唯「だから頭なでるのやめて」
和「えっ……」
唯「部活始めてから、私だってしっかりしてきたでしょ」
和「ごめん……嫌だったのね」
唯「い、嫌っていうか……えっと」
犬「キャンキャンキャン!」
和「うわ!(相変わらず警備熱心だな、ここの犬は)」
唯「和ちゃんにほえたな!わんわんわん!」
犬「キャンキャンキャン!」
唯「わんわんわん!」
和「……」
和「ゆ、唯……もういいから行くよ」
唯「まだ勝ってないよ!」
犬「キャンキャンキャン!」
唯「わんわんわん!」
和「唯の勝ちよ。私が判定したわ」
唯「和ちゃんは身内じゃん!それは犬に不利だよ!」
和(変な所で頑固な……)
犬「キャンキャンキャン!」
唯「わんわんわん!」
和(どちらかが倒れるまでやる気かしら)
和「唯、もういいから勝たせてあげなさい」
犬「キャンキャンキャン!」
唯「わんわんわん!」
和「……いい加減にしないとメッよ」
唯「うぅ~……分かったよ」
和「いい子ね」ナデナデ
和(あっ、しまったつい癖で)
犬「キャンキャンキャン!」
唯「まいっか~、目はつぶらだもんね。行こう和ちゃん」
和「うん……(あれ?平気なのかな?)」
唯「へへっ、腕組んでもい~い?」
和「あら?ちゃんと許可を求めるなんて珍しいわね」
唯「もう大人ですから!」ギュッ
和(でも返事は待たないのね)
唯「えへへっ、和ちゃんポカポカする~」
和「ふふっ、唯もね」
唯「そういえばさあ~」
和「ん?」
唯「私、和ちゃんのコバンザメって言われてたよね~」
和「中学の時ね」
唯「おもしろかったな~」
和「そうかしら」
唯「そうだよ~」
和「そうかも知れないわね」
唯「でも女同士は結婚できないのにね!」
和「そうね」
唯「……」
和「ゆ、唯?(何で急にむくれてるんだろう?)」
唯「……」
和「ねえどっか寄ってく?たまには奢るわよ」
唯「……いらなーい」
和「どうしたの?遠慮しなくてもいいのよ」
唯「いいもん」
和「何よ唯らしくないわね」
唯「……私らしさって?」
和「え?」
唯「和ちゃんは何にも分かってないよ、私の事なんて」
和「唯……(頬っぺた押したい)」
唯「部活に入ったのに、全然観にも来てくれないしさ」
和「そりゃ私だってそれなりに忙しいのよ」
唯「前はこうじゃなかったのに」
和「そんな事ないわ。私はいつだって唯を一番に思ってる」
唯「ふえっ?」
和「あっ……もう!変な事言わせないでよ!」カァッ
唯「そう、そうなんだ~」ニコニコ
和「うるさいわね。あんまり調子に乗らないでよ」
唯「照れなくてもいいのに~ぃ、このこの~」
和「しょうがない子ね」
唯「私もね、和ちゃんがいないと生きていけないよ!」
和「それだと何かダメな人みたいだけど……」
唯「うん私、和ちゃんがいなきゃダメなんだ!」
和「そこまで言うと清々しいわね」
唯「そうでしょ~」
和「決して褒めてないから」
唯「じゃ、コンビニ寄ってこ~」
和「コンビニ?」
唯「和ちゃん奢ってくれるんでしょ?」
和「突然機嫌良くなったと思ったら……」
唯「忘れたとは言わせないよ~」
和「ふぅ……ちゃっかりしてるわね」
唯「えへへ~」
和「えい」プニッ
唯「にゃにするにょほ~?」
和(かわいい……)
コンビニ
唯「和ちゃ~ん、うすしお買ってー」
和「ポテチか。私はフレンチサラダにしよっと」
唯「え~、ポテチはうすしおが一番じゃん~」
和「でも味物足りなくない?」
唯「分かってないね」
和「む?」
唯「うすしおが一番素材を活かしてるんだよ」
和「ほう。通っぽい意見ね」
…
唯「和ちゃんウチ来ない?食べ比べようよ~」
和「えっ、今から?」
唯「実はそっちも好きだし」
和「じゃあもう一つ買ってあげるわよ」
唯「それはルール違反です」
和「ええっ」
唯「生徒会なのにルール破るんですか?」
和「分かったわよ……分からないけど」
平沢家
唯「うい~、おかえり!」
和「ただいまでしょ唯」
憂「おかえりお姉ちゃん!いらっしゃい和さん!」
和「ごめんなさいね。突然押し掛けちゃって」
憂「とんでもない、和さんはいつでもウェルカムですよ~」
和「ありがとう憂」
唯「私もウェルカムだよ~」
和「唯が引っ張ってきたんでしょ」
憂「泊まっていかれるんですよね?」
和「ええ。明日休みだし家にも連絡したわ」
唯「今日は一日中、和ちゃんに甘えるよ」グリグリ
和「はいはい」
憂(あんなに和さんの胸に顔を埋める、お姉ちゃんかわいい!)
憂「じゃあ私、すぐご飯作っちゃいますね」
和「あ、私にも何か手伝わせて」
憂「えっ?でも和さんはお客さんだから……」
唯「そうだよ~、私に耳掻きとかして~」
和「唯は宿題やってなさい。後で見てあげるわ」
唯「あうっ……和ちゃんのいぢわる……」
和「今日は何を作るの憂?」
憂「アジのムニエルを……」
和「あっ、安~い!特売やってたんだ!」
憂「分かります?卸値価格って感じですよねこれって!」
和「角のスーパー?あそこはたまに思い切った事するのよね」
憂「そうなんですよ~、油断なりませんよね」
唯「……」
和「じゃあ私このアジをさばくわ」
憂「助かります」
和「~♪」
憂「わぁ、上手ですねえ!さすが和さん!」
和「これでもお姉さんだからね」
憂「というか和さんって、私達よりずっと大人って感じがします」
和「……それは何だか嬉しくないわね」
憂「あっ、もちろんいい意味でですよ!いい意味で!」
唯「ね、ねえ~……」
憂「どうしたのお姉ちゃん?」
唯「私もお手伝いするよ~」
和「台所に三人もいたら狭いわよ。大人しく勉強してなさい」
唯「和ちゃんには聞いてないもん!」
憂「わ、私もその方がいいと思うな……」
唯「うい~……」
和「気持ちだけもらっておくわ唯」
唯「わ、分かったよ~」
憂(大人しく言う事を聞く、お姉ちゃんかわいい!)
和「思えば憂って、いつも一人で家事やってるのよね」
憂「えっ?はい」
和「大変よね、学校もあるのに」
憂「私、家事好きですから別に」
和「偉いっ!」ナデナデ
憂「のっ、和さん!?」
和「あっ、ごめんなさいつい。唯にも注意されたんだけど」
憂「いえ私は別に……」ドキドキ
和「憂みたいな妹がいて、唯は幸せ者よね」
憂「お姉ちゃんみたいな姉がいて、私も幸せですよ」
和「ふふっ、確かに唯といると意味も無く幸せになれるわね」
憂「あの……和さんに褒められたのは嬉しかったです」
和「な、何だか改まって言われると照れるかな……」
憂「そ、そうですね……」
和「あ~、もう!姉妹揃ってかわいいなあ!」ギューッ
憂「……」カァー
唯(うう……和ちゃんったら憂ばっかり……)
……
唯「ごちそうさま!今日は特別においしかったよ~!」
憂「和さんが手伝ってくれたおかげだね」
唯「それに和ちゃんが一緒だったからだよ~」
和「その言葉、私も二人にお返しするわ」
唯「えへへ~、和ちゃ~ん」ガバッ
和「じゃあ勉強するわよ」
唯「ええ~!」グリグリ
和「ダメよ甘えたって」
憂「あ、あの~、私もいいですか?」
和「あら憂が?いいわよ」
憂「わ~い!和さ~ん!」ガバッ
和「ちょ憂!?(勉強じゃなかったの!?)」
唯「あっ!ずるうい~!」グリグリ
憂「だって私だってたまには甘えたいんだもん」グリグリ
唯「だったら私に甘えなよ~」グリグリ
憂「今は和さんがいいの」グリグリ
和「……いい加減にしなさい」
……
唯「えへへ~、和ちゃんと一緒に寝るの久し振りだね!」
和「そうね嬉しいわ」
唯「あっ、私の方が嬉しいんだから~」ギュウッ
和「はいはい(今日はホントに随分甘えるわね唯)」
憂「あのう……」ガチャ
和「んっ?」
唯「うい~?どうしたの?」グリグリ
憂「私もお姉ちゃん達と一緒に、寝てもいいかな……」
唯「そっか一人じゃ寂しいよね~、おいで」
和「ふふっ、やっぱり仲がいいわねあなた達」
憂「ありがとうお姉ちゃん」
唯「じゃあ憂には私のベッド貸すね」
和「えっ、唯が私の方に来るの?」
唯「だってベッドで二人じゃ落ちるかも」
和「そうかな?」
唯「そしたら和ちゃん下敷きに」
和「それは困るわ……」
憂「何だかごめんなさい」
唯「謝る事ないよ~(和ちゃんと一緒の布団♪)」
憂「そうだ、私が和さんと寝るよ」
和「私と?」
唯「なっ、そんなのダメだよ!」
憂「ダメ?」
唯「一人が寂しいなら、憂にはギー太を貸すよ」
憂「それは遠慮するね……」
唯「じゃあ大人しくベッド行きなよ~」
憂「分かったよ……あの和さん」
和「なに?」
憂「和さんの手を握っててもいいですか?」
和「ええ……別に構わないけど」
憂「良かった~!えへへっ!」
唯(憂ったら……和ちゃんは私の友達なのに)
唯(でもおかげで堂々と、和ちゃんお触りタイムだよ~)
和「……唯、あんまり変な所触ったらメッよ」
唯「え?何?聞こえない」モゾモゾ
和「ゆ、い」ギュウッ
唯「い、いたた……(ちぇっ、和ちゃんのケチンボ!)」
和「大人しく寝なさい」ポンポン
唯「うん(でも和ちゃんに密着してるだけで、凄く安心する)」
和「唯……いい子ね」
唯(……幸せ~)
それから数日後
和「……」ボー
澪「ちょっと和、聞いてるのか?」
和「あっ、澪ごめんなさい……何?」
澪「もういいよ……最近上の空だけど大丈夫?」
和「そ、そうかしら」
澪「唯とクラス離れたのが、まだショックなのか?」
和「ほんの少しね」
澪「まあ、気持ちは分かるよ」
和「軽音部での唯はどう?しっかりやってる?」
澪「うん。たまに律とつるんでさぼるけど」
和「しょうがないわねあの子は」
澪「それでさ、和って夢とかってある?」
和「ああ、そういえばそんな話をしていたのね」
澪「言いたくないならいいけど」
和「夢か、あるわよ」
澪「へえ~、何々~?」
和「唯の花嫁姿を見る事」
澪「……」
和「あれっ?おかしい?」
澪「おかしいだろそれは……親じゃあるまいし……」
和「でも唯が無事に育ってくれたら感無量だわ」
澪「笑う所かそれは」
和「だから軽音部には感謝してるのよ。あの子変わったし」
澪(親は親でも親バカすぎる……)
最終更新:2010年01月07日 18:58