「澪先輩、お酒呑んだことありますか?」
先に髪を乾かし終えた私がソファーでくつろいでいると、梓が訊ねてきた
「正月のお屠蘇くらいかな。お猪口3杯までは平気だった」
「4杯目は?」
「半分呑んで真っ赤になった。梓は?」
「父親からビールを分けて貰ってます。たまにですけど」
「呑むの?」
「澪先輩と呑みたいです」
なかなか可愛らしいことを言う
「呑むのともっと気持ちよくなるみたいだから」
苦笑して前言を撤回する
もちろん頭の中でのことだけど
「でもビールの買い置きが無くて…ウィスキーならあるんですけど」
「私たちには早過ぎないか?」
「思い切り薄めちゃえば大丈夫ですよ!」
何故か自信たっぷりに言う
「そうだね」
後輩に対する意地なのか、乗り気を装う
「その代わりいつダウンしても良いように、梓の部屋で呑もう」
「ですね」
私がウィスキーボトルと水の入ったペットボトル、それにおつまみを持ち、梓は氷と普通のグラス2つ(どれがウィスキー用か分からなかったから)を持ちながら梓の部屋へと移動した
ウィスキー1に対して水5と大量の氷を投入してみたけど、相手はやっぱりウィスキーだった
真面目に音楽の話をしていたけど、一時間も経たないうちに2人とも呂律が回らなくなっていた
でも不思議と頭は冴えていて、冷静に自分を眺める余裕もあった
「だから唯先輩はダメなんれす!」
顔を真っ赤に染めた梓がくだを巻いている
その梓の後ろはギターが立てかけられていた
私はほとんど無意識に立ち上がるとギターからシールドを抜き取る
「何してるんすかぁ?」
真っ赤な目と顔を私に向ける
「梓、手を出して」
「へ?」
「ほーら早く」
素直に両手を差し出す梓
私はシールドでその細い両手首を縛った
「へ?へ?」
頭が回らない梓を見ながら、笑みが込み上げてくる
長めのシールドをもう1本持ってくる
梓をベッドに押し倒す
長めのシールドでベッドの頭部分に弓状に張られた木材と、梓の両手首を固定する
状況に頭が着いていかない様子の梓は、この間も無抵抗だった
「あずにゃん3号!何やってんれすか!?」
ようやく状況を悟り暴れ出す梓
でも両手首を固定されているので逃げることはできない
パジャマのボタンを外すと、2つの小さな膨らみが露わになる
その真ん中の突起を少し強めにつねる
「ん!いや!」
悔しさからか、涙ぐむ梓
(可愛い…)
今までで一番強くそう思った
右の乳首に吸い尽くと梓が甘い吐息を漏らす
舌で乳首を転がしながらもう片方の乳首を指で弄ぶ
吐息はどんどん湿り気を帯び、喜悦の声がそれに加わる
「澪先輩、イヤ…」
それが精一杯の強がりだということはよく分かっていた
パジャマをはだけ、腋に舌を這わせる
「ゃ…ん…」
「ここも気持ち良かったんだ」
耳元で囁いてやる
唇を噛み締め必死で理性を保とうとしている
もう一度腋を舐める
「んん!ダメぇ…」
声とは裏腹に、身体からはどんどん力が抜けていく
涙を拭うこともできずに身悶える小さな身体
その身体からパジャマのズボンと下着を剥ぎ取った
最初は固く脚を閉じていたけど、腋から胸のラインに数回舌を這わせると脚からも力が失われた
大きく脚を開いてやる
もう抵抗は感じなかった
梓の顔を見る
まだ触れてもいないのに、すでに小さく喘いでいた
「どうして欲しい?」
梓に問いかける
「止めて…欲しいです…」
「どうして?」
「壊れちゃいます…」
右の太腿に軽く口づける
「壊れても良いんだよ?」
先輩らしい口調で言い終えると、もう充分に湿り気を帯びたそこへ口を寄せた
「ぁん!ん…いゃぁ!」
梓自身を愛でるかのように、私はその部分を責め続けた
舌で弄び、唇で甘く噛み、口全体で音を立てて吸いあげた
梓は何度も絶頂を迎える
そして哀願し始める
「もっと…澪先輩…もっとして下さい」
その言葉に少しの充足感を覚えた私は責めるの止めた
不満げな梓にキスをし、囁く
「入れるよ?」
それは質問ではなく確認だった
あの日の梓がそうだったように
「いや!それはいやです!」
「どうして?」
「…怖いです」
目を逸らしながら呟く
もう一度キス
そして左手の中指を梓の口内に差し入れる
充分に湿ったところでまだ開かれたままの下半身へと移動させた
「梓は誰のもの?」
今度は私の番だった
「…澪先輩です」
「全部?」
「…全部…です」
「何してもいいの?」
「………」
「梓?」
「痛くしないで下さい…」
右手で頭を撫でてやる
そして左手の中指を梓の中へと滑りこませた
狭くなっている部分をこじ開けるように、中指を奥へと進ませてゆく
「痛っ!澪先輩!」
「大丈夫、すぐに気持ちよくなるから」
自分なりに励ましてやる
「私もそうだったから」
中指が一番奥の壁に当たると、梓はもう一度
「痛い!」
と声をあげた
でもそれが最後の一回だった
自分の感覚を重ね合わせてみる
涙を浮かべながら喜悦の声をあげる梓を見て、少し羨ましくなる
(あとで…ね)
自分を納得させながら指を動かし続けていると、梓の声がだんだん澄んでいくのがわかった
(梓…)
愛おしくなり、右手で抱きしめる
「ずっと私のものだよ」
コクリ
その言葉に梓が頷いた
「澪先輩…澪先輩!」
梓が私を求める
「梓」
優しく応える
「澪先輩…大好きです…ん…大好きです!」
「私もだよ、梓」
「イ…く…澪先輩!」
言葉を返す代わりに指先を感情を込めた
ベースを弾くときなのように
「あぁ!」
叫び声に合わせて指が締め付けられる
小さな身体が痙攣し始める
そして声をあげて泣き始めた
「梓」
もう一度囁く
あまりにも幸せそうに泣いていたから
「澪…先輩」
「どうしたの?」
「キス…」
今までで一番優しくキスをした
シールドをほどき両手を解放してやる
口に水を含むと、口移しで梓に飲ませてやる
ごくごくと小さな音を立てて梓の喉が動く
静かな時間
時計の針は1時半を示そうとしていた
でもまだ私の身体は火照っていて、梓を求めている
梓に背を向けたまま服を脱ぎ捨てる
「梓」
向き直り、悪戯っぽく呼びかける
「くー…」
「………」
拗ねた声で呟く
「梓寝ちゃった…」
そしてもう一度
今度は笑いながら
「また私より先に」
梓の寝息を聞きながら
おわり
最終更新:2010年10月30日 02:15