律「え?唯ドラクエやったことないのか?」
唯「ドラクエってドラゴンクエストのことだよね?うん。ないよ」
律「お前それ人生の4パーセントぐらい損してるぞ」
唯「だって私ゲームあまりやらないもん」
律「それでも普通ドラクエぐらいプレイしたことあるだろ。梓もプレイ済みだよな?」
梓「9以外はコンプリートですよ」
律「流石は梓。で、梓は何が一番好きなんだ?」
梓「そうですね。一番プレイ時間が多いという点ではモンスターズ1ですが、シナリオ面から言うと5が一番好きです」
律「わかってるな!やはり天空シリーズだよな!特に5なんて感動しまくりだったよ」
梓「唯先輩ドラクエというか、RPGやったことあるんですか?」
唯「私?一回もないよ」
律「よしわかった。唯PS2もってたよな?明日5持っていってやるからプレイしてみろよ」
唯「え……、いいよ別に。たぶんすぐわからなくなっちゃうし」
律「物は試しだろ?大丈夫、わからなくなったら私が教えてやるから」
翌日学校!
律「ほら唯。ドラクエ5」
唯「本当に持ってきたんだ……」
律「唯、お前のことだ。最初の船で詰む可能性大だろう。だから先に言っとく。船では全員に話しかけろ。それで上陸できる」
唯「船?よくわからないけど全員に話しかけたらいいの?」
律「あぁそうだ。とにかく上陸さえしちまえば詰む要素はほぼ0に近いはずだ」
唯「うーん、正直あまり乗り気じゃないけどとにかくやってみるよ……」
自宅!
憂「ただいまー」
唯「おかえりー」
憂「あれ?ゲームしてるの?珍しいね」
唯「うん。りっちゃんに貸してもらったのドラクエ5」
憂「ふーん。面白い?」
唯「ぜんぜん。さっきからずっと船なんだもん」
憂「海戦物なの?」
唯「ドラゴンを倒しに行くって話だよ。たぶん」
憂「そうなんだ。……お姉ちゃんさっきから何をグルグル回ってるの?」
唯「ん?あぁこの宝箱が取れなくて」
憂「鍵かかってるから開けられないの?どっかに鍵があるんじゃないの?」
唯「おお流石憂。じゃあちょっと鍵探しに行くね」
1時間後!
憂「ふう。お風呂の用意も終わったし夕飯の下ごしらえも済んだ。……お姉ちゃん鍵見つけたかな?」
憂「(また宝箱の周り回ってる……)」
唯「駄目だーこれ苦行に近いよ」
憂「お姉ちゃん、いったん宝箱は諦めなよ。普通に話すすめよ?」
唯「それがねえ、ここ以外行くところないんだよ」
憂「そこの部屋以外行ってみなよ。私まだ宝箱の部屋しか見たことないよ」
唯「この部屋を出るとね、こういう風になってるの」
憂「うん。……え?」
唯「え?」
憂「いや、何でそこの部屋に戻るの?他の部屋とかいろんな人に話しかけてみようよ」
30分後!
唯「……」
憂「……」
唯「……」
憂「……そこ、そこの人に話しかけて」
唯「……あぁ、ここにも居たんだ」
ブオーン イカリヲタタメー
憂「あ、何か起こったよ」
唯「本当だ。りっちゃんの言うとおり全員に話しかければよかったんだね」
憂「お姉ちゃんがそれ思い出すのに、1時間半かかることまでは律さん想像できなかったみたいだね」
唯「とりあえず外出てみるよ」
憂「うん」
タララララララララーータッター
唯「うひゃあ」
憂「スライムが出てきたね」
唯「かわいいねぇ憂みたい」
憂「褒めてるのかな?」
唯「もちろんだよ。…戦う押せばいいのかな?」
憂「いいんじゃないかな」
唯「うわっ強!1対3は卑怯だよ」
憂「逃げる押してみれば?」
唯「回り込まれた!足で潰して逃げればいいのに」
憂「あ、お父さんが助けに来てくれたね」
唯「お父さんめちゃめちゃ強いね」
憂「うん。一回で二回攻撃してる」
唯「それにしても上のHPとMPって何だろう」
憂「攻撃を受けたときに減ってるからHPは体力ってことじゃないかな」
唯「じゃあMPは?」
憂「うーん……アーマーゲージ?」
唯「憂?」
憂「ごめん。忘れて……」
唯「町についたはいいけど、また何をするかわからない状態になっちゃったよ」
憂「とりあえずいろいろ探索してみようよ」
唯「そうだね」
1時間後!
憂「まさか川の向こうに洞窟があるなんてね」
唯「…うん。気づくのにずいぶんかかっちゃったね」
憂「もう10時だよ…おねえちゃんご飯どうしようか」
唯「これやりながら一緒に食べよ」
憂「じゃあ持ってくるね。あ、カレーだから」
唯「……」ピッ ピッ
憂「(聞いてない……)」
憂「ハムハムあ、宝箱あるよ」
唯「ふぇ、ふぉこ?パクッ」
憂「ゴクゴクそこ、左側」
唯「やくそうかぁパク」
憂「パクパク序盤だし仕方ないよ」
唯「ところでやくそうってどういうアイテム?」
憂「病気が治るんじゃないの?異常状態とか」
唯「たとえば?」
憂「例えばって、うーん。……骨折とか内臓系の病気とか?」
唯「……そんなリアルなゲームやりたい?」
憂「冷静に返さないでよ…」
1時間後!
唯「すごい!メラつよい!」
憂「あ、MP減ってる!お姉ちゃんMPはメラの回数だよ!メラポイント!」
唯「ごめん…さっきホイミ使った時も減ってた…」
憂「あ、そうなんだ……」
2時間後!
唯「うーボスが強すぎて倒せないよ」
憂「確かに凄まじい強さだね。歯が立ってないよ」
唯「レベルが足りないのかなぁ」
憂「今14レベルだね」
唯「鬼のようにレベル上げしたからね。りっちゃんにメールしてみるよ」メルメル
唯「あ、返信きた」
律『お前武具装備してないだろ』
唯「?」
憂「律さんなんて?」
唯「武具装備してないだろって」
憂「武具って?」
唯「さぁ?」
憂「あ、武器のことだよ!」
唯「え?いや、それはわかってるけど」
憂「……」
唯「町に戻ったはいいけど、りっちゃんの言う武器屋と防具屋がないんだけど」
憂「夜だからお店の人とか寝てるんだよ。一回昼間にしてみようよ」
唯「おぉなるほど。そういえば私達夜の街しか見てなかったね」
憂「あ、あれだよたぶん。そこの店みたいなの」
唯「あーこれかぁ普通にスルーしてたよね」
憂「武器見てみようよ武器!」
唯「ノリノリだね憂!私もちょっと面白くなってきたところだよ」
憂「……お金いっぱいあるね」
唯「今レベル15だからね。いっぱい倒したよ」
憂「そのブーメランといばらの鞭でいいんじゃないかな?攻撃力すごい上がるし」
唯「じゃあ防具も適当に一番高いやつで」
憂「早くモンスターと戦ってみようよ、外出てみようよ。早く」
唯「ノリノリだね。憂」
唯「つよ!ブーメランつよいよ!一度に全員攻撃してるよ!?」
憂「いばらの鞭も大概だよ!さっきまでの私達ってなんだったんだろうね」
唯「レベル上げだって思えば大丈夫だよ!お金もまだあるし」
憂「……あれ?いばらの鞭って全員に攻撃するってわけじゃないんだ」
唯「え?あ、本当だ。固まってる敵をまとめて攻撃するんだね」
憂「スライム1 スライム3とかだとちょっとイラッてしちゃうね」
唯「なんだか仲間はずれみたいだよね。魔物の世界にもいじめってあるんだ」
憂「今2時だよお姉ちゃん」
唯「とりあえずおやぶんゴーストだけ倒そうよ」
憂「そうだねキリがいいからね」
唯「うん。キリがいいから」
5時間後!
唯「うっうっ…グスッ」
憂「ヒグッグスッ…」
唯、憂「……お父さんグスッ」
学校!朝9時!
さわちゃん「平沢さんは風邪のためお休みです」
澪「唯のやつ風邪かぁ律どうする?お見舞い行くか?」
律「ん?あぁいらないと思うぞ?」
憂「お姉ちゃん……流石に私眠くなってきたかなぁ…」
唯「奇遇だね憂…そろそろ私も限界だったよ……」
憂「いったん休憩しようよ。もう11時だよ?」
唯「じゃあ寝ようか。ソファでいいや」
憂「おねえちゃん。ちょっと詰めてくれる?」
唯「一緒に寝る?」
憂「うん。部屋まで戻るのちょっとしんどいや」
唯「いいよおいで」
6時間後!
ピッピッ
憂「ん……。ハッ!」
唯「……」ピッピッ
憂「ちょっと!ちょっと!!」
唯「あ、おはよ」
憂「お姉ちゃん独りで先に進めないでよ!私も起こしてよ!」
唯「え?あ、ごめん。えと…気持ちよさそうに寝てたから?」
憂「絶対うそでしょ!ただやりたかっただけでしょ!」
唯「まぁまぁ。まだ奴隷から開放されたばっかりだから」
憂「なにその奴隷って!前提からわからないよ!お願いだから詳しく説明してよ!」
唯「オラクルベリーについたよ」
憂「カジノがあるね」
唯「今どれくらいお金持ってたっけ」
憂「1000ちょっとだね。カジノの前に探索しようよ」
10分後!
唯「……」
憂「所持金0になったね…」
憂「お姉ちゃんもう諦めよ?」
唯「うぅ…うぅ…グリンガムの鞭…」
憂「序盤から強い武器手に入れたら徐々に攻撃力上がる楽しみがなくなっちゃうと思うの。だからね」
唯「あ、セーブ!セーブ繰り返せば!」
憂「聞いてよ!」
唯「馬車買ったはいいけど、どうやってモンスター仲間にするんだろ?」
憂「さっき言ってた通り戦って倒せばいいんじゃないの?」
唯「じゃあとりあえずスライム仲間にしてみよっか」
憂「一回で仲間になった…」
唯「随分人懐っこい性格なんだねぇ。ういやつめ」
憂「え?」
唯「え?」
唯「ちょっと…」
憂「うん」
唯「この人通してくれないんだけど…」
憂「ヘンリー王子だって気づいてないのかな?ヘンリーも何か言ってくれればいいのに」
唯「黙っちゃってるよ…勘弁してよ。また2時間コースだよ…」
憂「他にいけるところは行ったよね」
唯「うんアルカパとサンタローズ行ったけど特に何もなかったよね」
憂「もう一回行ってみない?」
唯「どこに?」
憂「アルパカ」
唯「ぶふっ」
憂「……」
2時間後!
唯「またこの洞窟だよ!また気づくのに2時間かけさせられたよ!」
憂「いい加減学習しないと駄目だね私達」
唯「そういえば少年時代にお父さんよく小船使ってたよね」
憂「あ、そういえばそうだね。あれ一応伏線だったんだねぇ」
唯「私達やくそうの存在理由に気づかなくて何回も死んでたから、何往復もしてたよね」
憂「お姉ちゃん基本的に道具とかステータス確認しないから…」
唯「私のせいにしちゃうんだ」
憂「だってお姉ちゃんがコントローラ持ってるから…」
唯「じゃあいいよ憂こっから交代交代でプレイしてこうよ。そうすれば公平だよ」
憂「いいよ別に。私は確認するタイプだし意外にゲーム知ってるよ?」
唯「やくそうの効果なんだっけ?」
憂「HPを30ぐらい回復でしょ?」
唯「骨折を直すんでしょ?」
憂「やめてよ!」
10分後!
唯「うぅ…悔しいけど合理的なMAPの進め方…」
憂「ふふん♪」
唯「アイテムを取り逃すことなく体力管理もばっちり…」
憂「ふふふん♪」
唯「あ、メタルスライムだ!」
憂「ほんとだ!集中攻撃!逃げないで逃げないで…」
ザザザザッ
唯「……」
憂「……」
唯「う~い~?ニヤニヤ」
憂「今のは仕方ないよ…だって…逃げるように設定されて…」
唯「でも私倒したよねぇ?さっき」
憂「それは…た、たまたまで」
唯「う~い~?」
憂「もう!いいじゃない!レベルも高いんだし別に無理して倒さなくても!可哀想だよ!」
唯「初めて倒したときの経験値に興奮してたの誰だっけ?」
憂「わ、わたしだけど…」
唯「やったーーすごいすごい!お姉ちゃん経験値1000だよ!?すごいスライム何匹分!?」
憂「やめてよ!」
唯「はい渡して」
憂「え?」
唯「えじゃないよ。コントローラー渡して?」
憂「なんで!?私まだ10分ぐらいしかプレイしてないよ!?」
唯「1ミスしたじゃん。だから交代」
憂「先に言ってよ!それだったら今までのお姉ちゃんのミス250回分ぐらいあるよ!あと249回私だよ!」
唯「記憶にございませーんノーカンノーカン」
憂「うううぅぅ!いいよ!1ミスで交代だからね!」
最終更新:2010年10月28日 23:18