唯「ってなぁに?」
梓「先輩、知らないんですか?!」
律「プランに沿ってデートするんだよ。相手はその時にならないとわからないってやつ」
唯「へぇ~」
澪「それで何でいきなりそんな話になったんだ、ムギ?」
紬「実はお父様の会社がその番組のスポンサーで、企画をいくつかもってるのよ」
紬「番組が終わっちゃったときに使わなくなったものをもらったみたい」
紬「それで、せっかくだしみんなでやってみないって思って」
唯律澪梓「ええっ?!」
唯「なんかおもしろそう!」
澪「で、デート…。知らない人と…。む、無理…」
紬「大丈夫よ澪ちゃん。軽音部でやるつもりだから」
澪「そ、そうなのか…?」
梓「でも私たち5人ですよ?ペアにしたら半端になっちゃいます」
唯「あ、じゃあ憂を呼んでみるよ!そうすれば6人になるし」
律「いつやるんだ?」
紬「イベントの日程もあるみたいだから今週末になるんだけど、みんな大丈夫?」
梓「大丈夫です」
澪「あぁ、わかった」
紬「お昼に駅に集合でいいかしら?」
律「おっけー!そんじゃまた週末に!」
唯「はーい!」
【平沢家】
憂「えっ、ハニカミプラン?!」
唯「うん!ムギちゃんが企画してくれたみたいでさ」
唯「軽音部だけだと奇数になっちゃうから、憂もどうかなって」
憂「でも、私なんかでいいの?」
唯「その方があずにゃんも喜ぶだろうし」
憂「そっか。じゃあ私も参加してみようかな」
唯「じゃあムギちゃんにそう伝えておくね!」
憂(お姉ちゃんとデート出来るチャンス…!)
【澪の家】
澪「ハニカミプランかぁ…」
澪「何度かテレビで見たことあるけど、あれって見てるこっちも恥ずかしくなるんだよなぁ」
澪「も、もし律とペアになったら、律とあんなことやこんなことを…」
澪「………」ぼっ
澪「…な、なに熱くなってるんだ私は//」
澪「た、たかがデートじゃないか!い、いいい意識する必要なんかなにもないのに////」
澪「は、はははは…!はぁ…」
澪(律と、行きたいなぁ)
【梓の家】
梓「ハニカミプランってことは、デート…なんだよね」
梓「誰とデートするんだろう」
梓「唯先輩…は確かに一緒にいて楽しいけど、デートとなるとちょっとなぁ」
梓「ムギ先輩とはいまいち想像が出来ないなぁ…。あんまり二人でいた機会がないし」
梓「律先輩は…まぁあんな感じか」
梓「憂はいつも一緒だし、普通に遊んでる感じになりそう。デートとは違うかも」
梓「やっぱり澪先輩かな。リードしてくれそうだし!」
梓「話も合いそうだし、デートって感じがしそう」
梓「うん、澪先輩とがいい!」
【当日 駅前】
唯「やっほーみんな!」
律「お、あの唯がめずらしく時間前に来たぞ」
澪「憂ちゃんのおかげだな」
憂「すいません、なんか混ぜてもらっちゃって…」
紬「いいのよ憂ちゃん。その方が楽しいもの」
梓「おはようございます!ってあれ?私が最後ですか?」
律「めずらしく唯が早くに来たからな」
唯「どんなもんですか!」ふんす
梓「憂のおかげじゃないですか…」
紬「みんな揃ったわね」
紬「それじゃ、今からデートの組み合わせを決めましょうか」
澪「どうやって決めるんだ?」
紬「ふふふ…じゃーん!」
唯「おぉっ!そ、それは…」
紬「わりばしでございまーす!」
律「普通じゃん!」
紬「この6本の割りばしの先端に2本ずつ赤・青・黄の色を塗ってあるの」
紬「みんなで一斉に引いて、同じ色だった人が今日のデートのお相手よ」
律「なるほど。引いてみるまで誰だかわからないってことか」
紬「そういうこと♪」
紬「じゃ、このわりばしを筒の中に入れて…」
がしゃがしゃ
紬「はい。じゃあみんな一本ずつ選んで」
憂(お姉ちゃんと、お姉ちゃんと…!)
澪(律…律…)
梓(澪先輩!澪先輩!)
紬(誰でもどんと来いです!)
律(黄色!黄色!)
唯(あ、猫だ!かわい~)
紬「いくわよ…?せーのっ!」
ばっ
・・・・・・
赤:唯・澪
青:紬・憂
黄:律・梓
・・・・・・
唯「あ、赤だ!」
律「よっしゃー!黄色引いたぜーい!」
憂(うぅ、お姉ちゃん…)
梓(がーん!!!澪先輩…)
澪(り、律ぅぅぅ…)ずーん
律「ん?なぁーにしょげてんだよ澪!組みたかった人でもいたのか?」
澪(お前だよバカ律っ!)
紬「それじゃあ唯ちゃん、りっちゃん。ちょっと来てくれる?」
唯「なになにー?」
律「なんだなんだ?」
紬「はいこれ!」
唯「封筒?何に使うの?」
紬「この封筒の中に今日のデートプランが入ってるの。今日一日はそのプランに従って行動してね」
律「じゃあ私これー!」
唯「ん~、私はこれにしようかな」
紬「それじゃ、唯ちゃんとりっちゃんはペアのところに戻っていいわよ」
紬「戻ったら封筒を開けて中身を確認してね」
【唯×澪ペア】
澪(律と組めなかった…)
澪(い、いや!しょげちゃダメだ!)
澪(せっかくの機会なんだし、めいっぱい楽しまなきゃ!)
唯「澪ちゃーん、よろしくね~」
澪「へっ?あ、ああ!よろしくな」
唯「どしたの?元気ないみたいだけど」
澪「な、なんでもない!なんでもないぞ!ところでその封筒はなんだ?」
唯「今日一日のデートプランが入ってるんだって」ばりっ
『夏を満喫デート』
唯「夏を満喫?」
澪「まぁ夏休みだしな。なんだろう、プールとかかな」
唯「なんか楽しそうだね!」
澪「確かにおもしろそうかも」
唯「最初は映画みたい。電車で隣町まで行けって」
澪「何の映画だ?」
唯「わかんない。映画館に着いたら続きを見るようにって書いてあるし」
唯「とりあえず行ってみようよ!」
【律×梓ペア】
律「よろしくな、梓!」
梓「あ、はい(笑)」
律「なんだその反応は!私じゃ不満か!」
梓「そ、そんなことはないですよ!」
梓「ただ、律先輩が私のことエスコートしてくれるのかぁって考えると…ぷっ!」
律「おい中野。それはどういう意味だこんにゃろ!」こちょこちょ
梓「うひゃひゃひゃひゃ…!!!」
律「いつもいつも私をコケにしやがってぇ!」ぐりぐり
梓「や、やめてください先輩…ひひっ!は、早く封筒の中身を出してください!」
律「おっとそうだった、忘れてた。どれどれ」びりっ
『まったり地元デート』
梓「地元デート…」
律「このへんのことなら任せておけ!」
梓「いや、プラン通りに動かなきゃダメですって」
律「あ、そっか」
梓「まったく…」
律「そういや今日近くで夏祭りがあったな」
梓「へぇ、お祭りかぁ…」
律「ちょっと楽しみになってきたんだろ?」にや
梓「そ、そんなことありません!」
律「はーいはい、わかったから今日一日よろしくな!」
梓「むぅ…」
【紬×憂ペア】
紬(まさかの組み合わせだけど楽しみだわ。どんな一日になるのかしら)
紬「よろしくね、憂ちゃん」
憂(紬さんかぁ…。二人きりになるのは初めてかも)
紬「憂ちゃん?」
憂「えっ?あ、はい!よ…よろしくお願いします」
紬「ふふっ、緊張しなくても平気よ?」
憂「す、すいません…」
紬「それじゃあ私たちも封筒を開けましょうか」がさがさ
『遊園地デート』
紬「遊園地よ、憂ちゃん」
紬「私あんまり遊園地って行ったことないから楽しみ♪」
憂「でもここからだとちょっと遠いですね」
紬「そうね。電車を乗り継いで行かないと」
憂「あのっ、今日一日よろしくお願いしますっ」ぺこり
紬「うん、よろしくね♪」
紬「みんな、中身を確認したら各自出発してね」
紬「あ、ハニカミプランなんだからデート中は手を繋がなきゃダメよ?」
紬「それじゃあ解散!」
紬「それじゃあ行きましょうか」すっ
憂「は、はい」ぎゅっ
憂(紬さんの手、すごくきれい…)
唯「行こっ、澪ちゃん」ぎゅっ
澪「ちょ、ちょっと待って唯!」
澪(うぅ、恥ずかしい…)
律「よし、行っくぞー!」ぐいっ
梓「おわっ!」
梓(んもう、乱暴なんだから…)
【唯×澪ペア】
唯「ここから3駅ほど行ったところの映画館みたいだよ」
澪「へぇー、そこの映画館は行ったことないな」
唯「私も初めてなんだ!楽しみだね」
【映画館】
唯「到着ー!」
澪「それで、何の映画を見るんだ?」
唯「んーっと…」
『夏といえばホラー映画!怖さで暑さを吹き飛ばしちゃってください!』
唯「ホラー映画だって!」
澪「そっか!帰る!」すたすた
唯「えぇっ?!」
唯「ちょ、ちょっと待ってよ澪ちゃん!」がしっ
澪「私が怖いの苦手なの知ってるだろ…?無理…怖い」
唯「そ、そうだけど。でもほら見て!何かおもしろそうだよ」
澪「もう本当に勘弁して…。やだやだ帰りたいぃ」
唯「大丈夫!私が隣にいるから」
澪「ほんとに…?」うるうる
唯(おぉ、かわいい…!)
唯「うん!だからそんなこと言わないでさ、いこっ」
澪「うぅ…。わかったよ…」
どーん
澪「ひぃゃあぁああぁぁあぁ!!!」ぎゅうぅっ
唯「おおっ、びっくりした!」
澪「もうやだ見えない聞こえない見えない聞こえない」
ばーん
唯「あっはっはっはっは」
澪「はぅぅ…」ぎゅうぅぅぅ
唯「この映画おもしろいねー」
澪(どうして笑っていられるんだ…)
【律×梓ペア】
律「えーっと、最初のデートコースは…」
律「…ゲーセン?」
梓「本当にまったりですね…」
律「まぁとりあえず行ってみるか」
【ゲーセン】
律「で、着いたはいいが何するんだ?」がさがさ
『ホッケーゲームで熱く戦いましょう!
負けた方は罰ゲームとしてゲームセンターにいる間
語尾に「にゃん」をつけてもらいます!』
律「げっ!」
梓「これは…」
律「随分と殺伐としたプランじゃないか」
梓「語尾に『にゃん』って…」
律「梓はいつも言ってるから慣れっこだろ?」
梓「そ、そんなことはありません!」
律「んまっ、どの道私の勝ちは決まってるようなものだけどな」
梓「むかっ。そんなのやってみなきゃわかんないじゃないですか!」
律「ほう…ならば、挑んでみるか?この百戦錬磨の田井中様に」
梓「やってやるです!」
律「うおおおおおおお!」
梓「だあああああああ!」
――――――
――――
―――
――
…
律「ま、負けた…この私が」
梓「ふっふっふっ、油断しましたね!」
梓「それじゃ、さっそく言ってもらいましょうか!」
律「く、屈辱だ…」
梓「おや?先輩、語尾が聞こえませんけど?」
律「く…くく、屈辱だ…にゃん」
梓「ぶっ!」
律「おいこら中野!笑うんじゃねぇ!」
梓「にゃん」
律「わ、笑わないでほしいにゃん…」
梓「ひひっ、苦しい…。や、やめてくださいよ先輩…!」
律「お前がやらせたんだろうが!にゃん!」
梓「あーっはっはっはっは」
律「うぅぅ…」
梓「も、もういいですよ先輩!これ以上言われるとお腹が…」げらげら
律「だーもー、悔しい!!!」
梓「はぁっ、はぁっ…。そ、それで、次はなんですか?」
律「んと…」
『ゲームセンターの思い出をプリクラに残しましょう!
お互い顔を近づけて鼻と鼻でキスをするプリクラを撮ってください』
律「」
梓「」
律「こんなことするのかよにゃん」
梓「いや、だからもうそれはいいって言ってるじゃないですか…」
律「えぇーい、ここまで来たらヤケだ。やるぞ梓!」
梓「えぇ?!ちょ、ちょっとまだ心の準備が…」
律「ほらほらこっち!」ぐいっ
最終更新:2010年10月23日 21:29