教室!

憂「と、突然どうしたの梓ちゃん…」

梓「…え?」

憂「今お姉ちゃんを可愛いって…」

梓「え。おかしい?憂はいつも言ってるじゃない」

憂「私はそうかもしれないけど…。梓ちゃんがそんなこと言うなんて」

梓「確かに最初はね…、抱きつかれたりして…」
「恥ずかしいからやめてほしいって思ってたんだけど」

憂「……」

梓「最近になってさ。気づいたら、唯先輩を目で追いかけるようになってたんだよね」

憂「……そう…なんだ」

梓「告白してみようかな。もうすぐ唯先輩たち卒業だし。それまでに」

憂「……ッ!!!」
「だ、ダメだよ梓ちゃんっ!!!ダメ!!!」

梓「…え?」

憂「お、お姉ちゃん今練習で忙しいし、告白なんて…!」

梓「憂?どうしたの?」

憂「ともかく告白なんてダメだから!!絶対絶対ダメだから!!」

梓「……憂、あなたまさか」


バターン!!

純「おっはよー、2人とも!!」

憂「……」ギリギリ

梓「……」ギリギリ



純「…何この空気」


お昼休み!


梓「いただきます」

憂「…いただきます」

純「ね、ねえ。2人とも朝から様子が変だよ?何かあったの?」

梓「別に?」モグモグ

憂「特に何もないよ?」モグモグ

純「………とてもそうには見えないんだけど」


梓「ごちそうさまでした」パッ

純「早っ!!早っ!!僅か数行で食べ終えたよこの子っ!!」

梓「…練習があるからね」

憂「……」ピクッ

純「あ。軽音部?もうすぐ卒業しちゃうのに先輩たち練習してるの?」

梓「うん。でも練習って言うよりは、楽しんで演奏してるだけって感じだけど」
「(しかもほとんどお茶してるだけだし…なんて)」

純「へ…、あの先輩たちがねー…」

憂「わ、私も…」


梓「行 っ て く る ね、憂」


憂「……行ってらっしゃい」

純「…なんなのコレ」

憂「(梓ちゃん、まるで私には来るなって言ってるみたいに…!)」ギリギリ



部室!


ジャガジャガジャーン!!


律「はーっ、今日も練習した練習した!ムギー、お茶っ!」

紬「はいはい♪ちょっと待っててね」

澪「お、おいまだ一回全員で合わせただけじゃないか…」

唯「つっかれたよーっ!!」

律「まぁまぁ、あたしらはもう自由登校なんだし、これだって暇潰しでやってるようなもんなんだしさ」
「硬いこと言わずにまったりいこうぜ澪せんせぇ」

澪「またそんなこと言って…。相変わらず律のドラムは走り気味のままなんだぞ」

律「へいへーい。気ぃつけまーすっ」

梓「良いじゃないですか澪先輩。今の演奏は凄く良かったと思いますし」

澪「あ、梓まで…。…まったく!」

……。

唯「ふぃー、極楽だねぇ…」

紬「あらあら唯ちゃん、こんなところで寝たら風邪引いちゃうわよ?」

梓「そ、そうですよ唯先輩。もうすぐ卒業式も控えてるんですから…」

唯「えーっ?…なら、あずにゃん暖めてっ!」ダキッ

梓「にゃぁっ!!?も、もう…///」

唯「デヘヘ…。あずにゃんあったかいのぅ…」ホクホク

梓「(あ…、唯先輩のにおい…)」


律「…最近、どうみても嫌がってるように見えないよな、あれ」

澪「そ、そうかな…」

紬「うふふ」

梓「ゆ、唯せんぱ…い…///」ダキッ

唯「わっ、あずにゃん…?」


律「おい、ついに抱き返し始めたぞ」

澪「…///」ドキドキ

紬「いつフラグ立ったのかしら」


ガチャッ(部室のドアが開く音


唯「あ、うい~」パッ

梓「ッ!?」


憂「お姉ちゃん!アイスもってきたよー!」

唯「おぉぅうぅ!?ういありがとうぅっ!持つべきものは妹ですなぁ!」

梓「(…アイスって…。ワザワザ買ってきたの…ッ!?)」ギリッ

憂「(一度来てしまえば今後も来やすいというもの…!)」フフリ


唯「しろくまー」


梓「(唯先輩と会う口実を作るためだけにアイスを…。そこまで…憂…!)」

憂「あははっ、演奏で疲れちゃってるかなって思ってっ!」



律「やっぱりというか何というか」

澪「唯の分のアイスだけか…」

紬「(フラグが立ってたのは梓ちゃんだけじゃなかったみたいね!)」


憂「あ、もちろん皆さんの分もありますよ?」
「何が良かったのかわからなかったので、適当に私が選んじゃいましたけど…」

律「おっ!ほんとか!ありがたやありがたや。………ガリガリ君とか懐かしいな」


澪「…チューペット///」

律「名前の響きだけで興奮してんじゃねーよ」

紬「(安いのばっかりね…)」


憂「あ、ごめんね。梓ちゃんの分はないんだ」

梓「………!?」

唯「え?うい……?」

憂「あ、誤解しないでねお姉ちゃん。梓ちゃん最近下痢気味なんだって」

梓「(な…っ!げ、下痢っ!?)」

唯「そうなんだあずにゃん。そんな事まで考えてるなんて、ういは優しいね~」ナデナデ

憂「えへへ…///」


梓「(言うにことかいて下痢だなんて…、私へのマイナス評価にも繋がる…!くっ…!)」

紬「(ライバルに甘い蜜を吸わせず、かつフォローも完璧だなんて)」
「(憂ちゃんのことを正直舐めていたわね…!)」



澪「…チョコモナカジャンボ///」

律「次からスルーするから」


キーンコーンカーン(チャイム音


紬「あ、チャイム鳴っちゃったわね」

唯「ういとあずにゃんは授業あるよね。早く戻った方がいーよ~」

憂「あ、うん。そうだね。戻るよ」

梓「それでは先輩方、失礼しますね」

律「おーう、また放課後なー」

紬「授業頑張ってね、2人とも」



ガチャ バタン


澪「律、あのさ…」

律「あー?」

澪「このパピコ半分こしないか///」


律「スルーするって言ったろ」



澪「」



澪「(普通に半分こして食べようって言っただけなのに…)」ショボン



2年2組
教室!

憂「……」

梓「……」

純「あ、2人ともおかえりー。梓だけじゃなくて憂までどっかいっちゃいやがってー」
「ちょっと寂しかったんだよ~?」

憂「……」

梓「……」


純「あれ」


憂「……梓ちゃん」

梓「………憂」


憂梓「 「 絶対負けないから 」 」ゴゴゴゴゴゴ



純「あれ」



放課後!

梓「こんばんはー」

律「おー、梓。お疲れ」

紬「お疲れ様梓ちゃん。紅茶飲むー?」

梓「あ、頂きます」

澪「」チューチューパピコ


唯「あずにゃんお疲れさま~。ね、りっちゃん。これ面白いねー」

律「んー?どれどれ」


梓「漫画雑誌…?一体何読んでるんですか??」ガタッ(椅子に座る)

唯「少年まがじん~」

梓「…マガジンですか」

律「どうせ楽器だけ触ってるんじゃ暇だろーし、朝来る時買ってきたんだよ」

梓「なるほど…」
「(チャンピオン派としては辛いものがあるな……)」

紬「りっちゃん。私にも後で見せてね」

律「おう。…ってムギ、漫画なんて読むのか?」

紬「むっ、りっちゃんそれはちょっと失礼よ?」

律「なはは、ゴメンゴメン!」


澪「…ふぅ、やっと食べ終わった」
「それにしてもパピコってコストパフォーマンス良すぎるよな」

律「…とっくに溶けてただのジュースになってただろ」


ガチャッ(ドアが開く音


憂「こんにちは~」

梓「(くると思ったよ…、憂ッ!!)」


律「おー、憂ちゃんもお疲れ」

唯「あ、ういおつかれさま~」

憂「お疲れ様です。皆さん」

唯「りっちゃん、このAKBの漫画面白いね~!」
「秋元康って人の顔なんか特に特徴を捉えまくってるよね!!」

律「あぁ、あれか。AKBじゃなかったら単行本買ってもいいくらいの出来かもな」

憂「?…マガジン、ですか?」

梓「(!!…憂、マガジンを読んでいるの…!?」

唯「うん~、りっちゃんが持ってきてくれたの」

澪「マガジンと言えば生徒会役員共だろ」

唯「生徒会役員共…?そんなのあったかなー?」ペラペラ

律「あー、あれ毎回ページ数少ないからな。あたしもたまに飛ばしちゃうよ」

澪「な…っ!?律お前、あれを飛ばすとか…」
「アニメ化もしたし、特に生徒会長の女の子なんか特に…!」

律「いや、ちゃんと読んでるって。単に広告かと思ってミスって飛ばしちゃうだけだ」

澪「もっと悪いっ!!」カッ!!

梓「(マガジンなんかよりチャンピオンの方が面白いのに…!)」

紬「…なんか澪ちゃん必死ね」

憂「(生徒会役員共って…確か結構卑猥な表現が多かったような。)」
「(そんなものをお姉ちゃんに見せるなんて…)」ワナワナ

唯「意味わかんなくて面白くない。次」

憂「…」ホッ

澪「唯キサマァッ!!!!そこに直れ!修正してやる!!」

律「澪ちょっと黙っててくれないか」

………。

憂「お姉ちゃん、これ面白いよ~」

唯「おぉ?どれどれー?」

梓「(!憂め…。こんな所で唯先輩の評価を上げようとしているなんて…卑怯者!)」

唯「…君のいる町…か。ふむふむっ」

律「(…面白いかなぁ、あれ。確かに一部の人には受けそうだけど)」
「(…というか、途中から見てまずわからない展開の連続だと思うんだけど)」


梓「…ちょっと買い物行ってきますね」

唯「ぉお?あずにゃんいってらっしゃーい」

律「しばらくは部室にいるつもりだから。……戻ってくるんだよな?」

梓「はい、そのつもりです。10分以内に帰ってきます」

憂「……いってらっしゃい。梓ちゃん」ニコニコ

梓「……いってきます」ツーン

澪「だからそれよりも生徒会役員共をだな…」

紬「はいはい、後で私が読んであげるから」

澪「ムギはダメだ!!律ならいいけど…」

紬「………なんで?」


律「そいえば急に何を買いに行ったんだろ」

唯「わー、おっぱいでてるよこの漫画」


10分後!


梓「只今戻りました…!」ハァハァ

唯「あずにゃんおかえりー」

憂「……!(まさか)」


律「おー、って何もってるんだ?雑誌?」

梓「はいっ!少年チャンピオンですっ、こっちの方がマガジンなんかより面白いですよ!」

唯「ちゃんぴおんー?」

憂「(梓ちゃんワザワザ別雑誌を買ってくるなんて…!)」
「(お姉ちゃんはまだマガジン読んでる最中だっていうのに…ッ)」ギリッ


澪「チャンピオン(笑)地雷漫画のすくつ(笑)」

律「チャンピオンか。最近読んでねーなぁ、前までは読んでたんだけど」

唯「あずにゃーん、見せて見せてーっ」マガジンポィッ

憂「…!!!」


紬「それにしても、週間漫画雑誌って途中からの漫画ばかりで読みづらくないのかしら」

律「はは、それを言ったら全部そうなっちゃうなー」ハハハッ


梓「唯先輩、みつどもえとかイカ娘なんかがオススメですよ」
「1話完結物のストーリーなので、途中からでもある程度理解できます」

唯「おぉ、ありがとあずにゃーんっ」ペラリペラリ


澪「みつどもえ(笑)唯はモブキャラのまゆげの声(笑)」

律「意味わかんないこと言うのやめろ」


憂「(くっ…チャンピオンは読んだことない…っ)」ギリギリッ

梓「(どうやらついてこれないみたいね……憂!!)」フフリ


唯「よくわからないけどイカ娘はなかなか可愛いね」

律「…唯、さっきから話し読んでないよな。キャラ見てるだけだよな」


数分後!

唯「あ~、面白かった~!」

梓「唯先輩、何か面白いと思える漫画ありましたか?」
「チャンピオンの物ならいくつか揃えているので、単行本お貸しすることもできますよ?」

唯「そーだなぁ…」

憂「お姉ちゃん、漫画借りたらそのまま借りっぱなしになっちゃうから」
「やめておいた方がいいと思うよ?」

唯「あぃたたぁっ…!うい痛い所をつきますな~!」

梓「(う、憂…!唯先輩の劣化コピーのくせにっ…!)」ギリッ

唯「そうだね、あずにゃんにも悪いし、漫画借りるのはやめとくよ~」

憂「…それがいいよお姉ちゃん」ニヤリ

梓「……ッ!!」ギリギリッ


紬「水面下の戦いが繰り広げられているわね」

律「深海に達するくらい低レベルじゃないかこれ」

澪「(…やっぱり浦安は鉄板だな)」ペラリペラリ


帰り道!

律「それじゃ、あたしらはこっちだから。明日も学校へ集合だぞー」

唯「わかっております!りっちゃん隊員っ!」

澪「梓、チャンピオン借りてっていい?」ペラリペラリ


梓「……」


澪「あれ」


律「そんじゃお疲れさーん!」

唯「ばいばーい」

憂「お疲れ様でした、皆さん」

紬「また明日ねー、みんな」


澪「借りてくよ?」

梓「……」

澪「借りてくからな?な?」ペラリペラリ

……。

梓「あの、唯先輩…」

唯「んー?あずにゃんー?みんなもう帰っちゃったよ?」

憂「(…梓ちゃん今度は何を…?)」

梓「その、唯先輩が良ければ、なんですけど…」

唯「あずにゃんー?」


梓「今日、唯先輩の家に泊まりにいってもいいですか…?」

唯「ぉお!?」

憂「(!?)」

梓「ギ、ギター、合わせて練習しませんか…?」

唯「……家で?」

梓「は、はいっ」

憂「ちょ、ちょっと梓ちゃん急にそんなこと…。それに明日も学校あるよ?」

梓「朝早くに帰れば大丈夫だよ。唯先輩、いいですか?」


唯「うん、いいよぉ~。きなよー」


憂「」

梓「(よしッ)」


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最終更新:2010年10月20日 23:15