~一休さん~

むかしむかし、ある所に和と言う、とんちで評判の小僧さんがいました。

そんなある日、和の評判を聞き付けた将軍が、城に和を招き入れました。

和「真鍋和です」

?「来ましたね。さぁ、入るがよい」

和「あら、あなたが将軍なのね」

梓「そうなのです。私が将軍なのです!!」

梓「わっはっはー」

和「そう。じゃあ、帰るわね」スタスタ

梓「ま、待って下さい!」

和「あら、まだ何か?」

梓「用があるから呼んだんです!」

和「なら、早くしなさい」メガネ、クイッ

梓(ちっ、後で叩き斬ってやる!)

梓「コホン!えー、これはなんだと思いますか?」

和「そうね……猫の絵が描かれている屏風ね」

梓「うむ。その通り」

梓「実を言うと、夜になると猫がこの屏風から飛び出して来て、悪さをします」

梓「なので、私は猫を懲らしめたいと思うのですが、いつも良い所で逃げられます!」グッ

和(何言ってるのかしらね)

梓「だから!」バンッ

梓「猫を捕まえて欲しい!」

和「はぁ」

梓「もちろん。捕まえたら褒美は出します!」

和(てか、屏風から猫なんて、どう考えても有り得ないけど……)

和(このままだと、帰れそうもないわね)

和「分かりました。その件、引き受けます」

梓「本当ですか!」パアァ

和「えぇ、でもちょっと待ってね」ペロ、クルクル

ポクポクポク、チーン♪

和「そうね。まず、檻を用意してくれるかしら」

梓「檻を持ってくるです!」

和「それで、一晩待ってくれる?」

和「明日には、檻に屏風の猫が捕まっているはずよ」

梓「ま、待ってやるです!」

和(まっ、どう足掻いても屏風から猫なんか出ないんだけどね)


翌日

梓「んでんでんで~ にゃ~んで♪」

バンッ

梓「さぁ、捕まえた猫ちゃんはどこですか~」

和「あら、猫なら屏風にいるわよ」

梓「え~!捕まえたんじゃないですか!?」

和「屏風という名の檻にね」

梓「それじゃダメです!ちゃんと外に出た状態じゃないと」

和「あのね、屏風から猫が出るなんて、常識で考えても有り得ないわ」

梓「とんちで屏風から猫くらい……」

和「私はドラえもんじゃないのよ。そんなの無理ね」

梓「のび太のくせに……」ボソッ

和「のび太でも構わないわ。所詮、私は眼鏡キャラだから」

梓「……」ウルウル

和「じゃあ私、帰るわね」スタスタ

梓「こ……こ……」ウルウル

和「?」

梓「こんなんじゃダメですー!」バタバタ

和「な、何よ急に!」

梓「だって、和先輩のとんちで、屏風の猫ちゃん外に出したかったんだもん!!」ジタバタ

和「無理言わない!とんちは不可能を可能にするものじゃないわ!!」

梓「だって、猫ちゃん飼いたいもん!あずにゃん2号、飼いたいもん!!うわーん!!」バタバタ

和「あー、この娘は!?あんたは我が儘娘か!」

梓「うっさいです!褒美はやらないです!切腹しろです!眼鏡割ってやるです!!」バタバタ

和「目茶苦茶だわ……この国、終わったかも」

梓「私の命令は絶対ですー!さっさと、腹切れぇー!!うわーん!!!!」バタバタ

和「困ったわね……」ペロ、クルクル

ポクポクポク、チーン♪

和「ちょっと待ってなさい!」

しばらくして、

和「ほら、猫よ。これでいいでしょ」

梓「わー!!猫だ、あずにゃん2号だ」パアァ

2号「にゃ、にゃあ?」

梓「わーい、わーい」

和「まるで子供ね……」フー

和(まっ、適当に軒先に居た猫を捕まえただけなんだけど……)

梓「あずにゃん2号、今日から私が飼い主だよ!」

2号「にゃーん」

和「まっ、いっか」

その頃、

純「おーい、何処行ったのー」

純「……」グゥ

純「……お腹空いた」


~~~

ある日、和は同じ小僧の唯と律と一緒に寺の掃除をしていました。すると、近所のおかみさんがやって来ました。

紬「ぼた餅作ったの、みんなで食べてね」ニコッ

唯「わーい」

律「いっただきまーす!」

和「じゃあ、いただく……」

ボキッ

唯&律「かってぇー!!」

和「な、何!?」

唯「か、固いよ、このぼた餅」

律「あー!これ、ぼた餅じゃなくて石じゃん」

和「嘘……あら、ほんとだわ」

律「おいコラ、テメェー!」

唯「ひどいよー」

紬「私、人を騙すのが夢だったの」

ボンッ

唯「あっ、狐だ!」

紬「捕まえてごら~ん」コーンッ

律「な、舐めやがって」グギギ

和「狐に化かされるとは……」

律「とりあえず、奴を捕まえて締め上げる!行くぞ、唯!!」

唯「合点だよ、りっちゃん!」グッ

狐の捜索を始める三人でしたが、狐を見つけることは、出来ませんでした。

律「ちくしょー!何処行った」

和「もう逃げたんじゃない」

律「くそっ!!」

さわ子「ちょっとみんな、大変よ!」

和「あら、和尚様だわ」

律「なんだよ、さわちゃん!」

さわ子「大変よ、本堂の仏像が増えたのよ!」

律「仏像が?」

和「どう言う事かしら?」

さわ子「とにかく、本堂に来て!」

さわ子に言われるがまま、三人は本堂に行きました。
するとそこには、本来なら一体しかない仏像が二体ありました。

和「これはまた……」

唯「私が本堂を掃除した時は一体しかなかったよ」

さわ子「あんた達、何かした?」

律「してないし。つか、狐を追って……」

律「分かった!どっちかは狐が化けてるんだ」

唯「そうなの?」

律「唯が掃除してる時は一体しか仏像はなかったんだろ?」

律「それに、仏像を一人で運ぶのは私達では無理だ。更に言うと、あの仏像と瓜二つの仏像があるのは、絶対に有り得ない!」ビシッ

紬(しまった。この仏像はこの世に一つとない仏像なのね!?)

さわ子「そりゃ、各パーツを中古市で適当に見つけて、適当に組み立てたから、あんな仏像他にはないけど」

和「それに、あの仏像の顔、何回変わった事か」

唯「だって、あれの方が可愛いんだもん」

紬(……いつか仏罰が下るわね)

律「なら話は早い。ぶっ壊してやる!」

和「律、待ちなさい。壊したら、また掃除しなきゃならないのよ」

律「大丈夫だって、頭を吹っ飛ばすだけだから」

唯「そうだよ。頭が壊れて力が出ない~」

さわ子「アンパンマンみたいね」

律「よーし、早速……」

和「待ちなさい!」グイッ

律「ぐへっ!」

和「なるべく穏便に済ませましょう……唯、仏像に尻尾はあるかしら?」

唯「うんとねー、ないよ」

紬(当たり前じゃない。化けるのは天才的なのよ)フンス

和「そう……なら」ペロ、クルクル

ポクポクポク、チーン♪

和「だったら、こうしましょう……集まってくれるかしら?」

ヒソヒソ、ボソボソ

紬(あら、内緒話)

紬(聞こえないわね)

律「なっ///」

唯「えっ///」

和「それでお願いね」

律「いやいや、なんでそうなる!?」

唯「///」

さわ子「面白そうね」

律「面白がるな!」

和「私の言う通りにやれば、必ず上手く行くわ」

律「なんか納得いかないけど……」

和「つべこべ言わず……ほら」

唯「りっちゃん、よろしくね」

律「あ、あぁ」

紬(あら、何か始まるようね)

紬(何かしら)ワクワク

律「唯、前からお前の事が好きだったんだ!」

紬(!!)

唯「でも、りっちゃんには澪ちゃんが///」

律「澪の事はどうでもいいんだよ!あれはただのホルスタインだ」ダキッ

唯「り、りっちゃん///」

律「ほら、身体は正直じゃねぇか」サワサワ

唯「や、やめてよー」

紬(な、なんという展開でしょうか!?)

律「唯、いいだろ!もう我慢出来ない!!」

唯「でも、仏様の前だよ。罰が当たるよ」

律「私達の愛に、仏もクソもあるか!あんなのな、ただの置物なんだよ!!」バンッ

唯「お、押し倒すなんて!!」

律「おっと、もっとソフトが良かったか?」

唯「い、いや!その」

律「じゃあ、行くぜ。私はもう、止まれない」

唯「澪ちゃん、ごめんなさい」ポロポロ

紬「キマシタワー!!」

ボンッ

律「あー、正体見せやがったな!」

紬「正体なんかどうでもいいの!」

紬「やるのね、やるのね!つか、はよやれやデコ!!」

律「何言ってんだ!」ポカッ

紬「はぅ!」

律「よし唯、縛り上げろ!」

唯「おっけー、りっちゃん!」

紬「あぁ、縛りプレイなのね」ハァハァ

律「変な事言うな」

和「成功したみたいね」

さわ子「あんた達、アドリブで良くやるわね。見てるこっちが恥ずかしいわ」

律「いやー、なんとなく」アハハ

唯「もう少しで貞操が///」

律「奪わねぇよ」ポカッ

唯「はぅ!」

さわ子「それにしても、よく思い付いたわね」

和「この狐は『ムギツネ』と言う珍種で、女の子同士の絡みに反応するって、文献で読んだ事があります」

和「と言っても、ムギツネという確証はなく、思い切って博打に出ただけなんだけど」

律「とんちじゃねぇじゃん」

和「律、人間は常に博打をしながら生きてるものよ」

律「そういうもんなのかねぇー」

和「それに、律の本性が垣間見たのには驚きだわ」

律「うっせぇー」

和「まっ、もしダメだったら、普通にぶっ壊してたけどね」

律「だったら、最初から私の案で良かったじゃん。何も唯との絡みを披露しなくても」

和「それはそれ、これはこれ。分かった?」

唯「はーい」

律「なんか上手く丸め込まれたような……」

和「さて、あなたはどうする?」

紬「律×唯」ハァハァ

和「ダメね。後で山に捨てに行きましょう」

紬「百合はええのー」ハァハァ

唯「和ちゃん、お腹空いたー」

和「そうね。もうすぐ夕飯時だから、ご飯にしましょう」

さわ子「あっ、ご飯炊くの忘れてたわ」

律「よーし、今日は外食だー!」

唯「おー!」

和「いいのかしら?」

さわ子「いいのよ、めんどーだし」

和「はぁ」

紬「ご飯はおかず」ハァハァ

こうして、一騒動は終幕した。

澪(私も狐に化かされて、律と××したい!)

澪(あと、ホルスタインって///)サワサワ

憂(お姉ちゃん……)

ちなみに、紬は山に捨てられた。

純「おーい、猫!」

純「もう何日も帰らないとか……」

純「……」グゥ

純「お腹空いた」


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最終更新:2010年10月28日 05:18