梓「はぁはぁ……」

唯「はぁはぁ……」

梓「ふぅ……」

唯「うぅ……あずにゃんのいけず……」

梓「いやいや、ありえませよアレは……」

唯「……まぁ、いっか…」

梓「え……?」

唯「そろそろ本命のメインディッシュにいってみようか♪」

梓「え…?ええっ…??」

唯「じゃじゃーん!!ネコちゃんのコスプレ、フルセットぉー♪」

梓「………」

唯「この可愛い尻尾を付けてぇ♪首輪には、鈴も付けてね!あずにゃんっ♪」

梓「………」

唯「あずにゃん??」


梓「にゃ………」

唯「にゃ…??」


梓「にゃあああああ!!!っ」

梓「唯先輩ばっかりズルいっ!!ズルいですよっ!!」

梓「唯先輩もコレ着て下さいッ!!」

唯「え…?何これ…白いドレス??」

梓「ウェディングドレスですっ!!」

唯「えーとっ……コレ着たら、あずにゃんも猫耳になってくれる…??」

梓「なりますっ!なりますともっ!!だから是非っ…!!」

唯「…うん、わかった♪じゃあ、ちょっと待っててね?」

梓「はいっ!!」


梓「………」

梓「………ふぅ」ドキドキ



― 数分後 ―

唯「……っと。えへへ…」

唯「あずにゃーん、どう…かな?」

梓「……っ!!」ドキッ

梓「唯先輩………キレイっ……」

唯「えへへー……何だか花嫁さんになった気分…」

梓「……」ポーッ

唯「あずにゃんも可愛いよ?」

梓「……」

唯「……こっちおいで」

梓「………コク」‥‥

唯「えへへ~…っ♪」ぎゅ~っ!!


唯「あずにゃん可愛い…」

唯「私、ネコさんのお嫁さんになったみたい………」

………

― お食事中 ―

唯「はい、あ~ん…♪」

梓「あ~ん…って!何やってるですか、先輩はっ!!」

唯「ん~?……だってぇ…」

唯「あずにゃんが可愛いすぎるんだもんっ…♪」

梓「理由になってないですよそれっ?!」

唯「まあまあ…♪」

唯「ほら、ジュースでも飲もうっ♪」

梓「はいっ……ズズッ…ってぇぇえ!?なんで一緒にストロー差して飲んでるんですかっ!!」

唯「まあまあ…気にしない、気にしない♪」

梓「いや、気にしますよコレっ!!?」


唯「ここに1本のポッキーがあります」

梓「パフェに付いてたあれですね…」

唯「あずにゃんっ♪」

梓「やりませんよっ!?」

唯「え~?やろうよ、ポッキーゲームぅ…」

梓「こんな人前で…そんな事、できませんよっ!?」


唯「…………人前じゃなきゃいいの??」

梓「…………えっ?」

唯「だーっかーっらーっ!人前じゃなきゃいいの??」

梓「え、えぇぇぇっ!??」

唯「良いの?悪いの?どっち!?」

梓「え、えーとぉ!?…あのー……そのぉ…??…」


唯「………」ジーッ

梓「あの……だからっ………!!」

唯「………」ジーッ

梓「えーとぉ……あの、ですね……!?」

唯「………」ジーッ

梓「そ、そのー……わ、悪くは……ないです、けど…///」

唯「………♪」ニコッ


唯「あずにゃん、このパフェ一緒に食べようっ♪」

梓「………はい///」



― 映画館 ―

唯「………」

梓「…………(ラブストーリー、か…)」


――…………~~


唯「………うぅ…」グスッ

梓「………唯先輩……」


――ぎゅっ…


唯「あずにゃん……?」

梓「手を…繋いでいましょう……?」


唯「うんっ………!」



………………

………サラサラ…‥サラサラ…‥

唯「えへへー、あずにゃんっ♪」

梓「何ですか、もう…」

唯「ううーん、何でもなーい…♪」

梓「まったく……」

唯「あ、アイス売ってる!一緒に食べようっ!」

梓「いやさっきパフェ……あー、私はこっちの鯛焼きの方にします」

唯「ふふふっ……」

梓「もう…さっきからニヤニヤして……何ですか」

唯「なんでもなーい…♪」

唯「あ、ちょっと交換しようよ!」

梓「え…いや私は……」

唯「ほらっ、こっちのアイス食べていいからっ♪」

唯「……~♪」

梓(コレって………///)

………サラサラ…‥サラサラ…‥


梓(………幸せだなぁ…)

梓(………唯先輩……)




梓(本当に……何処かに行っちゃうんだろうか…)

梓(嫌だよ……せっかく私は……此処まで来たのに!…)


唯「…………」


梓(唯先輩………)

梓(私はっ…………)



唯「ねぇ、あずにゃん…?」


唯「あのね………」

唯「私は…………」

唯「もう、此処には長くいられないの……」



――ヒュォォォ……

梓「………っ」

梓「ヤダ……イヤだっ……!」

梓「唯先輩……行っちゃやだーーっっ……!!」


唯「あずにゃん………」

梓「うわああああん……!っ」ぽろぽろ


唯「…………」

唯「………ごめんね?」


梓「唯先輩ぃ………」


梓「私は………あの時の…猫なんですっ…!」



―『わあ、可愛い猫さんだねっ!』

――にゃあ…

―『どうしたの?独りぼっち?』

――……

―『凍えているの…?』

――……

―――ぎゅうぅ…

―『もう、大丈夫だよ?』

―『暖めて、あげるから…』

――にゃあ……



梓「私は、あの時…唯先輩が抱きしめてくれた、猫なんです……っ」


梓「寒い、冬の日だった…」

梓「雪が降り積もってて…私は凍えそうになってて…」

梓「真っ暗で…独りぼっちで……」

梓「……ここで、私はこのまま冷たくなってしまうんだと思いました…」


梓「唯先輩……」

梓「私は、あれからずっと…唯先輩を探していて…」

梓「もう一度、会いたくて…」

梓「ずっと……ッ!」



唯「あずにゃん……」


唯「そっか…あの時の猫さん、あずにゃんだったんだ……」

唯「どおりで…探してても見付からなかったわけだ…」

梓「唯先輩…?」

唯「私も…探していたんだよっ?」

唯「ずっとずっと…あの時の猫さんが心配でっ…」

梓「唯先輩っ……!」ギュッ

唯「あずにゃんっ!……」ギュウッ


唯「もう……いいよね?」

梓「え?…………」


――チュッ…



唯「あずにゃん………」


――チュッ……


……

憂「………」

憂「私はもう、1番にはなれないのかなぁ…?」

憂「お姉ちゃん…」

憂「今頃、梓ちゃんと仲良くデートしてるんだろな…」

憂「お姉ちゃん……」

憂「うぅ………」


――ガチャッ!

唯「憂ぃ~、ただいまー!」

憂「お姉ちゃんっ!!」ガシッ

憂「お姉ちゃん……お姉ちゃん……っ!」ぎゅう~

憂「お姉ちゃん………っ」

唯「憂ぃ………?」

唯「…………」ナデナデ

唯「大丈夫だよ……私は憂の事も大事なんだから、ね……?」



― 学校 ―

唯「ムギちゃん…」

紬「ふふっ、なあに?」

唯「私、あずにゃんの可愛さは異常だと思うの…」

紬「あらあら…♪」

唯「そして私はついにっ…!その秘密を解き明かしたのだよっ!!」

紬「まあ…凄いわ♪」

唯「あずにゃんは…なんとっ! 本当に猫さんだったのだーっ!!」

紬「ふふふっ、あらあらまあ♪」

唯「……ってもうーっ!!ムギちゃん、やっぱり最初から知ってたでしょー!?」

紬「ふふっ、ようやく気付いたのね?」


唯「もうっ、知ってたんなら教えてくれても良かったじゃん!」

紬「唯ちゃん…これは二人の問題だもの」

紬「梓ちゃんが何も言わないのに、私が勝手に教えるわけにはいかないでしょう…?」

唯「ぶーっ、ぶーっ……」

紬「うふふっ…♪」



唯「………」

唯「………」

唯「………ねぇ」


紬「……ダメよ?」

唯「でもっ!! 私…このまま何も言えずにお別れするのが辛くて……」

紬「唯ちゃん……」

紬「これもルールなのよ……」


…………

律「よーし、今日も練習すっかぁ!」

梓「発表会も間近に迫ってますしね!」

澪「今度のはいい出来になりそうだなっ!」

唯「私も頑張っちゃうよーっ!」

紬「うふふっ…♪」


ジジャーン!!…

澪「よし、バッチリだな……!」

律「おお、こりゃあ楽しみになって来たぞっ…!」

紬「そうねっ……」

唯「うんっ!………」

梓「はいっ………!」


― 帰り道 ―

唯「あずにゃん……」

梓「唯先輩っ………」


――チュ…

唯「えへへっ……」

梓「………///」

梓「唯先輩………」

梓「どうして…行ってしまうんですか……?」

唯「…………」

唯「ごめんね、何も答えられないの……」

梓「唯先輩………」

梓(――こんなに、近くにいるのに………)

梓(――行かないでよ、唯先輩っ………)


――ぎゅうぅ…

梓「唯先輩……」

唯「あずにゃん……」


……ペロッ!

梓「ひゃうっ!!?」

唯「あずにゃんの耳、可愛い…」


……ペロペロッ!

梓「ひゃあっ!? み、耳を舐めないで下さいっ!…///」

唯「あずにゃんっ……!」


……ペロペロペロッ!

唯「首も…舐めさせてね?」

梓「ひゃうっ!? ゆ、唯先輩……それ以上やられたら、私…っ」


唯「あずにゃん……」

唯「あずにゃん可愛い………」


――ぎゅうぅ…

唯「あずにゃん……」

梓「…………」

唯「ごめんね……ごめんね……」ぽろぽろ


梓「……、唯先輩………」



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最終更新:2010年01月07日 18:36