自宅!
憂「あ、お姉ちゃん、おはよう。今日は早いんだね?まだ6時だけど…」
唯「ういおはよー。何かさー、夢で変な子が出てきて…」
憂「変な子…?あ、お姉ちゃん朝ご飯食べる?」
唯「うん、そうなんだよ。何かねー、軽音部のみんなでいる夢だったんだけどね。食べる食べるー」
憂「うん?」
唯「なんとっ!!私とりっちゃんと澪ちゃん、ムギちゃん、あずにゃんだけじゃなかったんだよ!!」
憂「へー…?」
唯「みんなでお茶して、部室で演奏して…名前も…。うーん~…」
憂「でも、軽音部って5人だけだよね?」
唯「うん。それは間違いないんだけど、その子が私たちと溶け込みすぎてて変な感じだったんだよね」
憂「変な感じ?」
唯「まるで、軽音部は6人が普通みたいなさ…」
憂「お姉ちゃん?」
唯「ごめんうい。やっぱり何でもないや、気にしないでっ!」
憂「?あ、うん。お姉ちゃんが良いならいいけど…」
憂は知らないみたいだけど、私はその子の名前も知っている。
いつもは起きたら断片的でしか記憶できていない夢だけど、妙に頭に残ってる。
確か名前は…
三浦 茜…?
唯「三浦…茜ちゃん…、知ってる気がする…。けど…」
また寝たら出てきてくれるかな。
通学路!
和「あら唯、おはよう。今日は珍しく早いのね」
唯「おはよー和ちゃん。ムムー!失敬な!」クネクネ
憂「おはようございます。和さん。今日は何時もより早いんですね」
和「周りに誰もいないし敬語じゃなくていいわ。生徒会の仕事が少し残っててね…。もうすぐ文化祭だし、やる事が沢山あって」
憂「あはは、やっぱり大変なんだね」
和「私達には最後の文化祭だし、みんなに良い思い出残してあげたいしね。…って、唯どうしたの?」
唯「おーっとぉさすが和ちゃん!!わたしが悩んでいることに気づいたんだね!!?」クネクネ
和「そりゃ人差し指唇に当てて上半身クネクネさせてれば何かおかしいって思うわよ…」
唯「まぁそれは置いといて和ちゃん!!ちょっと聞きたいことがあるんだけど!」
和「何を置いとくのかわからないけど。何?」
唯「軽音部って何人いたっけ?」
和「………はぁ?」
和「なるほどね。唯が昨日見た夢の中ではいつもの軽音部の5人以外にも、もう1人、別の人がいた…と」
唯「そーなんだよぉ。今でもすごーく覚えてるし…、いつもは夢見ても起きたら全然覚えてないから、何かヘンだなーって」
和「そうなんだ。それじゃ私、生徒会行くね」
唯「って、えー!??!ちょっと和ちゃん!もーちょっと考えてくれてもいいんじゃないかいぃ!というかまだ学校着いてないし!!!!通学路だし!!」
和「だって夢でしょ…それ。真剣に考えられる訳ないじゃない」
唯「和ちゃんのいけずぅ~…、これでもわたしは真剣なんですよ!」
和「そうなんだ。それじゃ私、生徒会行くね」
唯「2回目だよ!??!」
憂「(さすがに酷いような…)」
教室!
律「おーっす唯」
唯「あ、りっちゃんっ!早いんだね今日は!」
律「お前もな。あたしは日直だったのと、ドラムちょいメンテしたかっただけ」
唯「ふーん…、ねぇりっちゃん」
律「あー?」
唯「軽音部…、放課後ティータイムってさ」
律「ん?」
唯「…何人いるっけ?」
律「……はぁ??」
唯「ですよね。やっぱりその反応ですよね」
律「…なるほどな。6人目のHTTのメンバーか」
唯「おぉ!!和ちゃんとは違う反応だよ、りっちゃん!」
律「授業始まるぞ唯」
唯「」
律「1時間目は数学っと。そいや宿題やってねぇな…」
唯「りっちゃん酷いよ!!というかまだ30分以上時間あるよ!!教室にわたしとりっちゃんしかいないよ!!そして数学の宿題わたしもやってないよ!!!」
律「夢の中の話を真剣に考えろと言われても困るっつの…。宿題するか」
唯「はい」
数分後!
澪「おはよ。2人とも」
紬「おはようー」
唯「あぁ!!澪ちゃんムギちゃん!!!ちょっと聞いてほしいことあるんだけど!!!」
澪「どうした突然?」
律「宿題見せてくれ」
澪「そんなことだろうと思った…」
紬「私友達に宿題写させてあげるのが夢だったの~」
唯「ぶー!!!」
その後、澪ちゃんとムギちゃんに夢の事を話してみたけど、見事にスルーされましたとさ。
放課後!部室!
律「おう。…って唯だけか。そいや澪とムギはちょっと遅れるって言ってたっけな」
唯「ねぇりっちゃん。さっきの夢の話なんだけどぉ…」
律「うわ、まだそのネタ引っ張るのかよ」
唯「だっておかしいんだよ!!こんなにハッキリクッキリ覚えてるなんて!!」
律「はいはいわぁーったよ…。どうせ澪とムギはまだこなさそーだし」
律「で、ミウラアカネ…だっけか。あたしは聞いたこともないぞ。佐藤なら知ってるが」
唯「うーん…。私も実は昨日の夢までは知らなかったんだけどね」
律「その子の見た目とか覚えてんの?放課後ティータイムのメンバーってことはうちの学校の生徒なんだろ」
唯「!!!」
律「生徒じゃなければ唯の妄想確定だけどな」
唯「ぶー!りっちゃんてばまたそんなこと言う!!」
唯「…見た目はねー、んと、ポニーテールで凄く身長が高くて…、髪の毛がピンク色だったかな!」
律「ピンクて」
唯「胸がすっごいおっきかった気がするよ!!澪ちゃんよりも!」
律「ピンクて。髪の色がピンクて」
唯「あ、あと私はデビちゃんって呼んでた!!!」
律「ピンクでデビちゃんて」
唯「本当だってばぁ!!」
律「唯が真剣すぎるからちょっとは信じたいけどさぁ。さすがに髪の色がピンクの奴なんかうちの生徒で見たことないぜ」
唯「うむむ…」
廊下!
梓「ねぇ憂…」
憂「なにー?梓ちゃん。もう放課後だけど軽音部はいいの?」
梓「あ、行くけど。ちょっと気になることがあって」
憂「気になること?」
梓「うん」
純「おーっとォ!?ついに春が!?春がきたのか!?」
梓「いたの純。あとうるさい」
純「はい」
憂「で、気になることって?梓ちゃん」
梓「三浦…茜…さんって知ってる?軽音部のはずなんだけど、6人目の…」
憂「え?」
純「誰?」
梓「…2年生のはずなんだ…。同じクラスのはずなんだ。転校生で…」
憂「うちのクラスにはそんな子はいない…よね?」
純「いないね。夢でも見てるんじゃないの?もう放課後だけど」
梓「うん、夢」
純「…へ?」
梓「もう何日も連続で夢で見るんだよね。三浦茜さんって人と一緒にいる夢」
純「ちょっとちょっと、夢で出てきた人が現実にいるわけないじゃ…」
梓「みんなに忘れてほしくないって、何かそう言われてるみたいなんだ」
梓「でもうちのクラスどころか、2年生でも三浦茜さんって人はいないみたいなんだよね」
憂「…あ。何かお姉ちゃんも朝にそんなこと言ってたような…?」
梓「唯先輩が…?」
憂「うん。偶然かもだけどね。6人で演奏してたって」
梓「…」
純「あ、梓?」
梓「ゴメン、部活行って来る!またね!」ダッシュッ
憂「?うん。また明日ねー」
純「何がなんだかわからない」
部室!
澪「さて、お茶も軽く飲んだことだし練しゅ…、って梓がまだか」
律「アイスうめえ」
唯「……」
紬「…唯ちゃん?」
唯「ハッ!!!!!!!」
律「!ぶふぉっ、いきなり大声出すなよ!」
唯「りっちゃん!!凄い情報を思い出したよ!!!!」
律「へ?」
澪「唯また夢の話か…?」
唯「夢だけど!夢じゃなかった!」
紬「夢じゃなかったー」
唯「って違う!デビちゃん情報だよ!!」
律「はいはい…」
唯「なんとデビちゃん!公園で暮らしてるんだよ!!」
律「ここにきてホームレスかよ!!!」
澪「ゆ、唯…、いい加減にしてくれ」
唯「み、澪ちゃん」
澪「別に唯の夢の中の話を貶したいわけじゃないけど、それは夢で出てきた人物だろ?」
澪「確かに具体的に覚えてるのはちょっと不思議だけど、それに私達を巻き込まないでくれよ頼むから」
紬「あらあら」
唯「…うっ…ごめんね…、そうだよね」
律「(澪はピンク髪で高身長であだ名がデビちゃんだから、勝手に見た目想像して怖いと思ってるだけだなこれ)」
唯「よしっ!うん、夢の子は忘れることにするよ。今日は朝から今まで本当にごめんね、みんな!」
律「ほいよ」
「 「 「 待ってください!!! 」 」 」
パーン!
唯「あ、あずにゃーん!」
律「よう、遅かったな。今度からはメールして…」
梓「唯先輩が言っている夢の人…、私も知っています!」
澪「!!」ビクッ
唯「あずにゃん…?」
梓「三浦茜さん…ですよね。ピンク色の髪をした女の子…」
梓「身長が高くて、でも細くて、楽器は確か…」
唯「う、うん。でも…」
梓「私も夢で見ているんです…、何度も…」
唯「えっ」
律「は?お前…」
紬「あらあらまぁまぁ」
澪「見えない聞こえない見えない聞こえない」
梓「夢の中で、確かに三浦茜さんと言う方は放課後ティータイムの一員でした。一緒にお茶して練習して…ライブもしました」
唯「あずにゃん…」
梓「おかしいと思いませんか!私と唯先輩が揃って同じ人が登場する夢…、しかも実際に存在していない人の夢を見ているなんて」
唯「あずにゃん、デビちゃんが出てる夢見たの、一回じゃないんだよね?」
梓「…はい」
澪「おい2人ともいい加減にしろよ…、偶然だよ偶然」
梓「唯先輩が何回見ているのか知らないですけど。私はココ最近毎晩夢に登場してきます」
澪「ま、まいば…!?」ビクビクゥ
唯「私は昨日が初めてなんだよあずにゃん…、何とも不思議ですなぁ…」チラッ
紬「…りっちゃん」
律「ったくしょーがないなぁ…。」
澪「律っ!?」
唯「りっちゃんーっ!!」ダキッ!!
律「うわっと!!か、勘違いすんなよ。別に信じたわけじゃないからな!」
梓「律先輩っ…」
律「そこまで気にされてちゃ練習もまともにできないだろ、唯なんか今日の授業ほとんどボケっとしてたし」
唯「それはいつものことだよりっちゃんっ!!」
律澪「いばんな」
……。
梓「夢で見た限りは2年生、しかも私と同じクラスだったような気がしたんですけど、三浦茜さんなんて方はいません…」
澪「ピ、ピンクの髪であだ名がデビちゃんだなんて…」
律「そこだよな。ポニーテールはともかく、ピンクに髪染めた奴なんて見たこともねーんだよなあ…」
唯「ピンク髪は地毛だよりっちゃん!!」
律「もっとねえよ」
みんなで色々話し合ってみたけど、結局この日は特に進展もないまま終わりました。
確かにピンクの髪してるなんて凄く目立つはずなのに、私を含めてみんな見たことないんだよねー…
やっぱりあずにゃんが言った通り実在しない人なのかな…
しかし次の日、まさかの出来事がっ!
通学路!
澪「おはよ、律」
律「……」
澪「?律」
律「……」
澪「お、おい聞いてr」
律「澪、おはよ」
澪「!な、なんだよ全く…」
律「ちょっと聞いてくれ。いや、聞き流してくれてもいい」
澪「な、なんだよ。それよりも今日の英語の宿題…」
律「三浦茜の夢みたわ…」
澪「えっ」
澪「えっ」
澪「い、いいいいいいいきなり何を言うんだ律っ!!?」
律「しょうがないだろ。出てきちまったんだからさ」
澪「わ、私を怖がらせようとしたって無駄だからな!!」
律「そんなつもりねーよ。それと三浦茜って奴、別に怖い奴じゃなかったぞ」
澪「ち、ちち違う!そういうことじゃないんだよ!」
律「じゃあなんだよ…ったく…」
律「あ…」
澪「今度はなんだ!?」
律「英語の宿題見せてくれ」
澪「…」
最終更新:2010年10月19日 21:48