
澪「また、団子を食うのか律?」
律「えー!いいじゃんいいじゃん団子食おうぜー」
澪「嫌だ私は魚が食いたい。何処かで食いに行くのなら私はめし屋がいい」
律「めし屋に団子ってあるか?」
澪「無い」
律「じゃあ団子屋に行こうぜー!」
澪「どうしてそうなる」
律「あー団子が食いてーよー」
澪「こう言うのはどうだ?めし屋に行った後に団子屋に行く」
律「却下だねー私は団子を腹いっぱい喰いたい」
澪「もういい。私はここで待つから律は一人で団子を食いに行けばいい」
律「もう仕方ねぇなぁ……そいじゃ行ってくるよ」
澪「気をつけてな」
律「わかったー」
私と律は同性だ。
同じ性別……私は彼女に恋をしていた。
流石に出会って間もなくはそんな感情は微塵も無かったが月日が経つにすれ彼女に淡い感情を抱くようになっていた。
目が見えなく人の姿形を見る事が出来ない私でもそんな感情は抱く。
律は私の事をどう思っているのだろうか?
彼女に私の気持ちを聞いてみたいがそれはとても勇気がいる事だ。
澪「律……」
それに私と律は同じ性。
もし、聞いてみて律が怪訝な態度をとれば二度と私の前には現れなくなってしまうかもしれない。
気持ちが悪いと言われてしまうかもしれない。
律「たっだいまーっ!あー食った食った」
澪「おかえり律」
律「ほら土産に団子持って来たぞ食え」
澪「あぁ、後からいただくよ」
律「んだよー今食えよー美味いのに味が落ちるだろォ!」
澪「仕方ないな……じゃあ今食べるよ」
律「それでよろしい!」
澪「ん……やっぱり純さんの所の団子は美味いな」
律「だろ?私もあそこは好きなんだ」
澪「ふぅん……なぁ律知っるか?あそこら辺の近くにある神社には変わった姉妹がいるらしい」
律「変わった姉妹?」
澪「犬を姉と呼んでいる姉妹があの神社にはいると聞いた。何故、犬を姉と呼んでいるのか興味は無いか?」
律「えー…無いよ。澪そういうの好きだよな」
澪「そういうのとは?」
律「不思議って言うのか?好きだよな澪」
澪「まぁな」
律「何で好きなんだ?」
澪「私は目が見えない。だから色んな事に興味がある」
律「あぁ、成る程!じゃあ私の顔にも興味があるのか?」
澪「親しい友人の顔を知らないんだ。興味が無い方がおかしい」
律「私も澪には興味があるぞ」
澪「私に興味がある?」
律「なーんて洒落だよ洒落」
澪「何だ洒落か」
驚いたではないか。
律「アハハハハッ澪の顔赤いぞー」
澪「そうか赤いか」
律「随分と反応が薄いんだな」
澪「驚いている」
律「あ、耳まで赤いぞ!まるで猿の尻みたいに赤い」
澪「失礼な猿の尻とは何だ」
律「アハハすまんすまん。あ、今日は澪の家に泊まっていいか?」
澪「あぁ、別に構わないよ」
律「あ、それともう一つ……澪私の事好きか?」
澪「な……何?」
律「好きかって聞いているんだよ」
澪「それは……友人としてでは無く……恋仲としと言う事か?」
律「あぁ、それ以外に何がある?」
私が言えずにいる事を律は随分とサラリと言うものだ。
怖いと言う感情は彼女には無いのか?
律「で、どう何だ?」
澪「それは……好きだよ。友達としても恋仲としても」
律「やっぱりな何となくそんな気がしていたんだ。いきなりでごめんな」
澪「…………あぁ」
律「私……明日見合いに行くんだ」
澪「見合い?」
律「あぁ……親が勝手に決めちゃって……最後にお前に気持ちを伝えようと思ってさ」
澪「…………本当か?」
律「嘘を言うんだったらもうバラしてるさ」
今日、律と団子屋に行っていればよかった。
澪「律が見合い何て……そんな」
律「まぁそんなに気を落とすなって……会えない分けじゃないんだから」
澪「…………」
律「アハハ……もっと早く言おうとは思ったんだけど中々言い出せなくて」
澪「なぁ、律……頼みがある」
律「ん?何だ?」
澪「お前が見合いに行って嫁入りする前に、お前と一夜の思い出が欲しい」
律「は、はぁ?」
律「一夜の思い出って交合うって事か……?」
澪「あぁ……」
律「大胆な事を言うな澪……」
澪「すまない」
律「いいよ。私を抱け……処女をお前に捧げるよ」
澪「本当か?本当にいいのか?」
律「あぁ、お前と交じる事が出来たら私も本望だ」
澪「律……!」
私は律の手を握った。
律の手は汗で湿っていたがそれは私も同じだ。
律「澪……」
私の手を手繰りよせ律は私に抱きついた。
そして、唇に柔らかく湿っぽい感触。
律の唇だ。
澪「んんっ……はぁっ」
律は私の口の中で舌をウネウネと動かしている。
団子を喰ったからか彼女の舌は甘かった。
律「むふぅっ…………っはぁ」
唇に柔らかい感触が無くなり今度は私の胸に律の手の感触。
律「脱がして……いいか?」
澪「あぁ……」
律の吐息が耳に吹き付けられ身震いをした。
着物が律の手によって脱がされる。まだ誰にも見せた事がない私の肌を律にさらけ出す事は……とっても恥ずかしかった。
背中に柔らかい物が当たる……ほんのちょっと固い物も当たった。
澪「んんっ……はぁっ……」
私の後ろで律は抱きしめるように私の胸を揉んでは首筋で舌を這わせていた。
律も着物は全て脱いだのだろう律の柔らかく滑りの良い肌がとても気持ち良い。
律「澪……ずっとこうしたかった」
澪「はぁっはぁっ私もだ……律……」
下腹部が熱くなって来ている。
それに、何だか湿り気を帯びている。
律「指……入れるぞ」
耳元で律が囁いた。
私はただ黙ってコクリと頷き律に身を任せた。
澪「あぁぁっ!」
陰部に何かが入って来る。
澪「り、律ぅっ!あぁっ……!」
律は左手で私の胸を強く掴み。
右手で私の陰部を探った。
息が上手く吸えない。
澪「律……律!あぁっんんっ」
律「澪……私のにも指を入れてくれ……」
澪「はぁっはぁっわ、わかった」
手探りで探るが律の陰部が何処にあるのか分からない。
ふっと律が私の手を掴んだ。
そして、そのまま自らの陰部に私の手を当てた。
律の陰部は湿っており軽く触れただけでもヒクヒクと動いていれのが感触でわかった。
澪「はぁっはぁっ……入れていいか?」
律「あ、あぁ……」
律の陰部に指を入れる。
陰部の中は何だかゴリゴリしていた。
それに、熱い。
陰部がまるで私の中指を飲み込むよう吸い付いている。
ゆっくりと中指を動かしてみる。
律「んんっ……!」
声を押し殺した律のあえぎ声が部屋に響く。
澪「痛くないか?」
律「だ、はぁっ大丈夫っ……」
少しだけ早く動かしてみると律は大きな声を出した。
陰部が更に強く私の中指を締め付ける。
律「澪ぉっ……気持ち良い……気持ち良いよっ!」
律は私の背中に爪を立てながらそう言った。
凄く興奮してるのだろう痛みは感じなかった。
今度は中指を上下に早く動かしてみる。
律「あふぅぅぅんっ!」
澪「はぁっはぁっはぁっはぁっ」
律「あぁんっ……澪ぉ澪ぉおっ!」
不意に私の顔に何かが掛かった。
水のようだか少し粘りを帯びている。
律「ご、ごめん……」
澪「イったのか?」
律「あ、あぁ……はぁー気持ち良かった」
澪「私も気持ち良かったよ律」
律「……なぁ、澪」
澪「どうした?」
律「今度、見合いをする相手に……断るよ」
澪「ほ、本当か?」
律「あぁ……だからさ澪……今度からは二人で一緒にいよう」
澪「うん……でも、大丈夫なのか?見合いを断ったりなんかして」
律「きっと大丈夫だろ。無理矢理、婚約させられそうになったら逃げるしな」
澪「そうか……」
律「お前とは交じり合えたしお互いの事をもっと知る事が出来た……ありがとう澪」
澪「礼を言いたいのは私の方だ。ありがとう律」
この後、二人で長い時間話し合い朝を迎えた。
さようならと言う律の声はとっても明るかった。
私は目が見えない。
暗闇しか知らない律は私に光を教えてくれた。
第五話
おわり
最終更新:2010年10月17日 22:03