五人で遠出した帰りの電車内
「歌詞の書き方を教えて下さい」
と言った梓は、私の隣に座った
だけど30分もしないうちに
「くー…」
寝息を立て始めていた
「暇だなぁ」
どうやら他の三人も眠ってしまったらしく、車内に一人取り残されたような気分になる
梓は窓に頭を預けるようにして寝息を立てていた
少し視線を下げる
梓のスカートからは贅肉の無い彼女の両脚が覗いていた
(細いなぁ)
自分の脚と見較べてみる
(ちょっと太ったからなぁ…)
もう一度梓の両脚に目を戻す
(触っちゃいたくなるような脚だなぁ)
しばし迷ったあと、行動に移した
(ちょっと撫でるだけ)
左手で軽く撫でる
「んー…」
払われてしまった
そうなると余計に悪戯心が芽生えてしまうのが人情というものだろう
(リベンジ!)
もう一度左手で撫でる
今度は払われなかった
(スベスベだ…)
自分と一つしか違わないのに、その肌は自分のものより滑らかに感じられた
(隣の芝は青い、ってヤツかな?)
10分ほど右脚の太腿を撫でていると、いきなり左手首を掴まれた
「悪戯が過ぎます…」
目を閉じたままの梓に叱られた
「ご、ごめん…」
こちらを見ようともしない梓
(怒らせちゃった…)
しかし梓は意外な行動に出た
掴んでいた私の手首をおもむろに離す
支えを失った左手は、再び梓の右脚の上に乗る
(え?)
無言で目を閉じたままの梓
意図が解らず身動きの取れない私
すると梓は私の左手に自分の右手を重ね、ゆっくりと上下に動かし始めた
(え?えぇ!?)
梓の右足太腿もさすらされる(おかしな言い方だけど)私
自分の悪戯心に後悔しながら、梓の寝顔(?)を見つめ続ける
5分ほど経ったころ、梓の身体が火照ってくるのがわかった
そして自分の身体も…
私は梓の右手を払いのけると、今度は自分の意志で左手を動かし始めた
それは自分の中で何かが壊れた瞬間だった
梓が開いていた右手を軽く握るった
それを見た私の頭から、理性というものが滑り落ちてしまった
左手をスカートの中へと滑り込ませる
梓が軽く身じろぎした
左手は何かに導かれるように、下着越しに梓のその部分に触れた
(湿ってる…んだよね、コレ?)
自慰すらしたことの無い私は、それが汗なのか、あるいは女性特有の分泌液なのかを知るすべは無かった
いや、正確には一つだけ知っていた
中指の背中で下着の股関部分を軽く持ち上げ、そのまま指を忍び込ませる
「ん…」
梓が愛らしい声を上げる
しかしすぐに咳払いで誤魔化した
(喘ぎ声?)
軽く指を動かす
「んん…」
再び漏れた声を誤魔化すために、今度は右手の甲を口元にあてがった
人差し指を軽く噛み、声が漏れるのを耐えている
その仕草を見た私は、胸の奥に甘酸っぱいような感覚が広がっていくのを感じた
(梓…)
左手を反転させ、今度は指の腹で梓のその部分を撫でる
「…」
声は漏れなかったけど、僅かに身体を捻った行為でハッキリと分かった
(感じてる…)
無粋なことだとは知りつつも、念のために梓の耳元で囁いた
「気持ち…いいのか?」
コクリと頷く梓
「えっと…ここからどうすればいい?」
馬鹿なことを聞いているな、と少し自嘲した
「中には…入れないで下さい…」
「あ、うん。わかった。えと…このまま続ければいいのか?」
再びコクリと頷く
許可を得た(?)私は、再び撫で始めた
左手が往復するたびに梓は身体をよじらせる
「もう少し早くした方がいい?」
また耳元で囁く私
三度目の頷き
さっきよりテンポ20ほど早く左手を動かす
撫で続けながら、自分のものも熱くなるのが分かった
「ハッ…ハァ…」
懸命に声が漏れるのを堪える梓
しかし吐息だけは防げないようだ
そして再び左手首を掴まれた
(やりすぎたかな?)
しかし梓の返答は違った
「声…出ちゃいます…」
「あ、うん…」
湿った瞳で私を見る
「もう止めよっか」
確認するように言うと、梓は首を横に振った
「お手洗い…行きませんか?」
「え?」
返答に困る私
「行きましょ、お手洗い」
同じ内容の言葉わ前後入れ替えて繰り返す
そうして一人でトイレのある車両へと歩きだした
まるで綱でも付けられているように、梓のあとに続く私
トイレの扉に手をかけた梓が湿ったままの瞳で見つめる
(一緒に入るの?)
目で問いかける
そして4度目の頷き…
先に私が入り、あと続いた梓がドアをロックする
そして再び私を見つめる
(どうしよう…)
ここまで来る間に僅かながら冷静さを取り戻した私は、自分の軽率さを呪った
そんな私の感情を読み取ったかのように梓は私の左手を手に取り、先ほどまで自分に触れていた部分を口に含んだ
梓の小さな舌が左手の指先を這う
その間も梓の瞳は私を見つめ続けていた
再び先ほどの甘酸っぱいものが胸の奥を突く
左手を振りほどくと梓の頭にあてがい、強引に抱き寄せる
梓は糸の切れた人形のように、私へ向かった倒れこんだ
「して…欲しいの?」
5度目の頷き
しかし今度は
「はい…」
という小さな声を伴っていた
「下着…汚れちゃわないかな?」
「知りません」
拗ねたような、それでいて無知な私をからかうような声
私は腰を屈め、梓の下着を脱がせた
何とも形容し難い独特な匂いがトイレの中に広がる
立ち上がると再び梓を抱きしめ、今度は少し乱暴にその部分を刺激した
「ん…んん…」
先ほどよりずっと大きな声
それは明確に、女の声だった
私の腕にしがみつきながら快楽に身を任せる梓
その姿を見ながら、何故か涙が滲んでくる
(梓…)
心の中で呟くと、梓の反応はより艶めかしいものとなった
指先に愛情が乗り移ったような気がした
梓の分泌液で指先がふやけてしまった頃、彼女の反応はより荒々しいものに変わった
もはや羞恥心も自尊心も無く、ただただ絶頂を迎え入れようとしていた
(梓…梓…)
梓の反応とユニゾンするかのように、私は心の中で名前を呼び続けた
「澪先輩…先輩っ!」
囁くように叫ぶと、腕の中の小さな身体が仰け反った
両脚は閉じられ、腕は私の両袖を掴んでいる
全身を貫く何物かに身を委ねるように目を閉じたあと、ゆっくりと呼吸を整える
再び目を開けると、悪戯っぽい表情で私を見つめる
小悪魔という言葉が実体化し、目の前にいるような気がした
「イっちゃいました…」
(う、うん…)
「自分でするよりずっと気持ちいいです」
「そう…なんだ…」
「澪先輩」
小悪魔が小悪魔らしい表情で言葉を紡ぐ
「交代です」
「えっ!?」
「いや、私はいいよ、えっと、その、汗かいてるし」
しどろもどろで答える
しかし
「シャワー浴びたあとなら良いんですか?」
小悪魔には通用しない
「だって、その、自分でも触ったことないし…」
意味不明な告白の語尾はフェードアウトしていった
しかしその言葉は小悪魔を中悪魔に進化させた
「じゃあ私が…最初に触ってあげます」
「え、ちょっと…」
梓がいきなり背伸びし、無防備な私の唇を奪った
「これもファーストキスになるのかな?」
問いかけられても返答などできるハズも無い
梓の両手がジーンズの上から私の両脚をさすり始める
(…………………)
考えているのかいないのかを考えながら、私は身じろぎすら出来ずにいた
「エッチなコトに興味無いんですか?」
「そういうわけじゃないけど…」
「怖いですか?」
「怖い、より恥ずかしい、かな…」
何故か真面目に答える私
「じゃあ目を閉じて下さい」
「え…でも…」
「早く閉じて下さい」
叱るような口調で言われる
そしてそれに従ってしまう自分…
泣きたいような感情の中、再び唇を奪われた
そのまま唇の位置をずらし、今度は左耳にキス
左半身に鳥肌が立つ
そして唇は這うように位置を下げ、顎から首筋へ…
膝の力が抜けていく
だけどそれを悟られないよう、懸命に脚に力を込める
首筋に舌を這わせたまま、左手で私の左胸を包む
「おっきいです…」
少し悔しいそうに言う
だけどそれをからかう余裕はすで無かった
左胸から少しずつ快楽が広まっていく
声を漏らすまいと、左手の甲を口元にあてがう
それは10数分前の梓の行動と同じだった
だけど意味合いは全く違う
梓は周囲に悟られないため…
私は梓に悟られないため…
「手、入れちゃいますね」
それは質問ではなく、ただの確認だった
梓の手がお腹に肌に触れる
そして抵抗する間もなく、膨らみへ向けて昇ってくる
「触っちゃいますよ?」
今度は少し遠慮がちに言う
このときハッキリと拒絶しておけば、私は踏み留まれたのかもしれない
でも
コクリ…
最初の頷きで梓に答えていた
拙い動きでブラをずらし、梓が突起部分に触れた
「あ…」
耐えるのはもう不可能だった
梓の動きに合わせるように、口からは今までに出したことの無い声が漏れる
「や…ん…」
「嫌なんですか?」
右手で左耳を弄びながら梓が言う
「え…えっと…」
「止めて欲しいんですか?」
もはや主従関係など決まってしまったかのような口調で、梓が言葉を続ける
羞恥心と好奇心の狭間で揺れながら、私は何も言わずに目を閉じた
「澪先輩、いい子いい子」
そう言いながら右手で頭を撫でられる
そして両手で私のシャツの裾を掴むと一気にたくし上げた
「いや、ちょっと…」
抗議の声も虚しく、ブラのフロントホックが外される
慌てて両手で隠す私
「シャツ、持ってて下さい」
「え?」
「それとも脱いじゃいますか?」
選択肢が2つしかないことを断言するかのように、梓が問う
「…」
「どっちが良いですか?」
「寒いから…脱ぎたくない…」
子供のような事を口にする私を見て、梓が笑いかける
「じゃあ、シャツの裾持ってて下さい。落ちてこないように」
「わかった…」
再び露わになる乳房
恥ずかしさから逃れるため、私はただ目を閉じた
「んん…」
いくら目を閉じていても、両方の乳首をつままれているのは分かる
そして自分が感じていることも…
「だめ…梓…」
しかし梓の動きは止まらない
今度は右手を動かしたまま、左手を私の背中へと回した
(何…?)
自問するのも束の間、左の乳首に柔らかくて湿った、そして温かいものが触れた
「んん!」
小さく叫んでしまった自分を恥じながら、しかし梓の舌の動きに抗うことはできなかった
「ん…はぁ…」
涙声になる私
「澪先輩」
舌を止めた梓が上目遣いで言う
「私、Sみたいです」
(………)
笑顔でそう宣言すると、再び舌を這わせる
今度は右の胸に…
最終更新:2010年10月30日 02:11